初めての夜、最期の日
始まりの日
二人で初めて歩く夜
最期の日
誰もが一人で歩かなければならない道
銅、ストロンチウム、リチウム、マグネシウム、コバルト――――
地下深くから掘り出して精錬した鮮やかな金属を
香り立つまで粉砕して厳密に計量し
月の光の満ちる静謐な小部屋で黒い火薬と調合する
華やかに咲き開く花の姿を思い描いて
最初の詩のときめきのように
歓喜、陶酔、不安、嫉妬、絶望、そして少しの希望――――
心の奥深くから掘り出した鮮やかな感情を
香り立つまで抱き締めて蒸留し
月の光に映える白い机で碧いインクと混合する
様々な嘘とただ一つの真実を思い返して
あなたへの最後の詩のために