世界が壊れ始めた音
今回はゾンビホラー小説を書くことにしました、異世界物が多い今
少しくらいはこういった別ジャンルを書いても良いかもしれないと感じ他ので。
別に主人公には特別な力はありません。
ただ、非常に運が悪いだけです、でも、彼女も少しは運が良いですよ。
学校、いつもみたいに静かな昼下がり。
外は青い空が広がってて、とても綺麗だなぁ。
勉強なんて正直分からないけど、こう言う景色を見ていると良いなぁって思うよ。
「晴さん! ちゃんと黒板を見なさい!」
「あぁ! はい! す、すみません!」
あはは、また怒られちゃったよ、いっつもこんな感じで怒られちゃうんだよね。
それに、いつも皆笑わせちゃうし。
そして、その授業が終わった休憩時間、私にとっては楽園だよ。
「うへぇ~」
「晴、小学校から変わらないわね、そのくせ」
「ん? あぁ、久美ちゃん」
私はいつも久美ちゃんに怒られちゃうんだよね~、ダラダラしすぎだって。
「癖ってさぁ、ただ背伸びしてるだけじゃんかぁ」
「机に顔を付けてね、はたから見たらそれかなり変な行動よ?」
「そうなの? 自分で見たことがないから分からないかも」
「まぁ、自分の行動なんて見えないからね」
「そうだよ」
そんな会話をしていると、普段は流れない校内放送が流れた。
「皆さん! 学校に不審者が侵入してきました!」
「不審者? 今日避難訓練あったっけ?」
「ん~? もしかしたらこう言うときに対処できるように不意打ち訓練とかじゃないかなぁ?」
「そうよね、いちいち学校に侵入してくる必要なんて無いし」
でも、あの放送の声はかなり切羽詰まっていた、これが演技だったら
放送を流している人は才能があるね、女優さんとかの。
「担任の指示に従い行動してください!」
私達は担任の先生の指示に従い、一列に並んだ。
そして、急いで外に逃げようとした時だった。
ドン! と言う何かが思いっきり激突するような音が外から聞えてきた。
「な、何!?」
「外からだ!」
私達は先生の指示に従わず、外を凝視してみた。
そして、校門の外で車が思いっきり激突しているのが分かった。
「事故!?」
「い、急いで救急車を!」
「で、電話を!」
「あなた達! 先生の指示に従ってください!」
「わ、分かってますけど!」
そして、私は急いで携帯電話を鞄から取りだし、救急車に連絡しようとした。
だけど、携帯電話が繋がらない!
「ど、どういうこと!?」
「あ! あれ!」
生徒の誰かが大きな声でそう叫んだ、すると、事故に遭ったはずの車から人が出てきた。
どうやら生きてたみたいだ、でも、血の量がすごい、これじゃあ、死んじゃうかも知れない!
「急いで助けないと!」
私は間に合わないだろうと思ったけど、もしかしたらと思い、走り出そうとした。
しかし、私が少しだけ走ると、背中を誰かに掴まれた。
「何!?」
「だ、駄目、行っちゃ駄目よ!」
私の背中を掴んだのは久美ちゃんだった、久美ちゃんはすごく動揺した表情でそう言った。
「なんで!? あの人死んじゃうよ!」
「ば、馬鹿、良く見なさい、あの人の足・・・」
「へ?」
私は久美ちゃんに言われたとおり、その人の足を見てみた。
最初はよく分からなかったけど、よく見ると、その人の足は反対を向いていた。
普通、人がこっちに歩くとしたら、つま先がこっちに見えるはずなのに・・・
でも、あの人はかかとをこっちに向けて歩いてきた。
「え・・・え!? な、なんで!? どうして!?」
「そ、それだけじゃ無い、よく見たら分かるけど、あの人の服、逆さまだ」
久美ちゃんにそう言われ、もう一度よく見てみた、確かに後ろ前が逆のように見える・・・
「で、でももしかしたら、ああいう感じの服なんじゃ!」
「そ、そうだと良いけど、あの人、明らかにおかしい」
男はゆっくりと校舎の方に近寄ってきている。
そして、ある程度近寄ったときに、分かった、あの人は白目を剥いている。
「っ!」
「きゃぁーー!!」
私がその事を認識した直後に、同じ生徒の皆が大声を上げた。
皆も分かったんだ、あの人は間違いなくおかしい!
「皆さん! 冷静に! 先生の指示に従ってください!」
「きゃー!」
先生は必死に生徒を落ち着かせようとしている様だけど、皆冷静さを失っている。
私だって冷静じゃ無い、皆みたいに大声で叫んで逃げたい!
「あ・・・あぁ・・・」
「落ち着いて、私もいるって」
「く、久美ちゃん・・・」
私は久美ちゃんに手をしっかりと握られている。
「皆さん!」
周りを見てみると、皆は何処かに行ってしまった、残ったのは私と久美ちゃんと先生だけだった。
「速く他の子達も追いかけないと、でも、今はあなた達を安全な場所に連れて行きます!」
「え、で、でも・・・他の皆は・・・」
「出来るだけ速く合流したいので、急いで付いてきてください!」
「は、はい!」
そして、私と久美ちゃんは先生の誘導に従い、急いで職員室に連れて行かれた。
本来はこう言うとき、体育館に避難するように言われているけど、グラウンドに
変な不審者がいる状況で外に出るのは危ないからここなんだ。
「それでは先生は他の子の救助に!」
「待ってください、加賀先生、あなたはここでこの子達を」
「どうしてですか! 急がないと私の生徒があの不審者に!」
「他の生徒達は他の先生方が捜索しております、それに、誰かがここで生徒を守らないと
もしもの時、誰も生徒を救えません」
「そ、そうですけど・・・」
「せめて教員は2人ほど残らないといけない、そうじゃないと対処のしようがありません」
「わ、分かりました」
先生はどうやらここに残るみたい、でも、他の子達は本当に大丈夫かな・・・
私も探しに行きたいけど、私じゃ足手まとい、すぐに驚いて動けなくなっちゃうよ。
先生達の手を煩わせないようにするには、私はここで待っておくしかないのかな・・・