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第50話『修練迷宮へ行こう』

ダンジョン的な所に入った所まで書けるかな~?。

と思いきや、ギリギリ入ってなかった。

読者さんが少ないとは言え、今回は面白味の薄い回かも知れません。


現時点でのこのダンジョン的な所に登場するモンスターは、割と【何か少しおかしい?】と言う様な感じになる予定なので、数少ない読者様は次回は楽しみにしてて下さい。


 昼食を済ませ5人で練習場の前に行くと、キリエ以外にも歓迎会の時に見たレンが居た。


 何やら扉の前でやっている様で、扉に手を付いて魔方陣を出し小さな声で呟いたと思えばしゃがみ込み、また魔方陣を出す、と言った事を繰り返している。


「あぁ、少々お待ちください。

 レンに頼んで入る準備をしている所なので、今しているのは皆さんの分の修練迷宮への通行許可証を作成してるんですよ」


  そう言われてレンをよく観察してみると、足元に指輪が4つ置かれていた。

 しゃがみ込んでいたのは足元の指輪を拾っていたらしい。


「ん……最後の……仕上げ」


 しゃがみ込んで地面に5つの指輪を置くと、指輪を中心に魔方陣を描き、レンが手をかざすと魔方陣が輝き始めた。


「……完成……問題…………無し」


 1つ1つ拾い上げては目を細めて5つ全てを確認すると、キリエに差し出した。


 キリエがレンから指輪を受けとると、振り返って俺達に1つずつ手渡してきた。


「その指輪が修練迷宮へ転移する魔方陣がある部屋への許可証です。

 嵌めた指に同化する為、紛失する心配はありませんが、認証は嵌めた方の手でしか出来ないので、どちらの手に嵌めたか忘れない様にして下さい」


 同化するって、若干怖ぇな。

 他の4人は早々に指輪を嵌めているので、俺も嵌める。


 指に嵌めた指輪はゆっくりと溶ける様に吸収され、見た目では全く分からなくなった。


「点検……先行く……」


 レンがキリエの服の裾を引っ張り、短い言葉を伝えると扉に手を当てた途端、姿を消した。


「中に入るには許可証を嵌めた方の手で扉に触れると、彼女の様に直接部屋の中に転移します。

 触れると自動的に飛ばされるので、普通に練習場を使う時は許可証を嵌めた手で触れない様に注意して下さい」


 扉を開けたりする必要は無いらしい、強制的ってのは忘れてたらマズいな。

 まぁ、忘れて飛んでったら恥ずかしい位だろうけど。


「私は全員入ったのを確認してから行きますので、お先にどうぞ」


 キリエは扉の正面から少し横に退けると、手を扉の方へ向けて先に行く様に促してきた。


「僕1番乗り~」


 紅葉ちゃんは1番に駆け出して、扉に手を付き消えていった。


「こらっ! 紅葉ちゃんはみんなを待ってじっとしてられないでしょ! すみません心配なのでお先に失礼します」


 楓ちゃんは大きな声を出すが、一足遅く既に中に入った後で、こちらへ軽く頭を下げると慌てて紅葉ちゃんの後を追って消えていく。


 保護者か、昨日1日で随分打ち解けたみたいだ……正しくは振り回されて遠慮が無くなっただけかも知れないけど。


「あらあら、あの達は随分仲良くなったみたいね~、アタシも椿ちゃんと親睦を深めるのを優先すれば良かったかしら?」


 止めてくれ、せめて可愛かったり綺麗ならまだしも、普通に男な見た目のオネエと親睦を深めるとか、勘弁して欲しい。

 そう思いつつ若干後退る。


「あら、そんなに怖がっちゃって、もっと時間を掛けてゆっくり仲を深めた方がいいかしら?」


「そんな事はいいから先に行けよ」


 自分が先に行ってもいいけど、何となく後の方がいいので桜に早く行く様に促す。


「ん~……嫌われちゃったかしら? 先に行ってるわね」


 桜は肩を竦め、扉に手を付いて消えていった。


 桜が行った後、菊次郎爺さんの方を見るが、動く様子は無い。

 それを首を傾げて見ていると。


「儂は最後で構わん」


 菊次郎爺さんはそう一言口にして、腕を組んで目を瞑ったまま微動だにしない。

 先に行く気は全く無いらしい。


「なら、お言葉に甘えて先に行かせて貰います」


 目を瞑っているので見えてないだろうけど、軽く頭を下げ扉の前に立った。


 手を翳し扉に触れた途端、目の前が真っ白になり、次の瞬間には目の前には、広い空間の真ん中にポツンと魔方陣が床に描かれただけで他に何も無い空間が広がっていた。


 先に入った4人はレンを除いて床に描かれた魔方陣の側で、物珍しそうに魔方陣を見ているみたいだ。

 レンは何処に行ったんだろうか?。


 3人の方へ近寄っている最中に、後ろの方で何か光ったのを感じて振り返ると、光の粒子が集まり人の形になって菊次郎爺さんが姿を表した。

 俺もあんな感じで出てきたんだろうか、入る時はあっさりしてたのに出る時は派手だな。


「これ凄いよ! ほらほら!」


 紅葉ちゃんがテンション高く、魔方陣の方へ手を差し出して……おぉ!? 手が消えてる!。


 更に紅葉ちゃんが楓ちゃんに引っ張られて手が引き戻されると普通に戻っていた。

 あの魔方陣は転移と言うよりは、常時繋がったままになっているらしい。



「お待たせしました……レンが見当たりませんね」

「コレをササッと見終わったら先に行くって言って、この中に入って行ったよ~」


 紅葉ちゃんが入った時はまだ居たみたいだが、すぐに先に進んだらしい。


「はぁ……まぁ所詮は中継地点なのでいいんですけど。

 えー、まずはココが修練迷宮への中継地点になっていて、そちらの魔方陣から修練迷宮へ行けます。

 戻る場合は入って来た時の様に後ろの扉に許可証を嵌めた手で触れて下さい。

 入る時同様に練習場の前に転移します。

 ココの扉は扉の形状をしていますが、別に開いたりしませんし、普通に扉の向こうは何も無い只のフェイクです」


 あぁ、何か菊次郎爺さんが出てきた所より奥に普通の扉があるな~と思ってはいたけど、他に部屋があったり何処かに繋がってる訳じゃないみたいだ。


「向こうで勝手に動かれると危ないので、今度は私が先に行きますので、私の後に続いて入って来て下さい」


 キリエは言い終わると同時に魔方陣の中に足を踏み入れると、見えない空間に入っていく様に消えていった。


「お~! 凄い凄い! 僕も行くよ~」


 紅葉ちゃんは跳び跳ねてはしゃぐと、魔方陣にの中に走って入っていった。


「もう、よく分からないから走っちゃ危ないかも知れないのに紅葉ったら」

「元気よね~」


 後に続く様に楓ちゃんと桜が入って、残ったのは菊次郎爺さんと2人になった。


「追わんのか? 儂は年長者として殿は譲らぬぞ?」


 うん、しんがりとか言い回しが古いし、何か意味が違う気もするけど、やっぱり最後になるまで動く気は無いらしい。



 魔方陣の中に足を踏み入れると、見た目には消えているが、普通に地面を踏み締めている感覚がある。

 魔方陣を境に向こう側と繋がってるって事だろう。


 そのまま進むと、景色が切り替わる様に見える風景が変わ……いや言う程変わって無いな。


 出た先は、対して違いが無く、違いと言えば先に入ったキリエ達が居るのと、さっきの所にもあった普通の扉がある位だ。


 みんなの側に行くと、丁度菊次郎爺さんがこっちに出て来た。

 あ~、何か出て来方がちょっと気持ち悪い、何も無い所からゆっくり出て来る感じなので、きっと手や顔だけ出してたら軽くホラーになりそうな感じだな。



「ここは、遺跡の入り口の隣に作られた専用の建物の中になります。

 こちらは先程の中継地点とは違い、あの扉を開けて外に出るんですが、中継地点に入る時と同様に許可証を嵌めた方の手でしか開きません」


 見える様に扉の脇に立ち、ドアノブを回すが、引っ掛かった様に回らない。


 反対の手でドアノブを回すと、普通に回り扉が開いた。


「1人ずつしか通れない様になっているので、注意してください」


 そのままキリエが外に出ると、勝手に扉が閉まった。


 オートロックかよ。


「2人同時に出ようとするとどうなるんだろうね?」

「流石に何があるか分からなくて危ないし、私は手伝わないよ」


「気になるんなら、外に出た後に直接キリエに聞いたらいいんじゃないかしら?」


 紅葉ちゃんは楓ちゃんと桜を交互に見て、諦めたのか項垂れてたと思いきや。


「手伝ってくれないなら、キリエに聞くだけで我慢するよ、もう!」


 不貞腐れつつ、扉を開けて外に出て行った。


「紅葉ったら、本当に我が儘なんだから」


「楓ちゃんも大変そうね~」


 楓ちゃんが文句を言いつつも、笑みを浮かべて紅葉を追う様に扉を開け。

 桜はその2人を微笑ましそうな表情をしながら、後に続く。



 あ~、うん、菊次郎爺さん最後なんだよな。

 チラリと、目線を向けるが、じっとこちらを見たまま動きそうに無いので、先に扉を開けて外に出た。

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