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イワシのテル  作者: ベスタ
5/26

5 弱肉強食

2018/10/03 文章を修正しました。

 今日もいつものように、兄弟みんなで泳いでいた。


 この頃では生まれたときにお腹についてきていた栄養分を使いきりつつあり、みんなプランクトンやなんかを食べて生活し始めている。

 体の色も透明から銀色の光沢が出始めており、泳ぐ時にも力強さが加わっている。

 ただ、イワ士はもともと人間であったため、プランクトンを食べるのにすごく抵抗があった。


(あれはないだろ…)


 ほとんどのプランクトンが積み木のように丸かったりトゲトゲしたりしている。ついでに向こうが透けて見えるくらい透明だったり、細い毛がうねうねとうごめいているものもいる。そんな気色悪いものを火も使わず、手も使わずに丸呑みにするのだ。


 人間時代、生で丸呑みなんてことはペットでもなかなかなかったことである。昨今はペットフードだって加工されている。

 しかし、そんな思考とは反対に生理的嫌悪感は中々抱けず、とても美味しそうに見えるのが困ったところだ。頭でわかっているのに体が求めてしまう。


(あぁ、これが本能ってことなのかな?)


 空腹に負けた時、イワ士は人間の尊厳を捨てた。

 まあ、今までだって魚だからトイレなんてあるわけでなし。風呂なんてものがあるわけでもないので身綺麗とかでもないのだけれど。

 イワ士は心は嫌々、体は素直に漂っていた藻のようなプランクトンに目をつぶってパクついた。


(う、うまい!!)


 …この世は弱肉強食。

 この日、イワ士はみんなと腹一杯になるまでプランクトンを食べて、次の餌場へと移動をしていった。





 次の日も、イワ市の先導で餌場にあっさりとつく。

 そこにも泳ぎ回っている沢山のプランクトンがいた。


 イワ士には人間の記憶がある。

 テレビでたまにサバンナなどの特集があり、餌を見つけるのに何日も飲まず食わずなライオンなどを見たことがあった。

 だから、この世界でも自然は厳しく、何日も食べ物にありつけない日も多いのではないかと思っていたのだ。

 誕生日に卵から出るのに苦労したことをイワ士は忘れていない。だから腹ペコで何日もさまようことを少しくらい覚悟していたのだが…


「思ったよりも食べ物にありつけるね」

「ああ、食べ物の匂いが漂ってる方に行ってるからな」


 イワ士の言葉にイワ市が答える。イワ市もなんの目的もなく泳いでいるわけではなかったようだ。

 だがお腹いっぱい食べられることに、もちろん文句などは言わない。

 イワ市はついてきていた兄弟達を振り返り、みんなに指示を出した。


「よし、みんないっぱい食べろよ。そしたらまた次のところに移動だからな」

「「「「はーい」」」」


 みんながそれぞれ返事をして、思い思いの場所へと散らばって食べ始める。イワ士もそれに倣ってご飯を食べ始めた。

 周りを見てみると、みんなそれぞれ食べ方にこだわりがあるらしく、泳ぎながら食べていくもの、獲物の前で止まり、突っついたりしながらゆっくり食べるものなどいろいろだった。


 イワ士はエサめがけて泳ぎながら食べるので、食べるのが早い部類だった。

 すぐに満腹になってしまったので暇つぶしにイワ市のところへ来ると、まだ食べているイワ市と並ぶように泳いだ。

 イワ市は群れから少し離れ1人で食べることが多い。

 食事中でも群れのリーダーとして仲間達の安全を守っているのだろう。


「イワ市兄さんはすごいね。食べ物の匂いがわかったりするんだもの。僕も匂いは感じるけどどこにいるとかはあまりわからないや」


 イワ士は言葉遣いをあえて幼くしている。

 それは、イワ士の中身である佐賀 輝彦は40歳のおっさんであるが、イワ士の体自体は生後数カ月程度であるからだった。魚の一生がどれほどのものかイワ士は知らないが、まだ赤ん坊とも言える年齢であるにも関わらず、いきなり俺とか言い出すのもどうかと思ってだった。

 体の年齢に精神年齢が引っ張られているのかわからないが、イワ市などと会話する時は自然に甘えることができたのだった。

 そんなイワ士が沈黙するのも気まずいのでなにげなく口にした言葉だったが、とても驚いた様子のイワ市が食事を止めてイワ士を見つめた。


「お前、もしかして今日どこにいくか、とかわからなかったのか?」


 変な質問をするな、と思いながらイワ士はおずおずと頷く。


「そうだよ。今日だけじゃなく、いつもどこにいくんだろうと思いながらついていってたんだ」

「そうか。…実は前々から変だなと思っていたんだ。

 俺だけじゃなく、兄弟達は食べ物の匂いを追って動いてたんだが、お前だけがふらふらと前のやつの動きをぎこちなく追っているみたいだったからな。お前はあまり鼻が効かないようだな。」


 謎が解けたと言わんばかりのイワ市だったが、イワ士にとってはそれどころではなかった。何気ない会話のつもりで話した内容が、イワ士も知らない驚きの内容になっていたのだから。

 1000匹もいる兄弟達の中で、自分1人が目的も知らずついていっていただけであったことに軽くめまいが起こるほどのショックを受けた。

 話の内容は周り仲間よりも少し鼻が効きにくい、と言うだけのことなのにイワ士には辛かった。




 前世のイワ士である佐賀 輝彦はオタクである。

 別に根っからのオタクであったわけではない。彼は周りの人よりもインドア趣味なだけであり、周りの人よりも運動神経が悪かった。

 しかし、『周りより少し変わっている』『周りより少し劣っている』たったそれだけで周りからは徐々に孤立していき、同好の士のみの狭いコミュニティで生きていくことになったのである。

 その狭いコミュニティですら、人という生き物は違いを見つけ排斥しようとする生き物であったが。

 よく輝彦に、オタクは現実を排除しようとしていると言う者もいたが、輝彦にとっては現実から排除された先がオタクだっただけであった。



 そんな人間の時の記憶を持ったイワ士であるからこそ、他と違うと言われた時に抱いた感情は『途方も無い恐怖』であった。

 あれほど仲良く過ごせていた兄弟達ですら、イワ士の鼻が効きにくいことを知ればどう思うだろうか、と。

 もしも、鼻が効かないことがみんなにバレてしまえば、みんなはきっとイワ士である自分を受け入れてはくれないだろう、と人間であった時の記憶が危険を叫び始めていた。お調子者のイワ矢なんかは率先して自分をからかうに決まっているとさえ思えた。


 利用価値のないイワ士は、兄弟達のいるこの暖かい場所を失い、1人で生きていけるのだろうか?


 イワ士は今の居場所を失いたくないと強く願った。

 裏を返せばイワ士は今の場所を気に入っているということでもあった。


 社会人となってから実家暮らしは恥ずかしいからと、1人暮らしを続ける輝彦が借りていたアパートには最後まで感じられなかった思いでもある。

 人間の時、子供の頃にしか味わうことがなかった家族からの無償の安らぎを手放したくないと、知らず知らずに思っていたのかもしれない。



 生前オタクであったイワ士は、自分にだけできる特別なことはないかと焦っていた。

 そして、魚として鼻が効かない劣っている自分が、兄弟達に勝てる長所がないかを探していた。元人間であったことを含めて、今の場所にいていい理由を探していたのだった。


 無意識の内に自分の体を眺めたイワ士は、ふと妙なことに気づく。

 体におかしなところはなにもない。

 揺らめくヒレ、広がるエラ、ウロコに尻尾。いつもの自分でいつもの体。でも


(なにかが、おかしい?)


 それは最初、ちょっとした違和感であった。

 しかし、すぐに違和感の意味に気づく。

 だっていつも見慣れた自分の体が徐々に暗くなっていくのだから。

 イワ士をおおうウロコ達から光が失われていく。別に病気になったとか言うわけではない。純粋に暗くなっているのだ。イワ士の周りの空間ごと。


(なぜ?)


 暗くなる、ということは光が遮られたということだ。光が遮られたということは光源との間に物体が入ったということだ。物体とはなんだ? 光源、それはどこにある?


(太陽の方… 上?)


 状況を把握して上を見た時、イワ士は戦慄した。

 上からイワ士たちの数倍はあろうかという魚が泳いできていたからだ。

 その魚は大きな口を開けてこちらに迫っていた。口の中にはこちらをたやすく噛み切れるであろう歯がずらりと並び、なにも言わずともその凶暴さを伝えていた。


「敵!?」

「なにっ!?」


 イワ士の言葉に上へと反応するイワ市。口を開けた大魚は上からイワ士たちへと迫っていた。

 視界いっぱいに広がる大きな口。

 その口の中からのぞく鋭く白い牙に、心を凍らせるような赤、赤、赤…



「イワ士!!」


 どんっ


 イワ市の叫び声とともに横から突然の衝撃に襲われて、イワ士は目が回る。そして、一瞬のショックから目を覚ますとイワ市が、かばうようにイワ士に覆いかぶさっていたことに気づいた。

 そのイワ市の後ろでは、駆けつけていたイワ児が襲ってきた大魚の口のすぐ横に、体当たりを仕掛けているのが見える。

 どうやらその体当たりのおかげでイワ士もイワ市も助かったらしい。


「イワ市兄! 早くみんなを!!」

「すまんイワ児! すぐ戻る!」


 イワ児の献身に気づいたイワ市は、すぐさま泳いでその場を離れる。

 イワ士も少しだけ迷ったが、すぐにイワ市の後を追うことにした。イワ士にはイワ児のような運動能力はない。下手をしたら時間稼ぎにもならず食べられるだけだろう。


 そして、残念ながらイワ士はとてもではないが、誰かと戦うなんてことができる心理状況ではなかった。

 単純に怖かったのだ。

 大魚に襲われた時も恐怖で、逃げることすら頭の中にはない程であった。


 全力で泳ぐ先に仲間を何匹かを見つけたイワ市は、滅多に聞かない大声を上げた。


「イワ美! イワ美はいるか!」

「どうしたの兄さん…ってイワ士? どうしたの、そんなに震えて」


 イワ美に言われて初めて気づいた。イワ士は自分でも知らない間に震えていたようだ。

 ヒレの動きがぎこちなくて小さく揺れているのを、止めようと思っても止められなかった。

 それをイワ市は、チラリとだけ見る。


「今はそれよりも、みんなをまとめて早くここから避難しろ! 私はこれから戦ってるイワ児の援護に向かう!」

「敵!? わかったわ!」


 すぐに緊張を走らせみんなを集めようとするイワ美に、イワ市は胸ヒレでその動きを抑える。


「イワ美。敵はこっちの3、4倍の大きさのやつが1匹だ。あとは任せたぞ。確実にな」


 イワ美は軽く息を飲んだあと、すぐに真剣な表情で頷く。そして、周りにいた仲間達と協力して、他の兄弟達を集めに一目散に泳いで行った。イワ市はそれを見送ると、今度はイワ士の方にゆっくりとよってくる。

 状況がよくわからないが、イワ美達と一緒にみんなを集めに行こうとしていたイワ士は、何か指示があるのかとイワ市の声を真剣に待った。


「イワ士。なんで敵の攻撃に気づけたんだ?」


 しかし、イワ市の言葉は指示ではなく疑問だった。

 肩透かしを食らったように戸惑いながらもイワ士は素直に答える。


「? それは影が僕の体にかかったから。上に何かあるなって思って見上げたら、奴がいたんだ」

「影? …そうか。お前は鼻が他のみんなより効かない代わりに、目がいいんだな」


 イワ市がイワ士に優しく語りかけた。まるで大魚がおそってくる前のイワ士の焦りに気づいていたかのように、優しく。


「お前はイワ児より強くなくて、俺より鼻は効かなくて、イワ美より頭も良くないかもしれないが、その誰よりも目がいい。どうかその目で、イワ美を手伝ってやってくれないか?」

「う、うん!」


 イワ士は全身が痺れるように嬉しかった。

 いや、イワ士だけではない。きっと佐賀 輝彦という1つの魂が嬉しかったのだ。

 認めてもらえたということ、認めてもらえる長所があること。

 いま、イワ士は新しく生まれたような気持ちだった。生きていていいんだという嬉しさがあった。ここにいて良いんだという許しが与えられたような気がした。

 人間でついぞ誰からも認められなかった男が、魚になってようやく認められたのだから。


「ありがとう! 兄さん!」

「ああ。さあ行け! グズグズするなよ!」


 イワ市の声に背中を押されるようにイワ士は仲間を集めるために泳ぎだしていた。

 知らない内に体の震えは収まっており、泳ぎだす体には力にあふれているような気がした。






 イワ士はイワ市と別れたあと、イワ美のもとに集まるよう仲間たちに告げて回った。その甲斐もあってか程なくして兄弟みんなが集まった。

 イワ士はもしかしたらみんなで戦うのかな、と漠然と思っていた。確かに大魚と自分たちには体格に大きな差はあるものの、今の1000匹ならば勝てるだろうとも思ってもいた。

 少し前までのイワ士ならば逃げていたかもしれない。だが、今は認めてもらったイワ市がいる。自分が逃げる時間を作ってくれたイワ児がいる。そんな仲間たちのためなら生前荒事と無縁だった自分だって、死ぬ思いで戦えるように思えた。


 だからみんなが揃っても人数の確認をきっちりしているイワ美に違和感を覚えた。イライラを覚えた。


(今すぐにでも助けに行きたいのに!)


 イワ士は号令を今か今かと待ち構えていた。なにせあの大魚だ。2匹だけではそんなに時間稼ぎも出来ないだろう。待てば待つほど2匹の生き残る確率が下がるのだ。

 そしてイワ美から指示が下された。


「全員揃ってるわね。ではみんな、速やかにここから逃げるわよ」


(………え?)


 イワ美の一言で兄弟達全員が動き出す。

 流れるように動くそれは、大魚とは逆の方向に向いて…


「ま、待って!」


 イワ士の叫びが響く。

 群れの最後尾につづくように泳ぎだしたイワ美に、すがりつく様にくっつくイワ士。


「…なに?」

「まだ2匹残ってるだろ? 兄さんたちが僕たちのために戦ってるんだ! みんなで行って助けないと…」


 バシン


 イワ士がその言葉を紡ぎ切る前にイワ美の尻尾で叩かれる。

 なにが起こったのかわからないイワ士は呆然とイワ美を見た。だが、イワ美の目からなにも感情を汲み取ることはできない。


「たった2匹のためだけに危険はおかせません」

「たった…?」


 呆然とするイワ士。なにを言われたのか全然わからないまま、だが、理解していくとともに次第に痛みが頬から広がり、その熱が痛みから怒りに変わる。


「たった2匹!? そんなわけがないじゃないか! 兄さんたちがいたから僕たちは今までやってこれたんだ! 今だってその『たった2匹』がいたからこそこうやって集まれたんだろう!!?」

「落ち着きなさい」

「落ち着いてなんていられるもんか! でなきゃ…」

「落ち着け、と言っています!」


 バシン


 また強く、尻尾で頭を叩かれたイワ士はようやくイワ美の全体を見た。体を震わせているイワ美姉さんを。


「……兄さんから聞きました。敵はこちらの3、4倍ほどの大きさらしいですね?」


 その言葉に頷くイワ士。

 淡々と告げるイワ美はまだ体を震わせている。


「敵は明らかにこちらを捕食に来ています。しかし、私たち1000匹を食べれるでしょうか?それは決して無理なこと。食べれるとしてもせいぜい1匹か2匹でしょう」


 体が3、4倍でも身体中が胃袋でできているわけじゃない。つまり、兄弟達全員が根こそぎ食べられる心配はないわけだ。


「ならば尚更、犠牲が1、2匹で済むならみんなで体当たりしてもいい」

「食べれるのはそれだけかもしれないけど、殺すだけならどう? 10や20はいけるはず。それで相手を撃退できるとしても、相手がもし、群れだったら? 後から相手の本隊が来るのであれば?」

「それは…」


 イワ士にもわかることだ。敵が群れで来た場合、体の小さいこちらは全滅だ。イワ美は続ける。


「イワ市兄さんは言っていたわ。『あとは任せたぞ、確実にな』ってね。兄さんはつまり、あのときこう言ってたのよ。

『敵は今は1匹だ。体は3から4倍くらい。つまり2匹の犠牲で足止めできる胃袋しかない。だからその間にお前はみんなを連れて行ってくれ。焦らずに1匹残らず連れて行き、確実にこの危険域から遠ざかってくれ。そしてその後の群れはお前に任せた』っていうことを」

「!!!!」


 確かにそうだった。だから最後にイワ市はイワ士に色々話しかけてくれたのだと、今更になってイワ士は遅まきながら気づいた。

 それでも感情がイワ士をその場から動かさせなかった。


「それでも兄さんたちは大事な家族なんだ! 姉さんは嫌じゃないの!?」


 イワ士のその言葉に、それまで震えていたイワ美の体がピタリと止まった。


「嫌に決まってるでしょう? だけど、兄さんの最後の言葉くらいは守ってあげたいし、それに私は998匹のリーダーとして、みんなを守らなきゃいけないの」


 イワ美の声に重みを感じて、イワ士はうなだれる。

 イワ美も嫌に決まってる。もちろんイワ美だけじゃない、みんなが嫌に決まってるのだ。

 だけどそれは、『わがまま』で。

 兄弟全員を危険に晒すわけにはいかないのだ。

 うなだれているイワ士に、イワ美は冷静に告げた。


「落ち込んでいる暇はないわよ。年長者から群れを守っていかなきゃならないんだから。今度何かあれば私や貴方なんだからね?」

「…そうだね」


 イワ美はなにが、とは言わなかった。それでも今度はイワ士にも伝わった。

 もしも群れに危機が訪れた時に、イワ市やイワ児のように体を張って守るのが次はイワ美、イワ美で足りなければイワ士の番ということであった。

 それだけ言うとイワ美は、2人の言い争いで止まっていた群れを先導するため、イワ士の横を通り抜けて行く群れの先頭へ行こうとする。

 イワ市とイワ児を見殺していくような思いに、泣きたいような衝動で動けないイワ士だったが、


 パシン


 弱々しい尻尾がイワ士に当たる。

 イワ美がすれ違いざまに尻尾をイワ士の横腹に当てたのだった。


「ほら、シャキッとしなさい。ここもまだ安全とは言えないんだから」

「…うん」


 …この世は弱肉強食。

 イワ美の言葉で自分が仲間を守らねばならないことを思い出したイワ士は、重い体をゆらめかせて群れのみんなについてその海域からゆっくりと離れて行った。

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