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第53話『修練迷宮第一層、中編』

申し訳ありません。

普通に早い段階で完成してたのに投稿するの忘れてました。


 次のフロアに着いて魔獣を出現させると……入ってきた通路が塞がった。

『言い忘れていましたが、初回を除いて出現コマンドで敵性体を出した際は、出入口は閉鎖されます』


 先に言えよ、まだ余裕あるし増援が無い分楽だけどさ。



 現れた魔獣はミノタウロス1体に、熊の胴体に熊の頭部を持つ人形の上半身が生えた、ちょっとバランス悪そうな奴が1体の計2体だ。


 コレじゃない感をビンビンに感じつつも、初見の魔獣のステータスを見てみると。


【種族名・ケンタウロス(人造種)

 ランク・Bバランスタイプ】


 うん、ケンタウロスなのに熊とかどう言う事だよ。


「僕、あの熊の方やるよ!」

「馬の方は相手にしたから、アタシも熊の方かしら?」


 紅葉ちゃんがかけ声と共に駆け出すと、桜もその後に続いて走り出した。


「あのお馬さんは私と椿さんの担当ですね!」

「楓ちゃん、ちょっとテンション上がり過ぎだよ」

「椿さんと2人だけの初めての共同作業ですから!」


 楓ちゃんが高揚し過ぎて剣を片手で振り回しながらミノタウロスに向けて駆け出す。


 目を爛々と輝かせ不気味に微笑みを浮かべて近付いて来る楓ちゃんを見て、ミノタウロスも僅かに後退りしている様に見える。


 楓ちゃんが飛び上がり剣を振り下ろし、ミノタウロスの腕を叩き斬ろうとするも弾き返されて後ろに飛び退いた。


「っ! 一撃で倒さない様に魔力を使いませんでしたけど、魔力無しでは流石に効きませんでした」


  弾き飛ばされた楓ちゃんは体勢を立て直し再度剣を構えると、刀身が赤く色付き始める。


 ちょっと楓ちゃんがマジでなり始めてるので、楓ちゃんにミノタウロスが倒されてしまう前に俺も攻撃しないと魔力が貯まらないと焦り、魔力弾を作り始めた。



「思った以上に手加減し難いっ!」

 魔装具の性か魔力弾が予想以上に魔力の濃度が濃く、維持も簡単になっていたので圧縮版に近い状態になってしまったので、慌てて魔力を注ぎ込むのを止め濃度を薄くしようと徐々に大きくしていく。


 いつもの感覚で魔力弾を作ると、魔力の桁が違う上、何かしら制御に補助でも付くのか、あっさり圧縮魔力弾になってしまう。

 流石に慣れない内に室内で圧縮魔力弾みたいなレーザー攻撃を撃つのは危な過ぎる。


 魔力弾を作るのに手間取ってる間に、楓ちゃんはミノタウロスの腕を叩き落としてしまい、慌てた表情で飛び退いて赤色に染まった剣の色を薄くしたり濃くしたりと、俺と同じ様に魔力の調整に四苦八苦している。



 その間にも腕を斬られて片腕になったミノタウロスは、怒り狂って楓ちゃんに襲い掛かる。


 楓ちゃんは剣で受けるも、込めた魔力が弱過ぎて弾き飛ばされたり、逆に強過ぎて攻撃したミノタウロスが傷を負い後退ったりと、ある意味一進一退の状況になっていた。


「あぁっもうっ! コレでいいやっ! 楓ちゃん離れてっ!」


 調整が上手くいかず、直径2メートル程に膨れ上がった魔力弾を調整するのを諦めて一声掛けて撃ち出した。



 撃ち出した魔力弾に対してミノタウロスは受け止めようとでもしたのか、手を前に差し出すが魔力弾が接触すると、そのまま魔力弾に押されていく。


 ミノタウロスは魔力弾に押され、どんどん引き摺られる様に壁際に追い込まれ、大きな咆哮を上げ壁と魔力弾に挟まれて押し潰された。


 魔法使いな筈なのに、バトル漫画みたいな事になってるんだが、本当に調整難しいなオイ。


「倒すだけならいいんでしょうけど、魔力が多過ぎると加減が大変なんですね」


 楓ちゃんが困った表情をして戻ってきた。


「確かに、割と少なくても倒しきってしまいそうだわ」


 いつもの感覚で作った魔力弾をあの大きさにしてさえ、あの威力だ。

 普通の大きさにするのには、少し練習してからじゃないと、毎回一撃必殺な威力かデカさになりかねない。



「紅葉達の方は私達よりは上手くいってるみたいですね」


 そう言われて桜と紅葉ちゃんの方を見ると…………え~と、苛め?。


 防御系だから強過ぎても問題無いからか、ヘイトシールドを使った桜に攻撃が全て向かうものの全て防がれ。

 紅葉ちゃんにタコ殴りされてるケンタウロスの姿が。



 見る限りでは、紅葉ちゃんの拳が緑色に見えるので魔力は使ってる様子だが、魔装具の本来の武器である弓を使って無いからか、それとも弓が遠距離用の武器とは違い拳で殴ってるからなのか威力は過剰になってないらしい。


 しかし、魔装具で増幅された魔力量がある為か、紅葉ちゃんにタコ殴りにされているケンタウロスは見るも無惨な姿になっている。


 もう一思いにトドメさしてやれよ。




「楽しかった~」

「ちょっと時間が掛かり過ぎだったかしら?」


 結局そのまま倒れるまで殴り続けてケンタウロスを倒した2人が戻ってきた。

 次からは2人でやる際は組み合わせを変えた方がいいかも知れない、流石に相手が悲惨過ぎる。


「そっちは紅葉が弓を使わなかったから決め手に欠けたみたいですけど、こっちは逆に威力が出過ぎて大変でした」

「両方攻撃系だからだろうな、魔力を使わないと余り効かない割に、使うと一撃で倒しかねないから加減しないといけないのに、加減が難しいわで戦いにならないって言う有り様だよ」


 桜達の戦いからすると、一思いに俺が前衛で楓ちゃんが後衛でやった方が丁度いい感じになったかも知れない。

 流石にあんな巨体に魔法の杖的な短い棒切れ一本でやり合う自信は無いので、多分やる事は無いが。


「……修行不足じゃな、手本を見せてやるから練習しながら見学しておれ」


 唐突に菊次郎爺さんが近寄って来て一声掛けると、中央に向かって歩き出した。


 手本って言うか、アンタ回復職じゃん。

 しかもモンクとかの様な武闘派僧侶じゃなくて、ナースじゃん。

 幾ら規格外でも、手加減の方向性違うから見本にはならないんじゃ。



 と思って居たら、出現させたミノタウロスとケンタウロスの内、ケンタウロスの方を出て来て早々にぶん殴って瞬殺した。


 加減はどうした! ?。


「儂が全力で殴ればこうなる訳じゃが、適度に手加減をすれば」


 菊次郎爺さんは言葉の途中でミノタウロスを殴ると、ミノタウロスが吹き飛んだ。


「こうなる訳じゃな、見よ派手に飛んではおるが、そこまで負傷はしとらん」


 あ~、負傷してないって言う割に凄く悶え苦しんでるんだけど、どう殴ったんだよ。

 さっきのケンタウロスより哀れに見えるわ。


「この様に手加減が出来ておれば、生かさず殺さず適度な威力で攻撃出来るんじゃ」


 うん、それは手加減やない、ある意味手加減だけど多分違う。

 あぁっ! 立ち上がったミノタウロスが脚に蹴りを叩き込まれ跪いた所に拳で顎に追撃のアッパーを食らい仰向けに倒れて、また悶えてる! 何と哀れな。




 とりあえず、そのまま菊次郎爺さんの蹂躙劇を横目に、俺と楓ちゃんは魔力量の調整を練習、桜と紅葉ちゃんは素手や盾で殴る時の威力を上げる練習をした。


 しかし、紅葉ちゃんは何故普通に弓を使わず素手主体の練習してるんだろうか?。

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