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ガストノーセン五日間の旅   作者: 丘野 境界
本編 『ガストノーセン五日間の旅』
154/155

あとがき

なお本日の更新は一つ前からになります。

 ……でまあ、これで二年前にあった僕とケイの旅はひとまずおしまいである。

 僕はそのまま列車から飛行機に乗り継ぎ帰国したし、ケイはテレビの会見があってそちらで謝罪した。

 なので、特筆するようなことはないのである。


 なお、その後の人達に関してちょっと補足しておく。


 K原達は僕にしたことが明らかになり、全塾生の前で謝罪した。

 ……が、白戸先生の視点でも書いた通り、修学旅行に参加していた塾生達の怒りは尋常ではなく、居たたまれなくなったのか卒業を間近に彼らは塾を去った。

 その時の僕の感情に関しては、ここで書くとすごく大人げないのでやめておく。


 白戸先生はあれから、園咲女史との親交が続き……どうなったかは、まえがきでお察し下さい、だ。


 爺ちゃんは健在。

 うちの親から連絡を寄越せと留守電が入っていたので、爺ちゃんと共に久しぶりに実家に向かい「ご迷惑をお掛けしました」と謝って帰った。

 ……いや、だって、呼んでおいて向こう、何にも言わないんだもの。

 爺ちゃん曰く「多分お前と何話していいか、分からんのだろうなあ」との事で、僕も同意だった。

 それから家を出るまでは、爺ちゃんちで暮らしていた。


 青羽教に拉致されていた人達の帰還は、やはり各国の学者、それもネーブル物理学賞受賞者などが絡んでいただけに、大きなニュースとなっていた。

 当然と言えば当然の話だ。

 ちょっと意外だったのは、初日に教会で出会ったユアン・スウ教授。

 こちらはあれからソルバース財団に保護されていたとか、一体どういう伝手だったんだろうか。


 ジョン・タイターらに関しては、あれから会っていないので不明。

 ジョン・スミス、チルミー役の人に関しても分からないし、僕に聞かれても困るのである。そういうのはソルバース財団に問い合わせて下さい。


 サウスクウェア博士はユフ一行に関する新説の本を、何冊か出した。

 今でも書店でお求めになれます。

 というか例のニワ・カイチVSチルミーの戦いに関しては、僕よりもむしろこっちの方が詳しい筈。

 ただ、詳しすぎて文字がビッシリ、本場の人でも読むのに結構精神力が要ると思う。


 賀集技術が健在なのは、皆さんもご存じの通り。

 ……社長も、相変わらず元気です。

 秘書の早乙女さんも、クールなままだし。


 他、色んな人達からもらったサインの入った手帳とヒルマウントで拾った青い羽根は、記念として自室に飾ってある。


 そして問題のケイだけれど、テレビやニュースやネットに触れる環境にある人ならご存じであり、意図的に間違えてられているがアレは今、()()をしている。

 正確には、アイツはその資格を取得していない(太照国には探偵免許というモノが存在している。事務所のブログではもう何度もそれを書いた。今回も今、また書いた)ので、探偵ではないのだが、世間一般、国際的認識ではアレは探偵である。

 断っておくが、アレの本業は科学者研究者の類であって、件の旅で得た発想の泉はまだ枯れていない。現役で活躍中だ。

 ……が、居候している事務所の名前は、相馬探偵事務所だ。

 名前を貸してくれた(開いた時点で隠居している)事務所所長は爺ちゃんで、正式な所員は今の所僕一人の筈なのだ。

 うん、まあ、何か色々と間違っているんだけれど、この本は紀行文であり、また僕とケイの出会いの始まりであり、二年前に起きた事件の顛末であり、どうしてケイが探偵となったか(だから正確には違うというのに!)が記されている。

 つまり発端、そもそも探偵を目指したのは白戸先生の影響を受けた僕であり、ケイはそれに首を突っ込んできた、といういつもの探偵事務所の事件ブログと同じオチでまったくもう申し訳ない話なのだが、多分百年経ってもコイツの性格は変わらない気がする。百年も付き合うつもりは、こちらにはないけれど。


 ブログにまとめている事件簿に関しては、これも近い内に書籍の形でまとまるかも、というのが集談館出版の角橋さんのお話だが、それを考えるとこのエピソードは事件簿:0なのかもしれない。

 いやホント事件らしい事件は起こってないけれど、強いて言うなら僕達自身が(失踪)事件だった。


 僕とケイの最初の事件、ガストノーセンでの五日間の旅は、これにて終了。

 また別の本でお会いする事があれば、よろしくお願いします。

(……しかしあの事件ブログは本にまとまったら、『賀集ケイの事件簿』になるのだろうか。それはそれでちょっとどうかと思う)

なお、続きの事件簿の予定はありません。


こういう場所で補足は前にも述べたように野暮というモノですが、一応説明しておくと二年後、白戸先生の影響を受けて相馬ススムは探偵の道に進みます。

この辺りは最後の『動かぬ証拠』辺りが強く影響しています。

で、事務所を爺ちゃんが開き、その伝手などでまずは仕事をしようと思ってたらケイが転がり込み、気がつけばどっちが探偵でどっちが助手なんだよという、そういう流れとなります。

ブログというのは事務所が受けた事件にまつわるモノで、そこそこ好評、という設定となっています。

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