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第70話『初めての対侵略者戦・ここだけ見れば蹂躙戦編』

何かいつの間にかブックマークされてる方が増えてました。

凄くありがたいんですが、文才0な上に書き方下手くそなので、山場とか見せ場に入ってもそんなに盛り上がらないと思いますよ~。


今回は題名通り、殆ど苦戦らしき苦戦は無くチート全開、ぶっちゃけ初回は手加減無用のゴリ押しです。

幾ら元が主人公達より魔力が高く同じ魔装具使って複数人と協力したとは言え、倍率が全く違い主人公に至っては魔装具使った女王とは10倍近い差がありますからね。



 俺は今、だだっ広い平原のど真ん中に1人で立っている。


 嘘や冗談の類いでは無く、正面には俺1人しか居ない様だ。


 まだ敵の姿は見えないが、敵影が確認出来る前に準備を整えて置かないとマズイ、接近される前に蹂躙する位の気持ちでやらないとウサギを使うに使えない状況に陥る可能性が高い。



「うっさぎさんうさぎさん、皆で一緒に遊ぼうよ~皆で一緒にパーティーだ~」


 何か一気に兎を大量に出そうとしたらクルクル回り始めた。

 相変わらず勝手に体が動くが、単体で出す時と動作や台詞が代わるらしい。


 回りながら周囲に魔力を散らして、俺の周りを囲む様に兎が作り出され二桁を超える数が現れる。



 一匹一匹の威力から考えると一瞬コレで充分かと考えたが、相手が万を超える数な事を考えるとまだ足りない。



「もっともっと集まろ~、パーティーするならもっと賑やかにして楽しもうよ~」


 もっと必要だと考えた時点で呪文の詠唱を続ける様に、体が動き続ける。

 ぶっちゃけココの担当が俺1人で良かった気がする……好き好んでこんな姿を多くの人に晒しながらやりたくない。


 兎の数は五十を超え出したが、やっぱり硬くしぶといと言われる侵略者である機械兵を仕留めるには若干攻撃力に不安があるかも知れない…………そんな事を考えた性か……。



「パーティーするなら親分呼ばなきゃ、うさぎの親分もあ~そび~ましょ~」


 更に体が動いて前傾姿勢で両手を口の前にやって、何処かに呼び掛ける様に大きな声を出した。


 そうすると、他の兎とは比べ物にならない位、大きな兎が目の前に作り出されていく。


 その大きさは二メートルを超え、全体的にふっくらとしつつも筋肉質な後ろ脚を持ち、片目に傷のある印象的な顔をしている。

 ハッキリ言ってた相当威圧感たっぷりな兎だ、親分と呼ばれるのに相応しい存在感がある。



 と言うか普通の兎以外にも、こんなんあったのかよ。



「つーかさ、コイツ一匹で充分なんじゃね」

『親分召喚には子分を一定数以上召喚する必要があります。

 集団召喚を行う事によって使用可能になる連鎖魔法扱いですね』


 フィーアから説明が入った、親分単体で出す事は出来ないらしい。



 唐突に親分兎が平原の向こう側にある森に顔を向けて、鼻をヒクヒクさせ始めた。


「ん? どうした?」


 声を掛けるも、喋れる訳でも無いので一瞬顔をこちらに向けただけで、また森の方に顔を戻した。


 親分兎は上体を起こし前足を上げると、周りに群がっていた他の兎達が平原の先の森を向いて一列に並び始めた。



『恐らく敵を確認したので迎撃体勢に入った、と言う事だと思われます』


 え? マジで?。

 フィーアに言われて兎達が向いた方向に目を向けるが、全く見えない。


「本当に来てるのか? 全然見えないぞ?」


『……今、私の方でも確認出来ました、視認可能距離まで後十秒、九、八……』



 カウントが始まったので見逃さない様に、目線を平原の先の森に向けたままでいると。


『一、零……視認範囲に入りました』


「おぉぅ、マジか……森から沸いて出て来る奴等で一面覆われてんじゃねぇか、アレ全部敵かよ」


 平原の先、森の中から木を薙ぎ倒しながら、次から次へと姿を表し、平原を機械兵が埋め尽くして行く。


 まだ距離がある為、よく見えないが蜘蛛の様に複数の足と鎌の様な腕を持つ、多脚戦車の様な機械っぽい。


 薙ぎ倒されていく木よりは低いが、二メートル以上はあるんじゃないだろうか?。


 そんな奴等が、森の中から次々と出て来るので、現れた数は見える範囲で既に千は超えている気がする。



「周りを気にするなって言ってたし、森も巻き添えにして焼き払う位でいいか、親分攻撃用意!」


 未だ全貌が見えぬ敵を森諸とも攻撃しようと、親分に声を掛けるも。


 プイッ。


 上体を起こした状態で器用に前足を組んだ体勢で、一度目を向けた後に顔を背けられた。



 あぁ、親分兎も普通に言うだけじゃ言う事聞かねぇんだな。

 って言うか他の兎より分かりやすいな、その言う事聞かないと言わんばかりの露骨な反応。



 何か少し嫌だが、こんな感じか?。


「親分さん、あの悪い奴等を凝らしめてあげて、お願い」


 鳥肌が立ちそうだが、効果があったようで親分兎がこちらに顔を向け頷いた後に、前足で機械兵の方を指すと周りの兎達が一斉に機械兵目掛けて跳んで行った。




 五十を超える兎達が一列になって機械兵の群れの中に着弾すると、一斉に爆発し目に見える範囲の機械兵が纏めて吹き飛んだ。


 しかし、所詮見える範囲の奴等が吹き飛んだだけで、すぐに森の中から次から次へと新たな機械兵が沸いて出てくる。



 多分千位は減らせた筈なのに、全然減った気がしないわ。

 更に兎を出すより、親分兎に行って貰った方が良さそうだよな。


「親分さん、あの人達全然懲りてないみたいですよ? 親分さんの力でお仕置きしちゃって貰えませんか?」


 親分兎が『仕方ねぇな』と言わんばかりに肩を竦め首を振る。


 親分兎は顔を伏せ身を屈めると、両脚が一回り大きくなった、何やらかなり力を溜めている様だ。

 親分兎が顔を上げると次の瞬間、大きな音を立て空高く跳び上がった。



 空高く跳んだ親分兎が弧を描き、森の奥に落ちて行く。

 姿が見えなくなって、爆発しないのか? と思っていたら目の前が真っ白になり『目が~』と悶えている途中で更に吹き飛ばされた。



 吹き飛ばされて地面に転がった状態から、立ち上り少しづつ目が見える様になって来たので森の方を見ると。









「は?」

 目の前にどデカいクレーターが出来上がっていた。




「え? ちょっ、マジで?」


 どう見ても半径キロ単位の幅がありそうな、深いクレーターが森のあった場所に出来上がっている。


 親分兎の破壊力は、他の兎とは比べ物にならない位、桁外れの威力で使い処が限定的過ぎる程に馬鹿げた破壊力だ。


『敵勢力の反応7割減少、同時に森も8割消失しました……周りを気にしない様に言われたからと、ここまでするとは流石椿様ですね』


 煩ぇよ、やろうと思ってやったんじゃねぇっての、何だこの戦略兵器的な破壊力は、絶対普通の時は使えないし使う機会があっても許可制になるだろコレ。



 まぁ、7割も減ったんなら殆ど終わったも同然だろ……残りってどの位居るんだ?。


『敵勢力の残存数、およそ一万__右翼と左翼にそれぞれ五千程、正面に僅かながら数百を確認』


 割と残ってた……正面の生き残りはどの辺りに居るんだ?。


『出来たクレーターを下り進行中です……残存する中に物理的に大きな反応を確認、敵勢力の主力と思われます』


「物理的に? ってアレか、クレーターの反対側まで数キロ位はある筈なのにハッキリ分かる位デカいぞ」


 フィーアの報告を確認する為にクレーターの側まで近寄ると、クレーターの向こう側に巨大ロボとか言いたくなる程巨大な機械兵が、クレーターを下り始めているのが見えた。


 距離が離れているので、細部は分からないが他の機械兵をそのまま10倍近く大きくした様な姿をしている。



「流石にあんなん相手にしたくないな、まずは生き残った奴の処理をしてからだな」


 巨大ロボな奴から目線を外し、クレーターを横断中の機械兵に目を向けた。



 かなりの距離がありクレーターの中に居るので、しばらくは高い位置から撃ち放題だ。

 とりあえず、頑丈らしいので熊弾を次々に撃ち込んでいく。




 おっ、命中した……効いてない……だと。


 熊弾が命中した機械兵は僅かに立ち止まるが、少しの間止まっただけですぐに動き始める。

 まだ結構な距離があるので確実とは言えないが、熊弾を食らっても装甲がヘコむだけでダメージは軽微な損傷しか与えられて無い様だ。



 流石に予想以上の頑丈さだが、後方にそれ以上に頑丈そうな巨大ロボみたいな奴がいるので、兎以外の方法も実験で試してみた方が良さそうだ。

 と言うか、あの巨大ロボ……兎で倒せるかどうか、すげぇ不安なんだよな。



 まずはすぐに試せる圧縮魔力弾、変身中の最大威力バージョン。


 変身中に普通の魔力弾を加減せずに作ると、それだけで圧縮魔力弾に近いレベルの魔力弾が出来る。

 それを更に出来るだけ圧縮。


 光る、と言った感じでは無いが徐々に眩い純白に染まっていく、と言うか白い色が濃くなってる感じだが、凄く目に痛い白さを発揮している。

 ぶっちゃけ、徐々に直視出来ないレベルになっていってる。



 完成したのは……何かこう、直視出来ないんだが発光してる訳じゃ無さそうなんだけど、光を全反射を超えて増幅反射してそうな位目に眩しい魔力弾だ。


 ちょっと維持してるだけで目が痛くなって来るので、手早く撃ち出した。





 クレーターに縦長の大穴が追加されました。


 圧縮魔力弾は、撃ち出した瞬間膨張し身の丈の数倍に膨れ上がり、撃ち出された魔力弾……もとい魔力レーザーは機械兵を軽く消し炭に変えクレーターの中の地面を貫き、流石にヤバイと感じて薙ぎ払う様に下向きから上にずらし、直線上を抉りながら空の彼方に飛んで行った。



 ん? 何か上空に消える途中で大きく歪んで消えた? この世界の空は何かあるのか?。



 多少気になる所はあったが、機械兵は大半が消し炭になり、巨大ロボも魔力レーザー的なのが掠め、かなり損傷が酷い。


 ……つか、狙う余裕が無かったとは言え、仕留められなかったのはキツいな……今度のもオーバーキル過ぎて周辺環境への被害が甚大過ぎて簡単には使えないし。


 通常の兎は、あの巨大ロボを倒せるか未知数、親分や魔力レーザーは他への被害が酷過ぎて使えない、熊弾は通常の機械兵にさえ余りダメージを与えられないので恐らく無理。


 残るは、魔装具で増幅された魔力弾で威力の調整をしながらやるしか無いか?。




 考えてる間に、近い所まで来ていたのでクレーターの端から離れて距離を取っていると。


 クレーターの中から巨大ロボが勢いよく飛び出し、真上から降ってきた。



「ちょっ!? 緊急回避っ!!」


 普通の方法では避け切れないと判断して、咄嗟に短距離転移を連続使用して大きく距離を取った。



 かなり離れた筈なのに、巨大ロボが着地する際の衝撃で土煙が周囲に広がり、目が開けられない。



 土煙が収まり目を開けると、見上げる程巨大な機械兵が目に入った……いや見上げないと全貌が視界に入りきれないんだから、入ったとは言い切れないのか?。


「デカいなオイ……転移を駆使しないと俺の足じゃマトモに相手出来ないだろ」

見ての通り、主人公が自重無しに最大威力を打っ放すと戦略兵器レベルです。

故に、今後は被害を考えなくていいか、被害を気にしていられない程の状況にならない限りは今回出てきた高出力の攻撃は使う予定はありません。

と言うか、核兵器に匹敵し兼ねない攻撃なんか早々使えないですよね。

ぶっちゃけ親分兎は街中で使えば街が消し飛びますし、魔力レーザーは真下に撃ってしまうとマントルにまで届きかねません。


基本的に主人公は今後も使い所がかなり限定される魔法しか覚えません。

如何にスキルや自分で覚えた魔法で周囲への被害を抑えつつ戦うか、そんな役回りになります。


つか、普通は桁違いの力を手に入れて、全力出したら惑星規模で危ないとなると使えませんよね?。

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