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極端な、余りにも極端な

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

ジャンルどうしましょうね。

美しい画廊の中に、座席が幾つか並んでいる。時おり立ち上る珈琲や甘い香りは、此処がカフェである事を示していた。彼女はノートとペンを片手に何か思い付いた様に走り書きを行う。

「急に方向転換なんて、珍しい」

その一言を彼女に向けて投げ掛ける、ノートから顔を上げる。胸元を覆う鮮やかな黒が、輝く銀が、緩やかに移動して、広がった。

「急に……という訳でもないけれど」

描かれているのは、恋愛描写。甘く、苦く、心擽る様な一場面。今までの彼女からは想像も出来ない感情の機敏が延々と描かれている。

今までは、そう、今までは、見たくもない現実を突き付ける様な話が多かった。人の生々しい感情を赤裸々に綴ったものが多かった。けれども今は、やや幻想や空想を帯びたような物語がノートを埋めている。

「今の私は『目』を失っている。其れが……思いの外、嫌だったらしい。だから『目』を取り戻す為の矯正と言っても良いかも知れない」

彼女が指す『目』というものが何なのか、常に共に居るが分からない。彼女も詳しく伝える真似はしたくない様で、聞いたとしても、のらりくらりと躱されてしまう。

其れでも態々取り戻そうとする時点で、どうやら大切な物の様だった。

「貴方が傍に居れば大丈夫だと思っていたの。大きな間違いだった」

「何? 私に失望した?」

僅かに溜息を吐く彼女に対して、僅かな怒りが沸いた。勝手に期待して、勝手に失望するのは、御免蒙りたい。其れは彼女も同じのはず。だからこれは嫌味や皮肉の類である。

私は口角を上げて、眉根を拗らせて、見下した様に嗤う。しかし彼女はただ首を左右に振った。

「いいえ、いいえ……。私自身に失望した。人間というのは、際限がないのだと思い知った。貴方という存在が居ながらも、私は……」

「?」

「私、とっても素直で、とっても捻くれているの。其れは貴方もよくお分かり。だから、だから、そうね、もう少し待っていて、貴方の好きな私に、戻るから」

そう言って、私の手の上に自分の手を重ねた。体温は少し冷たかった。

ジャンル的には純文学か、ローファンタジーか、はたまた恋愛か、でかなり迷いました。


これ、私だけかも知れないのですけど、書いてるジャンルにかなり引っ張られるんですよ。

恋愛、ファンタジーならば脳内お花畑ですし、純文学ならば其れを叩き切るひねくれ者ですし。

だから多分、失った『目』というのは、童心、子供心だと思います。空想する『目』と言いますか。


貴方と一緒ならば童心を忘れないと思っていたけれど、そうではなかった。そんな自分に失望した。

でも今から、戻すから少し待っていてね。

という話ではないかなと。


私も早く現実に戻らねば。

何時までも夢ばかり見てないで。

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