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人類最強の俺は暇潰しにリビングで侵略者を潰しています。

作者: 紅之模糊(くれないのもこ)

午後二時。

欠伸一つ、俺はリビングで目を覚ました。小一時間の休息を得てまた戦いの地に赴く。

最近、不気味な侵略者がリビングに現れ出した。

「また出やがったな……、耳長白魔人!」

ぴんっと立った長い耳が特徴の魔物が俺を見つめている。こいつは一見何もしてこない魔物なのだが、一度触れると長い舌を突き出し攻撃してくるのだ。俺はこいつの口を塞ぎ、何度も腹を叩いた。

「これでっ、どうだ!」

口を塞がれた白魔人は何もできず息絶えた。俺は長耳を持ち放り投げ、次なる敵へ歩みを進めた。

次に出てきたのは何の変哲もない“青い球体”。

しかしこいつは攻撃をすると壁に跳ね返りカウンターを仕掛けてくる厄介な奴だ。連撃ではその回数分カウンターの餌食になってしまう。だから、用心深く相手の様子を見定め、一撃で決めることにした。

「トルネードサンダァァア!」

俺は高速で体を回転させ、遠心力とともに窓めがけて投げ飛ばした。彼奴は家を飛び出し、「パンッ」という衝撃音とともに消え去った。

「よし! これで二勝。そろそろお腹すいたなあ」

腹の虫を治めようとキッチンに向かった。

「トウモロコシにゆで卵、あとピザもあるのか。変な組み合わせだがまあいいか。いただきます」

ガブリ、と一口ピザを口に入れた瞬間、歯が欠け落ちた。

「お前、何者だ!」

それは食べ物に擬態した新たな侵略者だった。俺は激痛を堪えながら一匹ずつ握りつぶしゴミ箱に投げ入れた。

「もう一生出てくるなよ!」

新手を殲滅したのも束の間、またリビングから奇妙な音が流れ出した。

「やっかいなやつがまた目覚めたのか」

俺は恐る恐るリビングに戻った。UFOと名付けたそれは轟音を鳴り響かせていた。

「何度叩いても鳴りやまねえ! こうなったらやけだ! オーバーヘッド!」

おれはUFOの巨体を持ち上げ右足で強烈な一撃をお見舞いした。UFOは頭から板の間に激突し、ついに音を鳴らさなくなった。

「やった! ついに息の根を止めたぞ! 俺TUEEE!」

俺は勝利に喜び自分に拍手を送った。そして俺の勝利を祝うかのように母が訪れ、死んだ耳長白魔人を片手にこう言ったのだ。

「あははは。すっごい笑顔ね、かずまくん。そんなにこのうさぎさんと遊ぶのが楽しかったの? そうだ。もうおやつの時間だからミルク作るわね!」

俺はバンボに座り、勝利の『美乳』に酔いしれ、また深い眠りへと沈んでいった。

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