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二章2話 アクアリス到着

「到着だな」


フルールから出発して3日後の昼前、途中何度かも者に襲われたけど無事アクアリスにたどり着いた。


「アキラ、俺は先に知り合いのとこに挨拶に行って来る。まぁ後でお前等も連れて行くが取り合えず今はユウヤと2人で宿を確保しておいてくれ。何日滞在するか分から無ぇから出来るだけ安いとこ頼む、集合場所は夕方(5時頃)ココでいいだろう」


そう言ってスノウと共にリジルが街に消えていった。リジルの案内無しだけど大丈夫かな?


「さて、ユウヤさんもこの街は初めてですよね?ゆっくり探索しながら宿を探しましょか」


「了解」


暫くアクアリスの街を探索した。フルールは田舎の村だったけどココは人も多く活気が溢れている。エルリオールの街ってみんなこんな感じなのかな。


「そうですね、ここは斬空の英雄が滞在し姿を消した所ですから、噂に引かれて他の町よりは人が集まっているかもしれません」


「へ~」


何軒か宿を見つけたけど、どこも長期滞在にはちょっと値段が厳しいらしい、僕はこの世界の金銭感覚が無いので、そこはアキラに任せることにしている。


何でも冒険者として協会で登録していれば各店で多少の割引をしてもらえるらしい、リジルは分からないけどアキラは登録していないらしい、僕も当然していない。


「これは、もう少し治安の悪そうなとこも探索範囲に加えないといけませんかね・・・」


「まぁ、僕も大分この世界に慣れたし、スリとか強盗なら返り討ちにするから大丈夫でしょ」


探索再開。


「どいてください!」


「け、大人しくこっちに来やがれ」


って、いきなり!?少し裏路地に入って直ぐのところで、ありがちなイベントが行われていた。壁を背に目つきの悪い男と対峙する美少女、うん、ありがちだ・・・


「(急がないと間に合わないのに!)もう!覚悟してください!

 白き奇跡の力

 その輝きは・・・ぶっ!」


「おっと、魔法は使わせないぜ」


あ、女の子に腹パンチ極めた・・・これは・・・だめだ。


「アキラ・・・」


「はい、援護します。汝、灼熱する赤」


「おらぁぁ!」


刀を抜き少女と男の間に割って入る、さすがに妹と同じくらいの少女が不幸になるのは見てられないし、無視も出来ない。


「っと!なんだ?っ!・・・てめぇ・・・邪魔する気か・・・」


一瞬こっちを見て驚いたようだが、直ぐに睨み付けて来る、目つきの悪さもあって正直怖い。

「雄々しき姿は紅き壁」


「さすがに無視できない」


「け、まぁいいお前を殺せば終わりだ・・・」


いつの間に抜いたのか男の両手に短剣が握られていた、不味いな、今の動きよく見えなかった、この男僕より強いかも・・・


「殺られる前に・・・殺る!双薙!!」


「うお!っち!やるじゃねぇか」


くそ、双薙は一度の動作で二度の斬撃を生むから弐撃目はほぼ予測不能なはずなのに、この男は両手の短剣で捌ききった。今の僕じゃ勝てそうに無いなでも・・・


「敵を拒め朱き焔よ」


「今度はこっちから行くぜ!」


相手は僕一人じゃないし、今回の僕は時間稼ぎでしかない。


「『フレイムウォール』!」


「な!しまった!」


目の前に炎の壁が現れ男と僕たちを分断する、アキラナイス、この隙に少女の手を引いてこの場を離脱する、出来るだけ人通りの多いところに向かっていたら、裏路地からもとの通りに戻っていた。


「何とかなりましたね」


遅れてアキラもやってくる、うまく男を撒けたようだ。


「うん。君は大丈夫だった?結構いい一撃を貰ってたみたいだけど?」


「は、はい!大丈夫です!ああ、あの、ありがとうございました!」


ほんとに大丈夫なのかな?顔がどんどん赤くなっていってるけど・・・


「ユウヤさん、手、握ったままですよ」


「あぁ!ごめん」


「い、いえ、大丈夫です(・・・え?)」


うあ~恥ずかしい・・・とっとと退散しよう。


「それじや僕等はこれで失礼するよ、あまり人通りの少ないとこには行かないように、君みたいな可愛い子は狙われやすいんだから気をつけてね」


恥ずかしさで余計なことを口走っているが、今の僕はそれに気付いていない。後で思い出してまた恥ずかしくなるんだ・・・

少女と別れ僕たちは宿探しを再開した。



----------------


「今のは、光と闇の魔導師。でも、一緒にいたのは誰?」


私の知らない人物だ、偶然一緒にいたのかな、どの道この後私に関わることはないでしょうね・・・


追っ手から逃げる間握られていた手が熱い、そしてなぜか少し寂しいと思ってしまった。


「っと!こんな所でぐずぐずしている暇は有りません!急がないと間に合わなくなります」



----------------


「すまねぇ、邪魔が入ってしくじった」


裏路地の先程よりもさらに奥に入り込んだ人の目も殆んど届かない場所。オレの前で少女にちょっかいを出そうとしていた男の喉をかき斬りながらその少女に報告する。


「そう、まぁいいわ。彼女はこっちで確保したからあの子には何も出来ないでしょう。次の指示は大分後になるけどそれまで待機よ、余計なことするんじゃないわよ」


「へいへい、了解了解」


まぁ、オレとしては邪魔に入った少年の剣術に興味が有り、時間が有るならもう一度戦って確かめて見たかったのだが・・・彼女の為だここは我慢するしかないな・・・



----------------


先程街の人に聞いた宿にたどり着く、見た目も聞いていたほど悪くないし街の賑わいからは少し離れているが宿の中からは活気が溢れて来るのがなんとなく感じられる、今はちょうど昼時だし食堂兼宿屋らしいから食事に来ている人たちかな?


「ここですね、値段が聞いていた通りならここでいいんじゃないでしょうか?」


「店員に問題が無ければね、あとついでに昼も済ませておこうか」


「そうですね」


扉を開けカウンターにいる店員らしき女性と目が合うとその人は笑顔で迎えてくれた。


「いらっしゃい、お昼かい?」


「えぇ、あと宿もやってるって聞いたんですけど」


「あぁ、やってるよ・・・」


値段は聞いていた通りみたいだ、ここで決めて大丈夫なんじゃないかなと思いアキラを振り返る、あれ?居ない、直ぐ後に居るものだと思っていたけど・・・あ、入り口で誰かに声をかけられている。店員にの女性に言って少し待ってもらい入り口に向かう。


「先程はありがとうございます。お待ちしていました、剣の守人たる光と闇の魔導師様」


「よくご存知ですね」


・・・えっとなに、~の魔導師、斬空の英雄でも思ったけど、厨二病か・・・まぁ、異世界だしいいか。


「私は夢見の民、あなたとお連れの救世主様を待っていました」


夢見(予言)の・・・そうですか、僕の連れというと・・・ユウヤさんでしょうか?」


って言ってこっち見た。

え?なに、僕も救世主とか言われるの?それは恥ずかしいよ。


アキラと話してちょうど僕に背中を向けていた人物がこちらを振り返る。

さっき助けた女の子だった。


「え?(さっきの男の人?)」


「どうも」


とりあえず挨拶をしておく。


さて、どうやって厨二な称号を断ろうか・・・






やっとヒロイン登場、この後また更新が滞る予定

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