第86話『予想外の面と想像通りな姿』
ミーシャを探してたら、金ピカなランベルトと一緒に居たウィンとネオンと遭遇した。
相変わらず紐水着みたいなのと、透け透けな水の羽衣みたいなのしか着ていない。
「今日はギルちゃんと一緒じゃ~ないのね~? それとも~ギルちゃんを待ってるのかしら~?」
「ギルバートを待っているのであれば、宿の方に行くのではないか? あぁ見えて経験豊富な高位の討伐者だ、あの様な戦の後は混雑する事が分かっているのに、混雑する場所を待ち合わせ場所に等しないだろう」
距離を素早く縮めてべたべたと触ってくるネオンに、割れ関せずと言った様子で淡々とネオンの言葉に答えるウィン。
出来れば、この人をどうにかして欲しいんだが、ウィンの方は目を向けてさえ来ない。
「ちょっと探してる人が居るんですが、何処に居るかは分からないんですよ」
もしかすると知っている可能性もあるので、2人にミーシャの名前と特徴を伝えると。
「己はこの国の事を詳しく知っている訳ではないが、その様な服装であれば魔法学校の生徒なのでは無いか?」
「あんな事があってすぐなんだから~きっと特別な理由が無いんなら~補講で学校にいるんじゃないの~? 昨日まで休校だったみたいだしね~」
あぁ、侵略者が来た日から今まで休校だったんなら有り得るな。
こっちの学校が、休日を登校日にしてまで出席日数やら単位が必要なのかは知らないけど。
「次に会えるのが何時になるか分からないし、学校まで会いに行く必要があるかな……学校が何処にあるのか分からないのが問題だけど」
ハッキリ言って明日明後日にしたとしても、恐らく学校があるだろ事を考えれば先伸ばしにしても、余り意味が無いし。
流石に一週間後は長過ぎるしな。
「なら~あたしが案内してあげるよ~」
「己は別に構わないが、今から行っても授業中なのでは無いか?」
「じゃあ~お昼まであたし達と一緒に~時間潰してればいいじゃな~い」
おぉぅ……助かるけど、助かるけどもウィンの方はまだしも、ネオンの方は貞操の危機を感じるんだが、どうしよう。
どうせ頼れる相手が少ないので、諦めて彼女達に案内を頼む事にした。
城に居る人達は手が空いてるか分からないし、ギルを探して頼もうにも何処に居るか不明な上に、学校に仮面で褌一丁の大男を連れて行っても騒ぎにしかならない気がする。
痴女みたいな格好の2人も似たようなモノだけど、何となく種族的な特性っぽい分マシ……だと思いたい。
2人に連れられて来たのは、何故か孤児院だった。
凄く予想外な事に、お金を送ったり定期的に訪れて子供達と遊んでいるらしい。
実際、この国では孤児院に対して生活に困らない程度の援助はある様だが、困らない程度であって余裕がある程では無いらしい。
故に2人に援助に孤児院は助かっているそうだ。
ちなみに、ゴールド家が孤児院を運営しているらしく、その伝でランベルトの護衛に付いていたみたいだ。
ゴールド家は孤児の保護と軽減を優先していて、その為に他に予算を取られ孤児院の運営費用は常に最低限の額になっているとか。
ゴールド家は地味に国民の為の活動を幅広くやっていて、予算が様々な事に分散している為に何処か1つを優遇する事が出来ない状態なんだとか。
「なんか、予想外に色々やってんだな、ランベルトの家って」
「ほら~? ランちゃんってば~貴族として生を受けたなら~民を守るのは貴族としての義務だって言っちゃう性格みたいだから~」
「あの者を見る限り、ゴールド家も貴族の中でも一般市民の助けを優先出きるご仁なのであろう」
あんな変り者なのにな~、ゴールド家とやらはランベルトしか知らないけど。
孤児院で子供達の遊び相手をした後、昼前に2人に案内されてミーシャが居る可能性のある魔法学校に来た。
魔法学校は、ぶっちゃけ外観が普通の高校っぽい校舎が目立っている。
なんか他にも謎の建物とか施設があるけど、周囲とミスマッチな学校の校舎が何より目立って真っ先に目に付いて離せない。
ちなみに、2人に格好には誰も注意所か、全く気にしてる人がいない。
時折男子生徒がチラチラと見てくる位だ。
すげえな、コイツ等の格好一応普通の部類に入るんだ。
しばらく校内を探していると、ミーシャの姿を見付けた。
それも、校舎の陰で1人弁当を食べている所を……。
「ちょっ!? 違うわよっ! 今日はたまたま1人だっただけなんだからら!!」
あ~、うん……たまたまだよねたまたま、友達が居ない訳じゃ無いよね。