プロローグ
灰色の空が広がる荒れ果てた荒野。そこにいる人の種類は二つに分かれている。
強者の圧倒的な戦闘を傍観する者達と、互いに強者と認め合い戦い続ける者。
方や2人の人族、方や美しい金髪に禍々しい3対の翼を持った女魔族。
そうこれは、人族と魔族の運命を決する決戦である。
そしてその決戦の終結が今になる。
片方の人族と魔族が互いが持つ最高にして最後の一合をする。
2人が交錯する。
人族の男は膝をつく。
魔族の女は地に伏せた。
そして、
「この戦、人族の勝利だァッ!」
魔族の女と戦っていたもう1人が雄叫びの如く叫ぶ。
「ウワァァァアア!」
と傍観していた人族の軍勢が勝利の雄叫びを上げる。
然し、
「まだだ、我らは負けぬ!私の命が尽きてでも!」
魔族の女は己の命全てから力を集めた。それは自らの命をなげうって放つ最後の悪あがき。
だがそれにいち早く気づいた男がもう1人の男、アウグストに告げる。
「まだだ、アウグスト!」
「何が起きてる、春樹!?」
もう1人の男ハルキに問う。
「アイツが、魔王が自身の命を捨てた最後の一矢を放つ!いいかッ!よく聞けよ!俺が命にでも変えて!被害を少なくしてやる!国を任せたぞ!」
「死ぬ気なのか?!元の世界に帰るんじゃなかったのか!
ハルキイイイイ!」
最後に春樹は、笑顔を浮べ魔王に向かう。
「ハァァァアァァ!」
春樹も己の力をすべて出し切る。
直後、大地を揺るがす爆発が起きるが、それは誰かが包み込むかのように人族の軍勢に近づき始めた爆炎を押し返していった。
そしてこれは後に生ける伝説とされ、アウグストが作った、国に語り継がれることになる。
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ここである1人の男の面白おかしいく、奇妙な話をしよう。
俺の名前は叢雲 春樹、歳は18、童貞である。
ある日VRMMOを遊んでいて、ログアウトしようとした時、激しい頭痛に襲われ気を失う。
目覚めるとそこはファンタジーの様な世界で目の前では戦が行われていた。
所為異世界転移である。
ゲームの力をそのまま使えた、俺はその世界で1年生きた。
親友と共に戦い、飯を食い、話をし、喧嘩をした。
元の目標は元いた世界に帰ることだが、それも出来ぬまま、命を落とした。
最後は友を庇って死んだ。
後悔はなかった。
そして、
「バブー、アァ、アウ!」
目が覚め気づいたら、体は赤ちゃんになっていた!
所為異世界転生である。
異世界転移で、転生で俺の人生?どうなってやがる!
まぁ楽しくやってくよ。
「バブー!」
まずは言葉を覚えるか。