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TSURITO-繋げる未来  作者: カバの牢獄
第一章 強く生きたい
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第一章 07 オーラの成長の仕方

「このままじゃ、ルリの威厳がなふなう」


 カシャに頬をつねられていたルリが突然に喋り出した。後ろではナスがルリの髪を引っ張って頭を叩き遊んでいた。


「だって、ルリは泣いてばっかじゃん」

「そ、そうだよ。ルリちゃんに威厳なんてないよ」

「ソー。ルリと軽く戦わない?ついでに、ツリト君に早速お詫びとして小人族の神髄を見せて上げるよ」

「嘘はダメだよ。ルリ」

「ナスたちの遊び相手で十分でしょ?」

「嘘じゃないわよ」


 ルリはカシャとナスから離れると、ソーの前に移動した。両隣ではナンスとネキに抱かれているツリトがいた。


「ツリト君。見せて上げる。小人族の力を」

「俺と戦う?」

「うん。多分、一番、ルリの力を発揮できるのがソーだから」

「いいじゃない、ソー。実力を見せて上げなよ」


 ソーは何故か全身が震えていた。


「ナスたちの前で恥を晒せって言うのか⁉」


 ツリトは頭が困惑した。ルリが強いことは間違いないが、鬼、竜、超人の力を扱えるソーがそう簡単に負けるとは思えなかった。


「どゆこと、ネキ?」


「小人族はオーラを成長させると言いんした。それは、フロンティアにいるたくさんの生物の中でもトップクラスに恐れられていた力でありんす」

「百聞は一見に如かず。なるべく、全てを見せれるように頑張るよ」


 ルリはずっと自信満々に胸を張って口角を上げていた。ツリトはその自信の理由を知りたかった。


「ソー。僕の師匠になってやるって言ったよね。情けないよね」


 ソーはツリトを見た。引きつった笑みを見せた。


「も、もちろんさ。やってやろうじゃないか」




「じゃあ、ネキが止めって言ったら終了ね」

「ああ。本気で行くからな」

「うん。大丈夫。多少は攻撃を食らってもヘッチャラだからさ。だからさ、安心して全力を出しな」

「元よりそのつもりだ。そうでないと、俺が死ぬ」

「ははは。でも、一つだけハッキリ言ってあげる。ルリはソーの攻撃を食らわないし、きっと、一方的な展開になる」


 ルリとソーは開けた土地で向かい合っていた。ツリトたちは大きな樹の枝に座って高みの見物をしていた。


「二倍ぐらいの身長差があるのに、凄い余裕だね」

「そうでありんすね。ですが、あの余裕はハッタリではありんせん」

「ホントに強いの、ルリは?」

「パパに、あそこまで啖呵を切るなんて」

「ふふふ」


 ネキが叫んだ。


「始めなんし」


 二人は向かい合ったまま同時にオーラを纏って数秒、視線を合わせた。


 そして、動いた。ルリは軽くフットワークを。


 ソーはダンゴムシのように極限まで体を丸めた。そして、サイコキネシスで突進した。


 ルリは軽く足を踏み出して走った。その速度は少なくともツリトの目では追えない速さだった。それに加えてルリは一歩踏み出す度に煙を出しながら分身を百体出していた。


 ソーは次々にルリの分身を潰して行った。


「よし、滑れ」


 ルリはツリトを誘拐した時にだしたヌルッとした液体を靴裏に付着させるとそのまま、一直線にソーに向かって滑った。ソーはその上空に浮遊して避けようとした。だが、ワンテンポ遅かった。近づいて来ていたルリの体は膨らんでいて背中の後ろで手の甲を合わせていた。手のひらに空気を移動させながら、超人の弾力も相まって音を置き去りにした拍手をした。本来はオーラも放出して人にぶつけることで対象の体内のオーラを飛ばす技だが、手加減したのだ。代わりにヌルッとした液体を飛ばした。だから、ソーは風圧とヌルッとした液体により、空を凄い勢いで飛んで行きそうになった。


「もう、まだ、全然、本気を出してないのに」


 ルリは空中でソーが飛んで行ってしまうのを止めた。


「何してるの。ルリの魅力をツリト君たちに伝えきれないじゃないの」


 ルリは大げさに肩を落として手を広げてため息を吐いた。


「はあ、仕方ないなあ」


 ルリは勢いよく滑ってソーの真下に移動して急停止した。次に真上にいるソーを真下に急降下させて地面すれすれで停止させた。二人の顔を見るとソーがルリを見下げているのに逆に見下げられているかのようだった。


「情けないね。三種類も凄い武器があるのに」

「だから、俺は、嫌だったんだ」

「じゃあ、最後に領域展開」


 透明の半球の中にソーとルリがいた。


「分かりやすいように透明にしたよ。じゃあさ、頑張ってね」


 ルリは満面の笑みで両手でそっとソーの体を押した。そして、浮遊した。


 ソーは思い切り透明の壁にぶつかったかと思うとすぐに跳ね返されて、超人の体も相まって壁にぶつかっては跳ね返されてを繰り返した。やがて、ソーは気絶して倒れた。


「とりあえず、魅せたいものは魅せれたかな」


 ルリは領域を解くとソーを持ち上げてツリトを見てピースして満面の笑みを見せた。ツリトたちは、ただただ、「「「凄い」」」と脱帽した。





「と言うことで解説しよっか」


 ナンスがソーの治癒をしてソーが起きてからルリがツリトの頭を撫でながら胸を張った。ツリトは目を輝かせて前のめりになっていた。カシャとナスはルリの凄さを目の当たりにしていたため、ツリトが前のめりになる気持ちは分かるため、頭を撫でていたことは気になっていなかった。


「まず、今回、ルリが使ったシックスセンスは何個だと思う?」

「五つ?足が速くなるのと、分身、ヌルッとする水と急停止、それで、最後の領域と浮遊。六つか」

「なるほどなるほど。実はね、ルリは俊足、分身、浮遊、そしてヌルッとする水、この四つしか使ってなかったんだよね」

「は⁉」「「「えっ⁉」」」「どういう!?」


 ネキ以外の全員が声をだして驚いた。


「大きく言うと、でありんすね。細かく言うとツリトが言った通り六つの力を使ってるでありんす」

「さすがね、ネキ」


 ルリは開いた口が塞がっていないツリトの頬を軽く突いて笑った。


「ツリト君。おんなじ河童同士、オーラのことを詳しく教えてあげる。ルリのシックスセンスは俊足と瞬速。分身は父さんのシックスセンス。ヌルッとした水は母さんのシックスセンス。浮遊は飛んでる魚のシックスセンス。ルリたち河童は尻子玉を食べることでシックスセンスをたくさん使える。しかも、オーラはちゃんと別々に存在してね」

「・・・・・・」

「ツリト君?」

「あ、うん、ごめん」


 ネキはツリトを慈しむようにしてしゃがんで後ろから抱きしめた。ツリトはまだ、完全には立ち直れていない。ルリはさらりと母と父が死んでいることを匂わせた。だから、ツリトは母と父のことを思い出してしまったのだ。


「ぁあ。そういう」


 ルリはツリトの瞳を見て気付いた。ずっと違和感を覚えていた。二歳なのに力を求めている。ツリトの母と父は姿を現さない。どこか、ツリトを気遣っている空気間。その全てに合点が行き、正面から抱き着いた。


「ごめんね。軽率だった」

「だ、大丈夫。僕ね、僕ね、寂しがってるところはなるべく見せたくないんだよね」

「ツリト君。自分の感情は素直に表に出した方が良いよ。そうでないと、心が塞がっちゃってどっかで反動が来るからさ。ルリの経験則」

「うーーーーーーーーーーーーーーーー」

「頑固でありんすね」


 カシャはツリトのそんな様子を見て歯痒く思った。カシャはツリトが母と父を連想してしまったであろう時、心がギュッとなって真っ先に抱きしめることができなかった。一番悲しくて辛いのは間違いなくツリトなのにカシャはツリトよりも早く切り替えることもできなかった。だから、カシャは泣きそうになった。だが、必死に我慢した。ナスもカシャと同様に歯痒くて、だが、瞳からは堪え切れなった涙を一筋流してしまった。


「仕方ない。ここは一旦切り替えるためにもーーーー」


 ルリは可愛い顔を精一杯歪ませて渾身の変顔をした。


「ぷっ」


 ツリトは思わず吹き出してしまった。真正面でいきなり変顔されて虚を突かれたし、実際に面白いものだった。


「とりあえずは、その笑顔を忘れないでね」

「伊達に五十代ではないでありんすね」


 ネキとソーとナンスは思わず感心した。正直、見た目は巨乳の二歳児のためついつい子供と認識してしまうが、中身はしっかりとした考えを持ち、状況を打開できる大人であることに。


「当たり前よ。常に仲間を増やしたいと思って集団を観察していた、ルリを舐めてもらったら困るわ」


 ルリは悲しいことを自信満々に胸を張った。そして、強引に話しを戻した。


「えっと、確か尻子玉を食べたらシックスセンスと対応してオーラが別々にあるってところまで言ったかな。つまり、自分のオーラとは別に、尻子玉の持ち主のオーラも纏えるってこと」

「うん」

「じゃあ、これから、ちょっとイメージして見て欲しいの。ツリト君のオーラと尻子玉を食べたことにより手に入れたオーラはおんなじかな?」

「違う、と思う。纏った感じはシックスセンスが違ってもおんなじだけど、実際、シックスセンスを使うと少し違うように思えるから」

「うんうん。じゃあ、これから、オーラの仕組みをホントに詳しく話すよ。オーラは言わずもがな身体能力の強化してくれる」

 ルリは一旦間を開けて焦らした。

「実はね、オーラはシックスセンスによって変質するの。大きく分けて三つ。自己完結型、他者完結型、領域型。つまり、自分に干渉する系か、自分以外に干渉する系か、生物に干渉するのではなく、範囲内で干渉する系か。この型はあくまでも原子でそれらが合わさったものを分子と言うの。つまり、オーラは分子の集まりなの。質が変わると言うのはこの原子の大きさや組み合わせが変わることを言うの。じゃあ、オーラは普通、どんな風に変質するのか説明してい行くね」


 ネキ以外はいまいちピンと来ていない様子だった。ここら辺の知識は何となくは感じていても言語化する人は早々いない。そこで、ルリは地面に落ちている枝を適当に拾って大きな円を三つ重ねた。そして、自己完結型かつ他者完結型かつ領域型を1、自己完結型かつ他者完結型を2、他者完結型かつ領域型を3,領域型かつ自己完結型を4、自己完結型を5、他者完結型を6、領域型を7と数字を書いた。尚、自己完結型かつ他者完結型ではないかつ領域型ではないというくくりではない。


「じゃあ、ツリト君。普通の人のオーラの成長の仕方はどんな感じか言って見て」

「・・・最初は三つ重なるところ、その後、二つ重なるところ、そんで最後は一つの円」

「うんうん。そう、この三パターンに分類されるんだ」


 ルリは歩きながら地面に塗りつぶしたのを三パターン書いた。


「じゃあ、小人族はどんな感じで成長するでしょう、否、使えるでしょう?」


 ツリトは「まさか!?」と驚愕した後答えた。


「この三つを合せたってことか?」

「そういうこと。小人族はオーラをこんな風に成長させて使うことができるの。じゃあ、このことを踏まえた上でルリのさっきの戦いを開設できるかな?確認だけど、ルリは俊足と分身とヌルッとした液体と浮遊しか使ってないよ」


 ツリトたちは熟考した。ソーとナンス、ネキまでも熟考した。やがて、ネキが口を開いた。


「その、ローション、ヌルッとした液体、つまり、抵抗を失くして慣性が働き続けるのと真逆の力、急停止が説明できないでありんす」

「うんうん。ふっふっふっふっふっふ。聡いね、ネキ。小人族はオーラの成長に合わせてシックスセンスの成長も模索していた。そして、生み出した技がある。でも、これは、多分、独りでできることは、ほぼ不可能。小人族の中でもできたとされる人は数えられるほどだしね。シックスセンスの事象を反転させて使う技。名付けてアンチシックスセンス。だから、抵抗ゼロ、慣性が働くヌルッとした液体から、抵抗がほぼ無限大になる液体に変わったわけさ」

「なるほど。もしかして、アンチシックスセンスってシックスセンスと同量のオーラでも、威力って上がってる?」

「ふっふっふ。ツリト君、良いことに気付いたね。そう。アンチシックスセンスは個人によって感覚が違うものだし、あり得ないことを完璧にイメージする必要があるから同じオーラ量でも質やが上がって自然と威力が増すんだよ」

「あり得ないことを完璧にイメージ?」

「例えば、ルリがツリト君に近づこうとするよね。その時、足に力を入れて前に進まないと触れることはできない。アンチシックスセンスと言うのはめっちゃ前に進みたいって思ってずっとツリト君を見てるけど遠ざかってしまう。でも、何故かツリト君と真正面でハグをしている。こういうことを完璧にイメージする必要があるの。どう?全く分かんないでしょ?」


 ルリは実際にツリトに抱き着いてあっけらかんとして笑っている。ツリトたちは頭が痛くなってポカンとしていた。ネキも顔を顰めて痛そうにしていた。


「はあ、休憩が必要でありんす」


 ネキは軽く手を叩いて切り替えると蜂蜜酒と蜂蜜と水を取り出した。


「だね。ルリも自分で言ってて頭が痛くなって来たよ」


 ルリは机と二つ長椅子を作ってネキをツリトと挟んで座った。ついでに人数分のコップを作った。向かい側にはツリトより重症のカシャとナスをソーとナンスが挟んで座っていた。


「ツリト君、実際にアンチシックスセンスを見せて上げるよ」


 ルリは炎を右手に乗せた。そして、その炎を氷に変えた。ルリはそれを何度も繰り返して全員のコップに氷を入れた。


「次はちょっと面白いことを味会わせてあげる。領域展開」


 ルリはオーラを纏って七号球ほどの大きさの透明の球を出現させた。そこに、鉱石に入っていた水を全て入れた。球の四分の三ほどの入った。


「何をするの?」

「この領域はさっき見せた奴ね」


 ルリは領域を完全に密封にすると、軽く振った。すると、みるみる内に水が荒れだした。


「実はね、壁に当たると威力が上がるの。だから、どんどん速くなるの」


 みるみるうちに球の大きさが小さくなった。そして、水がぎゅうぎゅうになって動きを止めた。そして、炎を手のひらに乗せて球に当てた。


「ツリト君。この炎を触って見て」

「冷たい。もしかして、これも、アンチシックスセンスなの?」

「そう。さっきは炎という事象を反転させたけど、今回は炎は熱いっていうことを冷たいっていう事象に変えたのさ」

「凄いでありんすね」

「ふっふっふ。ルリに掛かればこれぐらいヘッチャラなのさ」


 ルリは球の領域の形を変えると既に氷と子供たちには蜂蜜、大人たちには蜂蜜酒の原料液がコップに入っていた。が、


「ネキ。何で、ルリに酒を飲まさないの!」

「まあ、子供たちがいるから?」

「むう。まあいいわ」


 ルリは順に今できたばかりの炭酸水を注いでいった。そして、コップの中の氷を適当に操って掻き混ぜた。


「ツリト君。これぐらいのコントロールをできるようにしないとね」


 ルリはツリトに胸を張って得意げにした。ツリトは一連の動作を見て改めて感心してルリに夢中だった。それは、ルリだけではなく、カシャもナスも、ソーもナンスも同様だった。ネキだけが既に平然に戻っていた。一足先に飲んでいたネキが声を上げて驚いた。


「主さん、ルリは何をしたでありんすか!?」

「ふっふっふ。伊達に一人で生きていないのさ。日常の些細なことから実験を試し、生活の知恵を蓄えることで孤独を埋めていたルリを舐めないでもらいたい。それに、ルリのシックスセンスは俊足と瞬速。そう、瞬速なんだよ。才智があるんだよ」


 カシャとナスはもう、頭が痛すぎて会話を聞くのを止めた。ツリトに寄り添いたい二人だが、今は、頭痛から逃げた。だから、シュワシュワな感覚にパッと表情を明るくした。


「おいしい」「お、おいしい」

「シュワシュワでしょ。それはね、水に空気を溶かしたんだよ、簡単に言うとね」

「凄いね」「す、凄い」


 驚いている二人の横でソーとナンスも驚いて目をパチパチさせていた。


「さあさあ、ツリト君もお飲み」

「ちょっと待って、自分のシックスセンスの定義を工夫してるよね。どういう効果があるの?」

「簡単なことだよ。敢えて、曖昧に設定することで、できることの範囲を広げてるの。実は曖昧にするのと具体的にするので比べて見ても大した差はないことが分かってるの。これは、小人族に限らずね」

「なるほど」

「まあ、そういうわけだから、飲んだ飲んだ」


 ツリトは言われるがままに飲んだ。確かにシュワシュワしていて新感覚だった。だが、


「おいしいのは、蜂蜜だな」

「あらまあ」「ツリト君!?」


 ネキは隣に座るツリトの頭を撫でた。ルリは思わずツリトに顔を近付けた。ツリトはコップを机に置いてルリを押した。


「それじゃあ、話してよ。ソーとの戦いの解説を」

「むう」


 ルリは唇を尖らせて足をブランブランさせて少しいじけたが一口啜ってから話し出した。


「まず、ソーが超人特有の力を一点に溜める技、『爆弾』をしながら、サイコキネシスでルリを追って来た。ルリは俊足で走りながら一歩踏み出すごとに分身を百体ずつ出していたの。それで、ある程度、距離を取れた時に、足にヌルッとした液体を付着させて滑って近づきながら河童の拍手をしたの。ルリの肉体は超人の肉体でもあるから威力は増大。それに、小人族だから、オーラ量も多いし質も高い。今回は空気だけを飛ばしたけどね。ルリはその拍手にヌルッとした液体を混ぜたの。ソーはルリが河童の拍手をするのを確認すると、上空に逃げようとしたけど、遅かった。ルリの攻撃が当たったわけ。この時足に付着させて使っていたヌルッとした液体は自己完結型で、ソーに飛ばしたヌルッとした液体は他者完結型。で、ソーが凄い勢いで空に飛んで行きそうになったから、アンチシックスセンス。ヌルッとした液体が抵抗ゼロ、慣性が働き続ける効果から、抵抗無限大になったわけ。あ、足に付着させた奴もそんな感じで使ってたよ。で、地面擦れ擦れまで急降下したのはシックスセンス。それで、最後の領域展開が領域型。こんなふうにルリは三種類の型のオーラを使えるから上手いこと、オーラのバランスを調節してるわけさ」


 ルリが改めて異次元の強さだとツリトは分かった。分かって凄いと思うと同時に少し気になったことがあった。これだけの力があれば、ルリより強い人なんて限られて来る。これは、純粋な感情だ。


「ねえ、ネキはルリに勝てるの?」


 ネキはいきなり質問されて目を丸くして驚くと笑った。


「ふふふ。余裕でありんす。わっちを侮らないでおくんなし」

「ルリも?」

「実は、魂を熟知した者は誰でも、小人族のようにオーラを成長させることができるの。ソーとナンスは魂を知っているだけ。詳しくは知っていない。だから、ルリはネキには勝てない。それに、ネキはゼウスと戦って勝ち逃げしてるって有名だから」

「マジ!?」「「ホント!?」」

「ええ。ですが、ゼウスと戦ったのはもう、ずっとずっと前でありんす。今ではさすがに勝つことは無理でありんす。何せ、ゼウスもまた、魂を熟知したでありんすから」

ややこしかったと思います。

ブックマークと★★★★★が欲しいです。


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