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第96話『まだ終わらないレンの魔法講座』

内容はそんなに大した事無いでしょうが、ちょっと長め……な筈。

言う程は長く無いかな?。



 菊次郎爺さんの気を併用した魔力弾の打ち出し方披露で若干逸れていたが、研究しようにも現時点で気を使える者が菊次郎爺さん以外に存在しない上に魔法と直接関係しない事もあってか、レンが短時間で元の話に戻って来た。



「……ん……まずは……一般的な魔法を教える……初心者は属性魔法までは使えないから……単純なモノからやる……」


 お手本のつもりなのか、レンが魔力弾を浮かべ目の前に小さめの文字魔法による魔方陣を作り出した。


「……属性魔法が使えなくても……元々個人の魔力には……特定の属性に近い性質がある…………最初は自分の属性でやると使いやすい……」


 浮かべた魔力弾を魔方陣に向けて放つと、丸い形状が変化して薄い半月状になって飛んで行き、的に命中すると一直線に切り込みが出来た。


「……今のは……文字魔法で斬撃と射出を強化した……こうやって属性魔法も加えると……」


 レンが再度魔力弾を浮かべるが、今度は濃い緑色になっていた。

 同じ様に魔方陣に向けて魔力弾を放つと、魔方陣を通った魔力弾は殆ど目に見えなくなり、気が付いた時には的が真っ二つになって地面に落ちていた。


「……使った魔力量は一緒……でも属性が濃いから物質に対する干渉力が増した……風だと速度も上がる……」


 今度は緑色の魔力弾を薄い半月状にして浮かべ始めた。


「……風の刃を例にすると……事前に近い形状にしておけば……斬撃の為に最適な形状へ変化させる魔力の余分な消費が抑えられる……そうすると減った分は切断力に回されて……切れ味が上がる……」


 半月状の魔力弾を魔方陣に向けて放つと、的を真っ二つにするだけでなく、的の向こう側にまで飛んで行って地面に切れ目が出来上がった。



「……魔力は相当な濃度まで濃縮しないと……物質への干渉力は余り高く無い……同じ量なら……武器に付加したり……文字魔法で方向性を定めた方が威力が高くなる……属性魔法でも干渉力は上がる……」


 俺の使ってる魔力弾はあれでも威力が低いらしい。

 と言うか、単純に魔力量頼りの破壊力なんだろう……いや、俺の属性光っぽいから属性魔法でも威力が上がるのか微妙な気はするけど。


 光の玉じゃ物理的な攻撃力上がりそうにないが、熱量を持つ程の光量なら……文字魔法でやるなら集束で行けるか? 。



「……広範囲魔法は文字魔法の特性上難しい……威力が下がるから大抵対象を複数に指定する方法を取る……でもその分複雑な魔方陣を文字魔法で作る必要がある……」


 あぁ、確かに使用する魔力を直接じゃなく間接的に流し込む必要がある文字魔法では、作った魔方陣の大きさに収まる分しか使えそうに無いし。

 起点は使用者から余り離れた所に出来ず、出来て事前に設置する地雷や時限式が出来る可能性がある位な気がする。


 故に広範囲系の魔法は、対象を複数指定する類いであったり放射系ならばまだしも、広範囲に広げる事は難しいんだろう。


 と言うか、単純に魔力量が無駄に必要だから無駄な消費を抑えた結果とも言える。

 やろうと思えば使用者を中心にした類いであれば、恐らく存在しても不思議じゃないけど、広げた分の魔力を消費する割に威力が低くなると言う理由もあるんだろう。



 ちなみに俺が使った圧縮魔力弾は、感覚的に低く見積もって数百は使ってると思われるし、巨大ロボっぽい奴に使った魔力レーザー的な圧縮魔力弾なんて最低でも数千、下手すると万単位は使ってる……と思う。

 どんだけ魔力量頼りのゴリ押しなのか露骨に分かる話だ。


 ちなみに変身無しの通常時に使う圧縮魔力弾は半分にも満たない感覚なので、恐らく百に届かない位だろう。


 つまり普通の時に使う圧縮魔力弾でさえミーシャの半分程、変身時であればレンの半分位は消費し、魔力レーザーなんてレン数人分、ギュンターや魔装具無しの女王でさえ個人では使えないレベルの消費である。


 どんだけ魔力量任せのゴリ押しなのか露骨に分かる内容だ。



「……基本属性は余り広範囲に向いてない……消費が激しいし……威力が分散されて効果が落ちる……例外は複合属性位……」


 まぁ、全部範囲を広げれば広げるだけ威力が落ちるよね。

 火は火力が下がるし、風は風圧が落ち、水は水量=魔力量だろうし、土は質量か影響力が魔力量次第? 。


 多分威力を下げずに消費に見合う効果を出すには、炸裂弾みたいに着弾点を中心に効果範囲を広げる類いか、幅を広げて直線上に攻撃する方法位じゃないかな。


「……複合属性は……水と風で氷属性……風と土で雷属性……土と火で溶属性……水と火で蒸属性……この4つが基本……全部広範囲に広げ易い……」


 広げ易いと言うより単体に使うのに向いてないと言う印象な気がする。

 氷属性は小規模だと土で石を飛ばすのと大差無いし、雷属性は元々電圧が高ければ通電範囲が広い、溶属性……火と土なら溶岩みたいなものだから質量次第だけど単体攻撃用と言った感じでは無い。

 蒸属性だけ何か微妙な印象があるけど、効果時間が短そうなだけで普通に広範囲用っぽい。



「……雷属性なら手本を見せられる……複合属性は先に文字魔法を作っておく……そしてこうやって……」


 目の前に魔方陣を作り出すと、両手にそれぞれ緑色の魔力と黄色の魔力を纏わせ魔方陣に向けて両手を突き出した。



 魔方陣からバチバチと放電する音が聞こえ始め、魔方陣の中心から耳が痛くなりそうな程の落雷の音と共に雷が迸り的に向かって一直線に閃光が走った。





 あ、何か見た事あると思ったら巨大ロボの時の掩護攻撃の一つや。

 いや、轟音と閃光で見えないし聞こえないけど。

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