第92話『才能と素質は別物』
明けましておめでとう御座います。
日曜の夜に更新する目標で書いてるから今年最初の更新が元旦になりました。
まぁ、今年は特にする事も無く余り気を使う必要がある状況でも無かったので、普通に予定時間通りに投稿出来ました。
魔素を割とあっさり使いこなし始めたミーシャに気付いたレンが、食い入る様に質問を重ね始めた。
ミーシャが言うには、恐らく魔素は七種の属性に加えて謎の要素が混じった感じの魔力で構成されてる感覚らしい。
ミーシャは火属性で、火属性の部分はあっさり取り込め、水属性は反発するがそれ以外の属性は多少差はあるが取り込めそうな感じなんだとか。
水属性以外にも取り込めそうに無い部分がある様だが、既存の七種の属性のどれでも無く、上位属性とも思えぬ感じであり未知の要素で反属性故の反発では無く、根本的に異物の様に混ざる気がしない部分があるらしい。
魔素を体内で循環させると、まず自分と同じ属性がすぐに魔力として混ざり、体内を一巡りさせると半分程が馴染み残り半分の内、水属性が反発により暴れ始めるので一巡りで排出、二巡りさせると残りも大半が馴染むが一部反発もせず全く馴染まない魔素が残るらしい。
最終的に反発しないが全然馴染まない魔素を取り出すと、七割程魔素を魔力として吸収出来るそうだ。
割合としては反属性が一割程、謎の要素が二割、自分の属性が一割程。
そして残り六割を細かく分類させると、循環させるだけで馴染む属性、馴染ませるのに自分の魔力と混ぜる様に流す必要がある属性、時間を掛けて馴染ませないとなかなか混ざらない属性の三種類に分類出来るらしい。
「……とても興味深い……その話が本当なら反属性以外に相性が存在すると言う証明になる……それに未知の要素は今まで誰も使えず発見も出来ていない新たな八種類目の基礎属性の可能性もある…………凄く興味深い……」
普段は口数が少ないのに、自分が興味ある話には結構饒舌に喋り出すな、この子。
まぁ、凄い発見ではあるし、回復量は菊次郎爺さんの倍以上ではあるものの。
結局一定以上の魔力量を持つ魔法師にとっては、自然回復量を多少底上げする程度な上に、ミーシャから助言を貰いながら試しても半分程しか吸収出来ない上に反属性は出せたものの、謎の要素は意識して排出する事は出来ずに残った為、安全性を考えて数回程しか出来ないと言う結果になった。
レンも試していたが、三~四割位しか吸収出来ず、菊次郎爺さんでさえ吸収出来ても謎の要素を排出する事までは出来なかった。
つまり、現時点ではミーシャ以外は謎の要素が体内に蓄積し肉体に悪影響を及ぼす危険性がある為、数回しか出来ず気休め程度の回復量にしかならないし、体外に出す為に何度も循環と放出をしないといけない為、利点が少ない手法と言う結果になった訳だ。
「他には無いの? これじゃ魔力切れの心配が無くなっただけじゃない」
まぁ、確かに魔法そのものには何の影響も無いけど、他って言われてもな~……。
「試しに魔法として使おうとせずに、魔素をそのまま魔力弾にしてみればいいんじゃない?」
特に思い浮かばないので適当に言ってみた、体内に入れるんじゃなくて集めるだけなら取り込む量より多い魔力で出来た魔力弾が作れる筈だし。
「ふ~ん……そのまま集めればいいんでしょ? え~っと、こうやって…………あっ、出来そうかも」
「マジでっ!?」
ミーシャの呟きが聞こえた瞬間、驚愕しながら目を向けよく観察すると、ミーシャの手の平に斑模様の球体が浮かんでいた。
コイツ、魔力高く無いのに魔力扱う才能あり過ぎじゃね?。