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VRゲームで遊ぼう  作者: イントレット
僕らのダンジョン探索録(ダンジョン探索RPG)
54/72

僕らのダンジョン探索録 3

 次の日、2回目のプレイを開始した。

 今回こそはダンジョンを探索したいのでそそくさと行動開始だ。

 まずは道具屋で背負袋と松明を5つ、逃走用に煙幕玉を2つ購入。

 グッバイ4000ゼフ。

 尚内訳は背負袋1500ゼフ、松明が合計1500ゼフ、煙幕玉が合計1000ゼフである。


 それから雑貨屋で携帯食料を3個購入した。

 アイテムの説明を見る限りこれ1つで最低4時間は腹を満たしてくれるらしい。

 最低、というのは動きの激しさによって腹の減る速度が変わってくるからだ。

 つまり運動量とカロリー消費の関係だ。


 逆に言えばどんなに激しく動いても4時間は大丈夫だと保証してくれるこの携帯食料実はかなりすごい気がする。

 あるいは、運営の数少ない優しさか。


 まあ、まだ運営が天使か悪魔かなんてまだわからんけど頭おかしいとは思ってる。

 ダンジョン探索ゲーム謳っておいてまともにダンジョン探索に行けないんだし、間違いないね。


 とりあえず最低限の準備は整ったのでダンジョンへといざ、出発だ。

 とはいってもマップからダンジョンを選択するだけですけど。


 というわけで、あっという間にダンジョンに到着した。

 目の前にはちいさな洞窟の入り口がある。

 これがダンジョンの入り口だな。

 昨日の木こりで得たお金はほとんど使ってしまった。

 成果を出さねばまだ普通の労働をしなければならない。

 俺はじっと入り口を見て覚悟を決め躊躇なくそこへ脚を踏み入れると、次の瞬間にはダンジョンの中のどこかへと移動していた。


「入ってきた入り口は消えてるな……出口を見つけるか、脱出用アイテムを見つけるまで出られないってやつか」


 ま、よくあるダンジョンの設定だと思う。

 ひとまず落ち着いて周囲を見渡してみれば、この広間の壁は多少形が整っているが普通の石壁のようであることが分かる。

 またいくつか通路と思われる横穴伸びているのが確認できるので幾つかの広間とそれを繋ぐ通路で成り立っているのだろうと推測できる。

 周囲の様子を確認できるのは壁になぜか松明が掛けられていて辺りを照らしているからだ。

 とはいえ満遍なく照らされているわけでもないからところどころ影ができている。


 アイテムがあるとすればやはり広間だと思うが、少なくとも今いる広場には何も落ちていないので先へ進むとする。

 現状武器も防具も無いし敵を見つけたら逃げるか隠れるかしないと。

 素手で倒せるとは思えない。

 無駄にキャラの性能がリアル準拠だしな。

 斬られたら人は死ぬってノリで一撃死しかねない。

 

 幸い通路にも広場にも丁度いい溝とか出っ張りが結構あるので隠れる事は可能だろう。

 松明によって生じた影もいい感じに身を隠せそうだ。

 それが余計に先ほどの考えが正しいのではないかと思わせる。

 また、こちらが隠れられるということは、向こうも隠れられるということだから不意の遭遇には気をつけなければ。


「しかし、この感覚は爆弾背負って基地に潜入した時を思い出すなあ」


 しばらくコソコソと移動したところで一人呟く。

 辺りに敵は多分いない。

 『The Endless War』で鍛えた俺の索敵能力を甘く見ないでもらおう。


 まー敵もいないがアイテムも見つからない。

 既に幾つかの広場は調べているんだけどなあ。

 草すら無いとはどういうことだ。


 まさか敵を倒さないとドロップしないとかないよな?

 無いとは言えないけどそれだとハイドタイプ辛すぎな気もするけど……。

 いや、ドロップの傾向に関わるだけでタイプ毎にステータスとかの違いはなかったか。


 ってことはどのタイプでも何も用意しなければ素手探索でまともにモンスターと戦えないのは一緒か。

 武器売ってるんだからそれ買えばいいんだろうけど一番安い短剣でも2万ゼフだったし。

 なんでこんな高いんだろう。


 それにしても本当にアイテムを見かけない。

 ちょっと不安だから調べてみるか。


 えーっと。

 よかった。

 アイテムは普通に広場とかに落ちてたりするようだ。

 ん……?


 ギルドでチュートリアルを受けることが可能?

 それを達成することで初期装備(背負袋・携帯食料5個・武器)が……?

 

 え……ちょ……それ……――






 ――さて、あえてリアルなダンジョン探索を体験するためチュートリアルを無視してダンジョンを探索しているわけだが、ここでようやくアイテムを見つけた。

 広場に入って確認していると何かキラリと光って、近寄って拾ってみたらそれは宝石のようにキラキラした拳大の水晶のようなものだったのだ。

 途中何度か敵モンスターと遭遇したが引き返したり影に潜んだりしてやり過ごした。

 ちなみにモンスターはゴブリンだった。

 分かったのは頭上にそう表示されてたからだ。

 ただ、ゴブリン達は筋骨隆々で、歴戦の戦士のような風格を持っていた。

 とてもじゃないが現実的な身体能力しか持ってないのに戦えるとは思えん。


 そんな感じで結構ビクビクしながらやっと手に入れたこのアイテムだが高く換金できると嬉しいな……って、まだまだ低難易度のダンジョンの最初の階層で手に入れたアイテムだし、そう期待はできんだろうけど。


 ひとまず手に入れたアイテムは背負袋の中に放り入れてダンジョン探索に戻る。

 それにしても警戒しながら歩くのって結構疲れるな。

 まあ、鬱蒼としたジャングルを一人で歩くよりはましだけど。


「っ!」


 そうして歩いていると微かな物音がしたので足を止める。

 それから慌てずゆっくりと足元を確かめつつ物陰に潜り集中して周囲の気配を探る。

 気配とはいっても呼吸や足音を探るだけだけど。


 だがそれで十分。

 息を潜め集中したおかげで足音をはっきりと捉えることができた。

 多分一体だけでまだ結構距離はあると思うが、やけに軽い感じの足音がこちらに近づいてきている。


 ゴブリンじゃないな……なんだろう。

 足音が大きくなり近くまで来ていることが分かったので、ほんの少し物陰から顔を出して様子を伺えば、その姿を確認することができた。

 とはいっても あいにく松明はそいつの向こう側で逆光となり影だけだったが。


 まあ、影だけでそいつの正体を推測するのは容易なことだった。

 人型で全体的に線が細く、向こう側が透けるような体。

 何もない眼窩の奥からはゆらゆらと妖しい赤い光りが覗いている。


 皮も肉も内蔵もないスカスカのそれはつまり、スケルトンであった。

 武器は欠けた曲刀……雰囲気あるな。


 相手を確認したらさっさか、隠れてやり過ごす。

 スケルトンがどんどんと近づいてくる。

 そしてついに物陰に隠れた状態からでもその姿を確認できるところまできて……立ち止まった。


 おいばか、なぜそこで止まる。


 あ……。


 そういえば……アンデッドって、目でなく生命力で敵を――

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