1-1 悲しみは後からやってくる。
「コペルニクスデッテイウ…コペルニクスデッテイウ…」
いかにも儀式を行っていそうな薄暗い部屋の中心。
いかにも儀式を行っていそうな黒いマントを被った者達が炎を囲み呪文を唱えている。
「ミドリトイッタラデッテイウ…オトウトジャナイデッテイウ…!!」
これ大丈夫なのかという呪文が実は20時間交代で続けられていて、実は儀式はもう終盤。
こんなしょうもない描写を書き続けていたら、確実に掴みに失敗するため察してほしい。
「んいいいいいいいい!!姫!!今です、召喚をんいいいいいいいい!!」
脂汗びっしりのおっさんから何とも気持ち悪いバトンを受け取り、姫と呼ばれた女性が炎の前に出る。
女性は聞き取れない程の小声で何かを呟きながら、よくわからないヤモリのような小さい生物を炎に投げ捨てる。
なお、死体は後でマントを被ったおじさんが美味しく頂いた。
「ニンテンドー!!ニンテンドー!!アカイアカイ!!ミドリジャナイアカイノ!!
いでよ!!勇者!!!」
20時間続けた儀式の最後がそれかよ!と、周りの黒マント全員が脂汗びっしりで内心ツッコミを入れた時である。
炎が消えた代わりに凄まじい光が部屋の中心に現れる。
「おおおおおおお、成功だ!!!!」
「いやっほおおおおおおおおおおお!!」
部屋の中のおっさん達が大声ではしゃぎ出す。
しかし、姫と呼ばれた女性はいたって冷静
「まだ成功かわかりません。落ち着きなさい」
「いやあああああああああ、田舎の奴ら見とけやああああやったぞおおおお!!」
「明日は満塁ホームランじゃああああああああああああああああ!!」
「姫、胴上げですぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「まだ成功かわかんないって言ってるでしょうが!!!」
姫が大声で言うも、すでにおっさん達は歓喜乱舞。
またまた~と姫に馴れ馴れしくツッコミを入れ返すほどの浮き具合であった。
そんなおっさん達と姫に囲まれた光が徐々に人の形になり、同時に明るさも消えていく。
「ライト」
おっさん達がそう呟くと、呟いた全員の手のひらに光の球体が現れ部屋から暗闇が消える。
そして、部屋の中心には光の代わりに少年が立っていた。
「???」
少年はTシャツ、ジーパンと普通の格好であり、何が起きてるかわからずきょろきょろするだけであった。
その少年に姫と呼ばれた女性は一歩踏み出し、少年の目を見続ける。
少年も女性が余りにも綺麗であり可愛くあり、こんな人いるんだなとぼっーとしていた。
1分ほど見つめ合いが続き、女性が少年に対し口を開く。
「すいません…間違えたので帰ってもらえますか…?」
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
おっさん達が叫びながら倒れた。
20時間、飲まず食わず続けた儀式が失敗とわかったからだ。
中には脱糞しながら倒れた者もいた。
少年は思った。
ここは地獄なのだろうと。
おっさん頑張ろう