痛々しい姿
晴を見付けた、晴はものすごく辛そうな顔でベットに寝かされていた・・・
どうして、どうしてこんな酷いことになったの? どうして・・・
「晴・・・どうして・・・」
「・・・わ、私が悪いんです・・・私が、弱かったから、晴先輩は・・・」
「あの状況でもしも君が強ければ、君は死んでいたと思うよ、ゾンビの量から考えてね」
どんな状況だったのか、それを私はまだ桃から聞いてはいない。
何だか聞くのが怖かったから・・・何でそう思うのかは分からない。
でも、もしも、桃に聞いて、あのゾンビ達を晴がやった何て聞かされたら。
私は良い、私は晴がどんな風になっても、ずっと晴を守るって決めているから。
でも、先生は? 真由美ちゃんは? 桃は? そこの生存者は?
もしも、そんな事を聞かされたら、先生も、真由美ちゃんも、あの生存者も
晴を化け物なんて呼ぶかも知れない・・・そんなのは聞きたくない。
「・・・よく、助かったわね、運が良よかったわね、2人とも・・・」
「どうやって助かったか、聞かないんですか?」
「あ、あれでしょう? きっと、地面を壊して逃げたとか、そ、そういう感じで・・・」
「久美先輩、本当は分かってるんですよね、その上でそんな冗談を」
確かに分かってる・・・あのゾンビの亡骸の数々を見れば分かる。
晴か桃があれだけのゾンビを粉砕した・・・でも、桃はやってない。
そんな力が桃にあるわけない・・・あんな人間離れした力を・・・
でも、でも、晴なら出来る・・・今までスルーしていたけど、当たり前の様に
硬い椅子の脚を折って武器にしたりしていた物・・・
「・・・分かってるわよ、そんなの・・・晴でしょう? 晴がやったんでしょ」
「・・・はい、ものすごい力で、ゾンビの群れを粉砕していました・・・」
「晴さんに、そんな力が!?」
「晴姉ちゃんはひ弱だって言ってたよ?」
「人間に出来る芸当じゃ無いよね、あれは、もしも、この子がやったって言うなら、この子は」
私は隣の生存者の女の人がそこまでいって、すぐに反応してしまい
生存者の人を壁に叩き付け、壁に思いっきり手を当てた。
「何さ」
「・・・それ以上言うな、晴の前で、私の前で! これ以上!」
「何があったか知らないけど、泣くこと無いじゃないか」
「うるさい・・・もう、聞きたくないの! 晴を貶す言葉なんか・・・!」
この状況で、この人が次に言う言葉なんか、簡単に想像できる・・・
晴が聞いたら、あの子がどれだけショックを受けるか・・・だから、聞きたくない!
「はぁ、貶さないって」
「え?」
「この子は人間よ、ただ、人間の限界軽く超えた力が出てしまうね」
「ど、どういう・・・」
「この子の腕をよく見なさいな」
私はこの人が言うとおりに、晴の腕を見てみた。
腕には包帯が巻かれていて、色んな場所が赤くなっている。
「包帯しか見えない」
「まぁ、そうだろうね、じゃあ、次、この子は何カ所か腕を噛まれていた、だけどその場所は2箇所」
「2箇所? ど、どういうこと?」
「右腕を1箇所、左腕を1箇所噛まれていた、さぁ、推理して」
右腕は1箇所? そ、そんなはずは無い! だって、足の包帯にも血が付いてるし
右腕だって、1箇所だけな分けがない! だって、色んな所が赤くなってるんだから。
「1箇所な筈が無い! 足だって血が付いてるのよ!?」
「そう、噛まれて怪我をした場所は2箇所何に、そこ以外で血が出ている・・・
まぁ、答えを言うとね、何カ所も破れて血が出ていたのよね」
「そ、それはどういう意味なのですか?」
「この子は、体は人間なんだでも、筋力が明らかにおかしい
本来の限界以上の力を使ったからなのか、体が悲鳴を上げている
ゾンビならこうはならない、体もゾンビだから、悲鳴を上げることが無いからね
そもそも、ゾンビは身体能力が高くないし、皮膚も腐ってるけど」
よく分からないけど・・・晴は体の限界を超えるくらいに力が出てしまうって事?
「多分、彼女はゆっくりと浸食されているのよ、でも、腐敗はしていない
だけど、このままだと不味いのは確かだと思う」
「ど、どうすれば助かるの!?」
「それが分かれば彼女はもう治ってるよ」
とにかく、急いで晴を助ける方法を探さないと駄目って事かな・・・
「ねぇ、あなた達に質問があるの」
「な、何でしょうか?」
「今まで彼女の行動で、おかしなな所は? あると言うなら具体的に教えて」
今までの晴の行動でおかしな所・・・晴が見たって言う悪夢しか、私には思い浮かばない。
「結構前に、晴が凄い怖い悪夢を見たって言ってた」
「最近で私が覚えているのは、晴先輩が暴走して、男の人を殺すって言ってたのと
周りからゾンビ呼ばわりされていたときも、少しだけ自我が壊れそうになっていたのと
ゾンビに囲まれたときに、殺すって連呼していたことです・・・私も攻撃されそうになりました」
「そ、そうなの!?」
「はい、でも、必死に呼びかけたら、何とか止まってくれましたよ」
私が・・・私が眠ってた間に・・・そんな、そんな辛いことを・・・晴!
私はあなたを守るって言ったのに、守れてないじゃない!
私の馬鹿! 馬鹿! 何で、そんな時に寝てるのよ!
「正確に時間を教えてくれない?」
「悪夢は10日ほど前・・・」
「私が言ったのは今日の事です」
「・・・そうか、確実に侵食されているようだ、でも、自我はあるんだな
でも、このままだと近いうちに・・・完全に自我を失って、暴走する可能性も否定できない
そうなったら、流石に助けることは難しい気がするね」
「そうだとしても、私は見捨てないわよ?」
「死ぬよ? それでもいると? ただの友人のためにそこまで?」
「ただの友人じゃ無いからするの、そもそも、友人を見捨てるなんてクソ食らえよ」
「汚い言葉を使う・・・じゃあ、その友人を救うために頭を悩ませてみなよ」
「分かってる、当然!」
「じゃあ、質問・・・彼女の生活でおかしな所は?」
え? おかしな所? 晴の生活で? そんなの合ったかなぁ・・・
「う、うーん・・・」
「何か思い出したら教えてね、それは私が1番知りたいところだから」
「え、えぇ、なんで知りたいのか分からないけど、思い出してみるわ」
何でおかしなとことを知りたいのか、分からないけど・・・頭を悩ませよう。
これが晴を救う手段だというなら、私の頭の血管が切れようと意地でも思い出してやるわ!




