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第51話『修練迷宮突入前』

あ~、申し訳ありません。

思ってたより長めになったので、前回言ってた所まで届きませんでした。

本当は中に入って初遭遇辺りまで書こうと思ったけど、時間とそこに辿り着くまでの文字数のイメージから考えて、無理だと諦めました。


 扉を開けて外に出て最初に目に入ったのは、深い森の中にある近代的な建物だった。


 今まで見た建物は木造や石造りの物だけだったが、木々の中にある建物は、明らかに金属製で近未来的な風にすら見える。


「全員来ましたね、あれが修練迷宮への入り口がある遺跡です」


 建物を見てる内に菊次郎爺さんが出てきたらしい、キリエが建物の方へ手を向けて話し始めた。


「中に入る入り口は少々分かり難いので、みなさん忘れない様にして下さい。

 忘れてしまうと、入り口を探すのに手間取ってしまいますよ」


 確かに、見える範囲では入り口らしき所は見当たらず、壁しか見えない。

 入り口は見当たらないが、流石に裏側に出る様になってるとは思えないので、この一面壁にしか見えない中に入り口があるのかも知れない。


「この、手形の付いた所に手を当て押し込むと……」


 キリエが壁にある手の平の形になっている所に手を当てて押すと、その部分が沈み込んだ。


 すると、何処からか電子音の様な音が鳴り、空気の抜ける様な音が聞こえた瞬間、壁にしか見えなかった所に隙間が空き、自動ドアの様に左右に開き始めた。


「開けて30秒程経つと勝手に閉まってしまうので、早めに入って下さい」


 そう言うとキリエは中に入って行ったので、全員後を追い建物の中に入って行く。

 勝手に閉まるとか、本当に自動ドアっぽい。



 中に入ると、何処と無くSFっぽい感じで宇宙船の通路にでも入り込んだ様な印象を受ける。

 明らかにオーバーテクノロジー感が強いんだが、マジで何なんだ、この建物。


 通路を抜けると、小部屋に何やら半透明の薄い膜状の何かが見える通路への入り口があり、その上が黄色く光っている。

 その入り口の脇にはレンが立っていた。


「問題は無い様ですね」

「ん……形跡無し……不具合……無い……」


 キリエがレンに近寄り話し掛けると、レンは頷いて返している。


「コレが修練迷宮の入り口になります。

 入り口の上部の光りは、現在の遺跡内部の状態を表し、黄色であれば内部に人は居らず休止状態、青色であれば魔装具で変身した者が使用中、赤色の場合は誰かが中に居る為使用不可になっている状態です」


 中に入るだけなら、魔装具が無くても問題無いらしい。

 赤色は安全装置みたいなモノで、魔装具を使ってない奴が居た場合、魔獣が出ないとか機能が動かない様になっているんだろう。

 ちょっとこの建物性能高過ぎな気がするんだが、別にそんな事無いんだろうか? 魔法もある世界だし。


「皆さんには早速入って頂きたいのですが……遅いですね、宮子が連れてくる筈なのですが」


 キリエがそう呟きながら、入って来た方に目線を向ける。

 宮子って言うのは、機工士として紹介された関西弁っぽい女の人なので、彼女がフィーア達を連れてくる筈なんだろう。


 フィーア達が居ないと変身出来ないので、来ない事には入れないしな。


「宮子が来るまで、もう少し説明しておきましょう」


 キリエは入って来た通路から目線を外し、こちらに向き直る。

 と言うか、来てたら説明する気無かったのか?。


「魔装具には魔法障壁が備わっているので、油断せずに戦えば怪我の心配はありませんが、障壁の耐久値が少なくなって来た場合は無理せず帰還して下さい。

 初回ですし、何より魔装具を使いこなす為にやっていますから、命の危険を被ってまで進む必要はありません」


「心配せずとも、危ないと判断した時は儂が止めるわい、それが年長者の役目じゃからの」


 この爺さん男前やな、菊次郎爺さんが主人公何じゃないだろうか、超人的だし。


「菊次郎殿が手を出す前に、彼等が判断して危険を減らせる様にならないと菊次郎殿に頼り切りになってしまいます」


「むっ? 確かにそうじゃな、己が意思で争いに向かうならば甘やかし過ぎてはいかんか」


 スパルタと言う程ではないが、割と厳しい。

 確かに今分かる範囲じゃ一階層程度なら難易度高くないから、流石に菊次郎爺さんが手を出したら簡単になり過ぎるだろうから仕方ないけど。


「障壁の耐久値は自然回復か、入ってすぐの部屋で各自の項目に追加された所から回復する事が出来ます。

 しかし、自然回復は変身してない状態でしか回復しないので、内部では回復する事は出来ませんし、項目から回復を使う場合は蓄積魔力を消費してしまうので、現時点ではオススメしません」


 へぇ~、メニューに回復まで出たりするんだ、使用出来る場所は限定されてるみたいだけど。



「お~い、来たで~遅うなってすまんなー」


 唐突に入って来た方から声が聞こえてきた。

 そちらに目を向けると、通路の向こうからフィーア達を引き連れた宮子が、急ぐ事なく普通に歩いてきてるのが見えた。


「宮子! 遅れたと分かっていながら何故歩いているんですか! 悪いと思うなら駆け足で来なさい!」


「ウチはキリやんみたいに肉体派やのうて頭脳派やもん。

 それに悪ぅないのに、この子等を走らせるんも悪いやん」


 宮子はキリエの目の前に歩み寄ると、キリエの言葉を軽く流してフィーア達を指差す。


 まぁ、確かにフィーア達には何の非も無い。

 それよりも、何故彼女達は体操服になっているんだろうか?。


 しかも、アイン以外は全員ブルマ、小さいがちゃんと男の子な筈のドライもブルマだ。

 流石に不本意らしく、不機嫌な表情を……いや元から不機嫌な表情がデフォルトだったか?。

 フュンフ何かはそう言うプレイにしか見えない。


 唯一ブルマじゃないアインは普通にジャージだ、女がブルマならソコは短パンじゃねぇのかよ。


「まぁいいです。

 そんな事より少しでも多く戦える様に彼等に早く入って貰いたいのですが、彼女達は問題ありませんか?」


「ほんま脳筋やな~…………ん? ウチ等の事は気にせんと先に変身しといて構わへんで? それともウチ等にじっと見られながらの方がええんか?」


 宮子の言葉聞いてすぐにフィーアの方へ駆け出した。

 あんな変身シーン何て、人目の中で注目を浴びてやりたく無いわ!。





 変身は済ませた。

 何か若干演出が違った気がするが、気のせいだ、パンチラを誘発させる様なポーズに変わってた何て事は無い、無いったら無い。


 俺が変身シーンをしてる間に紅葉ちゃんと菊次郎爺さんは変身を済ませたらしい、菊次郎爺さんの変身シーンを見ないで済むのは助かる。


 桜と楓ちゃんは、俺の変身シーンをじっくり鑑賞してたから、まだ変身してない。


 クソッ、せめて楓ちゃんの変身シーンをじっくり堪能してやる!。




 ふぅ、堪能した……ちょっと桜の変身シーンも視界にチラついて集中出来なかったけど。

「……興味深い……」


 うおっ! いつの間にか隣にレンが立っていた。


 漏らした言葉通り興味津々なのか、桜と楓ちゃんを頭から足まで見比べた後、唐突にこっちに目を向ける。


「……ちょっと……見せて……」

「へ? こんなの見てどう……ちょっ! 服の中に手は……スカートの中はもっとマズイから!」


 最初は生地を観察する程度だったが、興味津々過ぎて途中から服の下がどうなってるかも気になったらしい。

 お腹の辺りから手を入れたり、直球にスカートの裾を掴んで勢いよく捲られたり。

 スカートの中まで触ろうとしたのは全力で阻止した。



「……っ……痛い……」

「何をやってるんですかアナタは!」


 話が終わったらしいキリエがこちらに気付いてすぐに駆け寄って来て、レンに拳骨を食らわせていた。

 レンも相当痛かったのか、頭を押さえて涙目になっている。


「レンや宮子にはこの後、たっぷりと説教です」


「え~、さっきのでウチはもう終わったんやないの?」

「……不本意……観察は……大事……」


 怒った表情のキリエに、宮子やレンは不満そうだが、怒られた方がいいと思います。

 レンは特に、女の子が男の体をまさぐるとか、目覚めちゃゲフンゲフン……はしたないだろ。



「さて、皆さんに遺跡内部へ入って頂きますが、気になる事は皆さんの中に居るアンドロイドに聞いて下さい。

 彼女達は元々遺跡の事を記憶していますから、恐らく私達より詳しく知っているでしょう」


 ん? 何か気になる事を言われた様な……自分達より詳しい? 元々記憶してる?。

 フィーア達よりこの遺跡の方が後に作られたとか?。

 んなアホな、魔法的な要素を除いた純粋な科学技術はどう見てもこの遺跡の方が科学的に進んでそうだろ。


「早く行こうよ~」


 待ちきれないのか、紅葉ちゃんが駆け出した。

 まぁ、今はいいか。


 紅葉ちゃんに続けて楓ちゃん、桜と入って行くのに遅れない様に後を追って中へ入って行った。

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