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七話 シシルに質問してみた

「それでは改めて。第一回、エルフじゃョ!全員質問のコーナー!」

「おいこらジジイ!さっきとコーナーのタイトルが違うし!あとその言い方絶対なんかパクってんだろ!」

「…べ、別にそんなことないんじゃぞ?」

ダウト!なんだよ今の間!それと疑問形で返してきてんじゃねーよ!いくらなんでもあからさますぎんだろ!ワザとか?アンタそれワザとだろ!

「そ、それじゃあワシから。まずは軽い質問かなじゃな。コホンっ。シシルちゃん、スリーサイズはどのくらいじゃ?」

『え!?あ、えっと…、…な、なな…』

「はいストーップ!おいエロジジイ?テメェなにセクハラかましとるんじゃあ!軽い質問って言ってたよな!どこが軽いんだよ!それとシシルも素直に答えんなよ!こんなエロジジイなんざ訴えてなんぼだかんな!」

「涼よ。軽いのは質問の内容ではなく言いか…」

「シャーラップ!エロジジイは黙っとれ!」

なんだよおい!開始早々セクハラ発言ってこのジジイバカなの?バカだよ!こんな奴が世界の研究技術に貢献してるとか世の中おかしいんじゃねーの?理不尽すぎるわ!

「とりあえず、俺からもいくつか聞きたいことがある。まず最初は…、シシルがいた世界って魔法が存在してたりする?」

そう、魔法だ。とりあえず軽い質問からとなればやっぱりこれだろ!異世界=魔法!これが成立しなければ異世界ではない!

『…え?そんなの当たり前じゃ…?』

「…マジで?」

『え、えぇ。』

………

「「よっしゃぁー!」」

俺と爺ちゃんは席から立ち上がりガッツポーズを決める。え?なぜかって?だってさ!魔法だぜ!魔法は実現したんだぜ!ガッツポーズするに決まってんじゃん!うおぉぉぉ!異世界ナイス!

「じゃ、じゃあさ!シシルはどんな魔法が使えるんだ?」

『か、回復魔法しか使えなくて…。私、攻撃魔法はほとんど適性がなくて…。』

「十分いいじゃん!魔法だぜ!回復魔法だろうと攻撃魔法だろうとチート魔法だろうとカス魔法だろうと魔法は魔法じゃん!魔法こそロマン!魔法こそ至極!魔法こそファンタスティック!」

「いいぞ涼!もっと言ってやるんじゃ!」

「科学なんてクソくらえ!」

「クソくらえじゃ!」

「「…」」

気づけば、シシルと住谷さんの二人にドン引きされていた。…いや、しょうがないじゃん!だって魔法じゃん!この世界にはないじゃん!テンション上がっても当然じゃん!…てかふと思ったんだが…。爺ちゃん、あんた科学者だよな?科学者が科学を否定しちゃダメじゃね?

「…あー。そんじゃ次の質問なんだけど、普人(ふじん)と魔人って仲が悪かったりする?」

これを聞いたのはやっぱり異世界では人間と魔人の仲が悪いっていう作品が多いから、ていうのもあるけど、エルフを魔人と判断して人間が攻めたってことはやっぱそういうことなんだろう。聞いたのは一応確認したいだけだ。

『…はい。それに、普人(ふじん)は獣人とも仲が悪いんですよ。理由としては普人は神、フェネスを崇めているのに対し、それ以外の種は神を崇めていないんです。』

…なるほど。神が関わっているから仲が悪い。こういうネタはいろんな作品で使われてるからな。最終的には神が敵になったりするタイプだな。…ん?

「なぁ。それ以外の種って精霊もだよな?そこの関係性は?」

『あ、精霊は普段滅多なことがないと姿を現さないからなの。契約した精霊なら私も何度か見たことがあるんだけど、その子達はみんな知能が低く、人型じゃないから獣霊と呼ばれるの。知能が高く、人型をした上位精霊から、一般的に精霊と呼んでるの。』

ふーん。これはあれか?精霊は異空間に住んでいる的なやつか?まぁ、そこはそういう考えでもいいか。

「それじゃあ最後の質問。…最初、俺を見てなんであんなに怯えていたんだ?」

シシルは初めて俺を見たとき、かなり怯えていた。それはもう異常なほどに。人間だからという理由だけであんなに怯えるか?俺は否と答えよう。彼女は怯えながらにして俺を睨んでいたのだ。まるで、親の敵でも見るような目であった。

『…似てたから。』

「ん?」

『…あなたが勇者達に似ていたから。』

…な、なんだってぇ!

「ゆ、勇者!?え、待って!まさかの異世界召喚だと!」

「な、なぜじゃ!なぜ召喚されたのがワシじゃないんじゃ!理不尽じゃ!世の中理不尽すぎるんじゃ!」

いや、お前が言うなよ!お前の存在自体よっぽど理不尽じゃねーか!

「…あ。そういえば勇者達って…」

『…えぇ。男と女の二人だったわ。一年前、勇者達は突然王宮に現れたらしいの。特殊な魔法を使えたらしく、今では人間の最高戦力と言われているわ。人間の国王は勇者達を使って魔人と獣人を殲滅する気らしいの。そして適当な理由をつけて、その見せしめとして私達エルフは人間に攻められたの…。』

…そういうことか。俺を見て怯えたのはきっとその勇者達は黒眼黒髪の日本人だったのだろう。爺ちゃんは既に髪は白髪で染まってるし、眼は瓶底メガネをかけているため見えにくい。そのため、俺に反応して怯えていたのだろう。

「…勇者…、…男と女…、…もしや…、…しかし…、…一年前…」

「…ん?爺ちゃん?」

「!?お、おぉ?なんじゃ涼よ。」

いや、なんだもなにもアンタがなんかブツブツ言ってるから声かけただけなんだが…。

「いや、爺ちゃんさっきからなんか言ってるけどなんて言ってんだ?」

「!?な、なんでもないんじゃよ!」

…いやいや、あやしすぎるだろ…。

「そ、そうじゃ!シシルちゃんは今はいくつなんじゃ?」

おぉ、そうだった!そういえばエルフが長寿っていうテンプレを聞くのを忘れていた!さぁ、一体どんな数字がでるんだ!

『15歳です。』

って、俺と同じかよ!

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