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最後かもしれない

作者: 小田虹里

若年性パーキンソン病の年取った父と、憧れの地へ行ってきました。


その思い出を、詩にしてみました。

いつか共に見たいと思った景色。

思い描いたより、それは高く。

歩くにはツルツルで、杖を持つ父には不向きだった。


それでも中を見たいと、杖をついて一歩一歩登る。

ふらつきながら、一歩一歩登る。


ここは、偉大なるクフ王ピラミッド。


中は狭く、明かりはたまにあるランプのみ。

杖つく父は、フラフラと。

現地ガイドに止められて、途中で引き返すことに。


それでも、中に入ったことには変わりない。

僕が小さかった頃から父はこの地に思いを馳せていた。

ようやく生で見たエジプトは、どう映ったのだろう。


写真に映る父の顔は、まるで子どものようだった。

それがきっと、答えだ。


ピラミッドに触れる父の手。

その感動は計り知れない。


亡き母が使っていたスカーフを巻いた父。

僕は仏壇に飾っていた母の写真を持参。

きっと、母も一緒にこの地にいたはず。

思いは一緒。


きっと、もう父とは見られない景色。

一瞬一瞬を見逃さないよう、目を凝らして脳裏に焼き付ける。


全ての文明の始まりともいえるエジプト。

ここは、僕が歴史好きになったきっかけの地でもある。


父が博物館によく連れて行ってくれた。

そんな父を、本物の地へ案内できた。


自己満足だったかもしれない、でも。

それでもいい。


父とみたピラミッド、エジプトを、僕は忘れない。

父と、僕のパートナー。

そして、ぬいぐるみのわが子たちとの旅行。


思うようにいかなかったことも多く、パートナーにもたくさん迷惑と心配をかけてしまいました。


それでも、いい思い出になりました。

母の写真と共に、みんなで行けたエジプト旅行。


感慨深いです。

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