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犬な彼女と猫な彼氏  作者: たりとり
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五日目 友人は変人(彼氏編)

今回少し長めです。ついでに彼女は登場しません。(え?)

私の友人には変なのが多い。

中でも酷いのが、高校時代からの友人で、現在、同じ大学に在学している友人の三人だ。

パチンコと某少女アニメをこよなく愛する権三郎(仮)

高校時代の話をすると遠い目をするトッポ(仮)

彼に会うと幸運が訪れるというメロス(仮)


それぞれにそれぞれのお話がありますが、今回は中でも衝撃的だった権三郎君のお話をしましょう。


彼らは高校時代からの友人といいましたが、ここで大事なのは、権三郎君は高校卒業まで 童貞 でした。

「俺はいい身体のいいお姉さんとお付き合いをする」

これが口癖と言ってもいいほど、彼は良く豪語していました。

ただ、他の三人は冗談半分で聞いていたのですが、ある事件が起こります。

そう、後に「超ド級ビッチ事件」と語り継がれることになるあの伝説の事件が・・・


大学に入学して三か月がたち、そろそろ慣れ始めてきたころ、自分とトッポは講義終わりに近くのラーメン屋にいました。

「最近メロス見なくなったけど、生きてんのー?」

私とトッポと権三郎は同じ学科ですが、メロスは違う学科にいます。

「朝の一講が起きれなくてそのまま二度寝に入ったらしい」

「いつも通りだなー」


そんなどうでもいい話をして、お勘定を済ませて店外に出た。

「そういや権三郎はどこ行ったのさ?」

「なんか用事があるとか・・・は?」

「え、なに?・・・お?」

二人の前には衝撃的な光景が流れていました。

それは、


権三郎が美女と一緒に歩いている


というものだ。


そんなはずはない、あいつがあんな女性とともに歩くとか・・・

とかなんとか言いながらも、その日は2人とも帰宅し、次の日に権三郎を問い詰めることにした。


なんでも、あの謎の女性は、学内にあった資格取得の講座で知り合った、二つ上の他大学の‘キヨミ’さんというらしい。(うちの大学は資格の講座の時は一般からも募集している)

講座初日、たまたまキヨミさんが講座で使う教科書をまだ買っておらず、たまたま隣にいた権三郎が見せることになり、そこから話していくうちにたまたま仲良くなったらしい。

まあどうにも腑に落ちない話だったが、「やっぱお姉さんの体はいいよなぁ」という発言で色々察した。

ここまでなら、ただ権三郎が謎の美女と何故かいい感じになった、というお話で終われるはずだった。


それから夏休みに入り、一か月たっぷり遊んだあと、さらに事件は新たな展開を見せる。


ある日、権三郎から緊急招集がかかり、俺たちは大学の食堂に集まった。

「これを見てくれ」

そう言って渡されたスマホにはそのキヨミさんとのメッセージのやり取りがあり、その最後にはそのキヨミさんと思われる


上半身すっ裸の女性の写真が載せられていた。


「どうかな?」という一言と共に。


思考停止の静寂のあと。

「お前最っ低だな!」

「よく見ろ!俺は要求も何もしてないだろ!」

確かに前後の文面には要求らしいものはない。

「まあ待て・・・でかいなこれは・・・何カップだ?」

「そうだな・・・Eはかたいか・・・?」

「いやFカップだけど」

「おまえら(トッポ&メロス)は何の話をしとるんじゃ!」


一通り騒ぎ終わったところで、権三郎は神妙な顔つきで話し始めた。

なんでも、最初は普通の会話をしていたのだが、一夜を共にしたあたりからこんな感じらしい。

「いきなりこんな写真を送ってくるわ、講座中に股間まさぐられるわ、終いにゃアポなしで部屋に突撃してきたんだぞ!」

「ヨネスケ師匠みたいだな」

「上手い、トッポ、彼に座布団一枚」

「へい」

「いやいや笑い事じゃなくてね?」

じゃあブロックすればいいじゃないという話に落ち着いて、その後は何事もなく、そのままこの話は伝説となった。


あれから三年たったいま、権三郎の口から「あれはもったいないことをしたかなぁ」という発言が時折聞こえてくるので、もう一度痛い目に遭えばいいと思う。

正直言うと、これでも伏せたた方です。

ブラックの珈琲に、その二倍の量のミルクを入れ、その上で、飽和してもなお文字通りあふれんばかりの量の砂糖をぶち込んだものを想像していただけるといいと思います。

これをそのまま載せると、年齢制限がかかりそうなので頑張りましたが、どうでしょうか。

ちなみに、キヨミさんは実在しますが、仮名です。

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