交感はしていない
香織は相当ヤバい奴で
僕の言い分を聞いてくれない事は分かった。
しかし突き放すとすぐ死んでしまいそうだ・・・
こんな美人の自殺補助なんてしたくないよ。失ってしまったら世界の損失だ。
「たしか、朝言っていた感じだと。
龍二とは、学校では話さない約束だったんだよね?
僕もこれから、そうしたいと考えているんだけど。香織はいいかな?」
「カ・オ・リ・ン! ちゃんとカオリンって呼ばないならりゅーくんの言う事は聞きませんっ」
いや、可愛いなっ。そんなぷりぷりしてあだ名を強制するとか
付き合いたてのカップルかっ!
「・・・カオリン。学校では話したくないんだけどいいかな?
他の人から詮索されたくないんだ」
「うん! いいよ! その代わりに夜にメッセやボイスしたいな」
「ボイスは出来るか分からないけど。メッセならいいよ。
でも、すぐに返信しないかもしれないよ?」
「寝る前に一回でもいいから・・・お願い。
夏休み中送ってたのに返信ないのは寂しいよ。
というか、ずっと既読つかないんだけど、どういう事?」
そもそも、ID交換なんてしてないんだから既読なんてつくわけがない。
「龍二とはID違うから、メッセをみれないよ」
「ふーん。じゃぁ今ID交換しようよ。
それなら見てくれるね?」
「わかった。一日一回だからな?」
「OKOK。ま、そんな事を言ってられるのも今のうちだよっ!
すぐに一日一回で満足出来ない体にしてあげるから、覚悟してよね!」
こうして、僕と香織とのやり取りは寝る前に一回行う事になり
毎朝 おはよう から おそよう おやすみの連絡がくる様になった。
でも僕たちはID交換はしたが交感はしていない。