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第63話『クイーンバッタ前哨戦』

書いてる途中で、他の話でトチってた所を発見したので更新ついでに修正。

チートを銘打ってる割にフロアボス戦はもう少し続きます。


 武器を構え様子を見ていると、クイーンが手を上げて振り下ろす動作をした途端、ミノバッタとケンバッタが一斉に飛び……いや飛べてない、加速はしているが普通に地上を疾走して襲い掛かって来た。


「この程度なら対処出来るわよっ!」

「椿さんには指一本触れさせません!!」


 襲い来るミノバッタの脚に向けて楓ちゃんが斬撃を飛ばし転倒させ、続けてケンバッタに斬り掛かる。

 桜はケンバッタの突進に合わせてシールドアタックで吹き飛ばし、ミノバッタの攻撃を受け止めた。



「まずは1体」

「蜂の巣にしてあげるっ!」


 俺の熊の魔力弾で倒れたミノバッタに風穴を空け、紅葉ちゃんは吹き飛んだケンバッタに矢の雨を降らせた。



 風穴の空いたミノバッタと針鼠の様に矢が刺さったケンバッタは消える様子は無いものの、倒れたまま起き上がらない。

 そこでキメラバッタが不審な動きがあったので、クイーンとキメラバッタの方を注視していると。



「ちょっ! 何か出したっ!?」


 キメラバッタが尻尾を向け、後衛組の俺と紅葉ちゃんに目掛けて毒々しい液体を飛ばして来た。



「ドームシールドっ!」

 咄嗟に紅葉ちゃんに近付き、キメラバッタから飛んでくる液体の射線上に立って防御魔法を発動させた。

 範囲を完全には把握出来てないので、前面に張るタイプじゃなくて全周囲型のドームで紅葉ちゃんも一緒に覆った。



「えっと……助けてくれたのは嬉しいけど、コレって本当に大丈夫なのかな?」


「真下に落ちてるから次が来るまでは恐らく……」


 ドームでキメラバッタの毒液らしき液体を防いだものの、掛かった部分から煙を上げながら液体が下に流れ落ちる途中で、ドームシールドに穴が空いていた。

 強い酸、もしくは強力な毒液だったらしい、落ちた液体も煙を出しながら地面に穴を空けている。


 ドームシールドは何故か円柱型で、飛んできた液体は壁面に当たり真上には届いてないので掛かる心配は今の所無い。

 勿論、今現在ドームシールドは穴だらけだから次が来たらちょっとマズイ。


「ほらっ! また来たよ!?」

「連続で使えんのかよっ! 一か八かだっ! 迎撃しろビック熊さん弾」


 行き当たりばったりだが、飛んで来る液体目掛けて通常より魔力を多く込めた熊さん型の魔力弾を放った。


『ぐまぁ~』


 魔力を余分に込めたら何か凄いのが出た。

 顔だけだった熊さん弾に体まで現れ、俺達の前で仁王立ちして両手を振り上げている。

 しかも若干可愛らしい雄叫びまで上げていた……魔力で作られてる癖に何処から声出してんだコイツ。



『ぐまっ! ぐまぁ~っ!!』


 飛んできた液体に向けて熊さん弾が腕を振るい、液体を弾き落としているが、全てを叩き落とした頃には両腕は輪郭がボヤけて消えかけていた。


『ぐまぐまぁ~!』


 更に熊さん弾は消えかけた両腕を振り上げたままキメラバッタ目掛けて走り出す……二足歩行で。


 立って走った為にキメラバッタは余裕で横に跳び避けるが、熊さん弾はキメラバッタの尻尾に飛び付き爆発した。


「何か毒液っぽいのを防げた上に次も防げたけど、予想外に精神的ダメージが……いや元は魔力弾なんだから自爆特攻みたいになっても、別な変じゃ無いんだけどさ」

「ちょっと可哀想かも」


 熊さん弾の活躍で、キメラバッタの尻尾は吹き飛び、尻尾を失ったキメラバッタは羽を広げて飛び上がった。



 空を舞うキメラバッタは、空高くまで上昇して俺達目掛けて急降下してきた。


「迎撃、いや間に合わ……シールドォ!」


 魔力弾で迎撃しようと考えたが、飛んで来るスピードが早く撃墜出来なかった場合、回避の余裕さえ無さそうだと結論付けた時点で回避出来るか微妙な距離まで急接近してたので、咄嗟に前面にシールド張る。


 轟音を立ててキメラバッタがシールドに衝突するが、負けんと言わんばかりに羽を動かしシールドに突進し続ける。


「ちょっ! 早く離れろっ!」


 シールドに食い込まんばかりに羽を羽ばたかせ突進し続けるキメラバッタに魔力弾を叩き込もうとするが、意識を魔力弾の方に向けるとシールドに亀裂が入り慌ててシールドに魔力を込めると亀裂が塞がる。

 シールドから意識を離せないので、何も出来ない。


「コイツ堅すぎだよっ! 全然矢が刺さんないっ!」


 紅葉ちゃんがキメラバッタの側面に回り、矢を放つがカブトムシの装甲は相当硬く矢が弾かれる。


 桜か楓ちゃんが助けに入らないとダメかと考え、2人の戦況に目を向けた時。


「私の椿ちゃんに何してるんですかっ!!」


 楓ちゃんが怒声を上げながら凄い勢いで突っ込んで来て、キメラバッタの横っ腹にそのままの勢いで跳び蹴りを叩き込み、遠くに吹き飛ばした。


 助かったんだが、楓ちゃんが口走った言葉はスルーした方が良さそうな気がする。


「椿ちゃんっ! 怪我はありませんか!?」


 心配してくれるのはありがたい……ありがたいんだが、そんな齧り付く様に見ようとするな、と言うか服の中に手を突っ込むなよっ!?。


「って、パンツの中は止めいっ! 戦闘まだ終わってないからな?」


「はっ! そうでした、終わってからじっくり確認する事にします」

「せんでいいっ!」


 激しく突っ込みを入れながら視線をキメラバッタの方に向けると。

 丁度飛び立とうとしてる所だった。


「二度目はやらせるかっ!」


 飛び立とうとしたキメラバッタに向けて咄嗟に熊さん弾を放つ。


 キメラバッタ目掛けて飛んでいった熊さん弾は、広げた羽に命中し飛ぼうとしていたキメラバッタは羽がボロボロになって飛びきれずに倒れ込んだ。



 体勢を立て直したキメラバッタが再度飛び立とうとするが、片方の羽がボロボロな為に幾ら羽ばたこうが飛び立てず、またバランスを崩して倒れた。


「椿さんに手を出した罰ですっ!」


 楓ちゃんが跳躍し、倒れ込んでまた立ち上がろうとしていたキメラバッタ目掛けて、真上から剣を突き立てて串刺しにした。



 キメラバッタが倒れ付し、沈黙したのを確認すると、桜の方を見ると。



「アタシだってこんな奴の一匹や二匹倒せるのよっ!」


 丁度、ミノバッタを倒して拳を振り上げて勝利の雄叫びを上げている所だった。



「結局、他の奴全部倒すまで全然動かなかったね、アイツ」


 紅葉ちゃんの言葉を聞きクイーンの方を見ると、腕を組んで立ち尽くしたまま微動だにしていない。



「後は椿さんを誑かす不届きものを仕留めれば終わりですね」


「別に誑かされてはいないっての……ん? 組んだ腕を解いた、やっと動き始めって何だありゃ?」


 動き出したクイーンが両手を上げると、倒れ伏せたキメラバッタ、真っ二つにされたのと針鼠になったケンバッタ、風穴が空いたのと盾で叩きのめされたミノバッタが、宙に浮き上がりクイーンの目の前まで運ばれ。




 グチュッ、と生々しい音を立てて1つに混じり合い形を変えていく。



 変化が終わると、そこに居たのは昆虫を基礎に蠍の尾を備え、筋肉で盛り上がった肉体を持った四足歩行の…………うん筋肉隆々な昆虫型ケンタウロス?。


【種族名・ミノケンキメラバッタ(人造・集合体)

 ランク・A++(飛行・万能型)】



 どうやらコレからが本番らしい。

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