第58話『連係ってどう鍛えるの?』
すみません、書いてる途中に寝落ちしてました。
更に地味に手間取り予定日より丸1日遅れました。
本当に申し訳無い。
15日目
昨夜、寝る前に貯まった魔力を確認したら千に届かない程度の量が貯まっていたので、とりあえず基本セットを取って残りはみんなと相談してからにする事にした訳だが。
基本セットを習得後、初級セットが習得欄に増えていた。
必要Mは三千で内容は【魔法LV2・防御魔法習得・精神統一・転移魔法習得】と、元から習得欄にあった物と無い物が混じった物が合わさった構成になっていた。
精神統一は、大気中の魔力を呼吸と共に取り込み魔力を回復出来るスキルで、転移魔法はLV1であれば短距離転移が可能になるらしい。
ちょっと急に凄いのが出過ぎじゃないだろうか? 特に転移魔法は初級ではないだろ。
みんなと相談する内容は、セット系を目指すか、それとも現時点で優先して取って欲しいのがあるかって所だな。
……あ? 例の改造を取るんじゃ無いのかって? ハハハ、戦力アップの為の分を余裕の無い段階で目指す訳無いじゃん……使う相手や見せたい相手が居ないのに取っても意味無いしな……。
ちょっ、急に優しくすんなっ! ちょくちょくからかって来るフィーアにそんな対応されたら余計悲しくなるだろ。
______________
「と、言う事で、基本セットは結構発展性があるスキルらしい、現時点では基本セットの内容自体はどの程度使えるか不明だけど、特に優先して取る必要があるスキルが無い限りは次の初級セットを目指したいんだが」
練習の為に集まって早々に、みんなに相談した。
はっきり言って現時点では優先してまで取る必要が無い、別に苦労はしてたが苦戦するほどの問題がある訳でもないので、必要性が低いのだ。
「アタシも似たような感じかしら? 攻撃力が不足してるから補えるのが欲しいんだけれど、先に長所を伸ばしてもっとしっかり守れる様にならなきゃいけないし」
桜の基本セットには【パリィ】と言うスキルがあったらしく、攻撃を受け流し易くなる効果のスキルだった様だ。
更に、初級には魔法LV2以外に【シールドアタック・防御範囲拡大・負担軽減】の3つがあって、長所と短所両方伸ばせそうな感じみたいだ。
【シールドアタック】は盾に攻撃性の高い魔力を纏わせて攻撃出来るらしく、【防御範囲拡大】は盾の周りに魔力の盾を展開して防げる範囲が広がる、【負担軽減】は盾で防ぐ際の負荷が減って吹き飛ばされ難くなる上に疲れも軽減される感じらしい。
「僕も同じかな~? まずは弓を使いこなさなきゃダメだし」
紅葉ちゃんは【照準補正】があって、狙った対象に対して多少のズレであれば軌道修正してくれるらしい……弓なのに軌道修正ってなんなんだ。
紅葉ちゃんの初級には魔法の他に【誘導射線・自動装填・空間認識】の3つ。
【誘導射線】は射つ前に射線を思い描く事で矢の軌道を思い描いた射線で放つ事が出来、【自動装填】は弓を射つ体勢になると自動で矢が手の中に現れるらしい、【空間認識】は自然と頭の中に地形や風の強さ何かの事が入って来て空間把握能力が上がる感じみたいだ。
「私はどうなんでしょうか? まだ良く分からないので、まずは私も皆さんと同じにしようと思っては居るんですが……」
楓ちゃんは【魔法剣】、何か剣に属性が込められるらしい……別に普通に魔力を込めた時と威力は大差無いが、剣に限ればどんな属性も込められるらしい。
初級には魔法の他【飛魔斬・魔力剣(小)・力溜め】の3つ。
【飛魔斬】は飛ぶ斬撃、纏わせた魔力を飛ばせ、【魔力剣(小)】は魔力で剣を作れるらしいが、小とあるので小さな短剣サイズしか作れない、【力溜め】は魔力を剣に溜める事で攻撃力を上げる事が出来るらしい……これ以上上げてどうするんだ。
今の所、全員セットを習得を目指す方向で一致した。
まぁ、まだ一階層の途中なので必要な方向性が定まって居ないし、不足した部分もあやふやなんだから、分り易いセット物を先にするのは当たり前かも知れない。
「そう言えば、連係ってどうやって鍛えればいいんだ?」
「僕は知らないよ、団体戦とかやった事無いし」
「私も分かりません……誰かと一緒に協力して何かをした事もありませんし」
「と言うか、アタシ達って元の世界に未練が薄い人ばっかりの筈よね? つまり余り深い人間関係が無かったんじゃないの?」
あぁ、人と関わりが薄かった奴とか、協調性が無い奴しか居ないのか。
紅葉ちゃんは我が強そうだし、桜も割と我が強い、楓ちゃんは逆に押しが弱そうなので流されやすいタイプだろう……特定の対象を除いて。
勿論、俺も協調性は無いだろう、学生時代も個人行動しかしてなかったしな。
4人で頭を悩ませて居ると。
「皆さん、もう集まっていましたか、修練迷宮での課題は見つかりましたか?」
キリエが来た、この状況では救世主に見えるわ。
早速キリエに相談すると。
「修練迷宮の中で実戦練習を重ねればいいのでは? 一階層から下に行かなければ何時でも使用して構いませんし」
「行っていいんだ……」
拍子抜けした、流石に勝手に行ってもいいとは思わなかった。
「流石に事前に報告して貰いますが、菊次郎殿からも危険性は低いと聞きましたし、むしろ戻るのに余り時間は掛からないので魔装具強化の為に積極的に行って頂ければ助かりますね」
あぁ、ギルドで依頼を受けるとすぐに戻れないし、魔装具を強化するのに比べると、そこまで戦力強化に飛躍的な効果無いよな。
「実戦に勝る訓練はありませんが、ギルドで依頼を受けての実戦は効果的ですけど、流石に4人では周辺の依頼だと弱い相手しか居ませんし、遠くに行かれると困りますので許可出来ませんから、4人での実戦は修練迷宮でお願いします」
釘を刺された…………ん? と言うか、休日じゃ無くても4人じゃ無ければギルドで依頼を受けに行ってもいいのか?。
「それも事前に私かギュンター殿に聞いて頂ければ許可しますよ、勿論街周辺以外の依頼は私達も困りますので事前に相談して頂ければ検討はしてみます」
割と活動していい範囲は広くなってたらしい。
流石に簡単に戻れない所に行くのはダメみたいだが、それでもある程度考えてくれはする様だ。
「どうしますか? 修練迷宮へ行くのであれば、この場で許可しますよ」
勿論、修練迷宮一択で。