エリア・グリーム共通①
私の選んだエリアは“グリーム”だ。
辺りは木が沢山生い茂っており、一言で言えば森。
?【……ふざけるな!】
なんだかこの先にある泉のほうから言い争う声が聞こえた。
アリス【なんだろうね?】
私達は喧嘩を見に行くことにした。
身なりの良い薄紫髪の青年と、半ズボンの赤毛の少年が言い争っている。
少年【この道は僕が先に通ろうとしていたんだ!】
青年【……はあ】
少年の主張にあきれ声の青年。
アリス【どこの誰か知らないが、喧嘩はやめないか】
アリスさんが二人の間に入り、争いを勇めようとしている。
少年【なんだよアンタには関係ないだろ】
少年はいきなり現れた彼に、喧嘩腰だ。
アリス【いや、俺達もどの道そこを通る予定だったわけだから、こんな狭い所で争われても困るんだよ】
私は三人の視線に、こくりとうなずく。
青年【……貴方々もこの先のグリーム城に用が?】
この先には城があるようだ。
アリス【まあ、ないこともないかな?】
アメリ【え……】
私にふられても困る。まずは行ってみないとわからないのだから。
少年【なんで疑問系なんだよ】
青年【このさい、全員で一気に通れば良いのでは?】
少年【馬や人が一人から一頭通れるだけの入り口なのに?】
アリス【面倒くさいなあ。このさいジャンケーンできめよう】
なぜこんな争いがおきているか、よく入り口を見てみると、木で遮られて一人ずつしか通れないギリギリ具合だった。
少年は頑なに譲らないし、青年も良い提案を出したようで解決にはなってない。双方先を譲ろうとはしない。
なにかいい方法はないだろうか。
アメリ【……あ】
そうだ木が邪魔ならどければいいんだ。
手では取れそうにないし、怪我をするので足で道を遮る枝をしならせて道を開けた。
幸い葉と細い枝が重なっていただけで、通れる穴があいた。
アメリ【これで通れますよ】
少年【……まあ、助かったよ】
青年【感謝します】
二人のあとから私たちもグリームに入る。