プロローグ
比較的に読みやすいように、文字数等々考えながら書いています。
小説よりも漫画に近い感覚で楽しんでもらえるとうれしいです。
世界から謎が消えたのはいつからだっただろう。
モアイ像やナスカの地上絵。
アトランティス、宇宙。
数え切れないほどの謎がこの世界には満ちていた。
そんなあらゆる疑問は科学力という人間の作り出した、作り出してしまったものによって消え去った。
だが2050年、大きな地震と共に突然現れた大きな島。
科学の発展と共に消えてしまった天然の樹木に囲まれた異形の島。
謎に包まれたソレに喜びの声をあげたのは冒険家たちだった。
その島へと導かれ、そしてある物を発見する。
ここ最近の科学力では大して珍しくもない、ホログラムシステムを搭載した携帯型PCだった。
しかし、そこに映し出された人物は言った。
『歴史的実験を行います。
この場所ではありとあらゆる超能力が発現します。
そしてここにとあるモノを用意しました。
それを手にした者の人生はきっと素晴らしいものとなるでしょう』
震えた。
その場にいた冒険家たちは皆一同に体を震わせ、歓喜する。
本当かどうかは分からない。
けれども、謎の消え去った世界ではそれが心地よかった。
あの島が現れたことによって世界に再び謎が産まれた。
産声を上げたその謎は発達した科学力でさえ、解けることはなかった。
それからというもの、人々はその島へと向かった。
人は殺到した。
しかし、その島にはある制限が設けられていた。
島に入れるのは100人まで。
100人になった時点で謎の壁に阻まれる。
そして再び入れるようになるには人数が減ることが条件。
つまり、島から誰かが出るまで次の人は入れない。
──なんて、誰もがそんな生易しいことを考えていた。
きっかけは軽いものだった。
ある探検家が島に入ったは良いが忘れ物をしていたことに気づき、一歩島を出た瞬間に変化は起こった。
その探検家は急にその場で苦しみ始め、そして右腕が吹き飛んだ。
彼はすぐに船を乗り継ぎ救急車へと乗せられた。
そこから何の気なしに島から出ていく人が現れる。
その人たちは出た瞬間に全員倒れ、そして身体の一部がなくなっていた。
内蔵から四肢までランダムに選ばれた一部。
心臓や脳をなくす人も──。
そこで世界は気づく。
理屈は分からない。でも一度入ったが最後、出ることは許されないのだと。
それでも、それを分かっていながらそこに入って行く者はいた。
真実かどうかも分からないとあるモノ目当てに。
そして本当に発現する超能力。
手から火を出せる者。
雷を降らすこ とができる者。
宙に浮く者。
あらゆる物を透視できる者。
多種多様にそれは発現する。
島から出ることの出来ない環境のせいか、とあるモノが欲しいためか。
それとも──そう決まっていたのか。
やがてその超能力により争いが始まった。
それにより死亡者が出、100人から数が減り、また増える。
そんなことを繰り返して数年が経っても、とあるモノは見つかることは無かった。
そうしてそこに踏み入る物好きは減っていった。
未だ残る謎を残して。
そんな島は世界からこう呼ばれた。
最後の謎と──。