表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/121

第64話『対強化キメラ戦』

完成してたのに投稿するの忘れてました。


 ミノケンキメラバッタ……何か長いからキメラでいいか、キメラは早速尻尾をこちらに向けて毒液を出そうとしていた。


「いきなりかっ! 先手必勝!!」


 キメラが毒液を放出する前に尻尾を狙って燕弾を発射した。

 燕弾は一直線に尻尾目掛けて飛び、尻尾に命中すると同時に毒液が放出され、毒液はキメラの後方に飛び散る。


「椿さんにそんな汚い汁を飛ばそうとするだなんて、何て不届きなっ! 椿さんを汁塗れにしていいのは私だけですっ!」


 なんでだよ。

 ツッコミ所満載な言葉を上げながら、楓ちゃんがキメラに駆け寄り尻尾を絶ち切る。


 尻尾を切られたキメラが雄叫びを上げ、楓ちゃんを狙って腕を振り回す。


「あっ……くぅっ!」


 楓ちゃんは咄嗟に剣を割り込ませ防ぐが、耐えきれずに吹き飛ばされた。


 更にクイーンも動き始め、クイーンが手を振るうと、キリキリバッタよりも一回り小さいバッタが群れを成して飛んで来る。


「くそっ! 数多過ぎだろっ!」


 雀弾を立て続けに発射して飛んで来るバッタを迎撃するも、撃墜し切れずに何匹か被弾した。


 障壁があるので怪我は無いし、小さいからか命中しても軽い衝撃を受けただけで、燕弾を撃ち続け何とか全てを撃ち落とせた。


「僕の矢はデッカイ方には効かないみたいだから、僕はクイーンバッタの方を相手するよっ!」


「ちょっと待ちなさいっ! も~っ! 紅葉ちゃんの方はアタシがしっかり守っておくから椿ちゃんは楓ちゃんと2人で、あのデカブツの相手をお願いっ! アタシと紅葉ちゃんじゃクイーンを仕留められるか分からないから出来るだけ早めに仕留めちゃいなさい!!」


 紅葉ちゃんが駆け出し、クイーンに矢を放ちながらキメラから離れていく。

 桜はそれを追いながら、若干無茶な事を言い残した。



 いや、まぁ高火力と低火力のコンビに別れてるから、高火力コンビに早めに仕留めて欲しいのは分かるけどね。




 楓ちゃんと合流する為に駆け出すが、キメラと激しく打ち合っていたので近付くのは無理っぽそうだ。

 近付くのは諦めて、掩護しつつ守られ易そうな距離を離しつつ楓ちゃんから近い位置に移動する。


 楓ちゃんはキメラから繰り出される拳に剣で応戦するも、装甲がかなり強靭なのか剣で切り掛かっても拳の軌道を変える事しか出来ていない。


「掩護犬4匹行くぞっ!」


 楓ちゃんに聞こえる様に大きな声を出して犬弾を4発キメラの脚に目掛けて撃ち出した。


 犬弾は楓ちゃんを避け左右に2匹づつ別れて、側面から四本の脚それぞれに食い付く様に命中する。


 しかし、軽くグラついた程度でダメージは殆ど無かったが、グラついた所で楓ちゃんが渾身の一撃を叩き込み、大きく後ろに仰け反った。



「すみません助かりました、私の攻撃じゃ思いっ切りやっても致命傷を与えるのは難しそうです」


 キメラが仰け反っている間に、大きく飛び退き近くまで来た楓ちゃんの言葉に、少し動揺しつつも言葉を返す。


「マジか……隙を突いて熊弾を叩き込んでみるから、もう少し相手を頼んでいいか?」


「椿さんの為なら幾らでもやりますっ! 見ていて下さい、椿さんの方へは少し足りとも近付けさせませんっ!!」


 やる気満々にキメラ目掛けて駆け出した楓ちゃんを見て。

 うん、やる気なのはいいし、頼もしいのは確か何だよな。



 再度、楓ちゃんがキメラと打ち合い始めたのを見ながら、雀弾をキメラの顔周辺に群がる様に飛ばし、更に犬弾を倍の8匹分キメラの脚を狙い撃ち出した。


 そして犬弾が当たる前に、更に熊弾を発射する。



 雀弾で視界が悪いからか、打ち合い状態から腕を振り回しているだけになっていたキメラの脚に犬弾が命中して、キメラの体勢が大きく崩れた所に熊弾が胴体に横から勢い良く衝突する。


 胴体に熊弾を食らったキメラは、横に大きく吹き飛ぶが、途中で足を付き踏ん張って少し地面を滑りつつ止まった。



 キメラは俺の方に目を向けると、駆け出そうとするが、僅かに膝が落ちてその場に踏み留まった。

 動き出しが遅れた間に、楓ちゃんが側面から頭部を切り飛ばそうとする。


 ガンッ!

 鈍い音を立ててキメラの頭が横に傾くが、すぐさま楓ちゃんの方に顔を向けて拳を振るう。


 また、楓ちゃんとキメラの打ち合いが始まった。



 状況が振り出しに戻った様に見えるが、キメラの胴体には熊弾の直撃を食らった部分が大きくヘコみ亀裂が走っている。

 と言うか、亀裂って……お前の甲殻は金属製か。



 兎に角、熊弾はキメラに致命傷には届かないものの、かなりのダメージを与えている。


 チラッと桜と紅葉ちゃんの方を見ると、かなり苦戦している様だ。

 余り時間を掛けるとまずそうなので、一気に仕留める為にもう少し自重を捨てる事にした。




 手始めに、雀弾と鼠弾を二回分の十×二の総勢二十羽+二十匹をキメラに群がらせる。

 勿論、突っ込ませると消えるので纏わり付く様にするだけだ。


 次に、燕弾八羽を二つに別けて飛ばす、続けて犬弾を同様に八匹キメラの脚目掛けて撃ち出す。


 最後に熊弾を四頭、一列に並べて発射した。




 群がる雀弾と鼠弾を鬱陶しいのか、腕を振り回し脚を踏み鳴らしていたキメラに、まず燕弾が四羽頭部に命中し、続けて犬弾が八匹同時に脚に衝突、体勢が崩れた所に追討ちを掛ける様に残りの燕弾が当たりキメラがバランスを崩した。


 そして、バランスを崩した所に一列に並んだ熊弾がヘコみ亀裂が入った胴体に立て続けに突っ込んだ。


 一発目で甲殻が砕け、二発目で血飛沫が舞い、三発目には肉を抉り、止めの四発目が当たると胴体を貫通した。



「ちょっとグロい…………ってまだ動いてるっ!」


 胴体に風穴が空き、後ろ半分は動かせなくなったのか前方に倒れるも、地面を這う様に動き出すキメラ。

 虫が元だからか、それとも複数が合わさったキメラだからなのか、凄い生命力だ。



「椿さんに近寄らないで下さい」


 そこに楓ちゃんが傷口を抉る様に容赦なく、魔力剣を投げ付けた。

 魔力剣を一本、二本と続けざまに傷口を抉る様に刺される度に動きが鈍くなっていき。

 五本叩き込まれた頃には、力無く倒れ伏せた。



 その際に楓ちゃんは表情無く淡々と魔力剣を投げ付けていて、かなり怖かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ