表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/121

第49話『半端にフラグが回収されました』


 ギュンターとの話が終わった後、朝食を済ませいつもの様に練習に行くと、既に全員……いや珍しく菊次郎爺さんも居た。


「やっと皆さん揃いましたね、今日はギュンター殿からの進言があり、魔装具を本格的に使いこなす為の鍛練の場、修練迷宮を経験して頂きます」


 体験って事は今日から? 行動速ぇよ、速攻フラグ回収とか望んでないから。


「修練迷宮は入る事は誰でも可能ですが、魔装具を使用している者以外が居ても機能しません。

 なので皆さんだけで入って貰う事になります。

 その為、回復が行える菊次郎殿も含めた5人で挑戦し、チームワークも同時につけて頂きます」


 菊次郎爺さんの方を見ると、顎に手を添え首を傾げている。


「儂はこの子達の事を殆ど知らぬが、そんな状態では協力して戦うなぞ出来ぬのでは無いか?」


「菊次郎殿はこの中でも抜きん出た経験をお持ちなので、最初の内は菊次郎殿には皆さんのサポートと回復をお願いしたいと思っています」


 菊次郎爺さんは腕を組み納得した様に頷く。


「うむ、儂は戦いを見守りつつこの子達を知ってから共に戦う術を考えておればいいんじゃな」


「しばらくは一階層に限定しますので、無いとは思いますが彼等が危なければ助けに入って頂く程度で構いません」


 俺達4人に加え、菊次郎爺さんが居るなら楽勝と思っていたけど、別にそんな事無かったらしい。

 まぁ、魔装具アリで4人の時点でも割と難易度高く無さそうだけど。


「今日中にでも入って体験して貰おうとは思っていますが、修練迷宮の説明は勿論の事、アンドロイド達の準備も考えると入るのは昼食を済ませ昼過ぎからになるでしょう」


 流石に説明はしてくれるらしい、ちょっとホッとした。


「まず、修練迷宮についてですが、魔装具を使う者が短期間に濃密な戦闘経験を積み魔装具に魔力を貯める為に存在する遺跡です」


 まぁ、最初の段階から最低でもBランクって時点でかなり濃密になるのは仕方ないと思うわ。

 ギルドでもランクが上がる程貼り出されてた依頼の数が減少してたから、外で高ランクの魔獣を続け様に相手をするのは難しいだろう。

 何より、高ランクになる程距離が離れてる依頼が多かったので、物理的に連戦は無理だ。


「修練迷宮には、内部に誰も入っておらず、魔装具によって変身した者が遺跡を起動させる事によって挑戦する事が可能になります。

 その時、内部に変身した者以外が存在した場合は、遺跡が起動しません」


 実際はどうかは分からないが、変身してからじゃないと使えない感じみたいだ。

 と言うか、魔装具を持っていて変身しないまま中に入ろう何て戦闘狂なチャレンジャーは居ないだけかも知れないけど。


「遺跡を起動させると空間的に隔離された別次元に変わるのか、魔装具による攻撃であろうと床に壁や天井等が破損する事はありません。

 味方を巻き込まない様に注意は必要ですが、遠慮無く敵を攻撃して構いません」


 何て便利空間、でも効果範囲が広過ぎるのは、屋内と言うイメージなので危な過ぎて遠慮してしまう気がするよ。


「十階層まで存在しているのは確認されていますが、起動状態では七階層までしか到達した記録はありません。

 六階層から敵の数が増え、得られる魔力も極端に減少している為、そこからは複数人によるチームで戦闘経験を積む為に存在しているとされています」


 五階より先は魔装具を使っていようとソロでは困難なレベルの難易度らしい。

 どんだけヤバいんだよ。


「起動した遺跡内部に入ると、一階層への扉と各階層への転送陣が存在する大広間があります。

 勿論、転送陣は入ってすぐには使用出来ないので一階層への扉から一階層へ行く事しか出来ません。

 各階層には階層主と名称された魔獣が存在し、階層主を倒すと大広間への転送陣が現れ、大広間で次の階層への転送陣が使用可能になります」


 階段を下って行く形式では無いらしい。

 ボスは居るが、罠は勿論だが宝箱も無し、やっぱりドロップとかも無いんだろうな~……若干つまらん。


「起動した遺跡内では【エスケープ】と言う機能が魔装具に追加され、何時でも大広間に帰還する事が可能です。

 再度入る際には挑戦中の階層を最初からやり直す事になりますが、流石に一階層からとはなりませんので万が一の時や、こちらから連絡があった場合は悩まず使用して下さい」


 流石にリタイアしたからと言って、振り出しに戻る、なんて質の悪いシステムでは無い様だ。

 新しい階層に挑戦する際は、軽く偵察程度にして戻り作戦会議と言う手法が使えそうだ。


「遺跡内部では外の様子や時間等が分からなくなる為、アンドロイド達に新しく時計の機能を追加しています。

 魔装具の項目に現在時刻が追加されている筈なので、上手く活用し遅くなり過ぎない様にして下さい」


 時計が追加されてるらしい。


 ちょっと気になってメニューを表示してみたが、以前と変わった所は無かった。

 多分、フィーアと一緒に変身しないと使えない、もしくはフィーアの方に追加しただけなので、俺の方は変身したりして更新しないと追加された機能が使えないって事なんだろう。


「魔装具には障壁が備わっているのはご存知かと思いますが、遺跡内部では大広間のみ時間経過で回復していきます。

 障壁の耐久値が少なくなって来たら、無理せず大広間に戻り回復するまで休憩して下さい」


 防御障壁は大広間でしか回復しないらしい、簡単に言えば大広間が補給場所になっていると言う事か。


「修練迷宮は一階層でも最低Bランクの魔獣が徘徊し、階層主はAランクの魔獣と同等の強さを持っているそうです。

 次の階層へ進む度に魔獣の強さは増し、過去最高の七階層では単純な強さで言えばSランクを上回る強さを持つ魔獣が群れで襲って来る程、危険性が高いと記録に残されています」


 Sランクの魔獣処か、Aランクでさえ見た事無いけど、そんなボスクラスが集団で襲って来るらしい。

 しかも、それでさえ最深部では無いとか、確かに儲けが無いのに難易度激高な所を無理してまで攻略しようとする奴が居ないのも当然だろう。


「今の所はこの位ですね、何か聞きたい事はありますか?」


 キリエが質問を促すが、誰も手を上げない。

 と言うか、恐らく質問する内容が思い付かないんだろう。

 勿論、俺も思い付かない。


「では、少し早いですが昼食を取り、魔法練習場の扉の前に集合と言う事で、解散」


 あっさりと説明は終わり、解散と言われたものの、全員一緒に食堂に向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ