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奪われた日常~広がるゾンビ達の狂気~  作者: オリオン
2日目、安全地帯を求めて
9/30

2階からの逃走

「あぁ・・・」

「くぅ! さっきまで3体しかいなかったのに、何処からこんなに!」


さっきまで3体しかいなかったのに、あの部屋から出たらゾンビ達が10体以上も出てきた。

この状況、かなり不味いよ・・・


「わ、私のせいで・・・」

「大丈夫よ! 気にしないで! 私が道を作る!」


そう言うと、久美ちゃんは左から来ているゾンビ達に突撃していった。

でも、ゾンビの数が多い・・・1人で何とか出来る数じゃないよ!


「久美ちゃん! 私も手伝う!」


私はあの部屋に置いてあった商品棚の足を無理矢理引きちぎって、道具にした。


「よし!」

「え!? 晴先輩、そんなに力あるんですか!?」

「私はあまり力無いよ?」

「い、いや、でもさっき・・・商品棚の足を!」

「きっと着脱式だったんだよ! そんな事より速く助けないと!」


私はその足を握りしめ、久美ちゃんの方に走っていった。

そして、ゾンビ達を久美ちゃんと協力して、何とか退けた。


「よし!・・・それにしても晴、その棒どうしたの?」

「商品棚の足を取ってきたんだ!」

「そ、そうなの・・・」


そういえば、この商品棚の足、何だか先端が変な風に歪んでるような・・・

殴ったときに歪んじゃったのかな・・・うん、きっとそうだね。


「うん、細いから折れちゃうかと思ったけど、折れなくて良かったよ!」

「あぁ、そうね、かなり歪んじゃってるけど・・・」

「さぁ! 速くこっちの方から上に行こう!」

「うん!」


私達はゾンビを退けた方向に逃げた、そして、しばらくの間周囲を探していると、階段を見つけた。


「よし、上りますよ!」

「はい!」


私達は急いでその階段を上り、3階まで逃げた。

そこにはあまりゾンビはいないようで、何だか安心出来る場所だった。

それに、色んな服が置いてあって、これなら着替えとかも出来そうだ。


「よし、急いでここにバリケードを建てよう!」

「うん、分かった!」


そして、私達は周囲にあった机とかを集め、何時間も掛けて階段にバリケードを作った。

これでゾンビは上がって来れないはず・・・でも、階段はここだけじゃないし、急いで探して塞がないと!


「急いで別の階段も探しますよ!」

「分かりました!」


私達は全員で色んな場所を回って、階段にバリケードを作った。

まさかバリケードを作るためだけに丸1日潰すなんて思わなかったよ。


「はぁ、や、やっと終わった?」

「そうだね、多分もう終わりだよ」

「とりあえず、下の階に続く階段だけはバリケードを張ったけど・・・

 上の階の方も張った方が良いのかな?」

「そこは大丈夫だと思う、階段が苦手なら、上の階には居ないだろうし」

「そうだよね」


とりあえず、かなりムラがあるけど、これで安全な場所は確保できた。

後は助けが来るのを待つだけだね。

でも、その間私達は生き残れるかな・・・不安だよ。


「晴、随分と暗い顔をしてるけど、大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ、ちょっと安心しただけ」

「そう、なら良かったわ」

「とにかく、安全な場所が確保できて良かったですね・・・これで安心して!」


そう言うと、桃ちゃんは何でか知らないけど、地面に寝転んだ。


「どうしたの?」

「さぁ! 私を踏んづけてください!」

「・・・・・・やっぱ、あなたって馬鹿よね」

「ぐはぁ! こ、言葉責め! 良いです! それでも構いません!」


安全だと分かった途端、桃ちゃんは初めて会ったときと同じ様になった。

この子は真剣な時には真剣なのに、駄目なときは駄目なんだなぁ・・・

ある意味尊敬しちゃうよ、こんなに自分のスイッチを切り替えるのが上手いんだからさ。


「平常運転ですね、でも、中々に面白い子です」

「先生、どう見ても危ない子でしょう? この子は」

「あはは、さっきまで悲しかったけど、この人を見てたら、笑っちゃったよ!」


さっきまでずっと悲しそうな表情をしていた真由美ちゃんが笑った。

桃ちゃん、ムードメーカーなのかもなぁ・・・あはは。


「まぁ、桃の事は放って追いて、私は着替えたいかな・・・」

「そうですね、かなり汚れちゃってますし・・・」

「お金は払った方が良いのかな?」

「お金は・・・まぁ、払っておきましょう、こんな状況ではお金なんて意味がありませんからね」

「そうですね、それに、お金を払った方が、気持ち的には良いですし」

「はい、そうですよ」


そして、私達はこの階にある服を見る事にした。

もの凄く汚れちゃってる学生服だし、着替えないとね・・・

それにしても、何処かに洗濯物が出来る場所、ないかなぁ・・・

下着とかもお気に入りだし、洗いたいんだけど・・・はぁ。

でも、ソーラーパネルがあって、電気も使えるはずだし、何処かに洗濯機もあるはずだよね!

服を買ったら、今度は洗濯機を探すことにしよう! そういえば、お水、どうしようかな・・・


「うぅ・・・お水、どうしよう・・・」

「そうですね・・・あ、どうやらその心配はないみたいです」

「どういうことですか?」

「これを見てください、どうやら今日はこのデパートはサバイバルグッズを特別に展示していた

 見たいですよ、ここに貼ってあるチラシに書いてありますし」


確かに、そこには本日5階で、サバイバルグッズ特別展示! 備えあれば憂い無し!

と言う風に書いてあって、その下にサバイバル道具の写真が貼ってあった。

うん、確かにこれなら大丈夫かも! 結構運が良いかもしれない!

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