五章4話 待ち伏せ
女王たちに別れを告げてエルリオールと精霊界とを繋ぐ門を出た。
―ヒュッ―
飛来する見覚えの有る矢、僕に狙いをつけて放たれたそれを居合いで迎撃した。
まさか・・・
僕達の前にはランドがいた、盗賊を引き連れているけど前より数は確実に少ない。
それより、さっきの矢もしかして・・・
「ランド!てめぇどうしてここに?!」
居た・・・
「ともか・・・」
僕たちの前に立ちはだかるランドと、その後ろに控えるともかと盗賊たち、待ち伏せされた?
「もう、オレ等の目的は分かってるよな?さっさと心剣の欠片を渡しやがれ」
「・・・・・・・・・」
予想どうり目的は心剣の欠片のようだけど、無表情で黙っているともかが気になる
「ランド、なんで精霊界への門の場所がわかった?
後を付けられるようなヘマはしてねぇんだけどな」
リジルの言葉を聞き可笑しそうに笑みを浮かべ、レニィを指すランド。
「え?私?」
どう言う事だろう?
「そう、貴女と同じ夢見のあたしが居るからね」
ともかの更に後からともかより少し年下に見える少女が歩み出て来た。
この子も夢見の民、預言者って事か。
リジルの舌打ちが聞こえる。
「・・・ね、姉さん」
レニィの姉・・・姉!?確かに少しレニィに似てるけど、姉?妹の間違いじゃ・・・ってくらいに発育が悪いな、不憫な・・・
「そこ!失礼なこと考えない!」
僕の考えてることが読めるのか!これも夢見の民の予知なのか!?
「顔に出てるだけだ・・・ユウヤ、今のアキラの居ない状態じゃ戦力的に不利だ、妹のことは今は置いといて、何とかして逃げるぞ」
仕方ないか、策も無しに勝てる相手じゃない。
「あら、逃げちゃっていいの?この子、今ならまだ間に合うかもしれないわよ」
レニィの姉がともかの腕を取り余裕の笑みを浮かべる。
「どういうことだ?」
「レニィは分かるかしら?夢見の民に伝わる秘術・・・」
秘術?
「姉さん・・・まさか、操りの人型を使ったんですか!」
パペット?いや、なんとなく分かったともかは何らかの術で操られてるんだな。
「はは、まぁいいじゃねぇか、お前は俺の相手をしろ!」
「聞くなユウヤ、逃げるぞ!」
「にがさねぇ「青龍!」うお!」
考えるのは後だ、ランドが突っ込んでくる前に青龍を召喚する。レニィの手を引いてリジルたちと共に後退する。
『悠夜よ、またこ奴らか・・・』
「うん、悪いけどここで足止めしてくれるかな、しばらくしたら送還するから、それまで・・・いけそう?」
『うむ、まったく問題ない。任されよう!』
「召喚・・・」
え?ともかの声、召喚って、ともかの手で光ってるのってまさか奪われた心剣の欠片!?
青龍のときと同じだ、光が収まった後に青龍と同じサイズの白い虎が居た。
「白虎、行って」
『まぁ仕方ないな・・・行くぞ、青龍』
『ふむ、白虎か少々キツイな、悠夜、さっさと行くがいい、さすがの我もこの状況では余り持たんぞ』
懸念していた心剣の欠片の使用で青龍との戦力差を埋められたか、急いで逃げ・・・
「待ちなさいよ!この子を殺すわよ!」
しまった!ともかを人質に使われるのを考えてなかった!
「ユウヤさん大丈夫です!姉さんにトモカさんは殺せません!」
「でも!」
「いいから行くぞ!夢見の民の予言を信じとけ!」
「く!」
今は、逃げるしかないか・・・
――――――――――――――――――――――
『どうやら終わりのようだな』
青龍の体が送還の光に包まれる、リジルの野郎共が十分な距離を逃げられたってことか。
『ったく、人間の手助けもあったって言うのに良く俺の攻撃を凌いだな、青龍』
『まだまだ、おぬしには負けんよ、白虎』
『次を楽しみにしてるぜ』
『ふん、返り討ちにしてくれる』
青龍が消えたのでローラもトモカに白虎を消させた。
「ありがと、白虎・・・送還」
にしても・・・
「逃げられたな・・・」
「まぁ良いわ、もう次の手は打って有るから、行くわよ!」
「はいはい」
さて、次は本気であいつと殺り合えるかな。
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無事逃げ切ることが出来た、今のままじゃあいつ等に確実に勝てる手が無いという事で、再びアクアリスに戻りマリアさんに相談しようということになった。
僕たちはアキラと合流してその日のうちにフルールを後にした。
その日の夜、野営中、寝付けなかった僕はリジルと見張りを交代していた。
「ユウヤさん?」
「ん、レニィ、どうしたの?寝られない?
まぁ、お姉さんと敵対したんだから気になるのも無理はないか・・・」
「う、いえ!そんな、それでしたらトモカさんの事の方が大変です。
姉がやったとはいえ、ユウヤさんとトモカさんには申し訳ないと思ってますし・・・」
あぁ、その方が気になるか、まぁレニィならそうだよな。
「気にしないでいいよ、ともかのことは仕方なかったんだしね、ただ僕たちが逃げた後ともかが何もされて無いかが気になってね、夢見の民の予言を信じて無い訳じゃないんだけど・・・」
「大丈夫ですよ、ここでトモカさんを傷付ける事はそのまま世界の破壊を意味しますから、姉さんもトモカさんを傷付けたりしませんよ」
「前も聞いたけど予言の内容って聞いちゃ駄目なのかな?」
前の時も無理だって言ってたはずだし、聞けないならそれはそれでいいと思いつつ再度訊ねてみる。
「詳しくは言えない決まりなんです、それに細かい所の予言は今、殆んど意味を成さなくなって来ていますし」
「意味を成さない?」
「はい、私一人が予言を変えようとしても無理だったと思いますけど・・・私と姉さんそれと本来一人の筈の異世界から来る救世主の2人目、3人の介入で予言の細かい部分はすでに変わっています。」
「とにかく、予言とは違う今になってるってこと?」
「そうです、ですから姉さんも鍵となる人物を簡単に傷つけたりはしません。
操りの人型も、姉さんはあぁ言っていましたけど、
少し手間と時間がかかりますが解術の方法はあります。だから大丈夫ですよ」
「そうか、取り合えず安心したよ、これで眠れそうだ、見張りの交代はまだだし、レニィも寝ておいた方がいいよ」
「はい、そうしますね」
予言された未来とは変わっている、できれば誰も悲しまなくていい未来を願うよ、ホントに・・・
章の分け方が細かい?俺の中では
S・RPGだったら戦闘はさめば次の章だよな~
ぐらいにしか思ってませんので気にしない方向で
まぁ、俺の好きにやらせてもらう!
でも何かこうしたらいい!みたいな希望って有りますかね?