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犬な彼女と猫な彼氏  作者: たりとり
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六日目 二人揃えば雨が降る

皆さんは[雨男]と[雨女]というものを知っているだろうか。

簡単に言えば、外に出たら雨を降らせるという呪いを受けた男(女)という人の総称である。

なら今回は私たち二人が雨男と雨女という話、というわけではなく、[私たち二人が外で揃うと雨が降る]という俄かには信じがたい話をしよう。

これを見て「嘘つけ」と思われるのも無理はないでしょう。

ただもう認めざるを得ないレベルで事が起こっているのです。

ここで一つのお話を皆様にお届けしよう。


あれは二年前の夏、梅雨も明けて半袖で出歩くにはちょうどいいくらいの気候になった日のこと。

「今日は飲み会があるから帰り遅くなるから」

「あ、俺も飲み会があるから遅くなるわ」

「ならお互い終わって時間が合ったら一緒に帰ろ!」

「まあ合ったらね」

「よし!」

こんな話をスマホのメッセージでした後で、私は大学の新勧に、彼女はゼミの飲み会に出席していた。

その日の天気は晴れ、朝のお天気お姉さんも「今日はいい天気です」と言っていたので、誰一人傘を持ってきていることなどなかった。


一次会の居酒屋でお酒を楽しみ、二次会のカラオケで一通り騒ぎ倒した後、そろそろ終電がなくなろうという時間になったので、一応彼女に連絡を入れた。

「終電なくなるし帰ろうと思いますが、ドーゾ」

「こちらも帰ろうと思っております、ドーゾ」

「なら駅構内で集合しようと思います、ドーゾ」

「了解です、オーバー」

それから二人集合して地下鉄に乗ること二十分、我が家のある目的地に到着。そして、外を見て驚愕した。そこには


バケツをひっくり返したようなゲリラ豪雨の光景。


私たちが一体何をしたというのだ。

ただ外に出て、お酒を飲んで、ばか騒ぎをしてきただけじゃないか。

そんなことはお天道さんには関係ないというのか。


そして、その後二人がびしょびしょになって帰ったことは言うまでもない。


帰宅してからニュースをつけ、キャスターが「ただいま爆弾低気圧が日本に上陸しています」と言っているのを見た。


この一件から私たち二人は朝の天気予報を信用しなくなりました。


余談ですが、その後家についてから、サークルの友人から「お前ら2人帰りに合流した?」というメッセージを見て、「すまん」と一言返しました。

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