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#70 思いがけない贈り物




 刻印騎士。


 それは魔法使いによる一団の中でも、刻印魔法に重きを置いた化け物狩りの専門家。

 北の王国、レグナム・セプテントリオ。その栄えある城塞都市リンデンに本拠地を置き、鋼の英雄と呼ばれる偉大な指導者のもと、人界の守護を使命と掲げて日夜戦い続ける。


 人々の暮らしを脅かす悪しき魔物ども。

 愛する家族を奪い去った憎きカタキ。

 許しはしない。必ず報いを受けさせてやる。


 復讐から始まり、復讐を遂げたとしても、辺りを見渡せば尚も終わらぬ惨劇のリフレイン。


 ──誰かが終わらせなければならない。

 ──たとえ多くの者が諦めようとも。

 ──自分たちだけは、挑み続ける。


 刻印騎士と言えば、この世界においては言わずと知れたネームバリューを持っている肩書きだ。

 魔法使いが組織する騎士団の中では、およそ刻印騎士団ほど名の知れた組織はない。

 カルメンタリス島に存在する騎士団といえば、他にもそこそこに名の知れた組織はある。


 しかし、現役の団長が生ける伝説で、他の騎士団が手を出そうとしない怪物にも、刻印騎士なら率先して立ち向かうといった目を剥くような評判などから、刻印騎士団の持つネームバリューはハッキリ言って、いっとう群を抜いていると言えるだろう。


 その意味は良くも悪くも、だが確実に、刻印騎士の肩書きには大きな影響力が備わっている。


 たとえば、ある村落では刻印騎士が訪れると、村人総出で歓迎の宴を開くらしい。

 かつて刻印騎士によって救われた過去を持っているからだ。

 やぁやぁ、よく来てくれた。ささっ、たっぷりと休んでいってくれ。


 一方で、ある町では刻印騎士が訪れると、その日泊まる宿すらロクに見つからない。

 かつて刻印騎士の力が及ばず、非常に大きな被害をもたらしてしまった過去があるからだ。

 役立たずの無駄死にめ。またぞろ死体を増やしに来やがったのか。


 どちらの場合もよくある話で、カルメンタリス島で暮らしていれば、自然と耳に入ってくる噂である。


 とはいえ、噂といえど火のないところに煙は立たず、内容的にあっても別におかしくはない。


 刻印騎士とはそれだけ人々の口に広がる働きをしてきた歴史を持っていて、ゆえに誰だろうと刻印騎士の肩書きを聞けば態度を一転させ得る可能性を秘めているのだ。


「なのに、まさか僕を、仮とはいえ臨時の刻印騎士にしてしまうだなんて……」


 広場での試練からしばらく。

 あれから、まずは赤鉄のヤツらに話を付けてくるというグラディウス翁の言葉に従って、一晩瓦礫街の宿屋で待機するコトになった僕だったのだが、明朝、ノックの音で目を覚ましドアを開けると、そこに立っていた人物から驚きのニュースを聞かされるコトになった。



「……というか、いったいどうやって? たしかに僕としては願ったり叶ったりの話ではありますけれど、いくらなんでも僕が(・・)刻印騎士(・・・・)だなんて……納得が得られたとは到底思えません」


「は、はい。私もいったい、団長ってばどうやったのかなー? 上の人たち、もしかして皆アタマおかしくなっちゃったんじゃないかなー? って不思議で仕方がないです。……けど、し、信じられないコトにこうして正式な任命状まで発行されちゃってるし、団長はガハハハ笑ってめちゃくちゃだし、私自身やっぱり安全とか平和とか思うところがないワケでもないですけど、所詮私ごとき平団員が何を喚こうが現実は覆らないのでサッパリ受け入れました。筋肉のある男ってどうしてこう大雑把なんでしょう。というワケで、今日から同僚ですねっ、ラズワルド君!」


「気は確かですか」



 思わず呻くように問いかけると、目の前の女性──ルカさんは、明らかにダメそうな感じでフッ、と微笑みを浮かべた。


 どう見ても上司からのムチャぶりに内心参っているとしか思えない。


 本当はチェンジリングと向き合うのもまだ怖いのでは?


 出会って二日も経っていないが、ルカさんからは明らかに気弱といった印象を受ける。


 身長は150センチくらいか、体格も小柄で線も細い。

 年齢は見たところ二十代半ばから後半ほどで、キチッとした着こなしには真面目そうな性格が滲んでいる。装飾品の類も最低限なコトから、地味目な雰囲気。

 唯一のオシャレは、フレームにそっとあしらわれた水晶細工が見事な眼鏡だろうか。

 毛先の方がやや青みがかったくすんだブロンドととてもマッチしていて、清潔的なイメージを与える。


 昨日会った際にはそこまで注視もしていなかったが、顔立ちも決して悪くはない。

 精霊女王(ディーナ)の隔絶した美貌を見慣れている僕の目からすれば、恐らく上の下といったところだろうか。ひょっとしたら羽化する前のフェリシアに近いかもしれない。


 たぶんだが、何もなければ十人に三人くらいは振り返る美人顔だ。


 ただし、大人しめな服装や本人の絶えずオドオドとした態度、頻繁に視線の逸れる様子などから、振り返ったとしても声をかけるまでには至らない。失礼だが、そんな感想を抱いた。


 まぁ、それはさておき──



「とりあえず……僕の刻印騎士問題はいったん置いておきましょう。正直、最初の名誉騎士云々は吹っかけみたいなもので、本当は傭兵かなにかとして雇ってもらえればと思っていたんですが……まさか正式に任命状まで出して刻印騎士の肩書きをいただけるなんて。であれば、それはそれで都合がいいです」



 グラディウス翁がいったい他の上層部をどう言いくるめたのかは分からない。

 当初の想定では、僕を戦力として買って(・・・)もらうのに数日の交渉を要すると見込んでいた。なにせこちとら、泣く子も黙る妖精の取り替え児である。


 六百人を食わせていくに足る土地や食料などの生活必需品も含め、そこから先の交渉には、さらに時間を要するだろうと、あのヴェリタスもが推測していた。


 |培養混血児《ホムンクルス=カムビヨン》たちのコトを考えれば、あまり時間はかけられない。


 短縮できるステップがあるなら──多少の疑念はあるものの──ここは是非に短縮させてもらおう。



「それで、グラディウス翁は他になんて言って貴方を僕のところに寄越したんでしたっけ?」

「飲み込み早ぁ……っと、そ、そうじゃなくて。えっと、はい。団長は事もあろうに、私を君の教育係に任命しました。久しぶりの新人ですからね。先輩としてよく面倒を見てあげなさいと。ええ、そういうコトらしいです」

「な、なるほど……」



 なんか若干捨て鉢になってない? このひと。まぁ無理もないけど。



「しっかし、そうなるとリンデン側の意図が知りたいですね。僕をすんなり刻印騎士にすることで、この都市(まち)に明確なメリットがあるとは思えません。市民にバレれば、それこそ騒ぎになる」



 下手をすれば反乱や武装蜂起といったコトにもなりかねない。

 近頃はただでさえ天使出現による緊張感が広がっているのだ。

 人界の守護を謳う刻印騎士団の中に、なぜ厄災の象徴が紛れ込んでいるのか。

 本末転倒ではないかと、市民たちは必ず声を大にして弾劾するだろう。


 僕がそう、むむむ、と眉を八の字にして考え込むと、ルカさんが言った。



「えっと……けど、取り替え児の呪いについては、たしか対応策があるんですよね? 私、そう聞かされて何とかこの任務を自分に納得させたんですけど……」

「え? ああ、いや、はい。たしかに対応策はあります。というか、こうしている今も肌身離さず対応中です」

「肌身……離さず?」



 ルカさんはコテン、と首を傾げた。

 僕はふむと頷き、首から提げているネックレス──リュディガー作『大嵐の首飾り』を手に取った。そして、そのまま見やすいように宙へと掲げる。

 途端、ルカさんは露骨に頬を引き攣らせた。



「ヒっ、そ、それ……呪具ですよね? なんか、見たことないほど凄く禍々しい(・・・・)んですけど……」

「はい。ある魔術師に作ってもらった呪具で、これのおかげで僕はチェンジリングとしての気配を、ある程度誤魔化せるようになったんです」

「……チェンジリングの気配を誤魔化せる……?」

「ええ」

「いい、いや、そんな強力な呪具が存在するはず……ちっ、ちなみに、素材は何を使っているんですか?」

「“壮麗大地(テラ・メエリタ)”の、巨龍が遺していった角です」

「────は?」



 ルカさんは数秒、石化した。



「……えっと、冗談ですよね?」

「まぁ、そう思いますよね」

「う。ってことは、本当に……?」

「グラディウス翁はたぶん、勘づいてたと思います」

「へ、へぇ〜? そうなんだ〜、すご〜い」

「あの、大丈夫ですか?」

「え!? な、なにがかなっ?」

「……いえ、その、顔色がすこし」

「だ、大丈夫。ぜんぜん、大丈夫。けど、ちょっとだけ、心の整理を、させてもらって、いいかな……」

「は、はい」



 蒼白になった顔で壁に背を預け、そのまま深呼吸を始めるルカさん。

 やはりと言わざるを得ないが、このひとは最初に受けた印象の通りに、かなり繊細な精神をしているようだ。

 こうなってくると刻印騎士団に所属しているのが逆に不自然に思えてくるほどだが、まぁ、巨龍と聞いて落ち着いていられる方が、この場合はおかしいのだろう。

 イレギュラーはあくまでも僕であり、大嵐の巨龍の霊骸……双つあった角の内の一本を──ほんの欠片とはいえ──呪具にして持ち歩いているなど、恐らく常識的に考えて相当ありえない話のはずだ。


 ルカさんを襲っている衝撃は計り知れない。


(まぁ、それを言えば、僕だって驚いたんだし)


 カース・オブ・ゴッデスという原作を知っていて、チェンジリングの呪いを解くためにどれだけの苦難が待ち受けているのか、文字通り知識として記憶している僕にとって、魔術師リュディガーの才能はまさしく驚天動地だった。


 人外、異形、怪異。


 ひとならざるあやしのモノに愛され慕われる取り替え児の宿命。

 原作では主に、魔除けの呪文を複数刻印化し、さらには秘宝匠が手掛けたあらゆる護符などを大量に持ち歩くコトで、何とか生活を可能にしていた。

 師匠であるウッドペッカーは魔除けの呪文に特化した研究者で、その教えを受けられたからこそ、原作のラズワルドは大人になるまで無事、生き延びられたと言える面もある。


 で、あるならば。


 今現在、そんな風には決してなっていない(・・・・・・)この僕にとって、チェンジリングの宿命は逃れようとも逃れられない、一生ものの友達(それも悪友)にも等しいはずだった。


 だが、



 ──お前とはすでに契約を交わした。私はお前に従い、お前は私を使役する。

 ──その代価は我々全員の庇護。

 ──しかし、取り替え児のサガは私とお前の契約の遂行にあたって、不都合な場面をこの先多々もたらすだろうと容易に推測できる。

 ──なに? たとえばだと?

 ──ハッ! マヌケを装うのは止せ。こんなコトはわざわざ口に出して言うまでもない。

 ──私や私の配下は、これからお前に守ってもらおうとしている。なのに当のお前が、花熊のように誘蛾の役割を果たしていては話にならん。

 ──結界術で可能なのは所詮その場しのぎだ。

 ──大嵐の巨龍の霊骸。砕いて構わんなら、試しに私がアレでお前用の呪具(アミュレット)を作ってやってもいいが?



 と、まるで自分が手掛けるのならば呪具の一つや二つくらいなんて事はないといった風情の澄まし顔で、リュディガーはアッサリと口にした。

 そして、大嵐の巨龍の遺した霊骸。

 そんなモノ、このカルメンタリス島では有史以来誰も手にしたコトなど無いというのに、あの男はついにやり切ってみせた。

 さすがに一朝一夕というワケにはいかず、半年以上の時間をかけることにはなってしまったが、もはや神域とも呼べる持ち前の魔術の腕で、巨龍の角を見事呪具として見せたのだ。


 開いた口が塞がらないとは、まさにこのコト。


 リュディガー曰く、もとより霊骸柩楼という概念が世界には先にあり、巨龍とはいえ霊骸と化した後ならば結界術との相性は論ずるまでもなく、しかして携帯型の霊骸柩楼とするには巨龍の格は凄まじいほどに凄まじい。

 ならばいっそ、結界のように閉じる(・・・)のではなくむしろ押し開く。いや、塗り潰す(・・・・)方が術式の安定性は向上する。大魔の異界。魔力浸透。大嵐の気配を張り巡らせる方向に……以下省略。


 まぁ、言ってる意味は何となくでしか分からなかったが、とにもかくにも、要は大嵐の霊威を使ってチェンジリングの気配を分かりづらくさせているらしい。

 まさかそんな裏技があったとはついぞ思いもよらなかった僕である。

 ベアトリクスでさえ、リュディガーの偉業に珍しく感嘆の息を零したと言えば、どれほどの奇跡か窺い知れよう。


 ……とはいえ、


(それも、素材である大嵐の巨龍あっての話)


 むしろ、チェンジリングの呪いを誤魔化すには、巨龍レベルの霊威がなければ不可能なんだという、より過酷でよりハードな現実が浮き彫りになったと言い換えるコトもできるようになってしまった。ツラすぎかな?


 閑話休題。


「それはそれとしても、やっぱりリンデン側の意図が読めませんね。グラディウス翁はともかく、教会や市議会の人たちは何を考えてるんでしょう?」


 チェンジリングを曲がりなりにも刻印騎士に認めるなど、僕ですらとち狂ったとしか思えない暴挙である。

 如何に対策を施してあるとはいえ、それはチェンジリングである僕が勝手に言い張っているだけで、魔法使いや魔術師でもなければ、現物を見ない限り早々信じられる話ではないと思うが……


 第一、僕はまだ“壮麗大地”での結末(・・)をきちんと打ち明けていない。


 無論、グラディウス翁は察してくれていたし、こうしてひとりで戻って来たコトから、言うまでも無く失敗(・・)の二文字は晒されているも同然だが。


 だが、だからと言って、それで何も言わなくていいワケにはならない。


 たとえどれだけ言いづらかったとしても、自分の口からきちんと相手へ伝えなければ、誠実さに欠けてしまう。礼儀も筋も通らない。


 それなのに、リンデンはどうして対面もしない内から僕に刻印騎士の肩書きを与えたのか?



「あくまで僕自身でなく、グラディウス翁の言葉を信じた? いや、だとしても、刻印騎士の肩書きはこの世界でそんなに安い代物じゃないはず……」



 鯨飲濁流によって事実上の全滅に陥ったとはいえ、鋼の英雄が生きながらえている内は、そう簡単に値打ちが下がるとも思えない。

 そうでなければ、グラディウス翁が未だリンデンでそれなりの発言力を有しているはずもないのだし。


 ヴェリタスから聞かされていた未来予測には無かった展開なだけに、うーん? と首を傾げてしまう。


 そんな僕を見兼ねてか、深呼吸から復帰したルカさんがおずおずと口を開いた。



「あ。そ、それについてなんですが、ひとつ言伝を預かっていたのを思い出しました」

「言伝?」

「はい。《《王都の宰相》》、《《ザディア閣下からの言伝》》です」

「──なんだって?」



 王都の宰相。

 王都の宰相?


 それはつまり、このリンデンを含む王国全土、レグナム・セプテントリオにおいて、政治家としての実質的頂点に位置する役職の、あの宰相?


 ルカさんから放たれた、突然のビッグネーム。

 今この場ではまったく、予想もしていなかった大物の名前に、僕はつい困惑してしまった。


 王都の宰相といえば、鯨飲濁流が死んだ後、荒れ果てたリンデンを復興させるために、王都から一時的にこの都市へと来ていた人物のはず。


 僕との関わりは、恐らく互いに人伝での情報しかないだろう。


 それが、いったいなぜ、僕宛への言伝を?



「お、王都の宰相からって……ほ、本当に?」

「は、はい。私も初耳でしたけど……ザディア閣下からラズワルド君へ。及びリンデン城城主、並びにリンデン教会、リンデン市議会、刻印騎士団宛に、それぞれじきじきのお言葉があったみたいで」

「お、おおぅ……」



 つまり、宰相から僕について、リンデン(・・・・)への何かしらの命令ないし圧力があったというコトだろうか。

 それぞれと言っているのは、僕に対しての言伝とリンデンに対しての言伝とで、内容が違うからか?


(……よく分からないけど、とりあえず聞いてみるしかないか)



「そ、それで、内容は……?」

「えっと……」



 ルカさんは一瞬、そこで躊躇うように口を噤んだ。

 が、数瞬の後、意を決したようにハッキリとした声でそれを言い放った。



「──では、代弁します。

『ゼノギアが世話になった。ヤツから話は聞いている。リンデンには便宜を図るように言っておこう。その気があれば今晩、リンデン城の門を叩くがいい。息子の最期について聞きたい』──以上です」



 ─────────。



「……え?」

「お、驚きますよねっ? きょ、教会の有名なハンターが、まさか宰相閣下の御子息だったなんて! スっ、スキャンダルどころじゃないですもんね!? わ、私も、私なんかが知って良かったのかな? って、さっきから冷や汗が止まらないですし!」



 ルカさんは震え上がるように自分の肩を抱き締める。

 だが、僕はそんなコトより、よっぽど予想外の事実に衝撃を覚えていた。



ゼノギア(・・・・)……? 息子? 宰相の?!」



 それは、恩人とも言える彼の名前。

 穏やかで、優しく、狩りをするのとスープを作るのが何より上手かった男の名。


 忘れるはずはない。


 あの神父の生き様ほど、この世に苛烈で凄絶なモノは無いと今でも思う。


 アムニブス・イラ・グラディウスが僕にとって心から信頼を抱ける人間なら、ゼノギアはそう、心から感謝を捧げられる人間だ。


 その彼が……宰相の息子?


 典型的な封建国家。

 王侯貴族による身分支配が当たり前のこの国で。

 要職につけるのは、相当な血筋と家柄が必要だろう。



「上流階級の産まれだと、そりゃ聞いてはいたけど……!」



 まさか宰相の息子だとは思うまい。


(ゼノギアさん。貴方、ここに来てとんでもない秘密を隠していましたね。しかも、王国にいたはずの宰相が話は聞いてるって……いったいどういうことです?)


 丸眼鏡の優男が、「あれ、言ってませんでしたっけ?」と、とぼけたように微笑する。

 そんな幻覚を、つい目蓋の内側に幻視した。





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