八章4話 斬空の心剣
「遅延の盾!!」
なんとか間に合った。僕が遺跡の最億部に辿り着いた時にはもう戦いは始まっていた。しかも何かピンチだ、直ぐに神速の域に達した神風で割り込み黄の欠片の力を発動する、目の前の空間の時間を遅らせて触手を捕らえる。
「なんでお前がここに居るんだよ・・・」
なぜ?そんなの決まっているじゃないか。僕は最後の心剣の欠片を掲げ告げる。
「当然!奴を倒すためだよ!そのための力はここに有る!さっさと終わらせよう!」
「ユウヤくん?」
「マリアさん、心剣を貸してもらえますか」
僕の登場に驚くマリアさんから不完全な心剣を受け取る、同時に合成魔人の後方に展開していた無の空間が閉じるけど、どうでもいい。
「リジル時間が欲しい、奴の動きを止められないかな?」
こうして会話している間も合成魔人への攻撃は続いているし魔人の触手による攻撃も続いている、
触手の攻撃は黄の心剣の欠片の力で防いでいるけど、斬空の心剣を完成させようとすると黄の心剣の欠片が使えない、合成魔人の動きを止める必要が有る。
「ちっ、結局前と同じ展開かよ!!スノウ!残りの魔力を振り絞れ!悠久氷壁行くぞ!!」
「はい!」
リジル、無理を言ってすまない、でも、代わりに合成魔人はきっちり倒すから。
「「凍える冷気は精霊の青
氷れる腕は全てを包み込む
皆に永久の眠りの旋律を奏で続けよう 『悠久氷壁』!」」
氷の壁が合成魔人を閉じ込め続いていた魔人の攻撃が止まる。
「魔力が残り少ねぇ!そう長くは保たないぞ!」
十分!今のうちに斬空の心剣を完成させる!
黄の欠片の能力を解除して未完成の心剣と黄の欠片を合わせる。
「さぁ、斬空の心剣!最後の欠片だ、本来の姿を取り戻せ!」
閃光に包まれる未完成の心剣と黄の欠片、僕の手から欠片の感覚が消える・・・
閃光の収まった後、僕の手の中に先程までの鍔の無い両手剣では無く、ちゃんとした両手剣が有った。未完成時同様華美な装飾は無いが、内から感じられる力は比べ物にならない。
だけどこれじゃ足りない、この斬空の心剣が完成した状態で兄さんの時と条件が一緒になっただけ、合成魔人を倒してしまうにはまだ足りない。
「ユウヤさん!」
悠久氷壁により合成魔人の動きが一時的に止まっている為、攻撃を中断したアキラとレニィが僕が居ることに気付いた。本来居るはずの無い僕が居るのに驚いているなぁ・・・
「どうして・・・」
「斬空の英雄から心剣の最後の欠片を預かってきた。これで斬空の心剣本来の力が使える」
そう本来の力は使える、でも合成魔人を倒してしまうにはまだ足りない。
どうする?
―悠夜、俺は向こう(エルリオール)へ行って創剣の力に目覚めた・・・それは世界を越えた時にエルリオールの神によって自動で与えられた力だ、お前にはどんな力が与えられたんだろうな?―
別れ際の兄さんの言葉、僕にも何か有るんだろうか?
―有りますよ~―
「はぁ?」
思わず声をあげる、頭の中に響いた声、聞こえたのは僕だけ?いや、僕以外、周りが止まってる?困惑気味の僕のことはお構いなく声は続ける。
―事故でエルリオールにきた時は与えられ無かった力を・・・
さっきエルリオールへ渡った時に与えておきました!頑張ってくださいね~―
何だこの能天気な声は・・・明かに子供の声なんだけど、これがこの世界の神か?
―まぁ、代理ですけどね~―
どうでも良い情報をどうも・・・で、どんな力でどうすれば使えるのかな?
そっちの方が今は重要だ、力を与えたと言われても使い方が分からないと意味が無い。
―大丈夫です、使い方も自然と分かるようになっていますから―
その言葉を聴いた後、不意に理解した。
そうか、これが僕に与えられた力・・・合成魔人を打倒する力・・・
―それでは、頑張ってくださいね~―
それを最後に声は聞こえなくなった。
同時に止まっていた僕の周りも動き出す。
さて合成魔人の終わりを始めよう。
「兄さんの言ってた事分かったよ、どういった原理かとかは分からないけど、分かるこの世界での僕の力」
「ユウヤさん?どうしたんですか?」
「レニィ、少し離れていて」
皆から少し離れて斬空の心剣、両手剣を床に刺し柄に手を添える。
次に能力始動の言葉を詠う・・・
「我、奇跡の刃と共に歩む者・・・
我魂は刃の奏でる旋律をと共に在り・・・
共鳴する心と心は新たな奇跡の音色を此処に奏でる・・・
【響心】!」
詠い終わると、心剣を夜のような闇が包み込む
闇の納まった後、僕の手には僕の愛刀、闇夜よりも刀身の黒い刀が握られていた。
斬空の心剣は両手剣から刀へその姿を変えた。
え~またしばらく間が空きます。
今度も1ヶ月で済むかな~?




