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VRゲームで遊ぼう  作者: イントレット
僕らのダンジョン探索録(ダンジョン探索RPG)
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僕らのダンジョン探索録 13

 さて、今日も今日とてダンジョン探索ということで早速起動して、ギルドへ向かう。

 それから徐ろにミュラさんのいる受付へといくと、


「罠解除について教えて」


 と、一言告げる。

 そんな俺の言葉にミュラさんはこてんと首を傾げて、


「罠解除……ですか? ああ、そういえばヒュージさんは初期講習を受けておられませんでしたね」


 なんてことを言ってきた。


 ふっ……案の定チュートリアルに罠解除に関する話が含まれてやんの。

 けっ!


「それにしても罠解除について聞きたいってことはもしかして罠で痛い目にあったんですか?」


「地雷踏んで爆死しましたけど何か?」


「いいえ、別に何も」


 痛いところを突かれた質問に適当に返す。

 だが、ミュラさんは心底どうでもいいといった様子で軽く流した。


「ああ、でもこのままだとヒュージさんがダンジョンに潜ってもトラップで死んじゃってアイテムがパーになるかもしれませんよね。そうなると私の評価もパーですか……これは一大事ですね! はい! ヒュージさんの安全のためこの私が罠解除について教えてさし上げましょう! 全てはヒュージさんの安全のため一肌脱がせて頂きます!」


「あ、はい」


「では罠解除についてですが――」


 とりあえずちゃんと教えてくれるらしいが、同時に面倒なスイッチも入った。

 ヘーテルも突然スイッチが入ってテンション高くなるけど、あちらは愛らしいと感じるがミュラさんの場合はひたすらに疲れる。

 この差は一体なんだろうね。


 まあ基本的に俺がヘーテルにベタ惚れだからってのはあるだろうけど、ミュラさんがひたすら現金な性格をしているというのも理由の1つかな。

 とりあえずそれはどうでもいいとして、罠解除についてミュラさんが説明を始めたので集中する。


 面倒なテンションとは裏腹にその説明は大層分かりやすく、罠解除のいろはを理解することができた。


「――そして、最後に重要な事ですがどれだけ知識があってもそれだけでは無意味です。もう、とにかく実戦あるのみで、習うよりは慣れろの精神で頑張ってください!」


「そんな元も子もない……ところで慣れるためには現地で命かけないとダメなんですか?」


「え? 死んでもちょっとアイテムとかなくすだけで実質リスクなんて無いようなものじゃないですか」


 いやいやいやいや。

 それはちょっと無いでしょう。


「むむ? その表情は納得していないようですね? じゃあ、仕方ありません! いつも探索者の為に働くこの私がとっておきの情報を教えてあげましょう! なんとこのギルドでは罠解錠を習熟するための施設が地下に備わっているのです!」


 それを先に言えこのダメ受付め。

 とは、思っても口には出さず飲み込んでなんとなしに雷槍を構える。

 別に何もしない。

 ただ、ちょっと構えを確かめておきたくなっただけだ。


「おっと? 私、突然と色々説明しなきゃいけない気になってきました!


 ええと、ギルド地下にある罠解除の練習場ではF、Eランクダンジョンの全階層に存在する罠、Dランクダンジョンの中層エリアまでの罠、そしてCランクダンジョンの上層エリアまでに存在する罠のレプリカが存在しているのです!

 このレプリカは攻撃性がほとんど無いだけで機構そのものはすべて実際のダンジョンにあるものと同じものになってますので、命の危険なく罠の発見と解除の習熟度を上げられますよ!


 ほら、ほら!

 私頑張って説明しましたよ?

 だから、えっと、ほら! 仲良くしましょう、仲良く!」


「……ん」


「ほっ……」


 俺がなんとなしに槍を構えたのを見て何故かミュラさんが目をキョロキョロとしながら地下の罠解除練習場について教えてくれた。

 それからなぜか焦った様子で仲良くしようと訴えてきたので俺は少し考えてなんとなく構えを解いた。


 するとなぜだかミュラさんは安心したように息を吐く。

 どうしたんだろうね?


「ちなみにそれは自由に使えるのか?」


「ええ、もちろん! 探索者なら誰でも自由に使えますよ!」


 そういう施設があるのなら利用しない手はないってことで使えるか聞けば自由に使えるらしい。


「んじゃあ、使わせてもらう」


「はい、分かりました! 何時間ほどご利用されますか?」


 ん、自由に使えるとはいっても利用する時間を予め申告しないといけないのか。


「えっと……とりあえず2時間で」


「了解です! では罠解除練習場のご利用料金として50万ゼフ頂きますがよろしいですか! よろしいですよね! では」


「待った! 待ってくれ!」


 こいつサラッとなんか大事な事いいましたよ?


「金、取るの?」


「ええ、もちろんです」


「自由に利用できるって……」


「ええ、探索者なら誰でも利用料金を払えばいつでも自由に使えます! ちなみに1時間25万ゼフです!」


「だから先に言えよ!!!!」


 なんでそういうのをぼかして伝えるかなー!

 料金とかかなり大事だろう!


「あはは! ごめんねー! 猿も木から落ちるっていいますし、美少女エリート受付な私でもたまに説明忘れちゃうこともありますよ! うん、仕方ない!」


 うっぜー!!

 なんでこんなテンション高い自信家の現金なNPCを用意したんだ!?


 ……よし!

 流そう。

 ここは俺が大人になってスッと横に流せばいいんだ。

 そうでもしないと無駄な疲労感に支配されてしまう。


 金がかかるとしても結局罠解除のスキルは必須だ。

 ならば、迷うことなく利用してスキルを磨くべきだろう。

 うむ。

 安全にそれを学べるというのだから50万ゼフなんて安いものだ。


「……2時間分頼む」


「はい! ではあちらの扉からどうぞ! ゆっくりと学んできてくださいね! 延長はいつでも歓迎してます! その方が私にとっても都合が……じゃなくて、しっかりと技術を身に付けてほしいですから!」


 ……よし、大丈夫。

 後半は完全に聞き流した。

 全然平気。

 俺、怒ってない。




 

 そうして、ようやく罠解除練習場へと足を踏み入れた。

 ミュラさんの適当加減とは関係なく、地下の罠解除練習場はしっかりした設備で、一つ一つの罠の解除法を確認しながらじっくりと練習することができるようになっていたのでかなりありがたかった。


 ただ、解除用の道具は貸してくれず、罠解除キットを50万ゼフで買う必要があった。

 あとで確認したがこのキット、練習場内でしか売っていなかった。

 つまり、意気揚々と練習場を借りて、解除キットを買う金を持っていなかった場合は罠解除を練習することもできず、25万ゼフを捨てるような結果になるのだ。


 なんて不親切なんだ!

 ギルド全体も大概汚いぞ!


 それなりにプレイにも慣れてきたが、慣れる毎にこのゲームの不親切さが浮き彫りになっている気がする。


 さて。

 とりあえず、この2時間でFランクダンジョンの中層までの罠の発見のコツと解除についてはそれなりに習得できた。

 もちろん実際のダンジョンでどこまで通じるかは不明であるが、多少安全に探索を進めることができるだろう。

 ただ、やはり不安もあるのでこれからもこの練習場は利用していこうと思う。


 そんなわけで、それから俺は何度もダンジョンに挑んで金を稼ぎつつ、練習場に通いつめる日々を送った。

 さすがにこのゲームにも慣れて、いろいろと手際よく進められるようになったことだし、そろそろマルチモードに手を出してみようと思う。


 丁度ヘーテルもここ最近プレイしていた感覚調整用のゲームの全課程を終えたようだし、誘ってみるか。

 生産要素無いからどうだろうなとは思うけど誘ってみなくちゃ分からないからな。

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