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四章2話 アキラ

「で、俺が居ない間に何があった?」


青龍に盗賊と一緒に押し流されて行ったリジルが、スノウと共に戻ってきてそう訊ねた。僕も誰かに事情を聞きたい気分だ、僕のことを呪い付きの矢で射たのって、僕の妹のともかだったんだよね・・・


「盗賊を一掃した後僕に矢が飛んできた、完全に油断してたよ、胸の辺りに突き刺さってた」


「えっと、私がその矢を慌てて抜いて治癒魔法を掛けようとしたんですけど、その・・・効かなくて」


そこでともかが出てきたんだよな、何か様子が変だったけどあれはともかで間違いない。

あ、そういえばともかに心剣の欠片取られちゃったんだった。


「ユウヤには悪いが、お前の妹、盗賊達とグルだろうな、出てくるタイミングが良すぎるし、あの盗賊共最初から心剣の欠片が目的だったって事だろ?唯の盗賊にしては動きがおかしかったからな」


リジルたちに話したらそう結論を出された。


「ともか・・・なんで・・・」


「とにかく、俺達以外にも心剣の欠片を集めてる奴がいるってことになるな、取られた欠片は1つだけか?」


言われて確かめてみる・・・あ、1つ残ってる。取り出すと青色の欠片だった、取られたのはビャクガに貰った白色の欠片か・・・


「そうか、まぁ、今は取り合えず置いとこう。でだ、呪いの矢でやられたユウヤはなんで無傷で立ってるんだ?」


呪いによって、治癒魔法でも塞がらない傷が跡形も無く消えてるのは僕も気になっていた。血が足りなかったはずなのに、今はなんとも無いし・・・この辺はアキラが何かやったみたいなんだけどね・・・


「アキラさん・・・あれって心剣、でしたよね」


レニィがアキラに訊ねる、その時気絶していた僕よりレニィの方が状況をよく知ってるはずだ。


「えぇ、心剣です。『回生(かいせい)の心剣』、宿剣型の心剣で普段は僕が身に宿してます。

宿剣型の心剣は使用者(操剣者)を選びますがこの心剣は幸い僕にも少し適正があります。

操剣者が使用すれば死者すら蘇らせることが出来る心剣なんですが。僕だとどんな傷でも死んでいなければ治せる、くらいですね」


「アキラは心剣の御子だったのか?」


「正確には違うんですけどね、詳しい話は少し長くなるので、まずアクアリスに戻りませんか?」


「そうだな、取り合えず落ち着いてから聞こうか」



--------------------


―一人は・・・寂しい・・・誰か?私と・・・―



声が聞こえる、どこからだろう?耳を澄ませようとしてふと思い出す。


僕は身体を失い魂だけになった、その魂も奇跡の代償として半分に削られているけど・・・とにかく僕に澄ませる耳は無かった。


異常な形で死を迎えた僕の魂は全てが終わった後も転生の環に戻ること無くエルリオールを彷徨っていた。


魂だけの僕に特にできることは何も無いのだけど、如何してか、先程聞こえた声が気になってしまたので声に意識を集中させることにした。




―一人は・・・寂しい・・・誰か?私と・・・―



声がする、私の意思はぼんやりとだがその声に向かう。


私はどうなった?愚かな者に感じた怒りのままに暴れ周り封印され長き時を過ごした。


封印から開放された後も、この身に残る怒りを燃やし全て破壊しようとしていた。


あぁ、そうか私は奇跡の力を持って打倒されたのか・・・


自分に身体が無いことを確認する、魂も随分磨り減っているみたいだ。


このまま大人しくしていれば転生の環に帰ることになるのだろうな・・・


だが、如何してか、先程聞こえた声が気になった、私は声に意識を集中させることにした。





―悠久の時を与えられた私だけど一人は寂しい誰か?私と一緒に生きて―



声は次第にはっきり聞き取れるようになっていった、僕の魂は声のする方に引き寄せられるように移動する。


声は次第にはっきり聞き取れるようになっていった、私の魂は声のする方に引き寄せられるように移動する。



―誰か、居るの?―



声が問いかける、僕には答えを返す術が無い、ふと、自分と声以外の存在を感じる。それが何者なのか僕は直感的に理解した。


声が問いかける、私には答えを返す術が無い、ふと、自分と声以外の存在を感じる。それが何者なのか私は直感的に理解した。



それは、僕の身体を奪い異常な死を与えた者


それは、魂だけと為っても絆の力で奇跡を成し、私を打倒した者



お互いに相手の命を絶った者・・・



だけど、もはやこの場で争う気も起きない、それよりも声の主のほうが気になった。



―私のとこに来てくれる?―



転生の環から外れ唯彷徨うだけの僕だ、そんな僕でも誰かの役に立てるのなら・・・傍に行ってあげたいのは山々なんだけどその方法が分からない・・・


人の願いに興味は無いがこのまま唯転生を待つのもつまらない、声の主の願いに応えるのもいいだろう、だが今の私にはその力が無い・・・



―ありがとう―



辺りが光に包まれる。



暖かい、身体の無い僕でもそう感じる。


暖かい、ふむ、こういうのも悪くない・・・



光が収まり目の前に小さな少女が立っていた。


その少女の前に失ったはずの身体を得て僕が立っている、足りない魂は近くにいたもう一人の魂と溶け合ってこの身体の中にあった。



「こんにちは、貴方の名前を聞かせてくれる?」



幼い容姿に合わない大人びた雰囲気、目の前に立つ僕を迎えたことで浮かんだ笑顔がとても可愛かった。


「僕は、アキラ・・・アキラ イレウス、君と共に生きるよ」


2つの半端な魂は1つになって今ここに新たな命として生まれた。



--------------------


「その少女が、本来の回生の心剣の御子でした。回生の心剣の御子であった為に不老の身と成っていた少女は、長い時を孤独に生きて寂しい思いをしていた。

それで僕を、共に長い時を生きる者を求めた。その思いに心剣と僕達がが応え僕が生まれたんです」


回生の心剣力で2つの彷徨う魂に1つの身体を与えられた、それが僕です。アキラという少年とイレウスという悪魔が合わさって生まれた新たな命。


「その後の少女との生活は穏やかで特に変わったことはありませんでしたけど、満ち足りた幸せなものでした」


でも・・・


「色々有りました。暗い話になるので省きますけど、有る事件でその少女が死んでしまい死の直前に僕は彼女から回生の心剣を託されました、本来彼女と共に消えるはずの心剣は僕を鞘(御子)とすることで今もここにあります」


これが、僕が回生の心剣を持つ訳です。だいぶ省きましたけどね。


悪魔の魂(イレウス)ってのは斬魔(ざんま)の心剣で打倒された大悪魔だったか?そんなのが混ざってたら魔力も禍々しくなるか・・・」


「はい、アキラさんの禍々しい魔力の訳が分かりました」


「??まぁ、アキラが回生の心剣を持ってたおかげで助かったからいいよ」


「ですね、私の治癒魔法じゃ呪いは治せませんでした」


「えっと、色々有った事件っていうのが彼女の心剣を狙ったものでした。心剣を悪用しようという人間はどこにでも居ます。だから僕は心剣を悪用しようという奴は許せない、ユウヤさんたちと共に行動するのも、心剣の悪用を防ぐ為です。ユウヤさんたちならそんなことは無いって分かってますけどね」


「でも今回、目的は分からないけど俺たち以外に心剣の欠片を集める奴がいる」


「ともか、か?帰るのが目的なら、僕から欠片を奪う必要は無いよね・・・」


そうなんですよね、心剣の欠片を奪っていったユウヤさんの妹、盗賊たちともぐるでしょう、とにかくこの先気を引き締めないといけませんね。


「心剣の欠片が目的ならユウヤの妹はそのうち向こうから接触してくるだろう、いまは気にしないでその時捕獲して事情を聞けばいい、だから俺たちは他の欠片、最後の欠片を取りに行くぞ」



今回のアキラの誕生話、要らなかったな・・・

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