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第93話『魔素で作った魔力弾』



「コレ混ざんないし、気持ち悪いわね」


 ミーシャが斑模様の魔力弾を見つめながら、ぐにゃぐにゃと斑模様を動かしていたが、途中で止めて目頭を押えつつ呟いていた。


 確かに直視していると気分が悪くなりそうな程、色彩豊かなのに目に悪そうな色合いだ。



「……これが火……水に……土で……風……光に闇……この穴抜け部分が無属性なら……残った色が謎の要素である八番目の属性……?」


 いつの間にかレンが、間近でカラフルな魔力弾を観察していた。


 ミーシャの手の平に浮かぶ魔力弾は、赤・青・緑・茶・白・黒の六色に無属性らしき透明の部分と黒っぽい灰色の八色で構成されている。


 単体では黒っぽかったが、闇属性の黒と比べると謎の要素の部分は若干灰色寄りらしい。



「ところで、コレってどうすればいい訳? 適当な所に向けて試し撃ちした方がいいの? 結構維持しとくの気を使うんだけど」


「……出来れば試射して欲しい……でも、どんな結果になるか未知数……こんな所でやるのは危険……」


「見た目は儂が作った魔力と気の混合に似とるが、こんなに数多く混ざっとると、どうなるか分からんの」


 確かに、混ざらずに反発した場合はクレイモアの様に周囲に散乱する可能性があるし、単純に崩壊して大した威力も無く消える場合も考えられる。

 前者だった場合は微妙に危ないよな、そんなに被害が出そうな訳じゃないけど、弾ける勢い次第ではちょっと危ないかも知れない。


「どんな感じか想像出来ないから、場所を変えた方がいいんだろうけど、そんな場所あるのか? 出来れば的もあった方が良さそうだけど、ついでに周囲に人が居なさそうな場所」


「すぐに使えそうな所なんて無いわよ、学園の施設は申請が必要で今すぐ使える訳じゃ無いし……とりあえずコレは消していいわよね?」



 ミーシャの言葉を聞いて、一番興味津々だったレンを見ると、若干悩んだ末に僅かに名残惜しげにしつつも、ミーシャに向けて首を縦に振ってみせた。



 ミーシャが魔力弾を浮かべている手の平を握ると、霧散する様に消えていった。

 そして、消えて行くソレを見て咄嗟に『ぁ……』と声を漏らしたレン。

 どんだけ名残惜しかったんだ。




 その後すぐに、レンは自分の立場をフルに使って学園内の施設を使える様に交渉していた。

 どんだけ見たいんだアンタは。







 借りれた場所は魔法実習室、城にある練習場と比べると小以上中未満位の広さで、的として案山子っぽい人形が設置されていた。

 複数人で使えそうな広さの割に、使用している人は居ないらしく、何処にも人影は見当たらない。


「……ここなら大丈夫な筈……早速やってみて欲しい……」


 着いて早々にレンがミーシャを急かしながら詰め寄る様に接近しつつ、言葉を発した。

 レンの表情に大きな変化は無いが、目が爛々と輝いている。

 だから、どんだけ楽しみにしてんだよ。



「分かったわよ、分かったから少し離れなさいよ、近いしちょっと怖いわよ」


 レンが離れるのを確認してから、ミーシャが魔素で出来た魔力弾を作り始めた。




「あっ……普通に飛ばすと維持し切れないじゃないっ! またやり直しよっ!」


 ミーシャが作った魔力弾を飛ばすと、途中で溶ける様に消えて行った。

 球体を維持した状態で飛ばすのが難しいらしい。


「有線式で魔力を紐状にして繋げてれば、多分維持しながら飛ばせるんじゃないか? ちょっと見た目悪いけど」


「紐状って……それはそれで手間が掛かりそうね、でもそっちの方が早いか……」


 若干嫌そうな表情をしたが、その方がすぐに出来そうだと判断したのか、すぐに魔力弾を作り直し始めた。





 魔力弾が完成して、的目掛けて魔力弾を飛ばすと、糸を引く様に……と言うか実際糸状の魔力に繋がった状態の魔力弾がそれなりの速さで飛んでいく。


「コレなら何とか維持したまま飛ばせそうね」






 そして、魔力弾が的に命中すると……。









 当たってすぐに、魔力弾は音を発する事無く静かに消え失せ当たった箇所は抉れ、的が球状に掻き消えていた。


 何ぞコレ……。

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