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三章3話 風獣の丘(修行中)

ビャクガに気絶させられた翌日から毎日シルクと試合をしていた。試合を重ねるうちに少しずつシルクの動きにはついて行けるようになって来ているんだけど、ビャクガを相手にするとなるとまったく歯が立たない、何か良い手は無いだろうか・・・


「ユウヤさんはどうやって風を操ってるんですか?魔法を使ってる感じもしませんし、特異能力者でもないんですよね」


シルクとの試合を一時止弁当を食べているとき弁当を持ってきてそのまま一緒に食べていたレニィがふとそんなことを聞いてきた。

特異能力者って言うのがよく分からなかったんだけど、魔法以外で特殊な力を使う人をそう呼ぶらしい、シルクは風を操る特異能力者なんだそうだ。


「僕にもよく分からないんだけど、兄さんが言うにはそういう剣術と思っといた方が良いんだって、下手に原理とか考えると技が鈍るって言ってた。たぶんこの世界の魔法に近いんじゃないかな?僕の場合、風の動きをイメージすることで技として機能してるから」


ホントはもっと適当に言ってたんだけど・・・


『あれだ、漫画とかで有るだろ?気だ気!ようは気合だ』


だもんな、そんなのでできるようになったら小学生がみんなかめ○め波とか撃ってるよな。


「イメージ?」


?通じてない


「想像とかそんな感じの言葉」


通じにくい言葉も有るんだな・・・話す言葉は全部勝手に翻訳されてるのかと思ってたけどちがうのかな?まぁ、いいか。


「さて、シルクそろそろ再開しようか」


「ええ」


ん~僕の風薙や旋風はイメージしてそういう剣技として風を操ってるんだよな・・・だったら・・・


「シルク、前に使った加速するやつで相手してくれないかな?」


「ん?いいよ、それじゃあ・・・疾風!」


シルクの動きが加速する、この技どうなってるんだろう?風を使った能力だとは思うんだけど、身に風を纏ってるって訳でもなさそうだな・・・想像しにくい、これだったら原理を分かってる方がつかいやすいのかな?試しに風を集めて纏うイメージ・・・纏った風で身体を運ぶ・・・


「どうだ!」


刀に風が集まった、刀だけ加速する、刀に引きずられるようにして僕の身体が動く・・・駄目だな、僕自身が加速しないと話しにならない。ちなみに今の攻撃もシルクには軽く避けられた。



------------------


「疾風を再現しようとしているんでしょうか?」


ユウヤさんが風を刀に集めるのが分かります。魔力がまったく動いていないのに特異能力じゃ無いそうです。九薙の剣術、不思議な剣技です。


「おお、やってるな」


いつの間にかリジルさんが隣に居ました。


「どうだ?成果はでてるか?」


「そうですね、ここ数日で動きは良くなってますけどビャクガさんを倒すのにはまだ足りません」


「それはユウヤも分かってるみたいだな、さっきから何か試してるみたいだ・・・でも九薙の剣に自身の速度を上げるようなのは無かったはずだが・・・あの後に創ったのか?」


最後の方は聞き取れませんでしたが、リジルさんは九薙流の剣術をよく知っているんでしょうか?


「さて、俺はまた狩にでも行って来るからユウヤのこと頼むな」


「あ、はい分かりました」


といっても、今私に出来ることなんて得に無いんですけどね。



------------------


「あ~やっぱり駄目だな、旨くイメージできない。やっぱり無理なのかな?」


再び休憩を取っている、シルクにはずっと加速状態で相手をしてもらっている為いつもより疲れているようだ。僕の方はシルクの疾風を再現しようとしてるけど想定していた以上に旨くいかない、疾風状態のシルクを視ても彼女の動いた後に風が動いてるようにしか感じられない、風を操って動きを加速させてるんじゃないのかな?


「疾風はアタシの、風の特異能力者の元々の力だから風を操ってる訳でもないんですよね」


「私は詳しくないですが、魔法になら自身を加速させる物もありますよ、ユウヤさん魔法は?」


「魔力とか全然分からない、アキラに聞いたところ、魔力は人並みに有るけど操る素質が無いみたいなことを言われたかな」


「では、魔力付加(エンチャント)も出来ませんね・・・」


魔力付加?魔力を武器又は自身に付加することで能力を上げる魔法ってとこかな?後でアキラに詳しく聞いておこう。


「それじゃシルク、また頼むよ」


休憩終わり、もう少し色々試してみよう。今度は風を纏うイメージじゃなくて僕自身が風になるイメージで・・・


『九薙流の奥義は2つしかないが、それは時間が無かったからだ。俺はこれ以上九薙流を必要と思ってないから技を増やす気は無いが、もし必要ならお前自身の九薙流として創っていけ』


前に兄さんに言われたことがあったな、うん、今必要だから創造(想像)する、僕の九薙流を・・・



------------------


風獣の丘に来て2週間ほど経ちました。相変わらずユウヤさんはシルクさんと試合を続け時々ビャクガさんに挑んでいるようですがまだ一度も勝ちは有りません。でも・・・


「あ、あれ?アタシの負け?」


「ふう、やっと形に成ったかな・・・まだ調整が必要そうだけどね」


今日ユウヤさんがシルクさんに始めて勝利しました。ようやくこれまでの成果が形になったみたいです。


「ユウヤさん!もう一回お願いします!」


「うん、今度は油断無しでもう一度頼むよ」


でもビャクガさんを倒すにはまだ至らないようです。修行はまだ続きます。



視点が切り替わりすぎかな?

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