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死神の巡礼

すいません、遅れました。

次回も遅れると思います……。最近、戦雷の航空機の操作がおかしくなってまともにプレイできなくなって、モチベーションが下がっているので……。こんな駄文でも期待していてくださっている皆様には謝罪しかありません。

なるべく書くよう努力しますが、自動車学校もあるので難しいです。

 恵大陸、特殊自衛隊琴島駐屯地。

 恵大陸の西端にある島、琴島。ラ・パルマ島に似た地形を有しているこの島には特軍駐屯地がある。

 この駐屯地の役目は日本が東大陸から持ってきた『材料』を『加工所』へ送るための中継地点。そして。

 「本土より暗号文!ヨモツヒラサカノボレ!繰り返すヨモツヒラサカノボレ!」

 「よろしい。ICBM発射準備にかかれ!」

 「ハッ!」

 戦略兵器を運用することである。

 ちなみにこの基地にはNBC兵器は弾頭分と予備以外にはない。必要に応じて必要な量を他の特軍の施設から輸送される。

 「目標地点設定完了。各弾道弾弾頭への化学兵器搭載完了。ハッチ解放。安全装置解除!弾道弾発射準備良し!」

 「発射ぁ!」

琴島駐屯地のミサイルサイロから核弾頭搭載ICBM2発と化学兵器を搭載した8発のICBMが発射された。

 紅蓮の炎がハッチから噴出し、火柱で夜空を彩るなか、鉄塊が天上を目指して駆け上がる。

 日本国民の血税をもって作られた7億円の悪魔達が、グラン・イデア帝国2億3000万人を地獄へ連行すべく飛翔する。

 それを止める者はこの世界にはいない。

 





 グラン・イデア帝国、帝都グランイデアル。

 帝城の1室でカルモ皇子は使者からの報告書を読んでいた。

 「我らの慈悲を拒否したか。ふん。所詮は東海の蛮族だったということか」

 自身の視点から見て寛大すぎる命令を拒否した日本を嘲笑っていた。彼からすれば圧倒的弱者である日本が強者であるグラン・イデア帝国に歯向かった、という認識だったため、この行動も分からなくはない。

 いくら大陸を支配しているといっても、東大陸と中央大陸では規模が違う。資源の差をもって作り出される数の暴力で圧殺できるとカルモ皇子は考えていた。

 ただ両国の立場が逆だということ、優秀な質は劣悪な量を覆すことを知らなかったことが彼の妄想が適わないことを決定付けていた。

 まあ――それに気づくことなく死ねるのだから、彼は幸せだろう。

 妄想の中で、死ねるのだから。

 グラン・イデア帝国上空で拡散したMIRV(マーヴ)はグランイデアルを始めとする主要都市、食糧生産地帯に降り注いだ。

 着弾地点に居た生物は仲良く死体となった。そこに一切の区別は無く。人間も家畜も虫も息絶えた。

 核弾頭が着弾した場所は幸せだろう。大半の人間は苦しむ間もなく死ねたのだから。

 逆に化学兵器弾頭が着弾した場所は地獄である。神経剤によってもがき苦しみながら死んでいく。自殺しようにも神経をやられているため、ろくに動けない。

 この地獄絵図を作り出した者達は、次の一手を打っていた。






 レメリア共和国。異世界転移という前代未聞の異常事態に混乱していたが、日本との接触で現状を把握したことで混乱は収まっていった。

 その後、日本を仲介人として扶桑帝国、ブレジアと国交を結び、貿易を開始したことで経済も上向きになっていった。

 そんな彼らの日本人のイメージは『強大な力を持った異民族』であった。

 実は彼らは同じ白人種以外の人種を見た事がないのだ。彼らの世界では人種ごとに住む大陸が分かれており、大陸ごとに竜巻や吹雪などが囲っていたため、大陸間の行き来は事実上不可能だった。

 そのため始めてみる異人種、それも自分達を超える大国に警戒するのは当然といえた。

 更に日本は国力が自国より劣る、それも白人種の国家を2回も滅ぼしている。

 もちろん日本はウルバストは相手から吹っかけてきた、フィシーは挑発したからと日本は説明したが、どちらも日本が仕組んだのではないかと疑った。

 異人種である日本よりも同じ人種の国に同情的になるのは当然だった。

 もっともいくら不信感があっても、シーレーンと戦略物資を握られている現状ではどうしようもない。

 日本がその気になれば日干しにも正面から叩き潰すことも出来るのだから。






 レメリア共和国大統領府、大統領執務室。

 レメリア共和国の頭脳が集まるこの場所でクロノ・メジスティア大統領は頭を痛めている。

 「で……扶桑帝国とブレジアはどうしても海軍作成には協力してくれないのだな?」

 不機嫌を滲ませた表情でクロノは外務大臣に問う。

 矛先を向けられた大臣は萎縮した様子で応える。

 「はい。やはり扶桑帝国は日本の目を気にしているようです。我が国と違い、シーレーンを他国に依存しきってはおりませんが、日本が出てくれば通商破壊されるのは目に見えていますので」

 「それは分かっている。その上で完全協力とはいかないまでも、何らかの支援を確約して来いと私は言ったのだが?」

 クロノの不機嫌の度合いが上がる。そこに国家情報機関(外国での破壊工作などをしない、諜報と防諜に特化した組織)の長官が助け舟を出す。

 「大統領。近々、日本と扶桑帝国間で軍事同盟が締結するという情報があります。それも関係しているのではないのでしょうか?」

 「ふむ……」

 「ブレジアも領土問題を抱えておりますし、いらぬことをして不必要に刺激したくないのでしょう。彼らはこの問題を外交で解決しようとしているようです」

 「……武力は最終手段だと考えていいのだな?」

 「そもそも彼らは最初から領土は狙っていないようです。どちらかといえば、日本という大国と交渉する上で低く見られないようにするためかと」

 「日本と対抗しようとしているのは我々だけか」

 周囲に頼りになる友好国がいない状況のつらさをレメリア共和国は味わっていた。

 日本に対抗しようにも自国だけではどうにもならず、周辺国家は日本に従順か、独立国として反発こそするが対抗まではする気のない国家だけ。

 これではどうしようもない。

 「最近では日本のロビー活動も活発です。国民も日本は帝国主義国家などではないのではないかと考え始めています」

 「旅行者や留学生が増えてきているのも関係しているようです。言い難いのですが、大統領が日本に海軍作成の協力を依頼しないのは私情が関係しているのではないか、という声も……」

 「くっ……」

 クロノにとって状況は悪化していた。

 彼にとっての悪夢、それはこのまま日本にレメリア共和国の経済を侵食され、属国化されることだ。

 それだけは、避けねばならない。

 「……分かった。とりあえず海軍の件に関しては他国からの支援に期待しない。独力でなんとかやってくれ。日本との貿易だが、輸入量はしっかり制限しておけ。市場が赤く染まらせるな。日本は制限を解除しなければ我が国からの輸入と戦略物資の輸出を制限すると言っているが、なんとかやり過ごしてくれ」

 クロノはそういうと、革張りの椅子にもたれかかる。その姿は疲れきった老人というべきものだった。

 1ヵ月後、クロノは大統領選挙で大敗。日本との協調を掲げるレピア・サバノウィッチが大統領に就任した。

次回は半島へ。

名脇役(予定)2名、出ます。

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