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第79話『スキルを試そう』


 18日目


 不貞寝して過ごした翌日、早速大規模魔法練習用を借りて、フィーアと2人でまだ試してないスキルや魔法を実際に使ってみる事にした。

 誰か1人位は一緒に来るかと思ったものの、桜達とは顔を合わせなかったし自分から誘いに行く事でも無かったので居ないし、他は騒動の為に色々動く必要がある様で使用許可を出しただけで、こっちに構っている暇は無さそうだった。


 それだけ信用されてると見るべきなのか、あっさり許可を出して早々に送り出されたので若干悩み所だ。




 さて到着して、まずは何を試すかだが、昨日は半端にしか試せていないので魔杖術を試してみる事にする。


 昨日は室内なので自重した訳だが、魔杖技と称して幾つか技がある。


 エナジーボールとマジックボールの2つがあり、名称だけで言えば魔力弾っぽい何かを飛ばしそうな名前だ……イメージ的には名前や効果が被ってそうだけど。



 まず最初にエナジーボールを使ってみると、杖の先端に球状の魔力が出て来た…………でも杖にくっ付いたまま飛ばない。

 打撃力アップかと思って地面に叩き付けるが、特に威力が上がった訳でも無く球状の部分は地面をすり抜け、普通に杖の先端が地面に当たった。


 首を傾げつつマジックボールに変えて試しても、同じ様に杖の先端に球状の魔力が出て来て同じ結果になった。


「マジでなんなんだ? 使い道が分からん『説明が必要でしたか?』うぉっ!?」


 意味が分からず頭を抱えていると、フィーアが声を掛けて来た。


「説明って、どんな効果あるのか分かるのか?」

『習得した時点で詳細な活用方は全て送信されています』


 習得した時点と言う事は昨日の段階で分かっていたらしい。

 って言うか。


「早く言えよっ!? 内容が分かるんならこんなだだっ広い場所いらねぇじゃん!」

『いえ、とても面白………………実際に使って試した方が早く身に付くと思ったもので』


 なんでこんな不親切な奴が俺のパートナーなんだろうか。


 更に頭を抱えそうになったが、そんな事より早く魔杖術の説明をする様に促した。

 さっさと終わらせて戻ろう。



 元々魔杖術は、ある程度モーションデータを組み込んだ物だったが、登録された動作しか出来ず役に立ちそうに無い為、杖の扱いに関しては多少の身体強化以外は無いので、多少扱い易くなってる様に感じたのは気のせいで、身体強化で若干動きが良くなっただけらしい。

 主な効果はと言うと、特定の武器への魔力浸透率が上がる効果があって、より魔力が馴染みやすい様になるそうだ。

 例えば、そこら辺の木の枝に魔力を流すとすぐに壊れるのが普通だが、魔杖術があれば多少なら大丈夫になるし、変身中に持っている杖ならかなり大量に流し込める様になるとか。


 魔力を込めて使えば攻撃力が上がり、込める量によってはどんなに硬い物でも攻撃が通る様になるが、威力が上がる訳じゃないらしい。

 幾ら魔力を込めても力が上がったり打撃自体の威力が上がる訳じゃないので、先日の巨大ロボ相手だと装甲は壊せても杖の大きさ分しか壊せないので、巨大な発泡スチロールに手持ちのはんだごてを使って挑む様なものらしい。



 さて、本題の魔杖技の効果だが……まさかの吸収効果がある技で、エナジーボールが生命力を、マジックボールは魔力を吸収する効果があるらしい。

 ぶっちゃけ、近接スキルの中で唯一魔法少女の補助がメインのスキルで、近接戦の為と言うより魔力が少ない時に再度遠距離戦が出来る様になる為のスキルみたいだ。


「何か接近戦で役に立つ様な立たない様な、微妙に悩ましいスキルだな」

『魔法を主体に戦闘を行う場合、杖等は重要性の低い攻撃手段なのでとうぜんでしょう』



 魔杖術の次は二重詠唱だが、これはフィーアからの説明だけで済ませた。


 二重詠唱は魔力を使うだけのモノであれば、フィーアが俺と同様に使え、魔装具の魔法であれば短縮版として最弱の威力になるらしい。

 魔法が最弱な理由は、魔装具に設定された台詞や動作等を削った形で発動させる為、倍率に関わる部分が機能しないからだ。

 普通の魔法以外の習得した魔法は、余り関係無いのでそのまま使える様だが、飛行魔法の様な制御しながら操作するタイプは任されても、動かすのがフィーアで俺の意思通りに動かせる訳では無いので、お勧めはしないとか。



 次は防御魔法を実際に使ってみたのだが。


 シールドウォールは本当に壁の様に高い所まで伸びたシールドで、横は二、三メートル程で縦は五、六メートルはある。

 多分余分に魔力を使えば更に延びそうだ、主に縦の長さが。


 エリアシールドは特に考えずに使うと、縦横三メートル程の正四角形の形状になるみたいだが、形をある程度変えられる様だ。


 自分自身を囲う様に筒状にも出来たし、意味も無く目の前で漢字の形にも変えられた。

 繋がっていればどんな形にも形状を変えられる、自由自在のシールドを作り出せる様だ。



 次に飛行魔法を使って、操作感覚を慣らす以外にも性能を確かめてみた。


 最大速度は今の所、走るよりは速い程度に出せる様で、滞空状態から瞬時に最高速度が出せたので加速距離は必要無いらしい。

 代わりに旋回性に若干難がある様で、曲がろうと思えば最高速度を出していてもV字に曲がれるが、体にかなりの負荷が掛かって曲がった直後に集中が切れて落ち掛けた。

 飛行魔法には体に掛かるGを軽減してくれる様な、ある意味都合がいい効果は無いらしい。




 さぁ、最後は新しい魔法の実験が残っている…………が、今一使い勝手が悪そうな予感しかしない。

 【いぬさんの合唱会】と言う、どう考えても複数体出て来そうな名称で、単体で出せそうな気がしない。



 余りに心配なのでフィーアに内容を確認してみると、以下の様な内容が伝えられた。



 ・最低でも三匹、意識しなければ五匹は出て来るらしい。

 ・犬の遠吠えに見立てたビーム攻撃。

 ・犬なので指示を出せば動き回る。

 ・横一列に並んで一斉掃射、相手を囲んで集中砲火も思いのまま。

 ・単体の威力は固定。



 ・兎の様に一定数以上の数を出すとボス犬を出る。



 最低数でもオーバーキルになりそうな予感しかしない。





 流石に実際に確かめないままなのも不安なので、魔法を使ってみた。





「いぬさんいぬさん集まって、みんなで楽しくお歌を歌ってみんなの気持ちを盛り上げて、一緒にやろうよ合唱会!」


 相変わらず体が勝手に動くのは変わらないが、地味に犬耳と尻尾が付いたのがイラッと来る。

 今までこんなん生えたりしてなかったんだが、嫌がらせだろうか?。



 魔法の発動と共に現れたのは、パッと見はぬいぐるみっぽいけど普通の大きさの犬。

 普通とは言っても中型~大型犬の間位の大きさで、犬種はバラバラ。


 出て来た犬達は横一列に並んで、お座りの体勢で待機している。

 勿論、数は最低数の三匹にした。



 コレってやっぱり兎の時みたいな、命令口調じゃなくてお願いする感じじゃないとダメ何だろうな~……。

 しかもやっぱり、合唱と言うからには攻撃させる感じの伝え方じゃダメかも知れない…………面倒な事この上ない。



「みんな~演奏を始めよ~…………足りないか……みんなのお歌が聞きたいな~

?」


 三匹の犬が一斉に口を開いた、その瞬間。







 俺の脳裏には『薙ぎ払えっ!』とか『メ●粒○砲』や『波●砲』なんて単語が浮かんだ。


 変身時の魔力レーザーには及ばないものの、単体で変身してない時の圧縮魔力弾を超える威力のビーム出してんだけど。

初感想が来て踊りたい気分です。

一文だけの短い内容とは言え、まさかこんな場面のイメージを想像しにくい駄文に感想がつくなんて、続けてるとこんな文才の無い作者でも感想を書いて貰えるんですね。

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