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第62話『フロアボス』

ちょっと短めになりました。


 一階層最後のフロアに入ると、ドーム球場並の規模はありそうな空間が広がっていた。

 いや、ドーム球場とか行った事無いから実際は分からないけど、野球が出来る位には広い空間だ。


 全員が中に入ると、出現を押す前に入り口が閉鎖されて閉じ込められた。


「流石ボス戦、出す前から後戻り出来ないと言わんばかりだよ……いや普通に脱出は使えるっぽいな、演出ってだけか」


 メニュー画面を表示すると、変わらず使えそうな脱出ボタンと、『早く押せ』と言わんばかりに激しく点滅する出現ボタンが目に入る。



「こんなに広いんだから、虫みたいな大群や巨体の魔獣が出ても不思議じゃ無いわね」


「あ~、確かに広さが増した分飛び回るキマイラとか群れ成すバッタが出たりしたもんな」


 桜の言葉に頷きつつ考える。

 広さが増した3つ目は最低限飛び回るのにギリギリ不便しない程度のキマイラ3匹。

 そして、広さの分を数で満たした4つ目のキリキリバッタ。


 その広さを更に上回る規模になっているんだからバッタ以上の数だったり、身の丈が4メートル近いAランクのキングゴブリン並の巨体が現れても可笑しくない。

 むしろその位じゃないと無駄な広さになる位には広過ぎる。


「今までのを考えると初回は纏まって襲って来る事は無いだろうけど、一応魔法でうさぎ出しといた方がいいか?」


「最初位は実力で倒したいからいらないんじゃないかしら? 2回目からは賢くなるみたいだし、ダメだったら脱出でリタイアして再挑戦した方がいいわよ」

「折角最初は簡単になってるみたいですし、簡単な内に自分達だけの力で倒せる様になった方が練習になりそうですよね」



 途中でリタイアしてもいいから力押しせずに倒す方針になった。

 ちなみに、さっきから一言も喋らない紅葉ちゃんはソワソワしながら落ち着きなく動き回っている。


「紅葉ちゃんは何で、そんなに落ち着きが無い様子な訳?」


「だってボスだよ! もしかするとドラゴンとか出るかも知れないじゃん!」


 無いとは言い切れない……。


「ドラゴンとか火の息とか使う相手の対策とか全く考えて無かった……どうするよ? 範囲狭いけど全周囲シールド張れる俺が前に出た方がいいのか?」


「アンタまで落ち着きを無くしてどうするのよ、ちょっとは落ち着きなさい、アタシも前方だけとは言え結構広い範囲防げる様になったんだから、アタシが前に出るわよ」

「椿さんが出るまでもありません。私も離れた所にも届く様になったので、椿さんに近寄るモノは炎であっても切り裂いて見せます!」


 何と頼もしい男らしさ……これオネェと女の子が言ってるんだぜ、信じられるか?。


 余りの男らしい発言に冷静になったが、よく考えるとブレス攻撃が来ても魔力弾である程度相殺出来そうな気がする。

 特に熊の魔力弾は多少大きめで威力が高いから2、3発叩き込めばかなり弱められそうだ。


 何より、後衛型なのに前に出てもドラゴンが突っ込んで来たら対応し切れない可能性もある。


 短距離転移があるが、使い慣れてないしワイバーンレベルであればキマイラと大きな差は無さそうなので何とかなるかも知れないが、普通にドラゴンだと下手すると倍以上の大きさがありそうなので、そんな巨体が突っ込んで来たら避けきれないかも知れない。



「何か少し不安になって来たな、ドラゴンとか出たら俺多分少しでも距離空ける為に逃げ捲るぞ、尻尾攻撃とか反応出来る自信無いし」


「それでいいんじゃないかしら? 近くで相手するのはアタシと楓ちゃんの役目よ」


 本当に男らしいな、言葉遣い気にしなければ見た目は男らしさで溢れてるぞ……まぁ変身中は全身鎧で中身見えないからイケメンでも関係無いけど。



「早くやろうよ~! 僕もう我慢出来ないっ!!」



 落ち着かない様子の紅葉ちゃんが、俺の肩を掴んで揺さぶってきた。


「ちょっ!? 分かった! 分かったから揺さぶんな!」


 揺さぶって来る紅葉ちゃんの手を放して、クラクラする頭を軽く振ってからメニュー画面の出現を押した。





「おぉぅ、ミノタウロスとかケンタウロスが出たからミノケンタウロスみたいなのが出る可能性は考えてたけど、そう来たか」


【種族名・ミノバッタ(人造・融合種)

 ランク・B+(飛行・パワータイプ)】


【種族名・ケンバッタ(人造・融合種)

 ランク・B+(飛行・スピードタイプ)】


【種族名・キメラバッタ(人造・融合種)

 ランク・A(飛行・バランスタイプ)】


【種族名・クイーンバッタ(人造・支配種)

 ランク・A+(飛行・フロアボス)】



 見た目昆虫の羽が生えて頭部がバッタなミノタウロスとケンタウロスがそれぞれ2体の合計4体、ぶっちゃけ筋肉隆々な巨体なのでキモい。

 キメラバッタは1匹、昆虫のキメラの様でバッタの頭部に脚、カブト虫の胴体と角を持ち、尻尾が蠍になっていて縦2メートル程、全長3メートルの大きさで普通にキモい。


 クイーンバッタも1体だけだが何故か小さい、しかもどう見てもバッタの頭部と羽が生えてる以外は球体間接だけど普通に人形で女体、アレ? 何か漫画で見た事ありそうな怪人っぽさ何だけど。



「クイーンはちょっと人間に近い姿過ぎて戦い難そうね」

「僕はアレならそこまで心配しないでやれそうだよ」

「椿さんを誘惑するなんて許せませんっ!」


 ちゃうねん、ちょっと見た目がエロいから目が引き寄せられただけなんや。


 クイーンの体は、球体間接で間接部と頭部が虫な感じだが、顔は結構人間寄りで何より肌は緑色ではあるものの、柔らかそうな胸や腰付きで薄い全身タイツを着てるだけに見える、ちょっとエロい見た目だった。

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