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元魔王、詠唱する。

魔王の強化魔法の詠唱を書きたかっただけ


「非公式の魔王と勇者の対決だが、各区域の魔王立ち会う。」

「“魔王たちも娯楽が欲しいらしい”」と嫌味のように述べる魔王。

そう言われると、途端に緊張してしまう。

喉がカラカラと乾き、唾を飲み込む。

「領主や、街の者たちには、サラの新しい従者決めだと説明してある。」

「何故だ?」

「貴様の為でもあるんだぞ?勇者よ。

もし大々的に“魔王対勇者”で勇者が負けてみろ、白い目で見られ、後ろ指を指されるんだぞ?」

言われたことを、想像してゾッとする。

確かに、一生おもてには出られないな……

負ける気はないが!

「魔王の方も、勇者に負けたとなれば、国の方で面子が持たない。いわゆる、持ちつ持たれずの関係だな。」

そうなのか?

「“自分に、異論はないです”」と和やかな雰囲気で返事をするヒメーレ殿。

……なんだか、オレだけが慣れていないみたいで、嫌だな……


魔王が喉に指をあて、拡声魔法で人々に呼びかける。

『これより、サラの新しい従者を選ぶ試合を行う。この試合に勝った者が、従者だ。』

「“わぁー!”」「“おぉー!”」「“新しい守り神様ってこと?”」など歓声や、疑問の声が聞こえてくる。

『ちなみに今回により新しく決まった従者は、非常勤だ。常には会えぬ、留意せよ。』

思わずズッコケそうになる。非常勤の従者なんて認められるわけ……

「“わぁー!”」「“おぉー!”」「“守り神様ー!!”」

……認め、られるのか?やはり肝が座っている。


ちなみに今回サラ嬢は、魔王に「“今日は、一番安全な場所で観戦しろ”」と言われて屋敷の中で

オレたちを応援してくれるらしい。

屋敷に入る前にサラ嬢が「“勇者様、がんばって!なのだわ!”」と声援をくれた。

……期待には沿わないとな。


決闘が始まる……


「勇者様、ご自身に強化魔法などかけても大丈夫ですよ。」


ヒメーレ殿、貴方もか!!

終いには泣くぞ!

いいのか、年甲斐もなく喚き散らすぞ!!


「いや、自分も大罪の魔女様たちにお願いして、全員、魔界に待機してもらってるので。」

大罪の魔女が魔界に居てなんだと言うんだ?

疑問でいっぱいのオレに、魔王がオレに話しかける。

「魔族の魔法の根源である魔女が、魔界に居るということは、その分、魔法の威力が上がっていることを指す。」

つまり……?

魔王がため息をつく。


「ジュリエットやオフィリアほどではないが、かなり強力な魔法が来るぞ。」


ヒェッ

「ど、どうすれば……強化魔法……?ドクトリナを連れてこれば……!」

焦るオレを見かねてか、面白がってる様子で、第五区域の魔王が「“カイサル強化魔法かけてあげればー?”」と提案する。

勇者であるオレが、魔王から強化魔法を受けるなんて……

いや、先日から受けてはいるんだが、決闘という場でそんな反則じみたこと……

……ヒメーレ殿も強化してるみたいだしな……

オレが唸っていると、いつもの嫌味な笑顔をさらに深めて魔王が言った。


「ふむ、そうだな。サラは貴様に「“がんばれ”」と言った。

ならば、貴様が“がんばれる”に、いつもより強めの強化魔法バフをかけてやろう。しっかり受け止めろよ?勇者。」

そう言って、人差し指でオレの顎をクイっと持ち上げる。


『吾は衝動だ、本能のままに動く者だ。

吾は災いだ、何人たりとも吾の歩みを止めることはできぬ。

吾は破壊だ、吾の行く手を阻むことなど許さぬ。

おそれよ……おそれよ…おそれよ……』

言い終わると額に口付け、オレの左右の頬に、魔王の頬を寄せられた。


!?!?!!???


「ーーッ!ーーッ!?ーーッッ!??」

「勇者よ、ついに人語も忘れたか。」

イタズラが成功した子供のような笑顔の魔王。

おまっ!なんっ!?なんだ!!??

バフのせいか“それ以外”のせいか、身体が熱くなる。

屋敷にいるはずのサラ嬢が「“勇者様の目、カイさんと同じ黄緑なのだわ!”」と聞こえたような気がする。

確認できないのが、もどかしい!

「カイサル様に、詠唱付き強化魔法かけてもらえるなんていいなぁ、勇者様。」

「……ヒメーレって、結構カイサルのこと好きだよね。」

「“お前の面倒見てやってるの俺なのに”」と第五地域の魔王が呟いた。



まだ戦ってない……なんでだ……

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