12/18
12.う
●
合計して五発目。銃声が響いた。
今度は背後から少女の胸を抜け、がく、っと膝が崩れかけた。
しゃらり、と腕の銀輪が揺れる。
撃ったのは、リーダーの覆面男だ。
男は銃を向けたまま、
「どういう手品か知らないが、気持ち悪いんだよお前。黙って聞いてりゃぺらぺらぺらぺら意味の分からんことくっちゃべって。死ねよ、死ね。とりあえず死んどけ」
さらに一発、もう一発と、話しながらも男は引き金を引く。銃弾が少女の痩身を貫くたびに、少女の身体は衝撃に揺れる。
腕の銀輪が震え鳴く。
六発目。装填される最後の一発。それが少女の身体を抜けて、少女がとうとう床に崩れ落ちるのを前に男は床に言葉を吐き捨てた。
「化け物が」
「そうですね」
●




