サイカとチサヤ
誰かに呼ばれてるーー
嗚呼、あの子だーー
あの子が私を呼んでいるーー
……?あの子って誰だっけ…?
でもあの子が泣いてる気がする。
早く起きて貴女の顔がみたいの……
*
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目を開けると白い箱の中にいた…
様々な機械音、管に繋がれた身体…
白い箱の正体はどうやら何処かの病院の個室らしい。
(……?)
だけど私は何故、病院にいるのだろう?
「やっと目が覚めた!おかえり!」
手を繋いでくれてる美しい人ーー
あなたはーー
「………あなた…
……………………だれ……?」
「………ぇ?」
感極まった表情は固まった。
「…覚えてないの?」
「……ごめんなさい、わからない……、」
「自分のことは?」
黙って首を横に振る。
私は…誰なんだろうか……
この人は?関係は?
わからない、自分のことなのに、怖い。
「”ぼく”のこともわからない?」
「……ごめんなさい、」
「…怒ってないよ」
怒ってないことはわかってる。
何故かそう思った。
あなたの笑顔が哀しそうだったから…
「ただ……」
「ただ?」
「あなたがとても大切な人だった気がする、」
「命をかけるほど?」
冗談めいて笑う。その言葉の真意がわからない。
もしかして…私は……
「もしかして、あなたを庇って怪我をしたの?」
「……まぁ、そんなとこかな。」
「気にしないで、きっと私が勝手にやったことだから…
…って自分の名前も覚えてない奴に言われても説得力無いですよね……。」
急に沢山喋ったから喉がヒリヒリする。
そう思ったらミネラルウォーターが渡された。
「あ、ありが、と」
水を飲む。
喉の渇きが癒えていく。
私はどのくらい眠っていたのだろう。
尋常な喉の渇きから察するに一日二日ではないだろう。
久しく、眠っていたからか
考え事をしただけで眠気が襲ってきた。
まだこの人になにも聞いてないのに……
『おやすみ、』




