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第65話『対クイーンバッタ戦』

更新忘れて寝てました、申し訳無い


 キメラの死骸から目を背け、桜達の方に目を向けると。

 桜がクイーンの飛ばす小さいバッタの群れを盾で防いで叩き落とし、紅葉ちゃんが矢を放ち攻撃するが、クイーンは踊る様に舞い矢が当たらない。


 楓ちゃんは防戦一方の2人を見て、すぐに助けが必要だと感じたのか、2人の所に駆け出して行った。



 俺は全く当たらない紅葉ちゃんの攻撃が気になったので、2人の後方に向けて少し大回りに移動しつつクイーンを観察してみた。

 多少は追尾性があるのに紅葉ちゃんの矢が外れるって事は、俺の魔力弾も簡単には当たってくれそうに無いかも知れないしな。




 少しの間観察していると、クイーンは矢を当たる直前に避けるだけで無く、矢を掻い潜る様に前方に動いてるらしい。

 踊りを舞う様にゆらゆらと体を左右に揺らし、照準をずらし軽く右にステップを踏んだ後に左前方に大きく跳び矢を回避している。


 矢を連射している時は、小さなバッタを一直線に飛ばし撃ち落とし、結果的に一発も当たっていない。



 楓ちゃんが参戦してからも全く当たらず、舞う様に動きながら楓ちゃんの剣に手を添える様にして剣の軌道を僅かにズラし側面に滑り込んで手の平を向けて至近距離からバッタを飛ばし、楓ちゃんが大きく飛び退いて避けると言う繰り返しだ。

 楓ちゃんがクイーンの側にいる為に紅葉ちゃんは先程よりも攻撃出来ず、楓ちゃんが飛び退き距離が離れた時を狙って矢を放つが、それも当たる様子が無い。



「バッタ飛ばして来る以外に目立った攻撃はしてきてないけど、急に難易度上がった気がするな、避けるの上手過ぎんだろ」


 実際、魔力弾で囲んで逃げ場を無くした全方位攻撃位しか効果的な方法が思い浮かばない。

 が、流石にそれは魔法のウサギで広範囲爆撃をするのと同じ位に、力押しで倒した感が強く、凄く負けた気がしてならない。



 とりあえず、様子見かつ援護目的で鼠弾でクイーンの脚を狙ってみた。



 鼠弾はクイーンに到達する前にバッタの群れで迎撃されて消えた。

 数で押せば行けるかも知れないが、物量勝負も力押しと差がないので却下。


 次は真っ正面から行ったのが悪かったと考え、鼠弾を回り込む様に大回りさせてクイーンの背後からの急襲を狙う。


 しかし、回り込む前にクイーンからのバッタ攻撃で撃墜、背後からの攻撃は結構警戒してるらしい。



 次は物量作戦に近いが、多方面作戦に挑戦。


 左右から回り込む形で鼠弾の群れ2つ、更に雀弾で上空を左右に加えて天井付近まで上昇させて真上から回り込ませて、合わせて群れ3つの総勢50を投入。



 飛ばした鼠弾と雀弾が両手を広げて左右にバッタを飛ばすクイーンによって撃墜されるが、楓ちゃんが合間に攻撃して中断され左右の鼠弾と雀弾は数匹残り、真上を行く雀弾に至っては10羽丸々残った状態でクイーンの背後に回った。



「楓ちゃんっ! 一気に行くから合わせてっ!!」


 一言掛けると同時に、犬弾を前方から2匹飛ばし、更に途中で左右別れて突っ込ませる。

 更に背後に回った鼠弾と雀弾も突っ込ませ、前方二方向、後方は少数の鼠弾が左右、同じく少数の雀弾が空から左右で、丸々残った雀弾10羽を一列に並べて上からの五方向。

 楓ちゃんも合わせられれば、八方向同時攻撃だ。





 クイーンはある程度被弾を覚悟したのか、後方の上から来る雀弾にバッタを飛ばした後は、前方から来る犬弾と楓ちゃんに向けてバッタをばら撒く様に飛ばして前方の迎撃に集中していた。


 犬弾はバッタの被弾で足並みが衰えるが、一匹や二匹程度であれば耐えられるのか消える迄はいかず、回避しつつも少しずつ近付き。

 楓ちゃんは飛んで来るバッタを斬り落としながら前に進むが、時折バッタの数が増え立ち止まってなかなか進めない。


 そんな風になかなか進めない状況で、後方の少数残った鼠弾と雀弾がクイーンの両手両足に着弾した。


 クイーンの装甲は余り高く無いのか、僅かに態勢を崩し攻撃の手が止まり、その隙に楓ちゃんが一気に距離を詰め斬りかかる。


 クイーンは何とか楓ちゃんの攻撃を避けるが、無理に避けた為か態勢を大きく崩していた。

 そこに、ギリギリ撃墜されなかった犬弾が着弾しクイーンは転倒、剣を振り切った態勢の楓ちゃんが魔力剣を作り転倒したクイーンに投げ付けた。



 投げ付けた魔力剣が胴体に貫通し、地面に縫い付けられたクイーンは緑色の血を吐きながら魔力剣を抜こうとする。

 魔力剣を抜かれる前に楓ちゃんが剣を振り下ろし、クイーンは甲高い鳴き声を上げて切り裂かれた。



「何とか終わったか」


 光の粒子と化して消えて行くクイーンを見て、大きく息を吐きながら呟いた。

 いくらボスとは言え、一階層でこんなに苦労するんじゃ、更に下に降りるのは大変そうだ。



「椿さんを誑かした敵は倒しましたっ!」


 それ、まだ忘れて無かったんだ。

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