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安夏先輩は何故か僕に絡みたい。  作者: たかしろひと
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アイスクリーム

「アイスクリームについて語ろうぜ!」


 読書をしていた僕に安夏先輩がそう言った。キャベツの時よりテンションが高い。


「今日はアイスを作ってきたんですか?」


 今月で春が終わり、来月は初夏、現在の気温は二十五度。そんな中、手作りアイスクリーム持参とは中々チャレンジャーだ。


「いいや、これから作る。調理部から借りてきた」


 見ると、いつの間にか長テーブルの上にアイスクリームの材料が並んでいた。牛乳、生クリーム、卵の黄身、砂糖など。ご丁寧にカセットコンロも用意されていた。


「作りたてのアイスだ。食べたいだろ?」


「……ここ、読書部なのに」


 僕の呟きを無視して、砂糖と卵黄を泡立て器でかき混ぜ始める先輩。作りたてのアイスって何か違うんだろうか。


「お前、何味が良いんだ?」


「選べるんですか?」


「ソーダ味とかな」


「どう見てもバニラアイスの材料ですよ」


 ここからソーダ味にはならないだろう。

 不思議なことに先輩の手際はかなり良かった。砂糖と卵黄に生クリームや牛乳を入れてアイスクリームの素を作り上げると、ボールごと、とある部員の私物である冷蔵庫の冷凍スペースにしまった。

 読書をして待つこと数十分。


「見ろ! 出来たぞ」


 冷凍庫から取り出したボールの中で固まっているのは、クリーム色の物体。つまりはアイスクリーム。

 先輩はスプーンですくったアイスを紙カップに移し、差し出してきた。プラスティックスプーンも一緒に。準備良いな。


「どうだ?」


 市販のより柔らかい気がする。あれだけ砂糖を入れたのに甘味は控えめで口の中でさらっと溶けた。


「美味しいですね。作り立て、なるほど」


「今日はアイスの日なんだぜ?」


「へぇ、それは知りませんでした」


 僕はスマホを取り出して、検索してみる。確かに書いてあった。かの有名なサーティなんとかの店のホームページにある。


『好きな人にアイスクリームを食べてもらおう! アイスの日限定、ベリーチョコチップ!』


 女子が好きそうなフレーズだな。

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