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九章2話 合成魔人戦2

生まれ変わった斬空の心剣(ざんくうのしんけん)を手に九薙(くなぎ)の奥義で合成魔人(やつ)を討つ!


奥義の壱、九薙(くなぎ)

僕が兄さんから奥義を見せてもらったのは2度、1度目は速さに付いて行けず何も分からなかった。

2度目は戦いの中だったけどハッキリと見えた。

その斬撃は一瞬で九つ、それら全てを一点に集中させる、あらゆる方向から来る九つの斬撃は僕のやった様に、斬撃が届く前に(カタナ)を断つ位の対処をしないと危険極まりない。

まぁ、さっきまで出来なかった奥義が今出来るのかってことになるけど多分大丈夫、それに奥義を出すくらいじゃないと合成魔人(やつ)は倒せないと思う。


さて、始めようか・・・


悠久氷壁の封印が解けた。


自由になった合成魔人へ向けて神風(しんぷう)で駆ける。


手始めに・・・


「九薙流、双薙(そうなぎ)!」


合成魔人(やつ)が僕に気付き刃を振るって来たので双薙で叩っ斬る。


「ナニ!!」


合成魔人(やつ)が驚いた声をあげるが、それは刃が迎撃されたからではない。


斬られた傷の再生が遅くなっていたためだ。


「うん、旨くいってるみたいだね」


合成魔人(やつ)の厄介な再生能力は自らに合成した心剣によるものだ、単純に考えて心剣の力に対抗できるのは心剣、ということ。おまけに僕が使っているのは斬空の心剣、空間を切り裂く力を持っている、響心(きょうしん)で力の上がった斬空の心剣は合成魔人(やつ)と心剣の繋がりに傷を付けるまでに成った。


風薙(かぜなぎ)!×5」


驚きで動きの止まった合成魔人(やつ)に向け風の刃を放つ、僕は風の刃と併走して合成魔人(やつ)との距離を一気に詰める。


それにしても兄さんはよくこんな奴を両手剣(ツーハンデッドソード)で封印したな・・・ 

慣れている武器じゃないと僕には無理だろうな・・・


風の刃で触手を断ち斬られ無防備になった所を目掛けて更に風薙を放つ。


「ぐっ!調子に乗るな!!」


合成魔人の触手を迎撃している間に、僕と合成魔人(やつ)の間に青い魔法陣が浮かび上がる、今までに無い攻撃、どんな攻撃が来るか分からない為、合成魔人(やつ)との距離を詰めるのを一旦止めるけど・・・


「ユウヤ、そのまま行け!」


リジルの声で再び駆け出すとリジルとスノウが僕の隣に来ていた。


「氷牙よ貫け!」


「てめぇにその力を使う資格は()ぇ!『氷晶覇(ひょうしょうは)』!」


そうか、合成魔人は心剣だけじゃなく多くの精霊も取り込んでるんだったな、その精霊の力を使っても不思議じゃないか・・・

合成魔人の生み出した氷とリジルとスノウが生み出した氷がぶつかり砕け散る、氷片の舞う中リジルたちは足を止め、僕は止まる事無く駆け続ける。


「ちっ、今ので完全に魔力切れだ後は任せた!」


リジルの思いを背負い駆けけど、僕と合成魔人の間に今度は赤い魔法陣が浮かび上がる


「燃え散れ!!」


「なら、次は僕が!『フレイムサイクロン』!」


炎が僕を焼こうと迫ってくるけどアキラの魔法の炎がその炎も巻き込んで合成魔人を燃やす。

心剣による攻撃では無いけど合成魔人の放った炎も巻き込んでいた為だろうか?再生速度が遅い。


「っと!やっと近付けたな!伍薙(いつなぎ)!!」


全身を焼かれ新たな触手を生み出せないでいる合成魔人に伍薙(いつなぎ)を叩き込む。



「く、そんな、そんな馬鹿な!私は、私こそ最強なんだぞ!!」



「そんなの知るもんか、


君は悲しみを生みすぎたんだ、


だからここで消えてもらう・・・」



傷口から血を撒き散らしながら喚く合成魔人に静かに告げる。



「くそ!認めない!認めない!私がここで終わるなんて認め・・・」



「もういい、消えてくれ・・・


九薙流奥義の壱、九薙(くなぎ)!!」



一瞬の内に繰り出される九つの斬撃は合成魔人を斬り裂いて行く、


けど、まだだ・・・



九薙(くなぎ)!!」



僕は攻撃の手を止めない、合成魔人の身体は次々斬り裂かれ細かな肉片へと変わっていく・・・



「うおおぉぉおおぉぉおおぉぉおおぉぉ!!!」



「認めない!認めない!認めない!


こんなこと、こんなこと!み・・・と・・・め・・・」



合成魔人を最後の一片まで斬り刻み僕はようやく手を止めた。


肉片はあちこちで弱々しく蠢いているが、心剣で斬られた影響か?再生はしないようだ。




「・・・・・・・・・終わった?」




誰かが呟いた、その一言はゆっくりと他の者に伝わっていく・・・



数瞬後、遺跡内に歓声が響き渡った。



「アキラ、この肉片消し炭にしておいて、もう再生はしないと思うけど・・・」


「ええ、分かりました」


「はは!やりやがったな!」


アキラに念の為、元合成魔人である肉片を完全に始末してくれるように頼んでいると

リジルが背後から絡んできた。


「ちょっと!痛いって、ん、あれ?」


首に腕を回し頭を小突いて来る、荒っぽい歓迎だがようやく僕にも終わったと言う実感が湧いて来た。

同時に気が抜けたのか座り込んでしまった。自分で思っていたよりずっと自身を酷使していたようだ。

しばらく立てそうに無い、でもようやく終わったんだ・・・


「ふふ、今は休んでください。肉片(アレ)の処理はしっかりやっておきますから・・・」


あぁ、そうさせてもうよ。


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