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奪われた日常~広がるゾンビ達の狂気~  作者: オリオン
1日目、安全の崩壊
5/30

ゾンビから逃げろ!

ゾンビに噛まれたのに、皆は私と同じ車に乗っている・・・

何でだろう・・・拘束はしているけど、この状態ならまだ動くことは出来る。

なのに、久美ちゃんは、私に寄りかかって眠ってる・・・

もしも、私がゾンビになったら噛まれちゃうのに・・・


「久美ちゃん、起きてよ、私から離れた方が良いって」


だけど、久美ちゃんは起きそうに無い、怖くないのかな?


「久美ちゃん!」

「・・・起こさないでよ」

「起きてよ、こんな近くに居たら、私がゾンビになった時に噛まれちゃうよ?」

「大丈夫だって・・・もう30分もそのままだし」


車で移動し始めて、もう30分も経つんだ・・・だけど、私はゾンビになる気配はない。

むしろ、若干調子が良いくらいだ・・・おかしい、どうなってるんだろう?


「でも、私の発症が遅いだけって言う可能性もあるよ?」

「その時が来たら・・・うん、覚悟はしている」


久美ちゃんは悲しそうな表情をして、座った。

その時に、私はチラッと前を見てみた、そこには沢山のゾンビの群れが歩いていた。


「先生!」

「こんなに!」


先生は素早くブレーキをして、その道を何とか曲がることに成功した。

あ、あんな中に突っ込んだら、車が壊れてたかもしれない・・・


「はぁ、はぁ、うわ!」

「きゃぁ!」


でも、曲がった方向にも沢山のゾンビがいた。

先生はそのゾンビ達を何とか避けながら、車を進めていった。

だけど、数が多い、何体かのゾンビを轢いて、その度に強い衝撃が車を襲った。


「こ、こんな場所で止まらないでよね!」

「先生! 前が見えないですよ!」

「分かってます!」


先生がそう言い、ワイパーでその窓を拭き、すぐ目の前には壊れた車が止まっていた!


「うわぁ!」

「く! 何かに捕まってくださいね!」

「ひゃわぁ!」


先生は、さっきと同じ様にブレーキを素早く踏み、ハンドルを素早く切った。

その時に、もの凄い勢いで引っ張られた。

ただ、その甲斐あって、先生の車は目の前の車を回避し、何とか事故を回避した。


「はぁ、はぁ」

「せ、先生! 早く走らせないと!」

「分かってますけど、無茶させすぎたようで、車が走らないんですよ!」

「そんな! ゾンビの群れが迫ってるのに!」

「仕方ありません! この車を捨てます!」

「え!?」

「急いで近くの建物の中に逃げましょう!」


先生の指示通りに動くしか無い、だけど、私は今は拘束されてる状態だから、動けない。


「晴! 待ってて!」

「久美ちゃん・・・私は良いから、速く逃げてよ!」

「あなたを見捨てるわけ無いでしょ!」

「久美さん! ハサミがあります! それで速く晴さんの拘束を切って下さい!」

「先生まで!?」

「私はあの建物の中に何もいないことを確認しに行きます!」

「はい!」


桃ちゃんは車から出て、隣の建物の扉を開け、中を確認したようだ。

その結果、建物の中にはゾンビはいないようだった。


「よし! 晴の拘束を取れた!」

「急いで!」

「でも!」

「良いから! 私達を心配するなら、さっさと動く!」

「わ、分かったよ」


私は久美ちゃんと先生に引っ張られて、車から出て、建物の中に入っていった。

何とか中に入ったは良いけど、中は真っ暗。


「暗いですね」

「懐中電灯があります、これでいいでしょう」

「いつの間に用意したんですか?」

「車に1つあったんですよ、準備をしていてよかったです」

「そうですか」


そして、先生は懐中電灯を点け、私達はその光を頼りに、この建物を探すことにした。

でも、その前にバリケードを作っておかないと。


「まずは急いでバリケードを作らないと行けませんね」

「そうですね」


そして、私達は全員で協力して、何とかバリケードを完成させた。

その間、何度か扉を叩かれたけど、開けることは出来なかったみたいだ。

この扉が押すじゃ無くて、引くでよかったよ。


「よし、これで良いですね、それでは、この建物を探してみましょう」

「はい」


そして、私達はこのくらい建物の中を探索することにした。

暗いし、足下に注意しながら探さないと、転けちゃうよね・・・うん。


「それにしても、ここはなんなんでしょうね」

「さぁ? 私もこっちには普段来ませんから、この建物がどんな場所なのかは分かりません」

「そうなんですか、じゃあ、何があるかも分からないんですね」

「そうなりますね、まぁ、警戒しながら進みましょう」

「はい」


場所が分からなくても、ここは人が住んでいた場所だし、大丈夫だよね。

迷わないように注意しながら、色んな場所を探していこうかな。

それにしても、もう1時間くらいは経つのに、私の体に変化はない。

どうしてか分からないけど・・・もしかしたら、私を噛んだゾンビは入れ歯だったとか?

うん、そうかも知れない、と言うか、そういうことにしよう。

でも、もしも体に違和感を感じたら、すぐに皆に言わないとね。

皆を襲いたくないし・・・さて、後ろ向きなことばかり考えいないで、今はこの建物を探索しようか。

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