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青春のメドレー  作者: 大和剛
新規入部生強化合宿編
32/33

第三十二話 新規入部生強化合宿 初日

前回までのあらすじ

海風学園高校に入学した貫太郎たち新入生は厳しい水泳部の入部試験を乗り越え、正式な部員として新生活をスタートさせた。新人戦に三島アリスが飛び入り参戦して、激闘の末に優勝したことでアリスは正式な水泳部員となった。体育祭の後、貫太郎達は県大会を前に厳しい練習に励み、強豪校との特別合同練習を迎えた。新入生部員は先輩部員の手厚い指導で水泳の技能を磨き上げる中、貫太郎は恵美の知られざる過去を知り、彼女の決意と覚悟を受け止め、愛の鞭の特別指導を受けた。そこへ挑発してきた特別合同練習に参加していた恵美の現役時代のライバルである強豪校の監督との水泳勝負に買って出るも恵美は敗れてしまう。恵美の敗北で特別合同練習は一日で中止となり、恵美を侮辱された海風学園高校水泳部は悲しみを怒りに変えリベンジを誓った。特別合同練習の中止に伴い、年間のスケジュールに強化合宿の回数が増え、二泊三日の強化合宿を経て、島宮県高校総体で海風学園水泳部は3年ぶりのアベック優勝を果たした。高校総体の優勝を受けて、貫太郎達のクラスの1年ε組の学級副委員長の菅生の提案で海風学園水泳部のファンクラブが設立されて、新規で水泳部に入部を希望する生徒も激増して、貫太郎達は新たな仲間が増える予感を楽しみにしていた。しかし、新規入部希望者の大半は他の部活動に所属していた人達であり、彼・彼女らは所属していた古巣の部活動が闇深いものだったと告発する。そうして、学園の闇を告発したことで、生徒会と運動部の綱紀粛正が行われ、生徒会補選が行われることになった。美玲を始め水泳部の仲間に後押しされて、美咲は生徒会補選への出馬を決意した。美玲から美咲の過去を聞いた貫太郎はより彼女への想いを強め、彼女のために戦い抜くことを誓った。美玲は選挙戦で多忙の美咲に代わって、貫太郎を一人前の選手に育て上げる決意した矢先、二階義博副校長の孫・二階憲保の当選を画策した二階派の陰謀で美咲の不純異性交遊の捏造写真がSNSで拡散されて、美咲は学園の名誉を傷つけたとして謹慎処分となる。貫太郎達海風学園水泳部は美咲の名誉回復のために選挙活動に取り組んだ矢先、二階派の陰謀で海風学園の校舎内の連続爆破の同時多発テロ事件が発生して、学園に激震が走った。SNS炎上事件の投稿の写真が証拠不十分で冤罪が証明されて謹慎が解かれた美咲が出先の商店街で制和レディースの襲撃に遭い、重傷を負って入院した。副将の美玲は美咲の仇討ちのために、海風学園女子水泳部員からなるハイレグ戦士・海風レディースの結成を宣言して、水泳練習だけでなく戦闘訓練まで行うようなった。男子部員からなる海風ファイターズと女子部員からなる海風レディースはスポーツの枠を超えた集団ヒーローのようになりつつあったが、懸念通りに制和会により美咲の入院している病院は襲撃を受けた。貫太郎が美咲と共に爆破が止まない病院を脱出して、美玲、明美と共に三島コーポレーションの病院に搬送される。貫太郎達海風学園水泳部は入院中にオンライン選挙戦を駆使して、無事に美咲の生徒会補選勝利に貢献した。そうして、生徒会副会長に就任した美咲は生徒会長の美玲と共に、海風学園の復興に全力を注ぐことを誓った。ある日の水泳部の練習後に恵美から海風学園水泳部の栄光の歴史を教えられた貫太郎達はその栄光の歴史に恥じない活躍をするために、日々鍛錬することを誓うのだった…。


登場人物:

川名貫太郎:主人公。自由形専門。元々は小中学校の水泳部で全国優勝の経験を持つが、海風学園高校での練習を通して、天狗になったと気付かされる。国語と英語と歴史など文系科目が得意。和田秀樹の著書の勉強法を駆使して勉強中。赤をバックに龍が描かれたブーメラン型競泳水着を着用する。


佐藤健太:貫太郎の友人。バタフライ専門。水泳とテレビゲームが趣味で、部活動を楽しむタイプ。体育以外の科目は苦手であり、特に国語(主に古文)と英語(主に分詞構文)が苦手。貫太郎に助けを求めることが多い。緑をバックに獅子が描かれたブーメラン型競泳水着を着用する。


山本亮:貫太郎の友人。背泳ぎ専門。科学の本を読むのが好きで、理数系が得意。逆に国語と歴史は苦手だが、貫太郎から歴史の学び方を教わり、国語と歴史を勉強し易くなる。逆に数学が苦手な貫太郎には綾乃と共に勉強を教える。黒をバックに海馬が描かれたブーメラン型競泳水着を着用する。


高木拓也:貫太郎の友人。平泳ぎ専門。アニメと漫画のオタクで、1960年代から2010年代までの作品に精通。特にドラゴンボール、聖闘士星矢、ガンダム、エヴァンゲリオンが好き。主要科目の国語と数学と英語が苦手で、いつも貫太郎や綾乃に助けを求める。青をバックに天馬が描かれたブーメラン型競泳水着を着用する。


大鳥鉄平:1年ζ組所属。神戸出身。親が転勤族であるため、今年に島宮県に引っ越して、海風学園に入学した。中国拳法の達人だったが、校内に自分に見合った部活動が無かったため、入学から長く未所属だったが、貫太郎の高校総体での活躍に見惚れて水泳部入部を希望する。黒をバックに黒龍が描かれたブーメラン型競泳水着を着用する。


早瀬純也:1年ζ組所属。神戸出身。友人である鉄平を慕い、自分の得意なキックボクシングを活かして、島宮県のキックボクシング強豪校の海風学園に入学した。しかし、キックボクシング部の悪事を知り、鉄平と共にキックボクシング部員を蹴散らしたため、キックボクシング部は廃部となり、長らく部活動未所属でいたが、鉄平の誘いで水泳部入部を希望する。緑をバックに麒麟が描かれたブーメラン型競泳水着を着用する。


深町虎十郎:1年α組所属。中学からの内部進学者。医者の息子で頭脳は優れており、全教科の成績は常に満点で学年1位である。中学時代から長く部活動に入部したことはなかったが、拓也が投稿したYouTubeのライブ配信で貫太郎達の活躍を見て、新たな学びを得られるとみて、水泳部への入部を希望する。赤をバックに猛虎が描かれたブーメラン型競泳水着を着用する。


鷹丸秀紀:1年α組所属。中学からの内部進学者で、虎十郎が最も信頼する相棒兼クラスメイト。彼もまた成績優秀で、模試では常にA判定である。虎十郎と共に拓也が投稿したYouTubeのライブ配信で貫太郎達の活躍を見て、学びになるとみた虎十郎に追従する形で水泳部への入部を希望する。黒をバックに八咫烏が描かれたブーメラン型競泳水着を着用する。


三島アリス:貫太郎の同級生。自由形専門。国内でも名の知れた大企業「三島コーポレーション」の社長令嬢。幼い頃から厳しい教育を受けてきたが、その中で水泳だけは自分自身で選んだ趣味であり、全中水泳大会で個人の部で優勝経験を持つ。とある事がきっかけで貫太郎に恋心を抱き、新人戦に飛び入り参加して、遅れながらも水泳部に入部を認められる。赤紫をバックに鳳凰が描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


中村美枝子:平泳ぎ専門。ファッション愛好者で、将来は高級ブランドのバッグを手に入れるのが夢。国語と英語が苦手で、授業後に貫太郎に教えてもらうことが多い。貫太郎に想いを寄せており、アリスとは貫太郎を巡る恋敵ではあるが、喧嘩するほど仲が良い友人関係でもある。赤をバックに朱雀が描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


小林綾乃:背泳ぎ専門。クラシック音楽や美術が趣味で、ベートーヴェンやバッハを愛する。水泳のスポーツ推薦で入学し、成績もトップ。英語は得意だが、それでも理解できない箇所は貫太郎に教えて貰う。数学は得意で苦手な貫太郎に教えることが多い。貫太郎に想いを寄せており、アリスとは貫太郎を巡る恋敵の関係ではあるが、時には同じ金持ちの娘同士と言うことで助け合うこともある。青をバックに人魚が描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


斉藤南:バタフライ専門。スキューバダイビングが趣味で、両親が海洋生物学者。生物が得意だが、古典や歴史に苦労しており、貫太郎にこれらの科目について教えを乞う。貫太郎に想いを寄せており、アリスとは貫太郎を巡る恋敵ではあるが、互いに泳ぎの速さを認め合っている好敵手の関係でもある。緑をバックに青龍が描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


有川純恵:貫太郎のクラスメイト。元々は演劇部だが、貫太郎とアリスの高校総体での活躍に見とれて、演劇部との掛け持ちで水泳部への入部を希望する。美枝子とは小学校時代からの腐れ縁。好きなアニメは「ベルサイユのばら」、「はいからさんがとおる」。赤をバックにフェニックスが描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


海老名真澄:1年ζ組所属。元々は友人の誘いでバレー部に入部しただが、高校総体の一回戦で敗退して、弱小ぶりに愛想を尽かしてバレー部に見切りを付けた。また、貫太郎とアリスの高校総体での活躍に見とれて、新しい事への挑戦で水泳部への入部を希望する。根っからの勉強嫌いで怠け癖が強いが、部活動には全力で励む。好きなアニメは「ONE PIECE」、「ナルト」。黒をバックにアナコンダが描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


西川優子:1年Δ組所属。成績優秀で県立鳴海西高校を志望していたが不合格して、滑り止めで受かった海風学園に入学した。兄が内部進学生であるため、学費の兄弟割引が適用される。元々は吹奏楽部だったが、部内のいじめやパシリに耐えかねて、水泳部への転部を希望する。亮とは中学時代の同級生の関係で仲が良い。好きなアニメは「明日のナージャ」、「カードキャプターさくら」。黄色をバックにガルーダが描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


桑名春美:貫太郎のクラスメイト。元々はバスケ部に所属していたが、監督とレギュラー選抜を巡って対立して退部して以来、長らく部活動未所属状態だったが貫太郎とアリスの活躍に触発されて、水泳部への入部を希望する。貫太郎にはかなりベタ惚れしているため、アリスや美枝子には目の敵にされている。好きなアニメは「犬夜叉」、「境界のRINNE」。黒をバックにユニコーンが描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


五反田紬:貫太郎のクラスメイト。中学時代から帰宅部だったが、貫太郎とアリスを始めとする海風学園水泳部の活躍に刺激されて、新たな刺激を求めて水泳部への入部を希望する。家庭的であり、料理が得意。好きなアニメは「ワカコ酒」、「あたしンち」。緑をバックにフェアリーが描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


南条桃音:貫太郎のクラスメイト。元々は吹奏楽部に所属していたが、平和主義の彼女にとって軍艦行進曲や陸軍分列行進曲など軍国主義を彷彿させる内容の楽曲を演奏させられたことに反発して退部。貫太郎とアリスの活躍、拓也のYouTubeライブ配信で見たアニソンの応援合戦に魅了されて、自分の求めていた環境に合っているとみて水泳部への入部を希望する。綾乃から色々と貫太郎の評判を聞いており、彼に対する想いが強い。共産党員の両親に影響されて護憲派である。好きなアニメは「ふしぎな海のナディア」、「バクマン。」。青をバックに白鳥が描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


小川愛美:1年ζ組所属。元々はスイミングクラブに所属しているが、女子部員全員はハイレグ型競泳水着を着る海風学園水泳部の雰囲気が合わず、最初は帰宅部だった。しかし、スイミングクラブでの練習ではスパッツ型競泳水着が妙に着脱のしにくいと実感しつつある矢先に、貫太郎とアリスの高校総体での活躍で男子のブーメラン型競泳水着と女子のハイレグ型競泳水着が高性能であることが証明されたため、試しにハイレグ型競泳水着で大会に出場して記録を残そうと、水泳部への入部で自分を磨く決意をする。勉強はそこそこ出来て、成績は平均的である。好きなアニメは「機動戦士ガンダムSEED」、「鋼の錬金術師」。白をバックにペガサスが描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


野崎華鈴:1年ζ組所属。元々はバスケ部に所属していたが、春美と同様に監督と対立してバスケ部を追われて未所属だったが、YouTubeのライブ配信で貫太郎とアリスの活躍を見て、水泳部への入部を希望する。国語や英語は苦手だが、理系の探究心が強い。好きなアニメは「スラムダンク」、「黒子のバスケ」。緑をバックにエルフが描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


田村莉子:1年ζ組所属。元々はテニス部所属だったが、余りの弱小ぶりと部員の腐敗の改善の余地がなかったため去って以来、ずっと部活動未所属でいる。YouTubeのライブ配信で貫太郎達の活躍を見て、水泳部がクリーンな印象を持ち、水泳部への入部を希望する。勉強は苦手だが、運動神経は優れている。好きなアニメは「テニスの王子様」、「家庭教師ヒットマンREBORN」。黄色をバックにスフィンクスが描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


大崎千晶:1年Δ組所属。元々は吹奏楽部に所属していたが、軍艦行進曲などの軍歌を演奏させられて、反戦の平和主義者の自分の信条に合わなくなり退部した。そんなある日、YouTubeのライブ配信で水泳部の活躍を見て、クリーンな印象を受けて、水泳部への入部を希望する。勉強は平均的に出来るが、運動は苦手。好きなアニメは「おジャ魔女どれみ」、「カードキャプターさくら」。白をバックに天女が描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


河津彩芽:1年ζ組所属。元々はバレー部だったが、頭でっかちな監督に愛想を尽かして退部する。YouTubeのライブ配信で水泳部監督の恵美の人柄に魅了されて、水泳部への入部を希望する。勉強もスポーツも平均的な出来である。好きなアニメは「アタックNo.1」、「ハイキュー!!」。赤紫をバックにサラマンダーが描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


塚田英美里:1年ζ組所属。元々はバスケ部に所属していたが、監督の独裁的運営に反発して退部する。YouTubeのライブ配信を見て、水泳部のクリーンな運営と監督の恵美の正義感の強さに惹かれて、水泳部への入部を希望する。理数系が苦手で、文系は平均的。好きなアニメは「GS美神」、「聖闘士星矢」。黒をバックに玄武が描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


萬田久美:1年Δ組所属。元々はバレー部所属だが、バレー部内部の裏金問題を知って、内部告発するために部活動をサボってバックレる形で退部する。YouTubeのライブ配信で水泳部のクリーンな印象を受けて、元バレー部仲間と共に水泳部への入部を希望する。勉強は比較的に出来ており、特に理数系が得意。好きなアニメは「るろうに剣心」、「地獄先生ぬ~べ~」。青をバックにセイレーンのハイレグ型競泳水着を着用する。


岩村彩美:1年Δ組所属。元々は茶道部に所属していたが、中学校のバスケ部引退以来運動から身を引いていたため、体を鈍らせないように水泳が最適とみて、茶道部と掛け持ちする形で水泳部への入部を希望する。彼女は学力が優秀な才媛であり、成績は学年では女子の中では綾乃とアリスと競い合う。好きなアニメは「ちはやふる」、「化物語」。水色をバックにウンディーネが描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


佐古毬絵:1年Δ組所属。元々はバスケ部所属だったが、バスケ部内部の裏金問題を告発するために退部する。学内でクリーンな部活動という印象の水泳部への入部を希望する。学力は平均より上だが、それでもおっちょこちょいな一面がある。好きなアニメは「ふたりはプリキュア」、「銀魂」。桃色をバックに吉祥天が描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


藤山愛永:1年ζ組所属。中学時代はソフトボール部だったが、海風学園にはソフトボール部がないため、長らく部活動未所属の状態だった。貫太郎達の水泳部での活躍を見て、新しい刺激を欲するために水泳部への入部を希望する。勉強嫌いではあるが、中学のソフトボール部時代に鍛えられた筋力が備わっているため、運動神経は秀でている。好きなアニメは「トリコ」、「べるぜバブ」。桃色をバックにラクシュミーが描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


松澤恵美:28歳。清楚美人教師。海風学園高校卒業生かつ元水泳部キャプテン。パリ大学修士課程を中退し、公民・世界史教員兼水泳部顧問として帰国。平時はお淑やかだが、部活動では鬼教官に変身。青や紫のビキニを着用し、すぐにプールサイドに向かえるように常に準備している。偶に紫のハイレグ型競泳水着を着用する。


高橋美咲:水泳部の主将。厳しい性格で、恵美のやり方を引き継いでいる。部員からは恐れられつつも尊敬される存在。日本史専門の歴女だが、世界史も履修しており歴史全般が得意。日本史に残る海戦や戦国大名の故事を元に貫太郎を指導する。彼女自身は全教科の成績は優秀で、国公立大学の教育学部志望で高校教師を目指している。赤をバックに天照大神が描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


上原美玲:水泳部の副キャプテン。美咲と正反対の優しい性格で、部員を温かく支える。そのため、「鬼の美咲、仏の美玲」と形容される。世界史専門(特に西洋史)の歴女だが、日本史も履修しており歴史全般が得意。世界史に残る海戦や英雄の故事を元に貫太郎を指導する。彼女自身も成績優秀であり、国公立大学の法学部志望で弁護士を目指している。青をバックに聖母マリアが描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


大和田美奈: 三年生。平泳ぎ専門。アニメ好きで『キャンディ・キャンディ』や『未来少年コナン』を好む。映画鑑賞も趣味で、部活動の合間にはアニメや映画の話題で盛り上がる。アニメの話題を使ってアニメオタクの拓也を指導する。彼女は勉強は苦手だが、部活には熱心に打ち込む。声優志望であり、専門学校への入学を目指す。話し方は関西弁。黄色をバックにサモトラケのニケが描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


中島さくら: 三年生。背泳ぎ担当。ドラマチックなアニメが好きで、特に『ガラスの仮面』や『フルーツバスケット』を愛する。日記に自分の思いを書き留めることで、心の整理をしている。クラシック音楽(特に古典派・ロマン派音楽)が好みであり、同じクラシック好きのリケジョの綾乃を、医学的観点とクラシック音楽の波動を水泳に応用して指導する。彼女は成績優秀で、国公立大学の医学部志望で、内科医を目指している。紫をバックにアルテミスが描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


山口健: 三年生。平泳ぎ専門。『マジンガーZ』や『機動戦士ガンダム』のファン。模型作りが趣味で、部室ではプラモデルを組み立てる姿がよく見られる。石ノ森章太郎や八手三郎など東映特撮作品や円谷作品など特撮にはかなり精通している。同じオタクの拓也をオタク仲間の美奈と共にアニメや特撮の話題を用いて、水泳に応用することで拓也を指導する。元より就職志望であり、電気工事士の国家資格の取得を目指している。黄色をバックにオーディンが描かれたブーメラン型競泳水着を着用する。


森川ユウ: 二年生。自由形担当。『セーラームーン』が好きで、ファッションや写真撮影が趣味。大会や合宿では、みんなが写真に収まるのを楽しみにしている。彼女はアニオタでもあり、魔法少女系アニメやアイドル系のアニメが好みであり、ファッションモデルを志す美枝子に美しい泳ぎ方を指導する。将来の夢はファッションモデルになることで、ファッションに関する知識を猛勉強中。ピンクをバックにアフロディテが描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


田辺明美: 二年生。個人メドレー。『ドラゴンボール』や『NARUTO』などバトル漫画を好む。スポーツ観戦が趣味の体育会系女子。同じバトル漫画が好みの健太を、バトル漫画の主人公や英雄達の話題を用いて、水泳に応用することで指導する。元プロレスラーの両親に似て気が強く、将来の水泳部キャプテン候補とも噂されている。体育大学志望で体育教師を目指している。赤をバックにアテナが描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


小林咲: 二年生。綾乃の姉。バタフライ担当。『エヴァンゲリオン』や『けいおん!』が好きで、音楽鑑賞とギター演奏が趣味。妹とは違い、クラシックでは無く洋楽のロックンロールを好む。ビートルズやドアーズが好み。得意科目の物理の波の波動や音の振動の法則を応用して、南のバタフライ強化を指導する。将来の夢はアイドル歌手であり、往年のアイドル歌手が歌った歌謡曲をカヴァーして歌の練習している。紫をバックに弁財天が描かれたハイレグ型競泳水着を着用する。


石田裕介: 二年生。背泳ぎ。『攻殻機動隊』や『デスノート』のファン。プログラミングと電子工作が好きで、部活動のスピーカーなどを自分で作ったことがある。物理が得意な理系男子であり、物理の浮力や力学を応用して、同じ理系男子の亮を指導する。父がエンジニアであることから、工学部又は理学部経由でのIT関係の就職を志望している。赤をバックにアポロンが描かれたブーメラン型競泳水着を着用する。


高田光: 二年生。平泳ぎ。和風が好みであるため、アニメでも『銀魂』や『BLEACH』など和風要素のあるものを好む。実家が割烹居酒屋であり、和食が得意料理となっている。一人前の料理人を目指すべく、父の旧友が経営する寿司屋と天麩羅屋のバイトを掛け持ちして修行している。部活動の合宿では料理担当として活躍する。典型的な愛国者であり、日本文化を人一倍に愛している。そのため、ユウと共に美枝子に美しい大和撫子になってもらうための美しい泳ぎ方を教える。白をバックに白虎が描かれたブーメラン型競泳水着を着用する。

プロローグ

海風学園高校の校舎は、夏の陽光に照らされながらも、どこか静寂に包まれていた。期末試験が中止となり、登校が自由化されたことで、例年より早く夏期休暇のような雰囲気が漂っていた。校庭では生徒たちの笑い声がまばらに響き、復興途中の瓦礫がまだ残る校舎の影に、蝉の鳴き声が重なっていた。しかし、水泳部にとっては休息の時間ではなく、新たな戦いの準備が始まる時期だった。


教室のドアが開き、美咲が入ってきた。彼女は生徒会副会長としての威厳を漂わせていた。美咲は貫太郎に近づき、穏やかに声をかけた。

美咲: 「貫太郎、ぼーっとしてる場合じゃないよ。夏の九州大会とインターハイが控えてるんだから」


貫太郎が笑顔で振り返った。

貫太郎: 「分かってますよ、美咲先輩。俺たち、九州大会で優勝して、インターハイでも全国制覇狙いますよ」


美咲が少し笑った。

美咲: 「その意気だよ。でも、今回は新規入部希望者の入部試験もあるから、強化合宿が大事になるね。私も生徒会で忙しいけど、合宿には参加するつもりだよ」


そこへ、美玲が優しげな笑顔で入ってきた。

美玲: 「美咲、無理しないでね。でも、合宿でみんなと一緒なら、私も安心だわ。貫太郎も、新入部員を引っ張ってあげてね」


貫太郎が頷いた。

貫太郎: 「美玲先輩、俺、頑張りますよ。新入部員が増えるってワクワクしますね」


教室に集まった部員たちの間で、強化合宿の話題が広がり始めた。健太が興奮気味に言った。

健太: 「二週間の強化合宿だぜ!友情パワーでみんなを鍛えるよな!」


拓也が目を輝かせて加わった。

拓也: 「九州大会が島宮県でやるなんて、最高の条件だぜ!」


亮が冷静に分析した。

亮: 「科学的にも、地元開催は有利だよ。移動の疲労がない分、練習に集中できる」


アリスが優雅に髪をかき上げ、静かに微笑んだ。

アリス: 「みんな、合宿の場所は私が用意したわ。三島コーポレーションのプライベートビーチと、島宮観光ホテルを貸し切りにしたから」


その言葉に、部員たちが一斉に驚いた。貫太郎が目を丸くしてアリスを見た。

貫太郎: 「え、マジか?アリス、三島コーポレーションってそんなすごい力あるの?」


アリスが少し得意げに笑った。

アリス: 「ふふっ、パパの会社だからね。株主特典でホテルを団体予約しただけよ。九州大会の期間中もそこに泊まれるから、みんな安心してね」


貫太郎が感嘆の息を漏らした。

貫太郎: 「すげえ…アリスの実家の財力に度肝抜かれたよ。ありがとう、アリス!」


アリスが頬を染めて、少し照れた。

アリス: 「別に大したことじゃないわ。貫太郎が喜んでくれるなら、それでいいの」


彼女の言葉に、美枝子が少し嫉妬した目でアリスを睨んだ。

美枝子: 「アリス、貫太郎に媚びすぎじゃない?私だって、ファッションで合宿を盛り上げるつもりよ!」


綾乃が穏やかに仲裁に入った。

綾乃: 「二人とも、喧嘩しないでね。合宿はみんなで協力するものよ。私も調和を大切にしたいわ」


南がスキューバダイビングの話を絡めて言った。

南: 「海のリズムを感じながら泳げるなんて最高だよ。私、祖父母の民宿を貸し切ろうとしたけど、人数が多すぎて無理だったんだよね…」


美咲が南を慰めた。

美咲: 「南、気持ちは嬉しいよ。でも、アリスの提案で解決したんだから、良かったじゃない」


教室の空気が一気に活気づいた。強化合宿は二週間行われ、九州大会はその二週間の強化合宿の後に控えていた。新規入部希望者の入部試験対策も兼ねており、事実上、九州大会前の最後の仕上げとなる合宿だった。今回の入部試験に合格した新入部員は、九州大会とインターハイでは応援に回ることになっていたが、地元開催の利点を活かし、ギリギリまで練習できる好条件に部員たちは胸を躍らせていた。


その日の放課後、水泳部の部室で合宿の具体的な計画が話し合われた。恵美が手に合宿のスケジュール表を握って、部員たちを前に立っていた。

恵美: 「みんな、今回の合宿は二週間だよ。九州大会が島宮県開催だから、移動の手間が省けて練習に専念できる。新規入部希望者の入部試験もあるから、彼らをしっかり見てあげてね」


貫太郎が手を挙げて質問した。

貫太郎: 「恵美先生、新入部員って以前に何度か練習に来ていた人達ですか?俺、楽しみなんですけど」


恵美が微笑んだ。

恵美: 「そうよ。他の部活から転部希望してきた子が多いよ。自分達が所属していた部活動の闇を知って、校内でクリーンな水泳部に希望を見出したみたい。彼らには新しい居場所が必要なんだ」


美玲が優しく補足した。

美玲: 「そうね。みんな、貫太郎たちの活躍に惹かれたのよ」


健太がニヤリと笑った。

健太: 「新人たちを友情パワーで迎えるぜ!人数増えると賑やかになるな!」


拓也がアニメっぽく叫んだ。

拓也: 「仲間が増えるたびに強くなるぜ!俺、ワクワクしてきた!」


亮が冷静に言った。

亮: 「人数が増えるのはいいけど、入部試験でちゃんと実力を見極めないとね。データで見ても、質が大事だよ」


アリスが優雅に髪を整えながら言った。

アリス: 「私が用意したプライベートビーチなら、試験も練習も十分できるわ。島宮観光ホテルは設備も整ってるから、快適に過ごせるはずよ」


美枝子が少し拗ねた声で言った。

美枝子: 「アリスばっかり目立つの、ちょっとズルいよ。私だって、みんなを応援するつもりなんだから!」


綾乃が穏やかに笑った。

綾乃: 「美枝子、アリスの協力はみんなのためよ。私もみんなの士気を高めたいな」


南が目を輝かせた。

南: 「プライベートビーチか…海の生物みたいに自由に泳げるね。私、楽しみだよ!」


恵美がスケジュール表を掲げて締めくくった。

恵美: 「合宿は三島コーポレーションのプライベートビーチと島宮観光ホテルでやるよ。南の祖父母の民宿は人数的に無理だったけど、アリスの協力で最高の環境が整った。九州大会まで、全力で準備しようね!」


部室を出た後、貫太郎はアリスと二人で校庭を歩いていた。夕陽が二人の影を長く伸ばし、蝉の声が夏の訪れを告げていた。貫太郎は少し照れながらアリスに言った。

貫太郎: 「アリス、ほんとすごいよ。三島コーポレーションの力でこんな合宿ができるなんて…俺、度肝抜かれたよ」


アリスが優しく微笑んだ。

アリス: 「貫太郎が喜んでくれるなら、それでいいわ。私、パパに頼んで良かったって思ってる」


貫太郎が真剣な目でアリスを見た。

貫太郎: 「ありがとう、アリス。俺、正義と仲間を信じて泳ぐよ。九州大会もインターハイも、アリスと一緒に優勝するぜ!」


アリスが頬を赤らめた。

アリス: 「貫太郎…私も、みんなと一緒に強くなりたいわ。合宿、楽しみね」


二人の間に温かい空気が流れ、強化合宿への期待が膨らんだ。貫太郎の心には、新入部員を迎え、美咲や美玲、アリスと共に全国制覇を目指す決意が宿っていた。夏の戦いが、すぐそこまで迫っていた。


シーン1:バスでの移動

合宿初日の早朝、海風学園高校の屋内プールに水泳部員が全員集結していた。空は薄曙色に染まり、夏の訪れを告げる涼しい風が校舎を抜けていた。貫太郎はプールサイドに立つ恵美の指示を待っていた。部員たちの顔には疲れと期待が混じり合い、復興途中の学園を背に新たな挑戦への意気込みが感じられた。


恵美が部員たちに声をかけた。

恵美: 「みんな、準備はいいね?アリスが手配してくれた貸切バスで、三島コーポレーションのプライベートビーチに移動するよ。荷物は揃えた?」


美咲が主将らしい威厳を込めて補足した。

美咲: 「荷物忘れがないようにね。合宿は二週間もあるんだから、しっかり準備してきてよ」


美玲が優しく微笑みながら加わった。

美玲: 「美咲、みんな大丈夫よ。さあ、バスに乗り込んでね」


部員たちはぞろぞろとバスに乗り込んだ。アリスが三島コーポレーションの財力で手配した大型バスは、豪華な内装に革張りのシートが並び、まるで観光旅行のような雰囲気だった。貫太郎は窓際の席に座り、隣にアリスが自然に腰を下ろした。彼女の赤紫をバックに鳳凰が描かれたハイレグ型競泳水着が、薄い夏服の下からわずかに覗いていた。 アリスが貫太郎に笑顔を向けた。

アリス: 「ねえ、貫太郎。隣でいいよね?せっかくの合宿なんだから、たくさん話したいな」


貫太郎が少し照れながら答えた。

貫太郎: 「う、うん、いいよ。アリスと一緒なら心強いし」


アリスがさらに積極的に手を伸ばし、貫太郎の手を握った。彼女の細い指が温かく、貫太郎の心臓が一瞬跳ねた。

アリス: 「ふふっ、緊張してる?大丈夫、私がずっとそばにいるから」


その光景を後ろの席から見ていた美枝子が嫉妬の目を向けた。彼女は唇を尖らせ、小声で呟いた。

美枝子: 「アリス、ちょっと積極的すぎじゃない?貫太郎、私のものでいいよね…?」

しかし、アリスは優越感に浸った態度で美枝子の視線を無視し、貫太郎との会話を楽しんだ。


バスが動き出すと、車内は部員たちの会話で一気に賑やかになった。健太が隣の拓也に興奮気味に話しかけた。

健太: 「おい、拓也!二週間の合宿だぜ!旅行気分でワクワクするよな!」


拓也がアニメオタクらしい口調で応じた。

拓也: 「ガンダムの出撃シーンみたいだぜ!プライベートビーチで泳ぐなんて、最高すぎる!」


健太が笑いながら頷いた。

健太: 「だろ?ゲーム持ってきたから、夜は対戦しようぜ!」


一方、美枝子が二人に混ざり、ファッションの話題で盛り上げた。

美枝子: 「ねえ、合宿でもオシャレしないとね。私、最新の水着アクセサリー持ってきたから、みんなに見せるよ!」


健太が目を丸くした。

健太: 「水着にアクセサリーって何だよ?すげえな、美枝子!」


拓也がニヤリと笑った。

拓也: 「聖闘士星矢の聖衣みたいだな!俺も何かオタクっぽいアイテム持ってくればよかったぜ」


バスの前方では、亮が冷静に科学の本を読んでいた。隣に座る虎十郎と秀紀も、模試の過去問を解きながら静かに過ごしていた。亮が本から目を上げて呟いた。

亮: 「騒がしいな…でも、データで見ると、こういう賑わいがチームの結束力を高めるんだよね」


虎十郎が冷静に答えた。

虎十郎: 「そうだね。俺たちは試験勉強に集中するけど、合宿での学びも楽しみだ」


秀紀が頷いた。

秀紀: 「貫太郎たちの泳ぎを間近で見られるんだ。頭で理解するだけじゃなく、体で感じたいね」


バスの中央では、新規入部希望者たちが世間話で賑わっていた。鉄平が中国拳法の動きを軽く試しながら、純也に話しかけた。

鉄平: 「純也、初の本格練習やで。俺、中国拳法の力を水泳に活かしてみたいんや」


純也がキックボクシングの構えを軽く見せながら笑った。

純也: 「俺もや。キックボクシングのキックが、泳ぎにどう役立つか試してみたいぜ」


二人の会話に、春美が少し緊張した声で割り込んだ。

春美: 「ねえ、私、水泳部でやっていけるかな…バスケ部みたいに揉めたりしないよね?」


その不安を察した綾乃が、青をバックに人魚が描かれたハイレグ型競泳水着を隠したまま、優しくフォローした。

綾乃: 「春美、大丈夫よ。水泳部はクリーンだし、みんな仲間思いだから。私がみんなを支えるわ」


南が緑をバックに青龍が描かれたハイレグ型競泳水着を着たまま、明るく加わった。

南: 「そうそう!海のリズムを感じながら泳げば、不安なんて吹き飛ぶよ。私もスキューバの感覚でフォローするから!」


春美が少し笑顔を取り戻した。

春美: 「綾乃、南、ありがとう…私、頑張ってみるよ」


他の女子入部希望者たちも、それぞれの思いを胸に会話を弾ませていた。桃音が平和主義者らしい口調で呟いた。

桃音: 「吹奏楽部みたいに軍歌を強制されない環境って、最高だね。私、アニソンの応援合戦みたいに楽しみたいよ」


愛美が隣で頷いた。

愛美: 「私もスイミングクラブのスパッツ型にうんざりしてたから、ハイレグ型で記録を出したいんだ。合宿、ドキドキするよ」


一方、真澄が少し不安げに呟いた。

真澄: 「バレー部みたいに弱小だったら嫌だな…でも、貫太郎とアリスを見てると、強くなれそうな気がするよ」


純恵が演劇部らしいドラマチックな口調で励ました。

純恵: 「真澄、私たちなら大丈夫よ!華やかに泳ごうね!」


真澄が笑って応じた。

真澄: 「うん、純恵がそう言うなら頑張れるよ。強くならなきゃね!」


バスの後方では、先輩部員たちが久々の合宿に胸を高鳴らせていた。美奈が関西弁でさくらと明美に話しかけた。

美奈: 「おお、久々の合宿やな!九州大会とインターハイで活躍せなあかんから、気合い入れていくで!」


さくらが穏やかに頷いた。

さくら: 「そうね。私、クラシックの波動を感じながら泳ぎたいわ。合宿でみんなと強くなれるよ」


明美が豪快に笑った。

明美: 「ドラゴンボールの悟空みたいに、パワーアップするぜ!新規の子たちも鍛えてやるよ!」


ユウが美枝子とファッションの話題で盛り上がっていた。

ユウ: 「美枝子、合宿でもセーラームーンみたいに可愛く泳ごうね。私、写真撮るからさ!」


美枝子が目を輝かせた。

美枝子: 「ユウ先輩、最高!私、オシャレな泳ぎで目立っちゃうよ!」


咲がさくらと妹の綾乃に音楽の話題を振った。

咲: 「綾乃、さくら先輩、私ロックンロールでバタフライ強化するよ。ビートルズのビートに乗せてさ!」


綾乃が微笑んだ。

綾乃: 「姉さん、素敵ね。私もバッハの調和で背泳ぎを磨くわ」


さくらが優しく言った。

さくら: 「二人ともいいね。私もロマン派の情熱で泳ぐよ。合宿、楽しみだわ」


健が拓也とアニメの話題で盛り上がった。

健: 「拓也、マジンガーZみたいに合宿で無敵になろうぜ!プラモも持ってきたからな!」


拓也が興奮した。

拓也: 「健先輩、最高だぜ!俺、エヴァのシンジみたいに覚醒するよ!」


裕介が亮に理系の話を振った。

裕介: 「亮、物理の予習手伝うよ。合宿でも浮力の応用で背泳ぎ強化しようぜ」


亮が冷静に答えた。

亮: 「裕介先輩、助かるよ。科学的アプローチで勝つのが俺らの強みだね」


光が島宮観光ホテルの豪華さに期待を膨らませた。

光: 「島宮観光ホテルって高級ホテルだぜ。庶民じゃ泊まれないようなとこだよ。食事、めっちゃ豪華だろうな!」


バスが三島コーポレーションのプライベートビーチに到着する十五分前になると、車内の賑わいがピークに達していた。美咲が立ち上がり、厳しい声で部員たちに呼びかけた。

美咲: 「みんな、おしゃべりはここまでにして!これから合宿の説明するから、ちゃんと聞いてね」


美玲が優しくフォローした。

美玲: 「そうよ、静かにしてね。美咲と私が大事な話をするから」


車内が静まり返り、部員たちの視線が二人に集中した。美咲がスケジュール表を手に説明を始めた。

美咲: 「二週間の合宿は、既存の部員と先輩部員が新規入部希望者の鍛錬に付き合うのが原則だよ。男女関係なく水泳を教えるのが基本だから、みんな協力してね」


美玲が穏やかに補足した。

美玲: 「入部試験は来週よ。それまでに新規の子たちが合格基準に達するよう、しっかりサポートしてあげてね」


美咲が真剣な目で続けた。

美咲: 「新規入部希望者は、合宿で自分を磨いて合格を目指してね。私たちも全力で教えるから、努力してよ」


鉄平が純也に小声で呟いた。

鉄平: 「美咲先輩、厳しいやんけ…でも、頼りになるねん」


純也が頷いた。

純也: 「やな。俺たち、合格して本格的に泳ぐで」


春美が綾乃に小声で言った。

春美: 「美咲先輩、怖いけど…頑張るよ、綾乃」


綾乃が優しく微笑んだ。

綾乃: 「大丈夫、私がついてるよ。一緒に強くなろうね」


バスがプライベートビーチに近づくと、窓の外に青い海が広がった。部員たちの心に新たな決意が宿り、合宿への期待が一層高まった。


シーン2:新規入部希望者の変身

三島コーポレーションのプライベートビーチに到着した海風学園水泳部一行を乗せたバスが、砂浜の脇に静かに停まった。朝陽が海面に反射し、キラキラと輝く波が穏やかに寄せては返す音が響いていた。貫太郎は窓から見える青い海に目を奪われ、感嘆の息を漏らした。バスの中はまだ賑わいの余韻が残り、部員たちの笑い声や期待の声が混ざり合っていた。


恵美がバスの前方に立ち、部員たちに声をかけた。

恵美: 「みんな、着いたよ!荷物を持って降りてね。ここから合宿が始まるから、気合い入れて!」


美咲が主将らしい厳しさで補足した。

美咲: 「荷物の確認忘れんなよ。二週間もあるんだから、準備不足じゃ困るからね」


美玲が優しく微笑みながら加わった。

美玲: 「美咲、みんな大丈夫よ。さあ、降りてビーチに集合してね」


部員たちはぞろぞろとバスを降り、白い砂浜に足を踏み入れた。貫太郎、健太、亮、拓也、アリス、美枝子、綾乃、南、そして先輩の裕介、光、明美、ユウ、咲、健、美咲、美玲、美奈、さくらは、すでに競泳水着をTシャツの下に着込んでいた。到着と同時に、彼らは一斉にTシャツを脱ぎ捨て、それぞれの個性的な競泳水着姿に変身した。


貫太郎が赤い龍のブーメラン型競泳水着を晒し、伸びをしながら言った。

貫太郎: 「やっと着いた!海が気持ちいいな。泳ぐのが楽しみだよ」


健太が緑の獅子が描かれたブーメラン型競泳水着で、興奮気味に叫んだ。

健太: 「うおお、海だぜ!バタフライでぶっ飛ばすよ!」


亮が黒の海馬が描かれたブーメラン型競泳水着で冷静に呟いた。

亮: 「空気が澄んでるね。科学的にも、この環境は泳ぎに最適だよ」


拓也が青の天馬が描かれたブーメラン型競泳水着で、アニメっぽく叫んだ。

拓也: 「ガンダムの出撃みたいだぜ!プライベートビーチで泳ぐなんて最高!」


アリスが赤紫の鳳凰が描かれたハイレグ型競泳水着で優雅に髪をかき上げた。

アリス: 「ふふっ、私の実家のビーチだからね。みんな、楽しんでね」


美枝子が赤の朱雀が描かれたハイレグ型競泳水着で、少し拗ねた声を出した。

美枝子: 「アリスばっかり目立つのズルいよ。私だって、この水着でオシャレに泳ぐから!」


綾乃が青の人魚が描かれたハイレグ型競泳水着で穏やかに言った。

綾乃: 「クラシックの調べみたいに、優雅に泳ぎたいわ。海が綺麗ね」


南が緑の青龍が描かれたハイレグ型競泳水着で目を輝かせた。

南: 「スキューバダイビングみたいに、海のリズムを感じられるよ。最高だね!」


先輩たちも次々と変身した。裕介の赤のアポロン、光の白の白虎、明美の赤のアテナ、ユウのピンクのアフロディテ、咲の紫の弁財天、健の黄色のオーディン、美咲の赤の天照大神、美玲の青の聖母マリア、美奈の黄色のサモトラケのニケ、さくらの紫のアルテミスが、それぞれの個性を際立たせていた。


一方、新規入部希望者の鉄平、純也、虎十郎、秀紀、純恵、真澄、優子、春美、紬、桃音、愛美、華鈴、莉子、千晶、彩芽、英美里、久美、彩美、毬絵、愛永は、体育着姿でバスを降りていた。彼らは水着を着ておらず、手にはそれぞれの荷物だけを持っていた。これまで練習に参加する際も、高校の体育の水泳授業で使うスクール水着しか着たことがなかった。唯一の例外は愛美で、彼女はスイミングクラブでの経験から練習用のハイレグ型競泳水着を持参していたが、まだ着用していなかった。


恵美がTシャツを脱ぎ、紫のビキニ姿に変身して砂浜に立ち、新規入部希望者たちに声をかけた。

恵美: 「新規のみんな、こっちに集まって!大事な話があるよ」


彼らが少し緊張した面持ちで集まると、恵美が穏やかだが力強い声で説明を始めた。

恵美: 「男子はブーメラン型競泳水着、女子はハイレグ型競泳水着を着るのが海風学園水泳部の掟だってことは、前に伝えたよね。それまでスクール水着で練習を許してたのは、卒部生のお下がりの競泳水着が不足してたからなんだ。個々人に合わせて発注するしかなかったけど、注文してもすぐには届かない。最近、ブーメラン型とハイレグ型の生産が減ってるから、業者に頼んでも時間がかかるのよ」


鉄平が関西弁で少し驚いた声を出した。

鉄平: 「ほんまかいな、そんな理由やったんか…せやけど、今日から本番の水着なんやな?」


純也が同じく関西弁で頷いた。

純也: 「せやな、鉄平。俺ら、スクール水着しか知らんかったから、ちょっとドキドキするわ」


恵美が微笑みながら続けた。

恵美: 「そう、先日にやっと発注した競泳水着が届いたんだ。今日、全員に配布するよ。事前にアンケートで形状は固定して、好きな色とイラストを聞いてたから、それに基づいて業者に作ってもらった。自分だけの水着だから、大事に使ってね」


新規入部希望者たちの間に驚きと期待のざわめきが広がった。美咲が厳しい口調で補足した。

美咲: 「水着に着替えたら、すぐに練習開始だからね。覚悟しといてよ」

恵美が大きなバッグから競泳水着を取り出し、一人ひとりに手渡した。部員たちは近くの更衣室テントに向かい、次々と着替えを始めた。


鉄平が黒をバックに黒龍が描かれたブーメラン型競泳水着を受け取り、関西弁で呟いた。

鉄平: 「おお、黒龍かっこええやん!でも、こんなピチピチの水着、初めてやから恥ずかしいわ…」

彼は更衣室で着替えると、最初は抵抗を感じた。体に密着する布地の感触に慣れず、鏡を見ながら少し顔を赤らめた。


純也が緑をバックに麒麟が描かれたブーメラン型競泳水着を手に持つと、関西弁で笑った。

純也: 「麒麟やて!俺にぴったりやな。でも、これ、キックボクシングのユニフォームより露出多いわ!」

着替えた純也も、体のラインが強調されるデザインに戸惑いながらも、どこか誇らしげだった。


虎十郎が赤をバックに猛虎が描かれたブーメラン型競泳水着を受け取り、冷静に言った。

虎十郎: 「猛虎か…知性と力の象徴だ。着心地は悪くないな」

彼は抵抗なく着替え、医者の息子らしい理性的な視点で水着を受け入れた。


秀紀が黒をバックに八咫烏が描かれたブーメラン型競泳水着を手に持つと、静かに呟いた。

秀紀: 「八咫烏、神聖な感じがするね。虎十郎と一緒に泳ぐのが楽しみだよ」


純恵が赤をバックにフェニックスが描かれたハイレグ型競泳水着を受け取り、演劇部らしい口調で言った。

純恵: 「フェニックス!ベルサイユのばらの華やかさみたいね。でも、ちょっと恥ずかしいかな…」


真澄が黒をバックにアナコンダが描かれたハイレグ型競泳水着を見て、少し怯えた。

真澄: 「アナコンダって…強そうだけど、私に似合うかな?慣れるまで緊張するよ」


優子が黄色をバックにガルーダが描かれたハイレグ型競泳水着を手に持つと、少し照れた。

優子: 「ガルーダ、綺麗だね。でも、こんな露出多い水着、初めてだからドキドキするよ」


春美が黒をバックにユニコーンが描かれたハイレグ型競泳水着を見て、緊張した声を出した。

春美: 「ユニコーン、可愛いけど…こんな水着、貫太郎に見られたら恥ずかしいよ…」


紬が緑をバックにフェアリーが描かれたハイレグ型競泳水着を受け取り、穏やかに言った。

紬: 「フェアリー、優しい感じで好きだよ。でも、ちょっと大胆すぎるかな?」


桃音が青をバックに白鳥が描かれたハイレグ型競泳水着を見て、平和主義者らしい口調で言った。

桃音: 「白鳥、平和の象徴みたいで素敵ね。でも、慣れるまで恥ずかしいな」


愛美が白をバックにペガサスが描かれたハイレグ型競泳水着を手に持つと、自信満々に言った。

愛美: 「ペガサス、私にぴったりだよ。ハイレグは慣れてるから、すぐ泳げるね!」


華鈴が緑をバックにエルフが描かれたハイレグ型競泳水着を見て、少し驚いた。

華鈴: 「エルフ、幻想的でいいね。でも、こんな水着、バスケ部じゃ考えられないよ」


莉子が黄色をバックにスフィンクスが描かれたハイレグ型競泳水着を受け取り、少し戸惑った。

莉子: 「スフィンクス、かっこいいけど…テニス部より露出多くて緊張するよ」


千晶が白をバックに天女が描かれたハイレグ型競泳水着を見て、穏やかに言った。

千晶: 「天女、優雅で好きだよ。でも、運動苦手な私が着ていいのかな?」


彩芽が赤紫をバックにサラマンダーが描かれたハイレグ型競泳水着を受け取り、少し笑った。

彩芽: 「サラマンダー、熱い感じがいいね。でも、バレー部より派手だよ」


英美里が黒をバックに玄武が描かれたハイレグ型競泳水着を見て、少し緊張した。

英美里: 「玄武、強そうでいいけど…こんな水着、バスケ部じゃありえないよ」


久美が青をバックにセイレーンのハイレグ型競泳水着を手に持つと、少し照れた。

久美: 「セイレーン、神秘的で素敵だね。でも、着るの恥ずかしいな…」


彩美が水色をバックにウンディーネが描かれたハイレグ型競泳水着を見て、静かに言った。

彩美: 「ウンディーネ、水の精霊みたいで綺麗だよ。でも、大胆すぎて緊張するね」


毬絵が桃色をバックに吉祥天が描かれたハイレグ型競泳水着を受け取り、少し驚いた。

毬絵: 「吉祥天、可愛いけど…こんな水着、初めてだからドキドキするよ」


愛永が桃色をバックにラクシュミーが描かれたハイレグ型競泳水着を見て、少し笑った。

愛永: 「ラクシュミー、華やかでいいね。でも、ソフトボール部より派手だよ!」


全員が競泳水着に着替えたものの、新規入部希望者の多くはまだ抵抗を感じていた。体のラインが強調されるデザインに慣れず、砂浜で立ち尽くす者もいた。美咲がそんな彼らを見て、厳しくも温かい声で励ました。

美咲: 「最初は抵抗あるかもしれないけど、泳げば慣れてくるよ。ブーメラン型とハイレグ型が最高の水着だって気づけるから、信じて泳いでみて」


美玲が優しく補足した。

美玲: 「そうよ、慣れるまで私たちが支えるから。みんなで強くなろうね」


恵美が砂浜から海を指さし、力強く宣言した。

恵美: 「さあ、全員海に入水!合宿練習、始めるよ!」


部員たちが一斉に海へ向かい、波に飛び込んだ。初めての競泳水着に戸惑いながらも、新規入部希望者たちは既存部員に導かれ、徐々に泳ぎ始めた。海風が吹き抜け、波の音が彼らの新たな挑戦を祝福するかのようだった。合宿練習の幕が、こうして開けた。


シーン3:午前中の泳ぎ込み練習

島宮県の海水浴場に広がる砂浜は、夏の日差しに照らされて熱を帯び、白い砂が足裏を軽く焼くほどだ。波の音が心地よく響き渡り、海水の塩辛い香りが潮風と共に鼻腔をくすぐる。遠くに見える水平線はどこまでも青く広がり、雲一つない空がその美しさを引き立てている。今日は新入部希望者を含めた海風学園水泳部の全員が集まり、基本の自由形を中心に鍛錬を行う日だ。波打ち際には、色とりどりのブーメラン型競泳水着やハイレグ型競泳水着を着た部員たちが並び、それぞれの指導役となる先輩や同級生と向き合っている。潮風が髪を揺らし、砂浜に描かれた練習スケジュールのボードが風に軽く揺れている。


新入部希望者たちは、これまで別の部活で培った経験や個性を水泳にどう活かすか模索しながら、初めての海での練習に挑んでいる。水泳部の結束力と情熱に惹かれて集まった彼らにとって、この日は新たな一歩を踏み出す瞬間だ。午前中の合宿練習は各自で泳ぎ込みに励む自主練のようなもので、部員たちは自分のペースで海と向き合っている。だが、新入部希望者である鉄平、純也、虎十郎、秀紀、純恵、桃音、真澄、紬、優子、千晶、春美、愛美、莉子、久美、彩美、愛永、華鈴、毬絵、彩芽、英美里は水泳未経験者ゆえに、海での泳ぎ込みに苦戦している様子が目立つ。そのたびに、貫太郎、健太、亮、拓也、アリス、美枝子、綾乃、南といった水泳経験の長い同級生がフォローに入り、泳ぎを手助けしていた。


波打ち際で、海風学園水泳部の顧問である松澤恵美が部員たちを見渡していた。彼女の紫のビキニが陽光に映え、清楚な顔立ちに隠された厳しさが部員たちに緊張感を与える。恵美の声が響き渡ると、ざわついていた部員たちが一斉に静まり返った。

恵美: 「みんな、午前中は泳ぎ込みよ。各自で自由形の感覚を掴んで。新入部希望者は慣れてないかもしれないけど、経験者と一緒に泳いで覚えていくのよ。分かった?」

部員たち: 「はい!」


その声に呼応するように、新入部希望者たちの目にも決意が宿る。恵美は満足そうに頷き、部員たちに海へと促した。波が足元を洗う中、部員たちは次々と海に飛び込んでいく。

鉄平は黒龍が描かれた競泳水着をまとい、波間に立っていた。中国拳法で鍛えた強靭な体が自慢だが、水泳は初めてだ。隣に立つ健太が緑の獅子が描かれた競泳水着で軽く笑いかける。

鉄平: 「なぁ、健太、俺、初めてやから泳ぎ込みって言われても何したらええか分からんわ。助けてくれや。」

健太: 「おお、鉄平、大丈夫だよ。俺も最初は泳ぎ込みって何だよって思ったけどさ、要は自由形をひたすら泳いで体に覚えさせるんだ。とりあえず俺と一緒に泳ごうぜ。」


鉄平は健太の言葉に頷き、海に飛び込む。冷たい海水が全身を包み、拳法とは異なる浮遊感に戸惑う。キックを試みるが、力が入りすぎて水しぶきが派手に上がる。

鉄平: 「うわっ、なんやこれ、進まへんやん!水が重すぎるわ!」

健太: 「鉄平、力入れすぎだよ。拳法みたいにガツンとやるんじゃなくて、リズムよくキックしてみて。俺が横で泳ぐから、見ててくれ。」

健太が泳ぎ始めると、バタフライで鍛えた脚が自由形でも軽快に動く。鉄平はその姿を真似ようと試み、少しずつリズムを掴んでいく。


一方、純也は麒麟が描かれた競泳水着で亮と並んでいた。キックボクシングの経験はあるが、水泳は未知の領域だ。

純也: 「なぁ、亮、俺、泳ぎ込みってどうすりゃええんや?キックボクシングやと足使うけど、水の中やと全然ちゃうわ。」

亮: 「俺もさ、三ヵ月しかやってねぇから偉そうなこと言えねぇけど、泳ぎ込みは体で覚えるしかないぜ。裕介先輩に教わった浮力意識して泳いでみよう。俺も一緒に行くよ。」


純也と亮は海に飛び込み、キックを始める。純也はキックボクシングの鋭い蹴りを意識するが、水の抵抗に翻弄され、亮もテニスのリズムを活かそうとするがフォームが崩れる。

純也: 「なんやこれ、足が重いわ!亮、どうやっとるんや?」

亮: 「俺もまだ慣れねぇよ。キック小さくして、リズム取ってみてくれ。こうやって…。」

亮が泳ぎを見せると、純也はその動きを参考に少しずつ進む。二人は苦戦しながらも、互いに励まし合う。


虎十郎と秀紀は猛虎と八咫烏が描かれた競泳水着で、拓也と向き合っていた。天才児の二人は理論派だが、水泳は初体験だ。

虎十郎: 「俺、水泳は初めてだが、流体力学を応用すれば効率よく泳げるはずだ。拓也、先輩としてアドバイスを頼む。」

秀紀: 「俺も同じだ。理論を実践に移すのが楽しみだ。拓也、よろしくな。」

拓也: 「俺さ、三ヵ月しかやってねぇけど、アニメのヒーローみたいに泳ぐイメージでやってみてくれよ。キックは細かく、腕で水をかくんだ。俺が泳ぐから、見ててくれ。」


拓也が泳ぎ始めると、平泳ぎの癖が少し出つつも自由形のフォームを見せる。虎十郎と秀紀はそれを観察し、海に飛び込む。頭で考えたフォームを試すが、初めての水の感触に戸惑う。

虎十郎: 「水の抵抗が予想以上だな。キックの角度を調整しないと…。」

秀紀: 「確かに。呼吸とストロークのタイミングも難しい。拓也、もう一度見せてくれ。」

拓也は二人の頼みに応じ、再び泳ぎを見せる。三人は試行錯誤しながら、少しずつ泳ぎに慣れていく。


女子の新入部希望者たちも、それぞれ苦戦していた。純恵はフェニックスが描かれたハイレグ型競泳水着で、アリスと並ぶ。

純恵: 「私、演劇部では動き慣れてるけど、海って全然違うね。アリスちゃん、どうやって泳ぐの?」

アリス: 「私も最初は慣れなかったよ。純恵ちゃんは表現力あるから、泳ぎにリズムを乗せてみて。私は横で泳ぐから、参考にしてね。」

アリスが優雅に泳ぎ始めると、純恵はその動きを真似ようと試みる。波に揺られながらも、少しずつ進む。


桃音は白鳥が描かれた競泳水着で、南と向き合っていた。

桃音: 「私、吹奏楽のリズム感はあるけど、泳ぐと息が続かないよ。南ちゃん、どうしてるの?」

南: 「私も最初は息継ぎ苦手だったよ。ストロークのタイミングで息を吸うんだ。私と一緒に泳ごう。」

南が泳ぎを見せると、桃音はリズムを意識して泳ぎ始める。少しずつ呼吸が安定していく。


真澄はアナコンダが描かれた競泳水着で、紬と一緒にいた。二人とも泳ぎに苦戦し、近くにいた美枝子が声をかける。

真澄: 「私、バレー部だったけど泳ぎは全然だよ。どうすればいいかな…。」

紬: 「私も帰宅部だったから、水の中が怖いよ…。」

美枝子: 「あたしが教えてあげるよ。まずはキックからだよ。力を抜いて、バタ足みたいにやってみて。あたしが泳ぐから、見ててね。」

美枝子が泳ぎを見せると、真澄と紬は恐る恐るキックを始める。美枝子の明るさに励まされ、少しずつ水に慣れていく。


優子と千晶はガルーダと天女が描かれた競泳水着で、綾乃に助けを求めた。

優子: 「私、吹奏楽部でいじめにあってたから、泳ぐのも怖いよ…。」

千晶: 「私も軍歌が嫌で退部したから、運動苦手で…。」

綾乃: 「私も最初は慣れなかったよ。優子ちゃんと千晶ちゃんは優しい子だから、ゆっくり始めれば大丈夫。私が泳ぐから、一緒にやってみて。」

綾乃が泳ぎを見せると、二人も勇気を出して泳ぎ始める。綾乃の穏やかさに安心感を覚えながら、少しずつ進む。


春美、愛美、莉子、久美、彩美、愛永、華鈴、毬絵、彩芽、英美里もそれぞれ苦戦しつつ、貫太郎や健太、亮、拓也がフォローに入る。貫太郎は赤龍の競泳水着で、新入部希望者たちを見守っていた。

貫太郎: 「俺さ、最初は泳ぎ込みキツかったけど、慣れると楽しくなるぜ。お前らも焦らずに泳いでみてくれ。」

新入部希望者たちは貫太郎の言葉に励まされ、泳ぎ込みを続ける。海での練習は未経験者にとって試練だが、経験者の支えで少しずつ前進していく。


正午が近づくと、恵美が練習終了を告げた。部員たちは砂浜に戻り、三島コーポレーションの専属シェフが用意したケータリング料理が運ばれてくる。島宮観光ホテルの食器に盛られた料理は、和食の金目鯛の姿煮、洋食のローストビーフ、中華の北京ダックと豪華絢爛だ。部員たちはシートを広げ、潮風を感じながら食事を楽しむ。


貫太郎は公務員の父親が養う中流家庭で育ち、こんな高級料理は滅多に口にしない。金目鯛を一口食べ、目を輝かせる。

貫太郎: 「うわっ、すげぇ美味い!金目鯛なんて初めて食ったよ。アリス、ありがとうな。」


アリスは鳳凰が描かれた競泳水着で貫太郎にすり寄り、ローストビーフを箸でつまんで彼の口に運ぶ。

アリス: 「ふふ、貫太郎ならもっと食べていいよ。私が父にお願いしたんだから。」


その光景を見た美枝子、純恵、桃音、春美が嫉妬の目を向ける。美枝子が朱雀の競泳水着で立ち上がり、貫太郎に詰め寄る。

美枝子: 「ちょっと、貫太郎!あたしの方が好きだよね?アリスばっかりずるいよ!」

純恵: 「私だって貫太郎のこと大好きだよ!アリスちゃんばっかりじゃないよね?」

桃音: 「私も貫太郎に想いがあるよ。アリスさんだけ特別扱いしないで!」

春美: 「私だって負けないよ!貫太郎、誰が一番好きなの!?」


貫太郎は四人に囲まれ、冷や汗を流す。

貫太郎: 「俺、そんなつもりじゃ…みんなくそ可愛いから選べねぇよ!」


喧嘩になりかけたその時、主将の美咲が天照大神が描かれた競泳水着で立ち上がり、厳しい声で仲裁に入る。

美咲: 「お前ら、いい加減にしなさい!昼食中に騒ぐんじゃないよ。貫太郎も女々しい態度取らないでしっかりしなさい!」

美玲: 「美咲の言う通りだよ。みんな仲良く食べようね。貫太郎も困ってるから。」

美咲の威圧感と美玲の優しさに、場が収まる。貫太郎はホッと息をつき、アリスたちも席に戻る。部員たちは笑い合いながら食事を再開し、午後の練習に備えた。


昼食後、部員たちは再び海辺に集まり、午後の個別指導へと移る。午前中の泳ぎ込みで疲れつつも、新入部希望者たちは経験者の支えに感謝しつつ、次のステップに期待を寄せていた。貫太郎は仲間たちを見渡し、この水泳部が自分の居場所だと改めて実感する。

貫太郎: 「俺、みんなと一緒に泳げて幸せだよ。午後も頑張ろうぜ。」

部員たちは頷き合い、海風学園水泳部の絆がさらに深まる一日が続いていくのだった。


シーン4:各々の個別指導

・健太と鉄平の鍛錬

島宮県の海水浴場に広がる青い海と白い砂浜。夏の陽光が照りつけ、波の音が絶え間なく響き渡る中、海風学園水泳部の部員たちが練習に励んでいる。その一角で、大鳥鉄平と佐藤健太が波打ち際で向き合っていた。潮風が二人の競泳水着を軽く揺らし、鉄平の黒をバックに黒龍が描かれたブーメラン型競泳水着と、健太の緑をバックに獅子が描かれた競泳水着が陽光に映える。海水の塩辛い香りが鼻をくすぐり、遠くの水平線がどこまでも広がっている。


鉄平は神戸出身で、中国拳法の達人として鍛え上げられた強靭な肉体を持つ新入部員だ。一方、健太はバタフライ専門の水泳部員で、鉄平とは同級生ながら水泳歴では先輩にあたる。今日は新入部希望者向けに自由形の基礎を教える日であり、健太は鉄平の指導役を務める。鉄平は同級生である健太に対してタメ口で話すものの、水泳の技術を学ぶ立場として敬意と感謝の気持ちを忘れていない。健太もまた、鉄平の素直さと努力する姿勢に好感を抱いている。


波が足元を洗う砂浜に立った鉄平は、健太を見据えて口を開いた。少し緊張した面持ちだが、拳法で培った自信がその背中に宿っている。

鉄平: 「なぁ、健太、俺、自由形って全然泳いだことないねんけど、どうやって始めればええんや?」


健太は鉄平の言葉に笑顔を浮かべ、軽く肩を叩いた。ゲーム好きの彼らしい、気さくな態度で応じる。

健太: 「おお、鉄平、初めてでも大丈夫だよ。自由形ってさ、水泳の基本だから、誰でも最初はここから始めるんだ。俺も最初はバタ足しかできなかったしさ。とりあえず、海に入ってキックからやってみようぜ。」


鉄平は頷き、健太の後を追って海に足を踏み入れる。冷たい海水が足首を包み、徐々に膝、腰と浸かっていく。初めての海での泳ぎに、鉄平の心は期待と不安でざわついていた。中国拳法では地面を踏みしめ、相手と対峙する感覚に慣れているが、水の中ではその足場がない。まるで宙に浮いているような感覚に、鉄平は一瞬戸惑った。

鉄平: 「なんやこれ、足がフワフワして気持ち悪いわ。拳法やと地面踏んでる感覚が大事やのに…。」


健太は鉄平の言葉を聞いて笑いながら、海水を軽く叩いて水しぶきを上げた。

健太: 「それが水泳の面白いとこだよ。地面がない分、自分の体でバランス取るしかないんだ。まずはキックだよ。足をまっすぐ伸ばして、バタ足みたいに細かく動かしてみて。」


健太がその場で泳ぎ始めると、力強いキックで水面を滑る姿が鉄平の目に映る。健太の脚はバタフライで鍛えられただけあって、リズミカルで安定している。鉄平はその動きをじっと見つめ、自分の体にどう落とし込むか考え始めた。

鉄平: 「ほぉ、なるほどなぁ。俺の拳法の蹴りみたいに、足の力を水にぶつける感じか?」

健太: 「おお、いい例えだね!拳法の蹴りって、スピードと力のコンビネーションだろ?それを水に合わせてみてよ。力強く、でもリズムよくさ。」


鉄平は健太の言葉に頷き、深呼吸をしてから海に身を沈めた。顔を水につけ、両足を伸ばしてキックを始める。最初はぎこちなく、水しぶきが派手に上がるばかりだったが、拳法で鍛えた脚力が徐々に活きてきた。鉄平のキックは力強く、水を押す感覚が手に取るように分かる。

鉄平: 「おお、なんか分かってきたで!足で水を蹴ってる感じが拳法の突きに似てるわ!」


健太は鉄平の泳ぎを見て目を丸くし、すぐに笑顔になった。

健太: 「すげぇじゃん、鉄平!初めてとは思えないよ。拳法の力がそのまま出てんな。もうちょっとリズムを整えたら、もっとスムーズになるぜ。」

鉄平は健太の褒め言葉にニヤリと笑い、さらなるやる気を燃やした。水の中で自分の体が軽くなる感覚に新鮮さを感じながら、拳法の呼吸法を思い出し、リズムを意識し始めた。


キックに慣れてきたところで、健太は次のステップを提案する。波が穏やかに寄せる中、二人は少し深い場所に移動した。

健太: 「鉄平、キックいい感じになってきたから、次は腕を入れてみよう。自由形ってさ、キックと腕のストロークが連動して初めてスピードが出るんだ。俺が泳ぐから、動き見ててよ。」


健太が再び泳ぎ始めると、腕と脚が一体となって水を切り裂く姿が鉄平の前に広がる。健太のストロークはゲームのコントローラーを操作するような正確さがあり、鉄平はその動きに感心する。

鉄平: 「お前、ほんまに動きがキレイやな。俺もあんな風に泳げるようになりたいわ。」

健太: 「へへ、ありがとう。鉄平ならすぐできるよ。腕は水をかくイメージで、指先から入れて、手のひらでしっかり押すんだ。拳法の突きみたいに、力を集中させてみて。」


鉄平は健太のアドバイスを頭に刻み、再び泳ぎ始めた。キックを続けながら、右腕を伸ばして水をかく。拳法の突きの要領で力を込めると、水がグッと押される感覚が伝わってくる。しかし、左腕を動かそうとした瞬間、タイミングがずれて体が傾いてしまう。

鉄平: 「うわっ、なんやこれ、バランス崩れるやん!腕と足がバラバラや…。」


健太は鉄平の泳ぎを見て、少し考え込むように顎に手を当てたが、すぐに明るい声でアドバイスを送る。

健太: 「大丈夫だよ、最初はみんなそうなる。腕と足のタイミングを合わせるコツは、呼吸と一緒に考えることだ。右腕を伸ばすときに息を吸って、左腕でかくときに吐くイメージでやってみて。」


鉄平は健太の言葉を聞き、拳法の呼吸法を応用することを思いついた。突きを繰り出すときの「吸って、吐く」というリズムを水泳に持ち込めば、バランスが取れるかもしれない。深呼吸をしてから再挑戦する。

鉄平: 「吸って…吐いて…おお、なんか安定してきたで!健太、ほんまにええアドバイスやな!」

健太: 「やったじゃん!鉄平の拳法の感覚、めっちゃ活きてるよ。もうちょっと腕の角度を調整してみて。俺と並んで泳ごうぜ。」

二人は並んで泳ぎ始めた。鉄平の泳ぎはまだ荒削りだが、拳法の力強さと健太の指導が融合し、徐々に形になっていく。健太は鉄平の成長の速さに驚きつつ、仲間として誇らしさを感じていた。


練習が進むにつれ、鉄平は水泳の新たな魅力に気づき始めていた。拳法では相手との駆け引きが中心だったが、水泳では海そのものが相手だ。波のリズム、水の抵抗、潮の流れ――それらを感じながら泳ぐ感覚は、鉄平にとって新鮮で刺激的だった。

鉄平: 「なぁ、健太、水泳って海と話してるみたいやな。拳法やと相手の動き読むけど、ここやと水の動きに合わせる感じや。」


健太は鉄平の言葉に目を輝かせ、ゲームのストーリーを語るような口調で応じた。

健太: 「おお、それめっちゃいい表現だよ!水泳ってさ、RPGでボスと戦うみたいなもんだよ。海がボスで、俺らが技を磨いて挑む感じ。鉄平の拳法のスキルが、水の中でどんどんレベルアップしてるぜ。」


鉄平は健太の例えに笑いながら、海を見据えた。波が寄せては返す様子を眺め、拳法の精神を水に投影する。力でねじ伏せるのではなく、流れに乗り、調和する――その感覚が鉄平の体に染み込んでいく。

鉄平: 「ほな、俺、この海とちゃんと向き合ってみるわ。健太、もっと教えてくれや。」

健太: 「おう、任せとけ!次はターンとかもやってみようぜ。鉄平ならすぐマスターできるよ。」

二人は再び泳ぎ始めた。鉄平のキックは力強く、腕のストロークも徐々に滑らかさを増していく。健太はそんな鉄平を見て、まるでゲームの相棒が強くなる瞬間を見届けるような喜びを感じていた。


夕陽が海面をオレンジ色に染める頃、二人は砂浜に戻り、息を整えながら並んで座った。鉄平は濡れた髪をかき上げ、健太に目を向ける。拳法で鍛えた体は疲れを知らず、まだ泳ぎ足りないほどのエネルギーが残っている。

鉄平: 「なぁ、健太、今日一日でだいぶ自由形の感覚掴めたわ。ほんまにお前のおかげやで。感謝してるわ。」


健太は照れくさそうに笑い、砂に指でゲームのコントローラーの形を描きながら答えた。

健太: 「へへ、鉄平が頑張ったからだよ。俺、教えるのって初めてだったけど、鉄平のおかげで楽しかったぜ。また一緒に泳ごうな。」


鉄平は健太の言葉に頷き、海を見ながら拳を軽く握った。拳法で培った強さが、水泳という新たな舞台で花開きつつある。そのきっかけをくれた健太への感謝は、鉄平の中で静かに広がっていた。

鉄平: 「おう、また頼むで。俺、もっと強なるから、健太も負けんようにな。」

健太: 「おお、挑戦受けて立つぜ!次はバタフライも教えてやるから、覚悟しとけよ!」

二人は笑い合い、夕陽に照らされた海を背に、仲間としての絆を深めていた。鉄平にとって、健太はただの同級生ではなく、水泳の世界への導き手であり、信頼できる相棒だった。そして健太にとっても、鉄平の成長は自分の努力が実を結んだ証であり、誇らしい瞬間だった。


こうして、鉄平と健太の鍛錬は、海風学園水泳部の新たな一ページを刻んだ。鉄平の拳法の力が自由形に融合し、健太の指導がその才能を引き出す。二人の絆は、海の波のように寄せては返し、さらなる高みへと続いていくのだった。


・亮と純也の鍛錬

島宮県の海水浴場は、夏の陽光に照らされ、青い海がキラキラと輝いている。波の音が絶え間なく響き、潮風が砂浜を軽く撫でていく。海風学園水泳部の部員たちが集まり、新入部希望者向けの自由形の基礎練習が行われている中、山本亮と早瀬純也が石田裕介と向き合っていた。亮の黒をバックに海馬が描かれたブーメラン型競泳水着と、純也の緑をバックに麒麟が描かれた競泳水着が潮風に揺れ、裕介の赤をバックにアポロンが描かれた競泳水着がその間に立つ。三人は波打ち際で、海水が足元を洗う感触を感じながら、今日の鍛錬に臨んでいる。


亮は海風学園に入学してから水泳を本格的に始めた新入部員で、入部からわずか三ヵ月ながら合宿や県大会を経験し、初心者ながらも成長を見せている。一方、純也はキックボクシングで鍛えた身体を持つ新入部希望者で、水泳は未経験だ。指導役の裕介は背泳ぎのスペシャリストであり、理系男子らしい論理的なアプローチで二人に自由形の基礎を教える。亮と純也は同級生だが、水泳歴では亮が先輩にあたる。それでも亮は貫太郎や健太に比べればまだ未熟で、自分を「半人前」と自覚している。純也はそんな亮に共感しつつ、二人で水泳部の上位を目指す約束を交わしていた。


砂浜に立った亮は、海を見ながら軽く肩を回した。中学時代の軟式テニス部での経験が、身体に染みついた運動神経を呼び覚ます。隣に立つ純也は、キックボクシングで鍛えた脚を軽く動かし、初めての海での泳ぎに少し緊張した表情を見せる。裕介は二人を見渡し、穏やかな口調で話し始めた。

裕介: 「俺が今日、亮と純也に自由形の基礎を教える。亮はもう三ヵ月やってるから、ある程度感覚掴めてるよな? 純也は初めてだろ? でも、二人とも運動部経験者だから、すぐ慣れると思うぜ。」

亮: 「俺、確かに三ヵ月やってるけど、まだ貫太郎や健太には全然追いつけてねぇよ。自由形のキックとかストローク、まだ安定しねぇし…。」

純也: 「俺なんか水泳自体初めてやで。キックボクシングやっとったから足の力はあるけど、水の中やとどうなるか分からんわ。裕介はん、よろしゅう頼むで。」


裕介は二人の言葉に頷き、海に一歩踏み出した。水が膝まで浸かる位置で振り返り、理系らしい冷静な口調で説明を始める。

裕介: 「自由形の基本は、まず水に浮くことだ。人間の体ってさ、浮力のおかげで水に沈まねぇんだよ。物理の法則で言うと、アルキメデスの原理だ。体が水を押しのけた分だけ浮く力が働く。それを意識して泳ぐと、楽に進めるぜ。」


亮は裕介の説明を聞きながら、少し目を細めた。中学時代、勉強嫌いだった自分が軟式テニス部を辞めてから勉強に目覚め、学年上位に食い込むまでになった経緯を思い出す。物理の授業も好きだったが、こうやって実践で聞くと新鮮だ。

亮: 「浮力か…。確かに水に入ると体が軽くなる感じはあるな。俺、泳ぐとき力入れすぎてたかもしれねぇ。」

純也: 「ほぉ、浮力ってそんな感じなんやな。俺、キックボクシングやと力で押し切るタイプやから、水の中やと逆に力抜く方がええんか?」

裕介: 「その通りだよ、純也。力任せに泳ぐと疲れるだけだ。亮も力入れすぎてるなら、もっとリラックスしてみて。俺が泳ぐから、動き見てくれ。」


裕介が海に飛び込み、自由形のフォームを見せる。水面を滑るように進む姿は、背泳ぎのスペシャリストらしい安定感がある。亮と純也は波打ち際からその泳ぎをじっと観察する。裕介のキックは細かく、ストロークは水を効率よく押している。

亮: 「すげぇな、裕介先輩。動きに無駄がねぇよ。俺、もっとキックを細かくしてみようかな。」

純也: 「ほんまにな。俺もあのキック真似してみたいわ。裕介はん、キックのコツってなんや?」


裕介は泳ぎ終えて戻ってくると、息を整えながら答えた。

裕介: 「キックは足をまっすぐ伸ばして、膝を軽く曲げる感じだ。力入れるのは足首だけでいい。純也のキックボクシングの脚力なら、鋭いキックで水を押せるはずだ。亮はテニスのフットワークみたいに、リズムを意識してみて。」


亮と純也は裕介の言葉を胸に、海に飛び込んだ。冷たい海水が全身を包み、二人はそれぞれの感覚を頼りに泳ぎ始める。亮はテニス部時代のリズム感を思い出し、キックを細かく刻むように意識する。最初は水しぶきが上がるばかりだったが、徐々に水を押す感覚が掴めてきた。

亮: 「おお、なんか分かってきたぞ。キックを小さくすると、疲れねぇし進む感じがする。」


純也はキックボクシングの蹴りをイメージし、鋭く短いキックを繰り出す。水の抵抗に戸惑いながらも、脚力が活きて少しずつ前進する。

純也: 「うわっ、水が重いわ!でも、キックボクシングの蹴りみたいに力入れると、進むんやな。裕介はん、ええ感じか?」


裕介は二人の泳ぎを見て、満足げに頷いた。

裕介: 「いいぞ、二人とも。亮はリズムが安定してきたな。純也はキックの力が強いから、もう少しリラックスしてタイミング合わせるともっと良くなる。次は腕のストロークだ。俺がまた泳ぐから、見ててくれ。」


裕介が再び泳ぎ始めると、腕とキックが連動した流れるような自由形が披露される。亮はテニスのスイングを思い出し、純也はキックボクシングのパンチをイメージしながら、その動きを頭に刻む。

亮: 「腕とキックを合わせるのか…。テニスのラリーみたいに、タイミングが大事なんだな。」

純也: 「ほぉ、パンチとキックのコンビネーションみたいやな。俺、やってみるで!」


二人は再び泳ぎ始めた。亮は腕を伸ばし、水をかく感覚をテニスのスイングに重ねる。純也はパンチの鋭さをストロークに込め、キックとの連動を意識する。最初はバランスが崩れ、亮は水を飲んで咳き込み、純也は体が傾いて笑いものになる。

亮: 「うげっ、水飲んじまった…。タイミング合わねぇよ、まだまだだな。」

純也: 「俺もや!体がグラグラして笑えるわ。裕介はん、どうしたらええんや?」

裕介: 「焦らなくていいよ。最初は誰だってそうなる。腕とキックのタイミングは、呼吸で調整するんだ。右腕を伸ばすときに息を吸って、左腕でかくときに吐く。やってみて。」


亮と純也は裕介のアドバイスに従い、呼吸を意識して泳ぎ直す。亮はテニス部を辞めた後の孤独な時間を思い出しながら、水の中で新たなリズムを刻む。純也はキックボクシング部の悪事を暴いた後の虚無感を振り払うように、力強く泳ぐ。二人の泳ぎが少しずつ安定し始めると、裕介は砂浜に戻り、二人に自分の過去を語り始めた。

裕介: 「俺さ、中学時代はサッカー部だったんだ。プロ目指してたけど、三年の夏の県大会でやらかした。オウンゴール決めちまって、チームは負けて、俺が戦犯扱いされた。監督にも見捨てられて、仲間や後輩にも軽蔑されてさ。クラブチームからも追放されて、スポーツ推薦も取り消された。もう自暴自棄だったよ。」


亮と純也は泳ぎを止めて、波間に立ちながら裕介の話に耳を傾ける。亮はテニス部での人間関係の拗れを思い出し、純也はキックボクシング部の裏切りを重ね合わせる。

亮: 「俺もさ、中学二年でテニス部辞めたよ。仲間と揉めて、居場所なくなってさ。それから勉強に逃げて、何とか這い上がったけど、心のどこかで運動部に戻りたかったんだ。」

純也: 「俺もや。キックボクシング部が腐っとるの知って、鉄平と一緒にぶっ潰したけど、その後は虚しかったわ。裕介はんの話、めっちゃ分かるで。」


裕介は二人の言葉に目を細め、静かに続けた。

裕介: 「俺も鳴海西落ちて、海風学園に来たんだ。そしたらさくら先輩に水泳部に誘われてさ。新しい挑戦だったけど、ここでやっと自分の居場所見つけた感じがする。お前らもさ、過去は辛かったかもしれないけど、ここで一緒に上目指せばいいよな。」


亮は裕介の言葉に胸が熱くなり、純也は拳を握って頷いた。

亮: 「そうだな、俺、裕介先輩みたいに這い上がりたいよ。水泳部で貫太郎たちに追いついて、上目指すぜ。」

純也: 「俺もや!裕介はんと亮と一緒に、水泳部でトップ狙うで。過去は過去や、今が大事やな。」

裕介: 「おう、二人ともその意気だ。俺もまだまだ未熟だから、一緒に成長しようぜ。」


夕陽が海をオレンジ色に染める頃、三人は再び泳ぎ始めた。亮はテニスのリズムを自由形に活かし、キックとストロークが徐々に連動する。純也はキックボクシングの鋭さを水にぶつけ、力強い泳ぎを見せる。裕介は二人の横で泳ぎながら、物理の浮力を感じつつ、自分の過去を乗り越えた喜びを噛みしめる。

亮: 「おお、なんか体が軽いぞ!浮力ってすげぇな、裕介先輩のおかげだよ。」

純也: 「俺もや!水が味方してるみたいやわ。裕介はん、ほんまにええ指導やで!」

裕介: 「二人ともセンスあるよ。亮はもっと肩の力を抜いて、純也はキックのタイミングをもう少し細かくしてみて。夕陽が沈むまで泳ごうぜ。」


三人は笑い合いながら泳ぎ続けた。亮はテニス部での挫折を、純也はキックボクシング部の裏切りを、裕介はサッカーでの失敗を、それぞれ水に流し、新たな未来を描く。海風学園水泳部での絆が、彼らの心を強く結びつけていた。


練習が終わり、三人は砂浜に座って息を整えた。夕陽が水平線に沈み、海が静寂に包まれる中、亮と純也は裕介に感謝の目を向ける。

亮: 「俺、今日で自由形の感覚掴めた気がする。裕介先輩、純也、ありがとうな。一緒に上目指そうぜ。」

純也: 「俺もや。裕介はんと亮と一緒なら、どこまででも行ける気がするわ。絶対トップ狙うで!」

裕介: 「おう、俺も負けねぇよ。亮と純也がいるなら、水泳部もっと強くなるぜ。一緒に頑張ろうな。」

三人は拳を合わせ、海を見ながら未来を誓った。亮と純也の鍛錬は、裕介の指導と過去の共有を通じて、単なる技術の習得を超えた絆を生み出していた。彼らの泳ぎはまだ未熟だが、その一歩一歩が海風学園水泳部の新たな歴史を刻んでいくのだった。


・拓也と虎十郎と秀紀の鍛錬

島宮県の海水浴場に広がる青い海は、夏の日差しを受けてキラキラと輝いている。波の音が絶え間なく響き、潮風が砂浜を軽く撫でていく中、海風学園水泳部の部員たちが練習に励んでいる。その一角で、高木拓也、深町虎十郎、鷹丸秀紀が、山口健と高田光の指導を受けていた。拓也の青をバックに天馬が描かれたブーメラン型競泳水着、虎十郎の赤をバックに猛虎が描かれた競泳水着、秀紀の黒をバックに八咫烏が描かれた競泳水着が並び、先輩の健の黄色をバックにオーディンが描かれた競泳水着と、光の白をバックに白虎が描かれた競泳水着がその前に立つ。五人は波打ち際で、海水が足元を洗う感触を感じながら、自由形の基礎練習に臨んでいる。


拓也は水泳部に入部して三ヵ月、平泳ぎ専門として記録を伸ばしつつあるが、勉強嫌いで学業には劣等感を抱いている。一方、虎十郎と秀紀は生まれつきの天才児で、幼稚園から親友として共に歩んできた。健は電気工業科の三年生で就職を目指し、光は普通科の二年生で進学と就職の両方を視野に入れている。先輩二人は勉強が得意ではないが、実践的な人生観を持ち、後輩たちに泳ぎと共に生き方を教える。


砂浜に立った拓也は、海を見ながら軽く首を振った。アニメと漫画に没頭する日々が心地よかったが、勉強が苦手な自分と天才児の二人を見比べ、内心のモヤモヤが消えない。隣に立つ虎十郎は冷静な表情で海を見つめ、秀紀は静かにその横に立つ。健と光が二人を見渡し、気さくな口調で話し始めた。

健: 「俺と光が今日、拓也と虎十郎と秀紀に自由形の基礎を教えるぜ。拓也は三ヵ月やってるから感覚あるよな? 虎十郎と秀紀は初めてか。まぁ、頭いい二人ならすぐ覚えるだろ。」

拓也: 「俺、三ヵ月やってるけどさ、まだ平泳ぎしかまともに泳げねぇよ。自由形って全然違う感覚で、慣れねぇんだよな…。」

虎十郎: 「俺は水泳自体初めてだ。だが、理論的に理解すればすぐに上達できるはずだ。健先輩、光先輩、よろしくお願いする。」

秀紀: 「俺も同じだ。虎十郎と一緒に効率よく学びたい。指導を楽しみにしているよ。」


光は二人の言葉に笑いながら、海に一歩踏み出した。水が膝まで浸かる位置で振り返り、和風を愛する口調で説明を始める。

光: 「俺はな、泳ぎって和食を作るようなもんだと思ってる。力で押し切るんじゃなくて、水と調和するんだ。拓也は平泳ぎの感覚あるだろ? それにちょっと自由形のキック足せばいい。虎十郎と秀紀は頭いいから、水の流れ感じてみろ。」


拓也は光の言葉に少し首をかしげた。アニメの戦闘シーンなら力で押し切るのがカッコいいと思っていたが、水泳では違うらしい。虎十郎と秀紀は冷静に頷き、理論を頭に落とし込む準備を始める。

拓也: 「俺、力入れる泳ぎしか知らねぇよ。調和ってどういうことだよ…。」

虎十郎: 「水の抵抗を最小限に抑え、効率よく進むということだろ。物理的な視点で見れば納得できる。」

秀紀: 「確かに。流体力学の基本だ。俺たちならすぐ応用できるはずだ。」


健は三人のやり取りを見て笑い、プラモデルを組み立てるような手つきで説明を加えた。

健: 「お前ら、頭いいのもいいけどさ、泳ぎは体で覚えるもんだぜ。俺が泳ぐから、見ててくれ。自由形のキックは細かく、力は足首に集中させるんだ。」

健が海に飛び込み、力強い自由形を見せる。水面を滑る姿は、平泳ぎのスペシャリストらしい安定感がある。拓也はアニメのヒーローの動きを重ね、虎十郎と秀紀は水流の動きを分析するように観察する。


健の泳ぎを見た三人は、海に飛び込んだ。冷たい海水が全身を包み、それぞれの感覚を頼りに泳ぎ始める。拓也は平泳ぎの癖が抜けず、キックが大きくなりすぎて水しぶきが上がる。虎十郎と秀紀は初めてながらも、頭で考えたフォームを試し、少しずつ水に慣れていく。

拓也: 「うわっ、俺、キックがデカすぎるのか、水跳ねまくりだよ。どうすりゃいいんだよ、健先輩!」

健: 「拓也、もっと足首使えよ。平泳ぎみたいに膝曲げすぎると進まねぇぜ。アニメのキャラみたいにスマートに泳ぐイメージ持て。」


拓也は健の言葉に目を輝かせ、『ドラゴンボール』の孫悟空の動きを思い浮かべた。力強く、でも無駄のない動きを目指し、キックを調整する。少しずつ水を押す感覚が掴めてくる。

拓也: 「おお、悟空みたいにキック小さくしたら進むじゃん! 健先輩、すげぇよ!」


虎十郎は水中で自分の体を観察し、理論を実践に落とし込む。秀紀も同様に、冷静にフォームを修正していく。

虎十郎: 「俺、水の抵抗が腕と脚にどう作用するか分かってきた。キックを細かくすれば、推進力が増すな。」

秀紀: 「俺もだ。呼吸とキックのタイミングを合わせれば、さらに効率が上がる。光先輩、次は何だ?」


光は三人の泳ぎを見て、満足げに頷いた。

光: 「いい感じだな。次は腕のストロークだ。俺が泳ぐから、水をかく感覚見てみろ。和食の出汁を取るみたいに、優しく水を押すんよ。」

光が泳ぎ始めると、優雅なストロークが水面を切り裂く。拓也は『聖闘士星矢』の聖闘士の技を思い出し、虎十郎と秀紀は流体力学の応用を考えながらその動きを頭に刻む。


泳ぎに慣れてきたところで、健と光は三人に休息を促し、砂浜で人生訓を語り始めた。波が穏やかに寄せる中、健は電気工事士を目指す自分の夢を語る。

健: 「俺さ、勉強は苦手だよ。でも、電気工事士の資格取って、ちゃんと働ける未来が欲しいんだ。拓也、勉強嫌いでもさ、就職に繋がる資格は取っとけよ。人生の保険になるぜ。」


拓也は健の言葉に少し目を伏せた。アニメと漫画に逃げてきた自分が、将来を考えるきっかけになるかもしれない。

拓也: 「俺、勉強嫌いだけど…資格か。『ガンダム』の整備士みたいに、技術で生きるのもアリかもな。」


光は和風の口調で、自分の信念を語り始めた。

光: 「俺はな、学歴が全てじゃないと思ってる。大事なのは、どう生きていくかだ。医者になる虎十郎も、秀紀も、夢が決まってるのは良いけど、拓也みたいに決まってないなら、自分探しのために泳ぎまくれ。夢ってのはな、動いてるうちに見つかるもんだ。」


虎十郎と秀紀は光の言葉に頷き、自分の夢を語る。

虎十郎: 「俺は両親の跡を継いで医者になる。人の命を救うのが俺の使命だ。」

秀紀: 「俺は自然治癒を専門にした医者を目指す。人間の体の仕組みを解明したいんだ。」


拓也は二人の夢を聞いて、さらに劣等感が膨らむが、健と光の言葉に励まされる。

拓也: 「俺、まだ夢決まってねぇよ。アニメみたいにカッコいい生き方したいけど、何だか分かんねぇ…。」

健: 「なら、泳ぎまくれよ、拓也。俺みたいに資格取る道もあるし、光みたいに自分探しもある。夢は焦らなくていいぜ。」

光: 「そうだ。泳いでるうちに、自分が何したいか見えてくる。俺らもまだ夢の途中だからな、一緒に頑張ろうや。」


五人は再び泳ぎ始め、拓也はアニメのヒーローをイメージし、キックとストロークを連動させる。虎十郎と秀紀は理論を実践に落とし込み、効率的な泳ぎを見せる。健と光は二人の横で泳ぎながら、後輩たちの成長を喜ぶ。

拓也: 「俺、悟空みたいに泳げるようになってきたぞ! 健先輩、光先輩、ありがとうな!」

虎十郎: 「俺もだ。水泳の理論が体に染み込んできた。指導のおかげだよ。」

秀紀: 「俺も同じだ。泳ぎながら考えるのが面白い。先輩たちに感謝してる。」

健: 「おう、拓也のアニメパワーも、虎十郎と秀紀の頭脳もすげぇよ。俺らも負けねぇぜ。」

光: 「そうやな。夕陽が沈むまで泳ごうや。お前らの夢、応援してるぞ。」

五人は笑い合いながら泳ぎ続けた。拓也は劣等感を少しずつ乗り越え、虎十郎と秀紀は新たな挑戦に喜びを感じる。健と光は後輩たちに人生を教えながら、自分たちの夢も再確認していた。


練習が終わり、五人は砂浜に座って息を整えた。夕陽が水平線に沈み、海が静寂に包まれる中、拓也は健と光に感謝の目を向ける。

拓也: 「俺、今日で自由形の感覚掴めたよ。健先輩、光先輩のおかげだ。夢探し、泳ぎながら頑張るぜ。」

虎十郎: 「俺もだ。水泳が医者への道に繋がるかもしれない。ありがとう、先輩。」

秀紀: 「俺も同じだ。泳ぎながら自分の夢を深めたい。先輩たちの言葉、忘れないよ。」

健: 「おう、俺らもお前らに教えられたぜ。一緒に上目指そうな。」

光: 「そうや。お前らが泳ぐ姿見て、俺ももっと頑張れるわ。未来は明るいやろ。」

五人は海を見ながら、互いの絆を確かめた。拓也と虎十郎と秀紀の鍛錬は、健と光の指導を通じて、泳ぎの技術だけでなく人生の指針をも与えていた。彼らの未来はまだ見えないが、その一歩が海風学園水泳部の新たな歴史を刻んでいくのだった。


・真澄と愛美と莉子と久美の鍛錬

島宮県の海水浴場は、夏の日差しに照らされて輝きを増している。白い砂浜が熱を帯び、波の音が心地よく響き渡る中、海風学園水泳部の部員たちが練習に励んでいる。潮風が髪を揺らし、海水の塩辛い香りが鼻腔をくすぐる。波打ち際には色とりどりの競泳水着を着た部員たちが並び、新入部希望者たちもその中に混じって新たな一歩を踏み出している。この日は自由形の基礎を鍛える個別指導の日であり、真澄、愛美、莉子、久美の四人は二年生の先輩である田辺明美と森川ユウに付きっきりで指導を受けていた。


明美は赤をバックにアテナが描かれたハイレグ型競泳水着をまとい、体育教師を目指す普通科の生徒らしい堂々とした立ち姿で四人を見渡している。一方、ユウはピンクをバックにアフロディテが描かれたハイレグ型競泳水着で、ファッションモデルを夢見る優雅な雰囲気を漂わせている。真澄のアナコンダが描かれた黒い競泳水着、愛美のペガサスが描かれた白い競泳水着、莉子のスフィンクスが描かれた黄色い競泳水着、久美のセイレーンの青い競泳水着が並び、海辺に鮮やかな色彩を添えている。


波が足元を洗う砂浜に立った明美は、四人を前にして腕を組んだ。体育教師志望の彼女らしい、力強い声で指導が始まる。

明美: 「あたいが今日、真澄、愛美、莉子、久美の四人を鍛えてやるよ。自由形の基礎からみっちりやるから、覚悟しな。あたいが体育教師になったら、水泳部だろうが一般生徒だろうが、同じ訓練させるつもりだからな。泳ぎが苦手でも、分かり易く教えてやるから心配すんなよ。」


真澄は少し緊張した表情で明美を見上げる。バレー部を辞めて以来、運動から遠ざかっていた彼女にとって、海での泳ぎは未知の挑戦だ。

真澄: 「私、バレー部だったけど泳ぎは全然で…。明美先輩の指導、ちょっと怖いですけど頑張ります。」


愛美はスイミングクラブでの経験を思い出しつつ、ハイレグ型競泳水着に慣れていない自分に少し不安を感じていた。

愛美: 「私、スイミングクラブには通ってるけど、ハイレグは初めてで…。明美先輩、よろしくお願いします。」


莉子はテニス部での筋肉質な体を意識しながら、明美の言葉に頷く。

莉子: 「私、テニスで体は鍛えてたけど、泳ぎは苦手です。明美先輩に教えてもらえるなら頑張ります。」


久美はバレー部を辞めた後の競泳への思いを胸に、静かに意気込みを語る。

久美: 「私、小学生の頃に競泳やってたけど、中学からは離れてて…。また泳げるようになりたいです。」


明美は四人の言葉に満足げに笑い、拳を握って気合を入れる。

明美: 「よし、お前らにゃ根性があるな。女にも精神論ってのはあるんだよ。『乙女の根性』を男子に見せてやろうじゃねぇか。あたいの大好きな『魁!男塾』を引用して、『魁!乙女塾』って感じで鍛えてやるよ。莉子と久美はあたいが、真澄と愛美はユウが担当する。行くぜ!」


ユウは明美の勢いに笑いながら、四人に優しく声をかけた。

ユウ: 「あたし、明美みたいに熱血じゃないけど、真澄と愛美をしっかり鍛えるよ。冷静に泳ぐのが大事だから、一緒に頑張ろうね。」

四人は頷き合い、海に足を踏み入れる。冷たい海水が足首を包み、徐々に膝、腰と浸かっていく。初めての海での泳ぎに緊張しながらも、先輩たちの指導に期待を寄せていた。


明美は莉子と久美を連れて、少し深い場所へ移動した。波が穏やかに寄せる中、彼女は二人にキックから始めるよう指示する。

明美: 「莉子、久美、まずはキックだ。足をまっすぐ伸ばして、バタ足みたいに細かく動かせ。あたいが泳ぐから、見ててくれよ。」


明美が海に飛び込み、力強い自由形を見せる。水面を切り裂くキックとストロークが、体育教師らしい実践的なフォームだ。莉子はその姿に目を奪われ、テニスで鍛えた脚力を意識する。

莉子: 「私、テニスのフットワークなら自信あるけど、泳ぎは…。でも、明美先輩のキック、力強いですね。」


明美は泳ぎ終えて戻り、莉子の体を見ながら頷いた。

明美: 「莉子、お前、テニスで鍛えた筋肉質がまだ衰えてねぇな。この脚力なら、競泳で絶対活躍できるぜ。キックにその力を込めてみろよ。根性見せろ!」


莉子は明美の励ましに勇気を得て、海に飛び込む。テニスの瞬発力をキックに活かそうと試みるが、最初は水の抵抗に翻弄され、水しぶきが上がる。

莉子: 「うわっ、水が重いです!でも、テニスの感覚思い出して…。」

明美: 「いいぞ、莉子!もっと足首使え。力入れるのはそこだけでいい。あたいが横で泳ぐから、リズム見てくれ。」

明美が再び泳ぎを見せると、莉子はそのリズムを真似ようと試みる。少しずつ水を押す感覚が掴め、泳ぎが安定していく。


一方、久美は明美の泳ぎを見て、小学生時代の競泳を思い出す。スイミングクラブでの記憶が蘇り、自然とキックが動き出す。

久美: 「私、小学生の頃はこんな感じで泳いでたかも…。明美先輩、私、泳げてますか?」


明美は久美の泳ぎを見て、目を丸くする。未経験者とは思えないスムーズな動きに驚きつつ、質問を投げかけた。

明美: 「久美、お前、結構泳げてんな。競泳の経験あるのか?ちょっと話してみろよ。」


久美は泳ぎを止め、波間に立ちながら過去を語る。

久美: 「私、小学校でスイミングクラブに通ってて、選手コースまで行きました。でも、監督と対立して辞めて…。中学からはバレー部だったけど、中一の時に記録会で優勝したきりで。それ以来、競泳から離れてたんですけど、バレー部の闇を知って、また泳ぎたくなったんです。」


明美は久美の話を聞き、目を輝かせて拳を握る。

明美: 「お前、すげぇな!競泳の資質がちゃんと備わってるよ。選手コースまで行った根性もあるし、お前なら絶対に競泳で一位になれるぜ。『魁!乙女塾』の精神で鍛えてやるから、覚悟しろよ!」


久美は明美の言葉に胸が熱くなり、頷く。

久美: 「私、頑張ります!また競泳で活躍したいです。」

明美: 「よし、なら次は腕だ。ストロークは水をかくイメージで、力強く押せ。あたいと一緒に泳ぐぞ。」

二人は並んで泳ぎ始めた。莉子のテニスの脚力が、久美の競泳の記憶が、それぞれ自由形に活かされていく。明美は二人の成長に満足げに笑う。


ユウは真澄と愛美を連れて、波の穏やかな浅瀬で指導を始めた。優雅な口調で二人に声をかける。

ユウ: 「あたしが真澄と愛美を鍛えるよ。泳ぎは冷静さが大事だから、焦らずにやってみてね。まずはキックからだよ。あたしが泳ぐから、見てて。」


ユウが泳ぎ始めると、アフロディテの名にふさわしい優雅な自由形が披露される。真澄は幼少期のスイミングクラブを思い出しつつ、少し不安げに口を開く。

真澄: 「私、幼稚園の頃にスイミングクラブに通ったけど、半年で辞めちゃって…。それ以来、泳いでないから金槌なんです。」


ユウは真澄の言葉に優しく微笑み、励ます。

ユウ: 「半年でも経験があるなら、体が覚えてるよ。金槌でも、少しずつ克服できるから大丈夫。あたしと一緒にキックしてみて。」


真澄はユウの言葉に勇気をもらい、海に飛び込む。キックを試みるが、恐怖心から体が縮こまり、思うように進まない。

真澄: 「私、怖くて…。水が顔にかかるの苦手で…。」

ユウ: 「焦らなくていいよ、真澄。顔を上げてても泳げるから、まずは足を動かしてみて。あたしが横にいるから安心してね。」


ユウが真澄の横で泳ぎながら支えると、真澄は少しずつキックを動かす。水の感触に慣れ、恐怖が薄れていく。

真澄: 「私、ちょっと進めたかも…。ユウ先輩、ありがとう。」

ユウ: 「いい感じだよ、真澄。競泳の可能性、まだまだあるから頑張ってね。」


一方、愛美はペガサスの競泳水着で、自信と不安が入り混じった表情でユウに話しかける。

愛美: 「私、今でもスイミングクラブに通ってるけど、ハイレグは初めてで…。スパッツ型だと着脱が面倒で、締め付けもきつくて。貫太郎君とアリスちゃんの活躍見て、ハイレグで大会出てみたいと思ったんです。」


ユウは愛美の話を聞いて、目を輝かせる。

ユウ: 「愛美、すごい決断だよ。あたし、ハイレグの良さ分かるから、その気持ち応援するよ。スイミングクラブで泳力あるなら、絶対活躍できる。海風学園水泳部の仲間として歓迎するから、一緒に頑張ろうね。」


愛美はユウの歓迎に胸が温かくなり、頷く。

愛美: 「私、嬉しいです。ハイレグで泳げるようになりたいです。」

ユウ: 「じゃあ、キックからだよ。あたしと一緒に泳いでみて。冷静に、でも力強くね。」


愛美は海に飛び込み、スイミングクラブでの泳力を発揮する。ハイレグの軽さに驚きつつ、キックがスムーズに進む。

愛美: 「私、ハイレグってこんなに動きやすいんだ…。ユウ先輩、いい感じですか?」

ユウ: 「最高だよ、愛美。泳力健在だね。次は腕も入れてみて。あたしが泳ぐから、真似してみて。」

ユウが泳ぎを見せると、真澄と愛美はそれぞれ挑戦する。真澄は金槌を克服しつつ、愛美はハイレグに慣れていく。ユウは二人の成長に優しい笑みを浮かべる。


夕陽が海をオレンジ色に染める頃、四人は明美とユウと共に泳ぎ続けた。莉子はテニスの脚力が自由形に活き、久美は競泳の記憶が蘇り、真澄は金槌を克服し、愛美はハイレグでの泳ぎに自信を深める。

明美: 「莉子、久美、すげぇぞ!お前らなら『魁!乙女塾』の看板背負えるぜ。もっと根性見せろよ!」

莉子: 「私、泳げるようになってきた!明美先輩のおかげです。」

久美: 「私もです。一位目指して頑張ります!」

ユウ: 「真澄、愛美、落ち着いて泳げてるよ。あたし、二人に可能性感じるから、もっと伸ばしていこうね。」

真澄: 「私、金槌じゃなくなってきた…。ユウ先輩、ありがとう。」

愛美: 「私、ハイレグで大会出る夢が近づいたよ。ユウ先輩のおかげです。」

五人は夕陽の下で泳ぎ込みを終え、砂浜に戻る。明美とユウの指導は、四人に泳ぎの技術だけでなく、精神的な強さも与えていた。


砂浜に座り、息を整える四人は先輩たちに感謝の目を向ける。夕陽が水平線に沈み、海が静寂に包まれる中、真澄が口を開く。

真澄: 「私、泳げるようになるなんて思わなかった。明美先輩、ユウ先輩、ありがとう。」

愛美: 「私もです。ハイレグで泳ぐ夢、叶えたいです。」

莉子: 「私、テニスの力を泳ぎに活かせて嬉しいです。先輩たちのおかげです。」

久美: 「私、競泳に戻れて幸せです。一位目指します。」

明美: 「お前ら、最高だよ。あたいの『魁!乙女塾』、これからも鍛えてやるからな。」

ユウ: 「あたしも嬉しいよ。みんなが仲間になって、海風学園水泳部もっと強くなるね。」

五人は笑い合い、海を見ながら未来を誓った。真澄と愛美と莉子と久美の鍛錬は、明美とユウの指導を通じて、新たな可能性と絆を生み出していた。彼女たちの泳ぎはまだ未熟だが、その一歩が未来への大きな飛躍となるのだった。


・美枝子と純恵と春美と紬の鍛錬

島宮県の海水浴場は、夏の日差しに照らされて輝きを放ち、白い砂浜が熱を帯びている。波の音が心地よく響き渡り、潮風が海水の塩辛い香りを運んでくる。遠くの水平線は青く広がり、空には雲一つない。海風学園水泳部の部員たちが集まり、新入部希望者向けの個別指導が行われている中、大和田美奈、中村美枝子、有川純恵、桑名春美、五反田紬が波打ち際で向き合っていた。美奈の黄色をバックにサモトラケのニケが描かれたハイレグ型競泳水着、美枝子の赤をバックに朱雀が描かれたハイレグ型競泳水着、純恵の赤をバックにフェニックスが描かれたハイレグ型競泳水着、春美の黒をバックにユニコーンが描かれたハイレグ型競泳水着、紬の緑をバックにフェアリーが描かれたハイレグ型競泳水着が、潮風に揺れている。


美奈は三年生で平泳ぎ専門、アニメ好きの関西弁を話す先輩だ。声優を目指しているが、後輩たちへの指導には熱が入る。美枝子は一年生で平泳ぎ専門、ファッション愛好家として高級ブランドに憧れつつ、競泳歴はまだ浅い。新入部希望者の純恵、春美、紬はそれぞれ異なる背景を持ちながら、水泳に挑戦している。純恵は演劇部との掛け持ちで、春美は元バスケ部、紬は運動部未経験だ。


砂浜に立った美奈は、純恵、春美、紬を見渡し、関西弁で気さくに声をかけた。彼女の明るい声が潮風に乗り、四人に届く。

美奈: 「うちが今日、純恵と春美と紬を鍛えたるで。美枝子は競泳歴長いから、うちと一緒に指導するんや。みんな未熟でもええから、頑張って泳いでみぃな。」


美枝子は朱雀の競泳水着で、少し緊張した表情で美奈の横に立つ。純恵とは小学校からの腐れ縁で、ファッションの好みは違うが、深い絆で結ばれている。

美枝子: 「あたし、まだ未熟だけどさ、純恵たちをちゃんと鍛えるよ。美奈先輩、よろしくお願いします。」


純恵はフェニックスの競泳水着で、美枝子に笑顔を向ける。演劇部での表現力を水泳に活かしたいと思いつつ、海での泳ぎに少し不安を感じていた。

純恵: 「私、美枝子と一緒に頑張るよ。小学校からずっと一緒だから、頼りにしてるね。」


春美はユニコーンの競泳水着で、バスケ部での運動神経を意識しながら、美奈に意気込みを語る。

春美: 「私、バスケ部だったから運動神経はあるけど、泳ぎは久しぶりで…。美奈先輩、美枝子ちゃん、よろしくお願いします。」


紬はフェアリーの競泳水着で、少し縮こまった姿勢で海を見つめる。運動部未経験の彼女にとって、海での泳ぎは大きな挑戦だ。

紬: 「私、運動部に入ったことなくて、海で泳ぐの怖いです…。でも、美奈先輩と美枝子ちゃんに教えてもらえるなら頑張ります。」


美奈は三人の言葉に頷き、笑顔で拳を握る。

美奈: 「ええ感じやな、みんなやる気あるやん。うちが泳ぎのイロハ教えたるから、まずはキックからや。ハイレグ水着の良さも分かるように、うちの華麗な泳ぎ見てみぃ。」


美奈が海に飛び込み、平泳ぎの要素を取り入れた自由形を披露する。ハイレグの機敏さが際立ち、水面を滑る姿はまるでアニメのヒーローのようだ。美枝子も負けじと泳ぎを見せる。未熟ながらも、平泳ぎで鍛えたフォームが力強さを放つ。

美枝子: 「あたしも泳ぐよ。まだまだだけど、純恵たちに負けないように頑張るからさ、見ててね。」

三人は二人の泳ぎに目を奪われ、それぞれの思いを胸に海に足を踏み入れる。


美奈は純恵、春美、紬を前に、キックの基本を教える。波が穏やかに寄せる中、彼女は三人を励ます。

美奈: 「純恵、春美、紬、キックは足をまっすぐ伸ばして、バタ足みたいに細かく動かすんや。ハイレグやと動きやすいから、感じてみぃ。うちが横で泳ぐから、真似してみな。」


純恵は美枝子との絆を思い出しつつ、海に飛び込む。演劇の表現力をキックに込めようとするが、波に揺られてバランスを崩す。

純恵: 「私、演劇みたいにリズム取ろうとしたけど、波が…。美枝子、どうしてるの?」


美枝子は純恵の横に泳ぎ寄り、笑顔でアドバイスを送る。

美枝子: 「あたしも最初は波に慣れなかったよ。純恵、ファッションみたいに体を軽く持つイメージでやってみて。あたしが支えるからさ。」


純恵は美枝子の言葉に安心し、キックを再開する。小学校からの腐れ縁が、彼女に勇気を与える。少しずつ水を押す感覚が掴めてくる。

純恵: 「私、ちょっと進めたよ!美枝子、ありがとう。」


春美はバスケでの運動神経を頼りに、キックを試みる。幼少期のスイミングクラブの記憶が薄っすら蘇り、自然と足が動く。

春美: 「私、スイミングクラブで5級まで取ったけど、泳ぎは…。でも、昔の感覚思い出してきたかも。」


美奈は春美の泳ぎを見て、目を輝かせる。

美奈: 「春美、お前、ええ動きしとるやん。スイミングクラブで5級まで行ったんやろ?その運動神経なら、水泳で活躍できるで。もっとキックに力入れてみぃ。」


春美は美奈の励ましに頷き、バスケのステップをイメージしてキックを強化する。水しぶきが減り、推進力が増していく。

春美: 「私、泳げるようになってきた!美奈先輩のおかげです。」


紬は運動部未経験の恐怖心から、体が縮こまる。海に足を入れるだけで震えが止まらない。

紬: 「私、怖くて…。水が深そうで、金槌のままじゃ…。」


美奈は紬に近づき、優しく体を支える。彼女の身長の高さに注目し、可能性を見出す。

美奈: 「紬、うちが支えたるから大丈夫や。背高いし、背泳ぎの才能あるかもしれん。お前には泳ぎの資質あるで、金槌脱却できるから信じてみぃ。」


紬は美奈の温かい手に安心し、恐る恐るキックを始める。美奈が横で支えると、恐怖が薄れ、少しずつ進む。

紬: 「私、動けた…。美奈先輩、ありがとう。」


美枝子は三人の努力を見て、自分も未熟だと自覚しつつ、叱咤激励する。

美枝子: 「あたしもまだまだだけどさ、純恵、春美、紬、みんな頑張ってるよ。一緒に切磋琢磨しようね。」


美奈はハイレグ水着の有用性を教えるため、再び泳ぎを披露する。機敏で華麗な動きが、ハイレグの軽さを際立たせる。

美奈: 「見てみぃ、ハイレグやと動きやすくて泳ぎやすいんや。純恵、春美、紬もこれ着てるやろ?その良さ感じながら泳いでみぃな。」


純恵はハイレグの軽さに驚きつつ、美枝子と並んで泳ぐ。演劇の表現力が泳ぎに活き、少しずつ優雅さが増す。

純恵: 「私、ハイレグってこんなに楽なんだ…。美枝子と一緒に泳ぐの楽しいよ。」


春美はバスケの瞬発力をハイレグに活かし、力強いキックを見せる。スイミングクラブの記憶が完全に蘇り、自信が深まる。

春美: 「私、ハイレグのおかげで動きやすいよ。美奈先輩の言う通りだね。」


紬は美奈の支えでキックに慣れ、背泳ぎの可能性を感じ始める。金槌からの脱却が現実味を帯びてくる。

紬: 「私、ハイレグで泳げるなんて…。美奈先輩の言う背泳ぎ、やってみたいです。」


美枝子もハイレグで鍛えた泳ぎを披露し、三人に負けじと努力する。未熟さを自覚しながらも、仲間と共に成長したいと願う。

美枝子: 「あたし、ハイレグで鍛えた泳ぎ見せるよ。純恵、春美、紬、あたしも頑張るからさ、一緒に上目指そうね。」


夕陽が海をオレンジ色に染める頃、五人は泳ぎ続けた。純恵は演劇の表現力が、春美はバスケの運動神経が、紬は背泳ぎの可能性が、それぞれ自由形に活かされていく。美奈と美枝子の指導が、四人の成長を後押しする。

美奈: 「純恵、春美、紬、ええ感じやで!ハイレグの良さ分かったやろ?もっと泳いで強くなりぃな。」

美枝子: 「あたしも未熟だけど、みんなの頑張りに負けないよ。一緒に切磋琢磨しようね。」

純恵: 「私、美枝子と美奈先輩のおかげで泳げるようになったよ。ありがとう。」

春美: 「私もだよ。ハイレグで活躍できるって自信ついた。」

紬: 「私、金槌じゃなくなった…。美奈先輩、美枝子ちゃん、感謝してます。」

五人は夕陽の下で泳ぎ込みを終え、砂浜に戻る。美奈と美枝子の指導は、三人に泳ぎの技術と絆を与えていた。


砂浜に座り、息を整える五人は互いに笑顔を交わす。夕陽が水平線に沈み、海が静寂に包まれる中、純恵が口を開く。

純恵: 「私、美枝子と一緒に泳げて幸せだよ。美奈先輩にも感謝してる。」

春美: 「私もだよ。水泳で活躍できるって、夢みたいだ。」

紬: 「私、泳げるようになったのが信じられない…。美奈先輩、美枝子ちゃんのおかげです。」

美奈: 「うちも嬉しいわ。お前らと一緒に泳いで、もっと強くなりたいで。」

美枝子: 「あたしもさ、未熟だけどみんなと切磋琢磨したいよ。これからもよろしくね。」

五人は海を見ながら未来を誓った。美枝子と純恵と春美と紬の鍛錬は、美奈の指導と美枝子の叱咤激励を通じて、新たな可能性と絆を生み出していた。彼女たちの泳ぎはまだ未熟だが、その一歩が海風学園水泳部の未来を切り開いていくのだった。


・綾乃と桃音と優子と千晶の鍛錬

島宮県の海水浴場は、夏の日差しに照らされて輝きを放ち、白い砂浜が熱を帯びている。波の音が心地よく響き、潮風が海水の塩辛い香りを運んでくる。遠くの水平線は青く広がり、空には雲一つない。海風学園水泳部の部員たちが集まり、新入部希望者向けの個別指導が行われている中、小林綾乃、南条桃音、西川優子、大崎千晶が、中島さくらと向き合っていた。さくらの紫をバックにアルテミスが描かれたハイレグ型競泳水着、綾乃の青をバックに人魚が描かれたハイレグ型競泳水着、桃音の青をバックに白鳥が描かれたハイレグ型競泳水着、優子の黄色をバックにガルーダが描かれたハイレグ型競泳水着、千晶の白をバックに天女が描かれたハイレグ型競泳水着が、潮風に揺れている。


さくらは三年生で背泳ぎ専門、クラシック音楽とドラマチックなアニメを愛する医学部志望の先輩だ。綾乃は一年生で背泳ぎのエキスパート、世界的な音楽家の娘として育ち、ピアノとバイオリンの才能を持つ。新入部希望者の桃音、優子、千晶は中学から吹奏楽部に所属し、運動部は未経験だ。音楽が好きな三人を、さくらと綾乃は音楽を使った指導で競泳に馴染ませようとしていた。


砂浜に立ったさくらは、防水加工されたスマホを手に持ち、桃音、優子、千晶を見渡した。穏やかな声で指導が始まる。

さくら: 「私が今日、桃音、優子、千晶を鍛えます。綾乃には補助をお願いしたから、一緒に自由形の基礎を教えるわ。みんな吹奏楽部出身で運動部は初めてよね?でも、音楽が好きなのは私たちと一緒だから、音楽を使って泳ぎを覚えてもらうつもりよ。」


綾乃はさくらの横に立ち、自己紹介を兼ねて自分の背景を語る。音楽と水泳が結びついた人生が、彼女の言葉に宿る。

綾乃: 「私、世界的に有名な音楽家の娘なんです。父はウィーンで指揮者、母はピアニストをしてて、私もピアノとバイオリンをやってきました。水泳は子供の頃から始めて、背泳ぎが得意なんです。中学の水泳部ではスパッツ型競泳水着を着てた時期もあったけど、記録が伸び悩んで…。ハイレグに変えたら記録が伸びたから、その有用性を実感したんです。桃音ちゃん、優子ちゃん、千晶ちゃんも音楽好きだから、私とさくら先輩で楽しく指導しますね。」


桃音は白鳥の競泳水着で、少し緊張した表情で二人に答える。吹奏楽のリズム感を水泳に活かしたいと思いつつ、未知の挑戦に不安を感じていた。

桃音: 「私、中学から吹奏楽部で、運動部は初めてです。音楽を使った指導なら馴染めそうで嬉しいけど、泳げるか心配で…。」


優子はガルーダの競泳水着で、吹奏楽部での辛い記憶を思い出しつつ、意気込みを語る。

優子: 「私も吹奏楽部だったけど、いじめがあって…。泳ぐのは初めてだから怖いけど、さくら先輩と綾乃ちゃんに教えてもらえるなら頑張ります。」


千晶は天女の競泳水着で、軍歌への反発から吹奏楽部を辞めた過去を胸に、静かに決意を述べる。

千晶: 「私も吹奏楽部で、軍歌が嫌で辞めたんです。運動は苦手だけど、音楽で泳げるなら挑戦したいです。」


さくらは三人の言葉に頷き、スマホを手に持つ。

さくら: 「みんな音楽が好きなら、私の方法で絶対泳げるようになるわ。メンデルスゾーンの『静かな海と楽しい航海』を流すから、そのリズムに合わせて自由形を泳いでみて。私と綾乃が海中でサポートするから、安心してね。」

綾乃: 「私もその曲大好きです。前半のゆったりしたアダージョでキック、後半の速いテンポでストロークを合わせると、泳ぎやすいですよ。一緒にやりましょう。」

三人はさくらと綾乃の言葉に勇気をもらい、海に足を踏み入れる。冷たい海水が足首を包み、緊張と期待が入り混じる。


さくらはスマホを防水スピーカーに接続し、メンデルスゾーンの「静かな海と楽しい航海」を再生する。曲は10分ほどの演奏会用序曲で、ゲーテの詩「静かな海」と「楽しい航海」に基づいている。前半のアダージョはゆったりとした弦楽器のメロディが瞑想的な気分を醸し、後半はテンポが速くなり、船の出帆と歓喜を描く。さくらが曲を流すと、海辺に静かな旋律が響き渡る。

さくら: 「まずは『静かな海』の部分よ。ゆったりしたアダージョに合わせて、キックを始めてみて。私が泳ぐから、リズムを感じてね。」


さくらが海に飛び込み、背泳ぎの要素を取り入れた自由形を披露する。ゆったりしたキックが水面を滑り、瞑想的なメロディに調和する。綾乃も隣で泳ぎ、三人に手本を見せる。

綾乃: 「私も泳ぎます。アダージョの幅広いメロディに合わせて、足をゆっくり動かしてみてください。音楽が体を導いてくれますよ。」


桃音は吹奏楽のリズム感を頼りに、キックを始める。初めての海に戸惑いつつ、弦楽器の音色に身を委ねる。

桃音: 「私、音楽に合わせてだと少し安心する…。でも、波が怖くて…。」


さくらは桃音の泳ぎを海中で観察し、優しく指摘する。

さくら: 「桃音、いい感じよ。ただ、足が少し硬いから、もっとリラックスして。アダージョのゆったりした流れに任せてみて。私が横にいるから大丈夫。」


桃音はさくらの言葉に頷き、キックを調整する。音楽が恐怖を和らげ、少しずつ水を押す感覚が掴めてくる。

桃音: 「私、進めた気がする…。さくら先輩、ありがとう。」


優子は吹奏楽での辛い記憶を振り払うように、キックを試みる。音楽が心を落ち着け、初めての泳ぎに希望を見出す。

優子: 「私、いじめのことを忘れられそう…。音楽に合わせて泳ぐの、気持ちいいです。」


綾乃は優子の泳ぎを見て、バイオリンの弓を引くイメージでアドバイスを送る。

綾乃: 「優子ちゃん、素敵だよ。キックが少し速すぎるから、バイオリンの弓をゆっくり引くみたいにしてみて。私がサポートするから。」


優子は綾乃の助けでキックをゆっくりにし、音楽のリズムに馴染んでいく。恐怖が薄れ、泳ぎに集中できる。

優子: 「私、泳げるかも…。綾乃ちゃんのおかげだよ。」


千晶は軍歌への反発を思い出しつつ、音楽に癒されながらキックを始める。運動苦手な自分に不安を感じていたが、曲の静けさが心を支える。

千晶: 「私、運動苦手だけど、この音楽なら泳げそう…。でも、進まなくて…。」


さくらは千晶の泳ぎを観察し、穏やかに軌道修正する。

さくら: 「千晶、いいスタートよ。足首が固まってるから、柔らかく動かしてみて。アダージョの瞑想的な気分に合わせて、私が支えるから。」


千晶はさくらの支えでキックを柔らかくし、少しずつ進む。音楽が苦手意識を和らげ、泳ぎに可能性を見出す。

千晶: 「私、動けた…。さくら先輩、ありがとう。」


曲が後半の「楽しい航海」に移ると、テンポが速くなり、弱音で駆け巡る第1主題とのびやかな第2主題が船の出帆を描く。さくらは三人に次のステップを指示する。

さくら: 「今度は『楽しい航海』の速いテンポよ。キックにストロークを加えて、船が出帆するイメージで泳いでみて。私と綾乃が泳ぐから、リズムに合わせてね。」


さくらと綾乃が泳ぎ始めると、速いテンポに合わせた力強い自由形が披露される。綾乃の背泳ぎの技術が活き、さくらの安定感が際立つ。桃音は吹奏楽のテンポ感をストロークに活かそうと試みる。

桃音: 「私、速いリズムに合わせるの難しい…。でも、吹奏楽みたいに頑張ります。」


綾乃は桃音の泳ぎを見て、ピアノの速いパッセージをイメージして助言する。

綾乃: 「桃音ちゃん、いいよ。ストロークが少しバラバラだから、ピアノの速いパッセージみたいに手を揃えてみて。私が横で泳ぐから。」


桃音は綾乃の助けでストロークを整え、音楽のリズムに乗り始める。船の出帆のような推進力が生まれる。

桃音: 「私、泳げてる!綾乃ちゃん、ありがとう。」


優子は速いテンポに戸惑いつつ、音楽に励まされてストロークを加える。いじめの記憶が薄れ、泳ぎに喜びを感じる。

優子: 「私、速いテンポ怖かったけど、楽しい…。音楽のおかげだよ。」

さくら: 「優子、素敵よ。腕が少し上がってるから、水をかくイメージで下げてみて。私がサポートするから。」


優子はさくらの指導でストロークを修正し、速いリズムに馴染んでいく。泳ぎが軽快になり、自信が深まる。

優子: 「私、楽しい航海みたいだ…。さくら先輩のおかげです。」


千晶は運動苦手を克服しようと、ストロークに挑戦する。音楽の歓喜が心を奮い立たせ、少しずつ進む。

千晶: 「私、腕入れるの難しい…。でも、音楽が気持ちいいです。」

綾乃: 「千晶ちゃん、頑張ってるよ。腕が硬いから、バイオリンの弓を軽く引くみたいにしてみて。私が支えるから。」


千晶は綾乃の助けでストロークを軽くし、音楽に合わせて泳ぐ。苦手意識が薄れ、泳ぎに希望を見出す。

千晶: 「私、泳げてる…。綾乃ちゃん、ありがとう。」


曲が終盤に差し掛かり、「海の静けさ」が速度を速めて再現され、ティンパニの連打とトランペットのファンファーレが響く。船が港に到着する歓喜を表現し、曲は穏やかに終わる。さくらと綾乃は三人に最後の泳ぎを促す。

さくら: 「最後はコーダよ。ティンパニの連打とファンファーレに合わせて、力強く泳いで港に着くイメージで。私と綾乃が一緒に泳ぐから、楽しんでね。」


五人は並んで泳ぎ始める。さくらの安定した泳ぎ、綾乃の優雅な背泳ぎが、三人を導く。桃音は吹奏楽のリズム感が、優子は癒された心が、千晶は克服した苦手意識が、それぞれ泳ぎに活かされる。

桃音: 「私、音楽に合わせて泳ぐの楽しい!さくら先輩、綾乃ちゃん、ありがとう。」

優子: 「私、いじめを忘れて泳げた…。音楽ってすごいね。」

千晶: 「私、運動苦手でも泳げたよ。さくら先輩、綾乃ちゃんのおかげです。」

さくら: 「みんな素晴らしいわ。音楽が泳ぎを導いてくれたね。これからも一緒に頑張りましょう。」

綾乃: 「私も嬉しいです。音楽愛好家同士、これからも楽しく泳ぎましょうね。」

夕陽が海をオレンジ色に染める中、五人は泳ぎ込みを終え、砂浜に戻る。音楽と泳ぎが融合した指導は、三人に新たな可能性を与えていた。


砂浜に座り、息を整える五人は互いに笑顔を交わす。夕陽が水平線に沈み、海が静寂に包まれる中、桃音が口を開く。

桃音: 「私、泳げるなんて思わなかった。音楽のおかげだよ。さくら先輩、綾乃ちゃん、ありがとう。」

優子: 「私もだよ。心が軽くなって、泳ぐのが楽しくなった。」

千晶: 「私、運動苦手を克服できた…。音楽と先輩たちのおかげです。」

さくら: 「私もみんなと泳げて幸せよ。音楽が私たちを繋いでくれたね。」

綾乃: 「私もそう思います。音楽と水泳で、これからも一緒に成長しましょう。」

五人は海を見ながら未来を誓った。綾乃と桃音と優子と千晶の鍛錬は、さくらの音楽指導と綾乃のサポートを通じて、泳ぎの技術と心の絆を生み出していた。彼女たちの泳ぎはまだ未熟だが、その一歩が海風学園水泳部の未来を輝かせるのだった。


・南と愛永と華鈴と毬絵の鍛錬

島宮県の海水浴場は、夏の陽光に照らされて輝きを放ち、白い砂浜が熱を帯びていた。波が穏やかに寄せては返す音が心地よく響き、潮風が海水の塩辛い香りを運んでくる。遠くの水平線は青く広がり、空には雲一つない。海風学園水泳部の強化合宿初日、新入部希望者向けの個別指導が行われている中、斉藤南、藤山愛永、野崎華鈴、佐古毬絵が、小林咲と向き合っていた。咲の紫をバックに弁財天が描かれたハイレグ型競泳水着、南の緑をバックに青龍が描かれたハイレグ型競泳水着、愛永の桃色をバックにラクシュミーが描かれたハイレグ型競泳水着、華鈴の緑をバックにエルフが描かれたハイレグ型競泳水着、毬絵の桃色をバックに吉祥天が描かれたハイレグ型競泳水着が、潮風に揺れている。太陽が反射する海面はキラキラと眩しく、泳ぐたびに水しぶきが上がり、砂浜に描かれた練習スケジュールのボードが風に揺れ、合宿初日の活気を象徴していた。


砂浜に立つ斉藤南は、両親が海洋生物学者で幼少期から海に親しんできた一年生だ。海は彼女にとって庭のようなもので、スキューバダイビングの感覚を競泳に活かせる自信がある。指導役の咲は、二年生でバタフライのスペシャリスト。綾乃の姉であり、ロック音楽を愛する彼女は、音楽のリズムを泳ぎに取り入れる独自のスタイルを持っている。新入部希望者の愛永、華鈴、毬絵は、それぞれ異なる背景を持ちながら、水泳部で新たな居場所を求めている。愛永はソフトボール部出身、華鈴はバスケ部出身、毬絵もバスケ部出身だが、体型へのコンプレックスを抱えている。


波が足元を洗う砂浜に立った咲は、防水加工されたスマホを手に持ち、南、愛永、華鈴、毬絵を見渡した。彼女の紫の競泳水着が陽光に映え、バタフライで鍛えた肩幅が頼もしさを放つ。ロックンロールのビートが好きだと公言する彼女らしい、力強い声で指導が始まった。

咲: 「よし、みんな! 今日、私が南、愛永、華鈴、毬絵を鍛えるよ。南は競泳経験者だから、私の補佐として新入部員を引っ張ってね。新入部員の3人は水泳初心者でも、私と南がしっかり教えるから安心してついてきて。まずは自己紹介がてら、水泳経験を教えてくれる?」


南は咲の言葉に頷き、潮風に髪を揺らしながら一歩前に出た。緑の青龍が描かれた競泳水着が、海の色と調和して彼女の存在感を際立たせる。海は彼女の庭であり、仲間を導く責任感が胸に宿っている。

南: 「私は斉藤南。一年生で、この水泳部に新しく入ったよ。両親が海洋生物学者で、幼い頃から海外を転々としてたけど、島宮県の海沿いの民宿で祖父母に育てられてきたから、海は私の庭みたいなもの。物心ついた頃から泳いでて、スキューバダイビングもやってるから、水の中なら誰よりも自由に動ける自信があるよ。咲先輩に補佐を頼まれたから、みんなをしっかりサポートするね。」

南の心理は複雑に揺れ動いている。海は彼女にとって安心できる場所だが、愛永、華鈴、毬絵にとっては未知の領域だ。彼女たちが溺れたり怖がったりしないか心配だったが、咲先輩の明るい声がその不安を和らげてくれる。彼女の自信に満ちた声は、新入部員たちに安心感を与えた。咲は目を細めて満足げに頷いた。


次に、愛永が少し緊張した表情で口を開いた。桃色のラクシュミーが描かれた競泳水着が、日に焼けた肌に映え、ソフトボールで鍛えた筋肉質な体型が健康的だ。

愛永: 「私は藤山愛永。一年生で、新入部希望者だよ。中学時代はソフトボール部だったから、スポーツの経験はあるけど、水泳は体育の授業以外じゃほとんどやってなくて、遊泳する程度かな。海風学園にソフトボール部がなかったから、最初は帰宅部だったんだけど、貫太郎くんとアリスちゃんの高校総体での活躍を見て、私も何か新しいことに挑戦したくなって水泳部に入ろうと思ったんだ。」

愛永の心理は、初めての水泳への挑戦に対するワクワクと、失敗への恐怖が混じり合っている。ソフトボールで培った自信はあるが、水の中ではその自信が揺らいでいた。南は愛永の体をじっと観察し、筋肉の付き方に可能性を見出した。


次に、華鈴が少しぎこちなく話し始めた。緑のエルフが描かれた競泳水着が、彼女の細身でしなやかな体型にフィットしている。バスケ部での経験が、機敏な動きに表れている。

華鈴: 「私は野崎華鈴。一年生で、新入部希望者。幼少期にスイミングクラブに通ったことがあるけど、小学校中学年で辞めちゃった。中学から高校一年まではバスケ部だったんだけど、海風学園のバスケ部の闇を知ってしまって…。もっとクリーンな部活で頑張りたいと思って、水泳部に入部したんだ。」

華鈴の心理は、バスケ部での経験からくる運動への慣れと、新しい挑戦への好奇心が強い。過去への失望と未来への希望が込められた言葉に、南は彼女のしなやかな体つきから個人メドレーの素質を感じた。


最後に、毬絵が少しおずおずと口を開いた。桃色の吉祥天が描かれた競泳水着が、彼女の少し肥満気味な体型を包んでいる。体型へのコンプレックスが、彼女の声に微かな震えを与えている。

毬絵: 「私は佐古毬絵。一年生で、新入部希望者。水泳経験は体育以外ないけど、運動部には中学から高校一年までバスケ部で慣れてるよ。でもバスケ部の闇を知っちゃって、クリーンな部活を求めて水泳部に入ったんだ。」

毬絵の心理は、体型へのコンプレックスと運動部経験者としてのプライドがせめぎ合っている。不安で揺れる目に自分を変えたい決意が宿り、南は合宿での鍛錬で競泳選手らしい体型に変わる可能性を考えた。


咲は3人の話を聞き終え、元気よく声を上げた。

咲: 「よし、みんなの気持ち、ちゃんと伝わったよ! 南が補佐してくれるから、私と一緒に自由形の基礎から始めよう。まずは海に入って、泳ぎ込みだ。ロックのリズムに合わせて泳ぐから、楽しんでね!」


咲がスマホを取り出し、ビートルズの「Nowhere Man」を再生する。Eメジャーで始まるメロディが海風に乗り、ジョン・レノンの哲学的な歌詞が響き渡る。南は3人に笑顔を向け、海に足を踏み入れた。

南: 「海の中はプールと違って流れがあるから、最初は慣れるまで大変かもしれない。でも、私がアシストするから安心してね。咲先輩の音楽に合わせて泳ごう!」


冷たい海水が足首を包み、波が穏やかに寄せては返す。南は海に飛び込み、青龍の競泳水着が水面に映える。彼女の泳ぎはスキューバダイビングで培った流れるような動きで、海と一体になっている。咲も隣で泳ぎ、バタフライの力強さが自由形に融合した独特のスタイルを見せる。紫の弁財天が海風に映え、彼女の指導は音楽と情熱で彩られている。

愛永が最初に海に飛び込んだ。ソフトボールのスイングを思わせる力強い腕の動きが特徴的だが、水泳経験が浅いため、すぐにフォームが崩れて沈みそうになる。水の抵抗に慣れず、水しぶきが派手に上がる。

愛永: 「うわっ、私、泳げないかも! 水が重くて…!」


彼女の声には焦りが滲んでいる。南はすぐに海中に潜り、愛永の体を下から支えた。海は南の庭であり、仲間を助ける責任感が強く働いている。『Nowhere Man』の哲学的な歌詞が響くたび、南は自分が愛永の「どこにも行けない」気持ちを変えられるかもしれないと感じていた。

南: 「大丈夫、私がついてるから。腕を大きく回して、足をしっかり蹴って! 『Nowhere Man』のリズムに合わせてみて。」


愛永は南の声に励まされ、再び泳ぎ始めた。曲の「He's a real nowhere man…」というフレーズが流れる中、彼女はぎこちなく腕を振る。バッティングを思い出し力を込めるが、息継ぎがうまくいかず水を飲んでしまう。

愛永: 「ぶはっ! 水飲んじゃった…。南ちゃん、どうすればいい?」


南は愛永の腰を軽く持ち上げ、海面に浮かせた。愛永の努力を認めつつ、もっと楽に泳がせたいという思いが彼女の心理に溢れている。

南: 「息継ぎは顔を横にすると楽だよ。曲のテンポに合わせて、右腕を伸ばすときに息を吸ってね。私が横で泳ぐから、見てて。」


南が泳ぎを見せると、愛永はその動きを真似ようとする。筋肉質な脚がリズミカルにキックを刻み、フォームが安定し始め、海面を滑る姿に成長が表れる。失敗への恐怖が薄れ、「私、泳げるようになってきたかも!」という希望が芽生えた瞬間、彼女の声に純粋な喜びが溢れた。

愛永: 「うん、わかった! こうかな? …おお、私、泳げてる! 南ちゃん、ありがとう!」


次に、華鈴が海に飛び込んだ。バスケのステップのような機敏さが際立ち、細身の体が水中で軽やかに動く。新しい挑戦への好奇心と、バスケの闇を忘れたい思いが彼女を後押ししていた。

華鈴: 「私、意外とイケるかも! 水の中って気持ちいいね!」


だが、息継ぎのタイミングがずれて水を飲んでしまう。焦りが声に混じるが、負けず嫌いな一面が垣間見える。

華鈴: 「ぶはっ! 水飲んじゃった! 南ちゃん、助けて!」


南はまた潜り、華鈴の腰を支えて浮かせた。華鈴の瞬発力を個人メドレーに活かしたいという期待が膨らんでいる。

南: 「華鈴、息継ぎは曲のビートに合わせると楽だよ。右腕を伸ばすときに顔を横にして吸ってね。私が泳ぐから、一緒にやってみよう。」


南が泳ぎを見せると、華鈴はリズムを意識し、少しずつ息継ぎが安定。まるでエルフが森を駆けるような優雅さが生まれ、自分でも驚くほどの可能性にワクワクしていた。

華鈴: 「うん、やってみる! …おお、私、息継ぎできた! 南ちゃん、これならバタフライもいける気がする!」


最後に、毬絵が恐る恐る海に足を踏み入れた。体型へのコンプレックスから動きはぎこちなく、波に押されてバランスを崩す。最初はバタバタと手足を動かすだけで進まなかった。

毬絵: 「私、重くて沈むよぉ…! 水が怖いよ…。」


劣等感と恐怖が混じる声に、南はそばに泳いで優しく励ました。毬絵を変えたいという強い意志が彼女の心理を支えている。

南: 「毬絵、慌てないで。ゆっくりでいいから、体を水平に保つイメージで。私が下から支えるから、安心してね。」


毬絵は少し勇気をもらい泳ぎ始めるが、すぐに沈みそうになり悲鳴を上げる。

毬絵: 「私、やっぱり沈むよぉ! 南ちゃん、助けて!」


南は海中に潜り、毬絵の体を支えた。努力を認めつつ自信をつけさせたい思いが溢れている。

南: 「ほら、浮いてるよ! そのまま続けて。『Nowhere Man』のリズムに合わせて、足を動かしてみて。」


毬絵は安心し、曲のビートに合わせてキックを始める。少しずつ水に慣れ、桃色の吉祥天が水面に映え、前に進む姿に努力の跡が見える。自分でもできるかもしれないという小さな光が灯り始めた。

毬絵: 「うそ、私、浮いてる!? 南ちゃん、私、泳げてるよ!」


咲はビーチから3人の泳ぎを見て、笑顔で応援した。彼女の「いい感じだよ、みんな!」という声は、母親のような温かさと厳しさを併せ持ち、4人にとって大きな支えだった。『Nowhere Man』のトレブルが効いたギター音が海風に混じるたび、彼女たちはもっと頑張ろうという気持ちになった。

咲: 「いい感じだよ、みんな! 『Nowhere Man』のリズムに乗って、もう少し頑張ってみて! 南、ナイスアシストだよ!」

曲の「Making all his nowhere plans for nobody…」というフレーズが流れるたび、3人は腕を振って足を蹴り、海面を進んだ。南は海中で3人を支えながら、自分の役割に誇りを感じていた。


太陽が傾き、海面がオレンジ色に染まる頃、咲が練習終了を告げた。

咲: 「よし、初日はここまで! みんなよく頑張ったね! 南、3人をしっかり支えてくれてありがとう。」


5人は海から上がり、砂浜に座り込んだ。波の音と潮風が5人を包み、自然と一体になっているような感覚を与えた。愛永は息を切らしながら、濡れた髪をかき上げた。

愛永: 「私、初めてちゃんと泳げた気がする…。南ちゃん、咲先輩、ありがとう。」


達成感と感謝が滲む声に、南が支えてくれた安心感が重なる。華鈴は笑顔で砂に指を埋めながら言った。

華鈴: 「南ちゃんのアシスト、すごいね。私、もっと上手くなりたい! 咲先輩の音楽も最高だったよ。」


未来への期待で輝く目に、砂浜に咲く小さな花のような笑顔が映る。毬絵は疲れた顔で微笑み、少し照れながら口を開いた。

毬絵: 「私、まだまだだけど…楽しかったよ。南ちゃん、咲先輩、ありがとう。私、変われるかな?」


自分を変えたい願いが込められた声に、夕陽に照らされてキラキラと輝く目が重なる。南は3人を見て、笑顔で応えた。

南: 「みんな、初日なのにすごいよ。私も一緒に頑張るから、明日もよろしくね。海は私の庭だから、みんなを絶対導くよ。」


咲はスマホを手に持って笑った。

咲: 「次はビートルズの別の曲にしようかな。ロックのリズムって泳ぐのにピッタリだよね。南、3人とも頼んだよ。」

5人は頷き合い、潮風に吹かれながら明日の鍛錬に思いを馳せた。『Nowhere Man』のメロディが頭の中でリピートし、南の胸には希望が広がっていた。海風学園水泳部で、新しい仲間と一緒にどこか遠くを目指せる気がする。そんな確信が、彼女の心を静かに満たしていた。


・アリスと彩美と彩芽と英美里の鍛錬

島宮県の海水浴場は、夏の陽光に照らされて輝きを放ち、白い砂浜が熱を帯びていた。波が穏やかに寄せては返す音が心地よく響き、潮風が海水の塩辛い香りを運んでくる。遠くの水平線は青く広がり、空には雲一つない。海風学園水泳部の強化合宿初日、新入部希望者向けの個別指導が行われている中、上原美玲、三島アリス、岩村彩美、河津彩芽、塚田英美里が、海辺に集まっていた。美玲の青をバックに聖母マリアが描かれたハイレグ型競泳水着、アリスの赤紫をバックに鳳凰が描かれたハイレグ型競泳水着、彩美の水色をバックにウンディーネが描かれたハイレグ型競泳水着、彩芽の赤紫をバックにサラマンダーが描かれたハイレグ型競泳水着、英美里の黒をバックに玄武が描かれたハイレグ型競泳水着が、潮風に揺れている。太陽が反射する海面はキラキラと眩しく、泳ぐたびに水しぶきが上がり、砂浜に描かれた練習スケジュールのボードが風に揺れ、合宿初日の活気を象徴していた。


砂浜に立つ美玲は、水泳部の副キャプテンとして、優しさと厳しさを兼ね備えた指導者だ。彼女の青いハイレグ水着は、海の色と調和し、聖母マリアの穏やかな表情が彼女の包容力を象徴している。新入生女子部員の中でも特に競泳経験が豊富なアリスは、美玲の補佐役を務める。アリスは三島コーポレーションの令嬢であり、幼少期から水泳に親しみ、全中水泳大会で優勝経験を持つ自由形のスペシャリストだ。一方、彩美、彩芽、英美里は、それぞれ異なる背景を持ちながら、新たな挑戦として水泳部を選んだ。新入部希望者たちにとって、この合宿は競泳への第一歩であり、ハイレグ水着への抵抗感を乗り越える試練でもある。


波が足元を洗う砂浜に立った美玲は、手に持ったホイッスルを軽く鳴らし、彩美、彩芽、英美里を見渡した。彼女の青いハイレグ水着が陽光に映え、スラリとした体型が頼もしさを放つ。世界史を愛する歴女らしい、落ち着いた声で指導が始まった。

美玲: 「みんな、今日は私が鍛えるわ。アリスは競泳経験が豊富だから、私の補佐として新入部員を引っ張ってくれる。自由形は水泳の基本中の基本。これができないと、他の種目でも話にならないから、しっかり身につけてね。新入部員の3人は初心者でも、私とアリスが丁寧に教えるから安心してついてきて。まずは自己紹介がてら、水泳経験を教えてくれるかしら?」


美玲の言葉に、アリスが頷き、潮風に髪を揺らしながら一歩前に出た。赤紫の鳳凰が描かれたハイレグ水着が、彼女の高貴な雰囲気と調和している。幼少期からハイレグ水着に慣れ親しんできた彼女にとって、この環境は自然そのものだ。

アリス: 「私は三島アリス。一年生で、正式に水泳部員になったわ。幼い頃から水泳をやってて、全中水泳大会で個人の自由形で優勝した経験がある。ハイレグ水着は泳ぎやすくて大好きだから、みんなにもその良さを伝えたいな。美玲先輩の補佐として、みんなをしっかりサポートするよ。」

アリスの心理は複雑に揺れ動いている。水泳は彼女にとって自然な場所だが、彩美、彩芽、英美里にとっては未知の領域だ。彼女たちが溺れたり怖がったりしないか心配だったが、美玲先輩の穏やかな声がその不安を和らげてくれた。自分が3人を導くことで、彼女たちの不安を希望に変えられるかもしれないと感じていた。美玲はアリスの言葉に微笑み、満足げに頷いた。


次に、彩美が少し緊張した表情で口を開いた。水色のウンディーネが描かれたハイレグ水着が、彼女の清楚な雰囲気に映えている。

彩美: 「私は岩村彩美。一年生で、新入部希望者よ。小中時代にスイミングクラブに通ってたから、それなりに泳げるけど、中学ではバスケ部に入ってたの。海風学園のバスケ部がおかしいって感じて入部しなかったから、茶道部に入ってたんだけど…。ある日、貫太郎くんとアリスちゃんの高校総体での活躍を見て、私も競泳で活躍したいって思ったの。ハイレグ水着は初めてで、正直恥ずかしいけど、頑張ってみるね。」

彩美の心理は、初めてのハイレグ水泳への挑戦に対する期待と、恥ずかしさが混じり合っている。スイミングクラブでの自信はあるが、ハイレグ水着の露出感に戸惑っていた。アリスは彩美の体型を見て、スイミングクラブでの基礎が活かせる可能性を感じた。


次に、彩芽が少しぎこちなく話し始めた。赤紫のサラマンダーが描かれたハイレグ水着が、彼女の活発な雰囲気にフィットしている。

彩芽: 「私は河津彩芽。一年生で、新入部希望者。小中時代にスイミングクラブに通ってて、中学一年の時に記録会に出たことがあるけど、それっきりだった。中高はバレー部だったけど、バレー部の闇を知っちゃって…。クリーンな部活で頑張りたいと思って、水泳部に入ろうと思ったの。ハイレグ水着は初めてで、動きにくいんじゃないかって心配してる。」

彩芽の心理は、バレー部での経験からくる運動への慣れと、新しい挑戦への好奇心が強い。バレー部の闇に失望した分、新しい居場所で輝きたいという意志がある。アリスは彼女の筋肉質な脚を見て、自由形での推進力に期待を抱いた。


最後に、英美里が少しおずおずと口を開いた。黒の玄武が描かれたハイレグ水着が、彼女の落ち着いた雰囲気を包んでいる。体型への不安が、声に微かな震えを与えている。

英美里: 「私は塚田英美里。一年生で、新入部希望者。水泳は体育以外で経験したことないよ。中高はバスケ部だったけど、海風学園のバスケ部の闇を知ってしまって…。クリーンな部活を求めて水泳部に入ろうと思ったの。ハイレグ水着は初めてで、恥ずかしくて動きにくい気がする。」

英美里の心理は、ハイレグ水着への羞恥と、未経験の水泳への不安がせめぎ合っている。未知の領域に踏み込む恐怖があるが、自分を変えたいという決意も秘めている。アリスは彼女の体型を見て、鍛錬次第で競泳選手らしい体に変わる可能性を考えた。


美玲は3人の話を聞き終え、優しくも力強い声で続けた。

美玲: 「みんなの気持ち、よくわかったわ。アリスが補佐してくれるから、私と一緒に自由形の基礎から始めましょう。まずは海に入って、泳ぎ込みよ。ハイレグ水着の良さも実感してほしいから、楽しみながら頑張ってね。」


美玲がホイッスルを鳴らし、海に足を踏み入れた。アリスも3人に笑顔を向け、続いた。

アリス: 「ハイレグ水着は最初慣れないかもしれないけど、泳いでみるとスパッツ型より動きやすいよ。私が手取り足取り教えるから、安心してついてきてね。」


冷たい海水が足首を包み、波が穏やかに寄せては返す。海の描写は、この場面の重要な要素だ。波の音が心地よく響き、潮風が髪を揺らす軽さが5人を包み、自然と一体になっているような感覚を与えた。太陽が反射する海面はキラキラと眩しく、泳ぐたびに水しぶきが上がり、笑い声と混ざり合った。

アリスは海に飛び込み、赤紫の鳳凰が水面に映える。全中優勝者らしい流れるような泳ぎは、海と一体となり、まるで鳳凰が舞うように自然だ。美玲も隣で泳ぎ、聖母マリアのハイレグ水着が優雅に揺れ、自由形の基本を体現したスタイルで新入部員たちを導く。


彩美が最初に海に飛び込んだ。スイミングクラブを思わせるしっかりした腕の動きで泳ぎ始めるが、ハイレグ水着の違和感に慣れず、最初は水しぶきが派手に上がる。

彩美: 「うわっ、私、泳ぎにくいかも! ハイレグってこんなに動きにくいんだ…。」


彼女の声には焦りと恥ずかしさが滲んでいる。アリスはすぐに彩美のそばに泳ぎ寄り、優しく励ました。彩美の努力を認めつつ、ハイレグ水着の良さを伝えたいという思いが彼女の心に溢れている。

アリス: 「彩美、大丈夫だよ。ハイレグ水着は最初慣れないけど、スパッツ型より足が自由に動かせるんだ。私が横で泳ぐから、腕を大きく回して足をしっかり蹴ってみて。」


アリスが泳ぎを見せると、彩美はその動きを真似ようとする。バスケで鍛えた体力とスイミングクラブの基礎が少しずつ活きてきて、フォームが整うと、体力がリズミカルにキックを刻み、海面を滑る姿に成長が表れる。ハイレグへの恥ずかしさが薄れ、「私、泳げるかも!」という希望が芽生えた瞬間、彼女の声に純粋な喜びが溢れた。

彩美: 「うん、わかった! こうかな? …おお、私、泳げてる気がする! アリスちゃん、ありがとう!」


美玲がビーチから見て、微笑みながら声をかけた。

美玲: 「彩美、いい感じよ! ハイレグ水着は両足の締め付けがないから、スパッツ型よりキックがしやすいの。それを感じながら泳いでみて。」


次に、彩芽が海に飛び込んだ。バレーのステップのような力強さが際立つ泳ぎで、筋肉質な脚が水中で力強く動く。新しい挑戦への好奇心と、バレー部の闇を忘れたい思いが彼女を後押ししていた。

彩芽: 「私、意外と泳げるかも! 海って気持ちいいね!」


だが、ハイレグ水着の違和感から息継ぎのタイミングがずれて水を飲んでしまう。焦りが声に混じるが、負けず嫌いな一面が垣間見える。

彩芽: 「ぶはっ! 水飲んじゃった! アリスちゃん、助けて!」


アリスはすぐに潜り、彩芽の腰を支えて浮かせた。彩芽の推進力を自由形で活かしたいという期待が彼女の心理に膨らんでいる。

アリス: 「彩芽、慌てないで。ハイレグ水着は足が自由に動かせるから、息継ぎは腕を伸ばすタイミングで横にしてみて。私が泳ぐから、一緒にやってみよう。」


アリスが泳ぎを見せると、彩芽はリズムを意識し、少しずつ息継ぎが安定。サラマンダーのような情熱的な泳ぎが生まれ、ハイレグ水着の軽さに驚き、自分でも驚くほどの可能性にワクワクしていた。

彩芽: 「うん、やってみる! …おお、私、息継ぎできた! アリスちゃん、これならもっと速く泳げそう!」


最後に、英美里が恐る恐る海に足を踏み入れた。ハイレグ水着の露出感と水泳未経験の不安から、動きはぎこちなく、最初はバタバタと手足を動かすだけで進まなかった。波に押されてバランスを崩し、すぐに弱音を吐く。

英美里: 「私、泳げないよぉ…! ハイレグ水着って恥ずかしくて怖いよ…。」


彼女の声には不安と羞恖が混じっている。アリスは英美里のそばに泳いでいき、優しく励ました。英美里に自信をつけさせたいという強い意志が彼女の心を支えている。

アリス: 「英美里、慌てないで。ハイレグ水着は動きやすいから、ゆっくりでいいよ。体を水平に保つイメージで、私が下から支えるから安心してね。」


英美里はアリスの言葉に少し勇気をもらい、体を伸ばして泳ぎ始めた。だが、すぐに沈みそうになり、悲鳴を上げる。

英美里: 「私、やっぱり沈むよぉ! アリスちゃん、助けて!」


アリスは海中に潜り、英美里の体を下から支えた。努力を認めつつ、ハイレグ水着の快適さを伝えたい思いが溢れている。

アリス: 「ほら、浮いてるよ! ハイレグ水着は足が締め付けられないから、キックを続けてみて。私がそばにいるから大丈夫。」


英美里はアリスの支えに安心し、キックを始める。少しずつ水に慣れ、黒の玄武が水面に映え、少しずつ前に進む姿に努力の跡が見える。自信のなさが「私、泳げてるよ!」という言葉に変わり、自分を信じたい気持ちが芽生えた。

英美里: 「うそ、私、浮いてる!? アリスちゃん、私、泳げてるよ!」


美玲はビーチから3人の泳ぎを見て、笑顔で応援した。彼女の「いい感じよ、みんな!」という声は、優しさと厳しさを併せ持ち、4人にとって大きな支えだった。

美玲: 「いい感じよ、みんな! ハイレグ水着の軽さを感じながら、もう少し頑張ってみて。アリス、ナイスアシストね!」

3人は腕を振って足を蹴り、海面を進んだ。彩美はフォームが安定し、体力がリズミカルにキックを刻む。彩芽は息継ぎを覚え、泳ぎに力強さが生まれる。英美里は少しずつ前に進み、アリスは3人を支えながら、自分の役割に誇りを感じていた。


太陽が傾き、海面がオレンジ色に染まる頃、美玲が練習終了を告げた。

美玲: 「よし、初日はここまでね! みんなよく頑張ったわ。アリス、3人をしっかり支えてくれてありがとう。」


5人は海から上がり、砂浜に座り込んだ。波の音と潮風が5人を包み、自然と一体になっているような感覚を与えた。彩美は息を切らしながら、濡れた髪をかき上げた。

彩美: 「私、初めてハイレグでちゃんと泳げた気がする…。アリスちゃん、美玲先輩、ありがとう。」

彼女の声には達成感と感謝が滲んでいる。アリスが支えてくれるとわかった瞬間、安心感が芽生え、ハイレグへの恥ずかしさが薄れ、純粋な喜びへと変わった。スイミングクラブを思わせるしっかりした腕の動きが特徴的だった彼女の泳ぎは、アリスの支えでフォームが整い、体力がリズミカルにキックを刻み、海面を滑る姿に成長が表れている。


彩芽は笑顔で砂に指を埋めながら言った。

彩芽: 「アリスちゃんのアシスト、すごいね。私、もっと速く泳ぎたい! 美玲先輩の教え方も最高だったよ。」

彼女の目は未来への期待で輝き、息継ぎを覚えた時の笑顔は砂浜に咲く鮮やかな花のようで、負けず嫌いな一面を垣間見せる。バレーのステップのような力強さが際立つ泳ぎは、筋肉質な脚が水中で力強く動き、サラマンダーのような情熱的な泳ぎに進化。ハイレグ水着の軽さに驚き、自分でも驚くほどの可能性にワクワクしている。


英美里は疲れた顔で微笑み、少し照れながら口を開いた。

英美里: 「私、まだまだだけど…楽しかったよ。アリスちゃん、美玲先輩、ありがとう。私、変われるかな?」

彼女の声には自分を変えたい願いが込められ、夕陽に照らされてキラキラと輝く目が努力の跡を物語る。最初はバタバタと手足を動かすだけで進まなかった泳ぎが、アリスの支えで体を水平に保つ感覚を掴み、黒の玄武が水面に映え、少しずつ前に進む姿に成長が見える。自信のなさが「私、泳げてるよ!」という言葉に変わり、自分を信じたい気持ちが芽生えた。


アリスは3人を見て、笑顔で応えた。

アリス: 「みんな、初日なのにすごいよ。私も一緒に頑張るから、明日もよろしくね。ハイレグ水着の良さ、もっと感じてほしいな。」

アリスの泳ぎは、全中優勝者らしい流れるような動きが特徴で、海中でのアシストはまるで鳳凰が舞うように自然だ。仲間を導く役割に誇りを感じていた。


美玲はホイッスルを手に持って笑った。

美玲: 「次はもっと自由形を磨きましょう。ハイレグ水着がみんなの味方だってことが、もっとわかるはずよ。アリス、3人とも頼んだわね。」

美玲の泳ぎは、自由形の基本を体現した優雅なスタイルだ。青の聖母マリアが海風に映え、彼女の指導は優しさと情熱で彩られ、後輩たちの成長に喜びを見出していた。


5人は頷き合い、潮風に吹かれながら明日の鍛錬に思いを馳せた。この初日の鍛錬で、アリス、彩美、彩芽、英美里は絆を深めた。彩美はハイレグで泳げる喜びを知り、彩芽は新たな可能性を見出し、英美里は自信の第一歩を踏み出した。アリスの胸には希望が広がっていた。海風学園水泳部で、新しい仲間と一緒に未来を目指せる気がする。そんな確信が、彼女の心を静かに満たしていた。


・貫太郎の鍛錬

島宮県海水浴場の砂浜に朝日が差し込み、波が穏やかに寄せては返す音が響き渡っていた。9月の風はまだ夏の名残を残しつつも、どこか涼しさを帯びていて、海面に映る光がキラキラと揺れている。海風学園水泳部の強化合宿初日、部員たちはすでにビーチに集まり、それぞれの準備を進めていた。新規入部希望者たちの色とりどりの競泳水着が砂浜に点在し、活気ある声が風に混じる中、赤をバックに龍が描かれたブーメラン型競泳水着を着た川名貫太郎が、少し離れた場所で肩を回していた。彼の視線は、自然と水際近くに立つ高橋美咲へと向かう。美咲の赤いハイレグ型競泳水着には天照大神のモチーフが輝き、陽光に照らされたその姿はまるで海の女王のようだ。髪をきつく結い上げたポニーテールが風に揺れ、鋭い目つきで部員たちを見渡している。

美咲:「貫太郎、いつまで突っ立ってるつもり? さっさとこっち来なさい。私と一対一で鍛錬するんだから、気合い入れてよね。」


その声に貫太郎がハッとして、小走りで美咲のもとへ駆け寄った。砂が足裏に柔らかく沈み、潮の香りが鼻をくすぐる。近くで見る美咲の姿は、いつも以上に威圧感があって、貫太郎は思わず背筋を伸ばした。

貫太郎:「了解した、美咲先輩。ちゃんと気合い入れてきたよ。」


美咲は腕を組んで貫太郎を上から下までじっくり見つめ、軽くため息をついた。彼女の視線はまるで貫太郎の内側まで見透かすようで、少しだけ気まずい気持ちが胸をよぎる。

美咲:「ふぅん、気合いねぇ。まぁいいよ。今日は九州大会とインターハイに向けて、あんたに私の必勝法を叩き込むつもりだから。貫太郎には将来の主将になってほしいって思ってる私の期待を、裏切らないでね。」


その言葉に貫太郎の心臓がドクンと跳ねた。将来の主将という重い言葉が頭の中で反響し、期待とプレッシャーが一気に押し寄せる。美咲の口からそんな言葉が出るなんて、普段の厳しさからは想像もつかないほどだ。

貫太郎:「マジか……。分かったよ、美咲先輩。絶対に期待に応えてみせる。」

美咲:「口だけなら誰でも言える。大事なのは結果だよ。九州大会やインターハイの連中は、島宮県の明鏡学園とか星光学園、青葉大学附属高校なんかとは比べものにならない強敵揃いなんだから。半端な気持ちじゃ勝てない。分かった?」

貫太郎:「うん、分かった。けど、美咲先輩がそんな強敵に負けたことってあるの?」


美咲の表情が一瞬緩み、遠くの水平線を見つめるような目つきになった。彼女の手がハイレグの縁を軽く叩き、懐かしそうな仕草が垣間見える。

美咲:「あるよ。昔の話だけどね。私と美玲がまだ小学生の頃、宮崎市で開かれた小学校水泳大会に出てた。その頃はスイミングクラブで鍛えられてて、大会じゃ連覇してたから、ちょっと調子に乗ってた時期もあったかな。でも、ある時、全国から集まった強豪にボロ負けしてさ。それが悔しくて、そこから必勝法を模索し始めたんだ。」


貫太郎は目を丸くして美咲を見つめた。彼女の過去を美玲から少し聞いていたとはいえ、小学生時代の活躍や挫折までは知らなかった。美咲の声には悔しさと誇りが混じっていて、彼女のハイレグに込められた歴史が感じられるようだった。

貫太郎:「へぇ、そんなことがあったんだ。で、その必勝法って何?」

美咲:「潜水泳法だよ。貫太郎、ルールは知ってるよね? 15メートル以上潜水すると失格。でも、15メートルまではOK。この距離をどう使うかが勝負の鍵になる。私と美玲は、スイミングクラブのコーチからこの古流の泳法を徹底的に叩き込まれた。潜水でスタートダッシュを決めて、そこからストロークに移る。速さが命だ。」

貫太郎:「潜水か。確かにスタートでリード取れれば、デカいアドバンテージになるな。」

美咲:「その通り。で、私がイメージしてるのは、日本海軍の伊号第四百潜水艦なんだ。知ってる?」


貫太郎が首を振ると、美咲は少し得意げに笑って話し始めた。彼女の声に歴史好きの熱がこもり、まるで授業でもしてるかのようだ。

美咲:「伊400ってのは、第二次世界大戦で日本が作った幻の巨大潜水艦だよ。米軍すら驚くほどの技術で、パナマ運河を破壊して戦局をひっくり返すための秘密兵器だった。でも、完成した時には制海権をすでに失ってて、活躍の場がなかった。結局、アメリカ本土攻撃やパナマ運河攻撃の計画も実行されず、最後はハワイ沖で標的艦として沈められた。悲しい運命だよね。」

貫太郎:「なるほど。潜水艦が活躍できなかったみたいに、潜水泳法もルールで制限されてるってことか。」

美咲:「そう。水泳界でも、1998年のルール改正で潜水が15メートルまでって制限されたから、昔みたいに自由に使えなくなった。でも、私はこの制限の中で最大限に活かす方法を見つけたんだ。伊400みたいに、海の中で静かに、でも確実に敵を驚かせる存在になれってね。貫太郎にもそのくらいのインパクトを大会で出してほしい。」


その言葉に貫太郎の胸が熱くなった。九州大会やインターハイの強豪を潜水泳法でぶち抜くイメージが頭に浮かび、闘志が湧き上がってくる。

貫太郎:「分かったよ、美咲先輩。俺、水泳界の伊400になって、敵をビビらせてやるよ。」

美咲:「ふふっ、その意気だよ。じゃあ、早速練習始めよう。私と一緒に潜水泳法やってみな。」

美咲が砂浜を軽く蹴って海に飛び込んだ。水しぶきが太陽光に反射して虹色に輝き、赤いハイレグが波間に消える。貫太郎も慌てて後に続く。冷たい海水が足から全身を包み込み、一瞬息が詰まる感覚がしたけど、すぐに慣れた。水の中に入ると体が軽くなり、赤い龍が泳ぐような気分になる。


美咲は少し先で泳ぎ始めていた。自由形のストロークが流れるように美しく、無駄のない動きが水面に波紋を広げる。貫太郎は少し離れた位置からその動きをじっと観察した。彼女が水面に顔を出すたびに、鋭い目つきでこちらをチラッと見てくるのが分かる。あれは「ちゃんと見て学べ」っていう無言の圧力だ。

しばらく泳いだ後、美咲が立ち止まって貫太郎を呼んだ。波が彼女の足元で小さく弾け、海水がハイレグに滴っている。

美咲:「貫太郎、こっち来な。私の泳ぎ見てたよね? さぁ、あんたの番だよ。潜水泳法、やってみな。」

貫太郎は深呼吸して海に潜った。海水が顔を包み、視界が青く染まる。耳元で水の音がゴボゴボと響き、体が水圧に押される感覚が全身を包む。美咲の赤いハイレグが少し先で揺れていて、その動きを追いかけるように潜水を始めた。


潜水泳法は思ったより難しい。息を止めながら体を一直線に保ち、腕と足を最小限に動かして進む。美咲はまるで魚みたいにスムーズに泳いでるけど、貫太郎はまだぎこちない。肺が苦しくなってきて、10メートルくらいで水面に顔を出してしまった。

貫太郎:「はぁっ、くそっ、まだまだだな……。」

美咲:「当たり前だよ。いきなり完璧にできるわけない。私だって何年もかけて体得したんだから。焦らないで、まずはフォームを意識しな。体を一直線にして、抵抗を減らす。それが基本だ。」


美咲が貫太郎の横に泳いできて、手を伸ばして肩を軽く修正した。その瞬間、貫太郎の心が少しドキッとしたけど、そんな場合じゃないと自分を叱りつける。

貫太郎:「分かった。もう一回やってみるよ。」


再び潜った。今度は美咲のアドバイスを頭に叩き込んで、体を一直線に保つことを意識する。水の抵抗が少し減った気がして、さっきよりスムーズに進めた。15メートル手前でストロークに移行し、水面に顔を出した瞬間、美咲が隣で拍手していた。

美咲:「悪くないよ、貫太郎。最初にしては上出来だ。私が初めてやった時より全然マシだよ。」

貫太郎:「マジで? なら、少しは希望あるかな。」

美咲:「あるよ。けど、まだまだ甘い。私ならこの距離をもっと速く泳げるし、ストロークへの移行ももっと滑らかだ。見てな。」


美咲が再び潜水を始めた。彼女の動きは本当に別格だ。水中で体をくねらせて進む姿は、まるで潜水艦が海底を滑るみたい。15メートル地点で水面に上がってストロークに移った瞬間、そのスピードが一気に加速する。貫太郎は呆然とその泳ぎを見つめた。

貫太郎:「すげぇ……。あんな風に泳げるようになりたい。」

美咲:「なら練習だよ。私が愛の鞭で鍛えてあげるから、覚悟しな。」

美咲がニヤリと笑って近づいてきた。その笑顔が妙に可愛くて、貫太郎は一瞬目を逸らした。だが、すぐに気持ちを切り替えて再び潜る準備をする。


それから何度も潜水泳法の練習を繰り返した。美咲は貫太郎の隣で一緒に泳ぎ、フォームが崩れるたびに厳しく指摘してくる。肺が苦しくて何度も水面に顔を出したくなるけど、彼女の視線を感じるたびに「もう少し頑張ろう」と踏ん張った。美咲の愛の鞭は確かに厳しいが、その裏に貫太郎を強くしたいという想いが伝わってくる。

美咲:「貫太郎、息継ぎのタイミングが遅いよ。潜水中に息を我慢しすぎると、ストロークでバテる。もっとリズムを意識しな。」

貫太郎:「うっ、分かった。リズムか……。」


息を整えて再び潜る。美咲の言う通り、息継ぎのタイミングを少し早めにしてみると、確かにストロークに移った時に体が軽い。少しずつ感覚が掴めてきた気がする。

何往復か泳いでるうちに、貫太郎の体が潜水泳法に慣れてきた。15メートルを潜りきってストロークに移る瞬間が、だんだんスムーズになってくる。美咲もそれを認めるように、時折小さく頷いていた。

美咲:「まぁ、悪くないよ。貫太郎、飲み込み早いね。私が思ってたより才能あるかも。」

貫太郎:「へへっ、褒められると照れるな。でも、まだまだ美咲先輩には敵わないよ。」

美咲:「当たり前だよ。私に追いつくには、まだまだ鍛えないとね。けど、今日のところはここまでかな。」


その時、海の向こうから誰かが泳いでくるのが見えた。青いハイレグに聖母マリアのモチーフが描かれた水着。上原美玲が自由形で軽快に泳ぎながら、貫太郎と美咲の元に近づいてきた。波が彼女の体に当たって水しぶきを上げ、優しい笑顔が遠くからでも分かる。

美玲:「二人とも、楽しそうに練習してるね。私、彩美と彩芽と英美里の鍛錬をアリスに任せて、ちょっと様子見に来たよ。」


美玲の声は柔らかく、いつも通り温かい雰囲気を漂わせている。美咲とは正反対の性格だが、泳ぎの実力はどちらも怪物級だ。

貫太郎:「美玲先輩! ちょうど潜水泳法の練習してたところなんだ。見ててくれよ。」

美玲:「ふふっ、いいよ。貫太郎の成長、見せてもらおうかな。」


美玲がそう言うと、貫太郎は気合いを入れて再び潜った。美咲と美玲、二人に見られているという意識が働いて、いつもより集中力が増す。体を一直線に保ち、15メートルまで潜水して、ストロークに移る。フォームが崩れないように意識して泳ぎきった瞬間、水面に顔を出して二人を見た。

美玲:「貫太郎、すごいよ! 未熟者の域はもう抜けてる。立派な泳ぎだね。」


美玲が手を叩いて褒めてくれる。貫太郎は少し照れながら笑った。

貫太郎:「ありがとう、美玲先輩。嬉しいよ。」

美玲:「ねぇ、美咲。貫太郎、成長してるんだから、ちゃんと褒めてあげなよ。」


美咲はツンと顔をそむけて、腕を組んだまま口を尖らせる。

美咲:「少し泳げるようになったからって自惚れるなよ。まだまだ私たちには勝ててないんだから。」


その言葉に貫太郎は苦笑いした。美咲らしいツンツンした態度だ。でも、その裏に隠れた優しさが感じられて、少しだけ胸が温かくなる。

美玲:「ふふっ、美咲らしいね。まぁ、貫太郎には私たちと一緒に鍛錬できるのが光栄だって思ってもらえるだけで十分だよね。」

貫太郎:「うん、本当に光栄だよ。尊敬する二人の先輩と一緒に泳げるなんて、最高だ。」

美咲:「ふん、まぁ、そう思うなら頑張りなさい。私と美玲に追いつけるようにね。」

美玲:「じゃあ、せっかくだから三人で泳いで岸に戻ろうか。貫太郎、一緒に潜水泳法で競争してみる?」

貫太郎:「おお、いいね! 負けないよ!」

美咲と美玲が笑い合いながら海に潜る。貫太郎も深呼吸して後に続いた。三人の水着が波間に揺れ、潜水泳法で競い合う姿が海水浴場の風景に溶け込む。美咲の赤と美玲の青、そして貫太郎の赤が水中で交錯し、まるで龍と神々が海を泳ぐような光景だ。貫太郎は二人に追いつかれながらも、全力で泳ぎ続けた。波の音と笑い声が混じり合い、強化合宿初日の練習終わりを象徴していた。


シーン4: 練習後の団欒

島宮県の海水浴場での過酷な練習が終わり、太陽が水平線に沈む頃、海風学園水泳部の部員たちは汗と潮の匂いをまとったままバスに乗り込んだ。車内は疲労と達成感が入り混じった空気に満ち、窓の外を流れる夕暮れの海がオレンジ色に染まっている。部員たちはそれぞれTシャツに着替え、島宮観光ホテルへと向かった。ホテルのロビーに到着すると、アリスの実家である三島コーポレーションの財力のおかげで宿泊料金はすでに支払い済み。フロントでの手続きは驚くほどスムーズで、貫太郎は受付の女性からルームキーを受け取る際、少しだけ背筋を伸ばした。赤い龍のプリントが入ったTシャツが汗で少し湿っていて、首筋に貼り付く感触が不快だったが、それ以上に仲間たちとの合宿初日の高揚感が勝っていた。


部屋割りは男女混合の相部屋が多く、フロント脇に貼られたリストを見て、部員たちはざわつき始めた。貫太郎、アリス、美咲、美玲が一部屋。健太、南、毬絵、愛永が一部屋。亮、綾乃、優子、千晶、春美が一部屋。拓也、美枝子、純恵、彩芽、桃音が一部屋。鉄平、純也、華鈴、彩美が一部屋。虎十郎、秀紀、英美里、久美が一部屋。裕介、真澄、紬、愛美が一部屋。光、明美、ユウ、咲が一部屋。そして健、美奈、さくら、監督の恵美が一部屋。貫太郎はアリスと同じ部屋と聞いて内心で小さくガッツポーズをとったが、隣に立つ美咲の鋭い視線を感じて、すぐに平静を装った。

美咲:「貫太郎、私と美玲が一緒の部屋ってことは、アリスと妙なことしないように監視するって意味だからね。分かってるよね?」


美咲の声は低く、まるで刃物のように鋭い。彼女の赤いTシャツの下に隠れたハイレグ水着のイメージが一瞬頭をよぎるが、貫太郎は慌てて首を振った。

貫太郎:「俺、そんなつもりねえよ! 美咲先輩、信じてくれって!」

アリス:「私、貫太郎に妙なことするつもりなんてないよ。美咲先輩、ちょっと過保護すぎじゃない?」


アリスが少し拗ねたように口を尖らせると、美咲は鼻を鳴らして腕を組んだ。彼女のポニーテールが軽く揺れ、その仕草に主将としての威厳が滲み出ている。

美咲:「過保護じゃないよ。私は主将として部内の規律を守る義務があるんだから。貫太郎がアリスにうつつを抜かして練習に集中できなくなったら困るでしょ。」

美玲:「まぁ、美咲の言うことも分かるけど、貫太郎なら大丈夫だよ。ねえ、貫太郎?」


美玲の柔らかい声と優しい笑顔に救われた気分になり、貫太郎は頷いた。青いTシャツを着た美玲の穏やかな雰囲気は、いつも部員たちを癒してくれる。

貫太郎:「うん、美玲先輩がそう言うなら、俺、ちゃんと規律守るよ。」

美咲はまだ疑わしそうな目つきだったが、それ以上追及せずに部屋へと向かった。アリスが貫太郎の腕に軽く触れて「ふふっ、私たち仲良しだね」と囁くと、貫太郎の顔が少し赤くなったが、美咲の視線を背中に感じて慌てて距離を取った。


ホテルにチェックインした後、部員たちは荷物を部屋に置いて大浴場へと向かった。館内は清潔感があり、廊下の木目調の壁からほのかに漂う温泉の香りが疲れた体に染み入る。男女別の入口に分かれると、部員たちはそれぞれの湯船へと散っていった。


男湯の脱衣所はすでに騒がしく、鉄平が黒いTシャツを脱ぎながら純也に話しかけていた。湯気で曇ったガラス扉の向こうから熱気が漏れ出し、タイル張りの床が少し滑りそうだった。

鉄平:「俺さ、今日の練習、初めての本格的な競泳だったけど、マジでキツかったぜ。中国拳法やってた時よりハードやで。」

純也:「俺もやで。キックボクシングやってた時は体力ある方やと思ってたけど、水泳って全然別次元やわ。足がガクガクしてるで。」


二人は笑い合いながら洗い場へ向かい、シャワーで汗と砂を流し始めた。水滴がタイルに跳ねる音が響き合い、湯船から立ち上る湯気が視界をぼんやりとさせる。近くでは虎十郎が秀紀と並んで湯に浸かり、疲れた体をほぐしていた。

虎十郎:「俺、泳ぎ自体は嫌いじゃないけど、今日は体が悲鳴上げてるぜ。亮と裕介先輩と物理の話してるときが一番落ち着くな。」

秀紀:「俺もだよ。亮の理系トークって意外と面白いよな。裕介先輩のプログラミングの話も聞いてて頭使う感じがいいぜ。」


湯船の端では、健太が鉄平と一緒に熱い湯に肩まで浸かりながら楽しそうに話していた。緑のタオルを首に巻いた健太の顔は赤く、湯気で髪が少し濡れている。

健太:「俺、鉄平とこうやって話してると、なんかゲームの仲間みたいで楽しいぜ。今日の練習キツかったけどさ、お前とならまた頑張れそうだよ。」

鉄平:「俺もや、健太。バタフライのフォーム見ててすげえなって思ったで。明日も教えてくれよな。」


一方、貫太郎は湯船の隅で一人静かに浸かっていた。熱い湯が体に染み込み、筋肉の張りが少しずつ解れていく。目を閉じると、今日の美咲との潜水泳法の練習が頭に浮かんだ。あの厳しい愛の鞭と、美玲の優しい励まし。これからの合宿がもっと過酷になるだろうと考えると、少しだけ感傷的な気分になる。湯気の向こうで健太や鉄平が笑い合う声が聞こえてきて、貫太郎は小さく微笑んだ。

拓也:「おい、貫太郎! 何一人でしんみりしてんだよ。俺らと一緒に騒ごうぜ!」


拓也が湯船から立ち上がって近づいてきた。青いタオルで顔を拭きながら、いつものアニメオタクらしい軽いノリで話しかけてくる。貫太郎は苦笑して湯をかけた。

貫太郎:「俺、ちょっと疲れてんだよ。拓也、お前は元気すぎるだろ。」

男湯は笑い声と水しぶきの音で溢れ、部員たちは練習の疲れを忘れるように楽しんでいた。


女湯は男湯とは対照的に、ゆったりとした雰囲気に包まれていた。広い湯船の周りにタイルが敷かれ、湯気で鏡が曇っている。美枝子と純恵が洗い場でシャンプーを手に取ると、すぐに貫太郎の話題で言い争いが始まった。

美枝子:「あたしさ、貫太郎の愛人なら絶対にあたしの方が相応しいよね。純恵なんかに負けないよ。」

純恵:「私が相応しいよ! 美枝子、私の方が小学校から貫太郎と縁があるんだから、私の方が貫太郎を理解してるって。」


二人の声が湯気に混じって響き合い、近くで髪を洗っていたアリスが呆れたようにため息をついた。赤紫のタオルを手に持つアリスは、泡だらけの髪を流しながら綾乃と南に視線を向けた。

アリス:「私、美枝子と純恵がそんなことで喧嘩してるの、見てて疲れるよ。貫太郎、私のことちゃんと見てくれるよね?」

綾乃:「私も呆れるわ。二人とも貫太郎に夢中すぎるんじゃない? でも、アリス、私も負けないつもりよ。」

南:「私も呆れてるよ。でも、二人とも泳ぎは悪くないから、そこは認めてるけどね。私だって貫太郎には負けたくないし。」


三人は湯船に浸かりながら、微妙なライバル意識を漂わせつつも静かに疲れを癒していた。一方、美咲と美玲は湯船の反対側で肩まで浸かり、今日の練習を振り返っていた。

美咲:「私、今日の貫太郎の泳ぎ見てて、正直驚いたよ。あの潜水泳法、飲み込み早いし、見違えるくらい成長してるよね。」

美玲:「私もそう思うよ。貫太郎、努力してるのがちゃんと伝わってくる。私たちと一緒に泳いでても、全然引けを取らないくらいだよ。」

美咲は少し口元を緩めて湯をかき混ぜた。普段は厳しい態度しか見せないが、こうやって二人きりになると、貫太郎への想いが少しだけ顔を覗かせる。美玲はそんな美咲を見て優しく微笑んだ。

女湯は穏やかな会話と湯の音が響き合い、男子部員たちの騒がしさとは対照的な落ち着きを保っていた。


入浴を終えた部員たちは部屋で髪を乾かし、Tシャツ姿のままホテルのバイキングレストランへと向かった。レストランは水泳部のために貸し切られ、広いテーブルに和洋中さまざまな料理が並んでいる。壁には海をモチーフにした絵画が飾られ、柔らかい照明が料理を彩っていた。部員たちはトレイを手に取り、次々と料理を盛り付け始めた。


鉄平と純也は中華コーナーに直行し、麻婆豆腐とセルフラーメンを皿に山盛りにした。湯気が立ち上る麻婆豆腐の辛そうな香りが鼻をくすぐり、二人は笑いながら席に着いた。

鉄平:「俺、この麻婆豆腐、めっちゃ辛そうでテンション上がるぜ。純也、お前も食ってみなよ。」

純也:「俺、ラーメンにハマったわ。このスープ、うまくてやばいぜ。健太も来いよ、肉よりこっちの方がいいって!」


健太は肉料理コーナーで唐揚げとチキン南蛮を大皿に積み上げ、満足そうに席に戻った。緑のTシャツが少し汗で湿っていて、疲れていても食欲は衰えていない。

健太:「俺、肉がなきゃ生きていけねえよ。唐揚げのこのカリカリ感、最高だぜ。」


亮は海鮮コーナーで鮪と真鯛の刺身を丁寧に選んで皿に並べ、健康を意識した選択に満足していた。黒いTシャツの袖をまくり上げ、静かに席に座る。

亮:「俺、刺身の方が体にいいと思う。練習後の栄養補給にはこれが最適だぜ。」


拓也はパンとスパゲティをトレイに山盛りにし、洋食系のコーナーを堪能していた。アニメの話題を頭に浮かべながら、楽しそうに食べ物を頬張る。

拓也:「俺、スパゲティってドラゴンボールの悟空みたいに食えるから好きだぜ。」


貫太郎はアリスに寄り添われながら、和食と洋食を少しずつ取ったトレイを持って席に着いた。アリスが隣で「私、貫太郎と一緒に食べるの嬉しいな」と笑うと、少し照れくさい気分になる。

貫太郎:「俺、アリスにくっつかれると落ち着かねえよ。でも、飯は美味いからいいか。」

アリス:「私、貫太郎が照れてるの可愛いよ。このステーキ、私が切ってあげるね。」


光は和食コーナーで天ぷらや煮物をじっくり味わい、自分の料理技術の参考にしていた。白いTシャツに和風のエプロンでも似合いそうな雰囲気だ。

光:「俺、この天ぷらの揚げ方、すげえ参考になるぜ。合宿で料理担当する時、活かしてみようかな。」


桃音と綾乃は洋食コーナーでローストビーフとサラダをシェアし、レストランに流れるバッハの「G線上のアリア」に癒されていた。桃音の青いTシャツが少し濡れていて、疲れが顔に滲んでいる。

桃音:「私、この音楽聴いてると心が落ち着くよ。綾乃とこうやって食べるのもいいね。」

綾乃:「私もそう思うわ。バッハの旋律って、練習の疲れを忘れさせてくれるよね。」


明美は肉料理コーナーでステーキと卵焼きを山盛りにし、体育会系らしい豪快さで食べ始めた。赤いTシャツが汗で少し色濃く見える。

明美:「あたい、蛋白質がなきゃやってられねえよ。このステーキ、最高だぜ!」


恵美は控えめな量のサラダと魚料理をトレイに取り、静かに味わっていた。紫のTシャツを着た彼女は、監督として部員たちを見守りつつ、今日の疲れを癒す。

恵美:「私、こんなに美味しい料理をみんなと食べられるなんて幸せだよ。今日の練習、お疲れさまね。」


美枝子と純恵は貫太郎とアリスがイチャついているのが気に食わない様子だったが、ここで怒りを抑え、フルーツとデザートの皿を持って貫太郎の隣に現れた。

美枝子:「あたし、貫太郎にフルーツ分けてあげるよ。こんな美味いメロン、アリスなんかに独占させないからね。」

純恵:「私だってデザート持ってきたよ。貫太郎、私のプリン食べてみて。美味しいから!」


貫太郎は二人の勢いに戸惑いながらも、女子の誘いを断るわけにはいかず、フルーツとデザートを受け取った。

貫太郎:「俺、こんなに食えねえよ……。でも、まぁ、ありがとな。」


美咲と美玲は少し離れた席で、部員たちの様子を見守っていた。美咲は箸を手に持ったまま、少しだけ笑みを浮かべる。

美咲:「私、貫太郎がみんなに愛されてるの見てると、ちょっと複雑だよ。でも、主将としては嬉しいかな。」

美玲:「私もそう思うよ。貫太郎、みんなを引っ張れる存在になってきてるよね。私たちも負けないように頑張らないと。」

レストランは笑い声と料理の香りで満たされ、初日の合宿は穏やかに終わりを迎えた。部員たちは満腹感と満足感を抱えながら、部屋へと戻っていった。

次回、合宿二日目。貫太郎達は強くなれるのだろうか!?

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