第88話『魔具屋』
割と直前まで書くのを忘れていて遅れました。
やっぱり校門の前で俺を待っていた2人、と言うかウィンは特に何もしてないので実質ネオン1人に手を引かれ、連れて来られたのは。
……武器屋? いや何か武器っぽく無い様な……。
「君ってば、魔法師なのに何も持ってないじゃない? 魔法師なら魔具の1つは持ってないと危ないわよ?」
魔具を売ってる店らしい、魔具って……何か節操無しに色々あるんだけど、何がどんな物なのか分かんないんだが。
普通っぽい剣や、柄しか無い剣の様な物、銃らしき何か、どう見ても筒な物、重装甲な鎧から紐水着レベルの物まで様々な物が置かれている。
「あたしのコレもここで買ったのよ?」
ネオンが自分の紐水着を軽く引っ張りながら、そう語るが……既にギリギリなのが溢れそうだから止めてくれないかな。
「己の衣もココで購入した、己の力がよく通り前より媒介となる水が出し易くなるのだ」
あぁ、よく見ると確かに水の羽衣みたいなのも飾られている……ついでに火とか風に土っぽいのもあるけど、水の羽衣の近くにあるのは全部透け透けである。
何なんだ、この店。
「あたしのは魔力を通す事で障壁展開に魔力増幅効果があって、おまけに露出度が高いから魅了の効きがいいのよね~」
「己のは障壁に水生成効果が付いている、水生成による修復機能も付加されているな」
痴女コンビの服? には一応意味があったらしい。
羞恥心が無ければ有用性が高いんだろう……羞恥心が無ければだが。
店内の魔具は今一役に立つのか分からない物も含めて、様々な効果の物があった。
普通の剣に見えるのは魔力を通し循環させる事で、最小限の消費で魔法剣の様な効果を出せるらしい……が元の素材の強度は並程度なので、扱うのにある程度の技術が必要な割に初心者向けだとか。
柄しか無い物は、魔力を込めると魔力で作られた刀身が発生する……がしかし、刀身を発生させる効果はあるが維持する機能は無いので使用中は常時魔力を消費する。
代わりに、込める魔力を増やせばその分幾らでも刀身が伸びる構造になっている。
大抵は魔法が使えなかったり、魔力の制御が不得意な者が余り使わない魔力を有用に使う為の魔具なんだそうだ。
銃らしき物は魔力を撃ち出せる様だが、弾速は速めであるものの威力は一定の物しか撃てず、普通に魔力弾を作れる人には若干使い勝手が悪いらしい。
筒の様な物は銃の様に魔力を撃ち出すのに使うと言う点は同じだが、上限が無く幾らでも魔力を込められる代わりに連発が出来ない構造になっている。
勿論耐久性的な意味での上限はあるので、実際は限界は存在するけど威力の高い魔法を使えない人が切り札として買って行くらしい。
防具系は大半が魔力を込めて障壁を張るタイプが多く、障壁+αと言った感じに用途別で色々あるらしい。
ぶっちゃけ必要性があるのかは分からないが、稀に集中を阻害される場合もあるので、集中しなくても魔力を込めれば使える物を1つは持っていた方がいいんだとか。
とりあえず、筒を買ってみた。
使い捨てに近い為か一番安かったのが選んだ理由である。
障壁は便利なので余り目立たない普通の防具も買っておこうと思ったが、障壁だけのマントでさえ結構高かったから諦めた。
流石に所持金の大半を使うレベルの物を、軽い気持ちでは買えないよね。